二次創作小説(新・総合)

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戦士たちの愉快な日々3
日時: 2022/10/19 08:15
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

こんにちは、初めての方は初めまして。
女剣士と言います。
前作のお話が無事に完結したので、新しいスレッドを立ててみました。

今回の主役は、ドラゴンクエスト ダイの大冒険より主人公・ダイとFE 蒼炎の軌跡からアイクです。

始まりの舞台は、カントー地方のマサラタウン。
12歳の期待の勇者・ダイはその日、初心者用ポケモンを貰うことになります。
深く悩む彼に、もう1人の主人公・アイクはダイにある助言をします。

注意事項は前作に書いてありますので、よく読んで下さい。

第1章:仲間たちとの再会>>1-67
第2章:仲間を守る為の力>>68-132
第3章:お帰り、ポップ>>133-190
第4章:仲間たちの新たな決意>>191-226
第5章:避けられない運命>>227-

182話>>228
183話>>229
184話>>230
185話>>231
186話>>232
187話>>
188話>>
189話>>
190話>>
191話>>
192話>>
193話>>
194話>>
195話>>
196話>>
197話>>
198話>>
199話>>
200話>>
201話>>
202話>>
203話>>
204話>>
205話>>
206話>>
207話>>
208話>>
209話>>
210話>>
211話>>

〜コメントしてくれた読者様〜
さくら餅さん>>7
にんふぃあさん>>127
らるさん>>166

〜コメント返し〜
さくら餅さん>>8
にんふぃあさん>>128
らるさん>>167

登場人物紹介
キャラ紹介>>107 >>108
リクエスト応募>>94
作者とキャラたちの雑談会>>67
家族一覧
第5章で追加される登場キャラ一覧>>
簡単なあらすじ紹介>>98 >>132 >>190 >>226
ネタ紹介>>143
味方キャラ紹介
敵キャラ紹介
主なCP表>>33
作者流のBGM設定>>22
作者からのお知らせ>>9
作者の呟き>>48
今後の展開と状況>>6 >>31 >>85 >>95 >>181 >>196 >>206

〜ゲストキャラ提供者〜
ネルさん作:カオスな日常〜大丈夫ではない〜より

・ドロッチェ
・ドロシア
・ドロッチェ団

ベリーさん作:ポケモン二次創作 最期の足掻きより
※こちらの作品は≪ポケモン二次創作 最期の足掻き本編とは一切関係ありません≫

・シュウ
・リゼ
・タツナ
・ミソウ
・レイ
・ユウ
・ダミ

〜取扱ジャンル〜
ドラゴンクエスト ダイの大冒険/クロノ・トリガー/スマブラシリーズ/フルーツバスケットシリーズ/ポケモンシリーズ/半妖の夜叉姫など

スレッド誕生日:7月14日

Re: 戦士たちの愉快な日々3 ( No.89 )
日時: 2022/08/21 22:32
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第69話「ポップとレオナ、これからの2人の誓い」

【カール城 レオナの部屋】

『カチカチカチカチカチッ…』

レオナ「…………」

あの島でダイ君と初めて会ったのは、14歳の時。
あの時はバロンや大臣が何かをくわだてているとは知らなくて、あたしは少し警戒をしていた。
それに大臣も大臣で少しだけ怪しかったし、どうして急に怪物たちが沢山いるデルムリン島で儀式を行うって言い出したのかが気になっていたの。
ううん、今のダイ君の事はポップ君がよく分かっているから大丈夫だけどね。
以前キスティスから、こんな話を聞いた事があったのを思い出したわ。

【回想:カール城 女子部屋】

レオナ『ええっ?! キスティスって以前はスコール君に好意を抱いていたの?』
キスティス『ええっ。でも、随分昔の話だけどね!』
マァム『ふふっ。何だか当時の私みたいね!』
ファイサリス『うんうん。でもそのスコールって、何らかの件がきっかけでリノアを気にするようになったとシャルロット先輩から伺っているんだ。』
マァム『そうよね。前にダイから似たような話を聞いた事があったわ、かつてイデア先生との闘いの後にリノアさんは昏睡状態になってしまったんでしょ?』
ファイサリス『うん。それでね、彼女を背負ったまま宇宙ステーションまで行ったのはいいんだけど。その直後辺りから………リノアがある奴に操られていたんだって!』
マァム『つまり。その頃のリノアを支配していた当時の元凶がかつての時を操る魔女、アルティミシアだったと言う事ね………?』
ファイサリス『うん。流石マァム、話が分かるね!』
マァム『ふふっ! ダイと一緒に暮らしていた頃にね。当時彼と行動を共にしていたゼルが一度だけ私たちの所に来てくれた事があったのよ、自分たちのいた作品を追体験すれば。私たちの知らないスコールを沢山知るチャンスが来るって彼は言っていたわ!』
ファイサリス『へぇ〜、凄いよマァム! ゼルに負けない位の物知りさんだね!』
マァム『あははははっ!』
レオナ『…………』

あの頃から、マァムは変わって行ったのね。
今のマァムはダイ君を1番に考えていて、あたしの時しか普段見られなかった筈のダイ君の涙を彼女はしっかり見ている。
だからあたしはその時点でハッキリしたの、今のダイ君を任せる事が出来るのはマァムしかいないと。
ファイサリスと楽しく話をしている時のマァムは、あの頃から相変わらず変わっていなかった。

【バルコニー】

???「おっ? どうしたんだよレオナ、こんな時間によ!」
レオナ「キミと同じで。眠れないの……」
ポップ「そうか………」
レオナ「…………」
ポップ「なあ、レオナ………」
レオナ「何? ポップ君」

BGM設定:クロノ・トリガーより夜の底にて

ポップ「……。今回の奇襲作戦、絶対に成功させような!」
レオナ「………。ポップ君………」
ポップ「俺さ。あれからかなり悩んでいたんだけどさ、この奇襲作戦が無事に終わったらさ。レオナと色んな所に旅行したいと考えていたんだよ。」
レオナ「えっ………?」
ポップ「勿論。新婚旅行以上の長期旅行になっちまうからさ、その前におれの実家に顔を出したいんだよ。」
レオナ「つまり、キミの故郷・ランカークス村に一旦帰るって事?」
ポップ「ああ。そこで親父と母さんに今までの経緯いきさつを報告したいんだ、勿論無理にとは言わねぇ! 俺について来るか来ないかは、レオナ自身に決めて貰いたいんだからな………」
レオナ「………ッ!!! う う う………」
ポップ「やばっ。やっぱり、不味かった………スかね………?」
レオナ「違うわっ!」
ポップ「…………ッ!!!」

『ガバッ』

レオナ「………………」
ポップ「おっ………。おいレオナ、今日はどうしちまったんだよ? やっぱり、おれと一緒に行くのは嫌だったのか?」
レオナ「ううん。違うのポップ君、嬉しいの!」
ポップ「………。先に断って置くぜ、実家にいるおれの親父だけど。俺が餓鬼の頃から1人息子のおれにだけかなり冷たいからよ、レオナも十分に気を付けた方がいいと思うぜ?」
レオナ「ふふっ。吹っ飛ばされたりしても、あたしも一緒に吹っ飛ばされたりするのも悪くないわ!」
ポップ「ばっっっ。ばっか野郎! 一国の王妃である前におれが最も大切にしている女によ、そんな痛い思いを俺が平気でさせる訳ねーだろうが!!」
レオナ「あら。ポップ君が普段から受けている傷は、あたしの傷でもあるのよ?♪」
ポップ「うっ………!?」
レオナ「それに。ポップ君がどんな事をしているのか、凄く興味があるもの!!」
ポップ「……。大戦時の頃からそのハッキリした態度を見せるのは全然変わってねーよな、レオナの姫さんはよ(汗)」
レオナ「ふふっ。 ………それにポップ君! あたしがキミと結婚する前からあたしのことは「レオナって呼んで!」と何度言ったら分かるのよ、もうっ!!////////」
ポップ「…………」

そういやぁ、ダイの奴もこんな感じでレオナに強く言われた事があるって大分前に聞いたな。
以前のマァムは大切にしている魔弾丸をレオナ救出の為に使い切り、あの頃のおれは魔法力が尽きてしまったせいで……マァムの側から全然動けなかったのを今でも覚えている。
もしミナカトールの儀式で危篤寸前のメルルに問い詰められた時、おれの好いている人がマァムじゃなくて………今もずっと側にいてくれるレオナだって堂々と白状したら多分、俺の持っている印は光らなかったかも知れないな。
何てみじめな方向に考え始めていると、突然おれの印が光り始めたんだ。
嘘だろっ!! どっ………、どうしてこんないいタイミングの時に光り出すんだよおいっ!!
あ〜畜生、今すっげぇいい感じのムードだから金輪際外したいわ!!

70話に続きます。

感想・アドバイスなど、いつでもOKですよ♪

Re: 戦士たちの愉快な日々3 ( No.90 )
日時: 2022/08/22 08:40
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第70話「大魔道士と勇者、最後の闘い①」

【カール城 キッチン】

ポップ「………。たまには違う奴を作りますか!」
ドロッチェ「で、殿下!」
ポップ「何だよドロッチェにシュウ、俺が此処に来ちゃ悪いのかよ?」
シュウ「そうじゃないんです。ですがポップ殿下。この所寝不足じゃないですか?」
ポップ「…。多分そうかも知れないな、今はこんな話をしたくないって言うのもあるけど」
ドロッチェ「…。お願いします、絶対に他の奴らに話したりしません!」
シュウ「僕もドロッチェと同じ気持ちです。お願いしますポップ殿下、せめて僕とドロッチェの前だけでも本当の事を話して下さい!」
ポップ「…………」

シュウとはかつて、混ざり合った世界以来の再会だけど。
ドロッチェと合ったのは、俺やアイクたちが''カオスな日常〜大丈夫ではない〜''に久々に呼ばれた事が幾つかあったんだよな。
初めての別世界での冒険だったけど、俺はただ単にゼルダの姫さんを守りたかっただけなのに。
何であの世界で俺がアイクの野郎に、疑われなきゃ行けないの!!
おれはただ単に、例の暴走する奴らからゼルダの姫さんを守ることに必死だったんだぞ。

『グッ………』

ポップ「実はさ。この奇襲作戦こそが、おれとダイの最後の戦いになるんだよ!」
シュウ「最後の戦いになるって…。そっ…、それじゃあまさか!?」
ドロッチェ「ちょっと待てよ。今の話が本当ならレオナ王妃やマァムはこの事を知ってるのか?」
ポップ「いや。2人にはまだ話していない、それにダイも修行の旅から帰って来たらマァムに本当の事を話すと言っていたからな」
ドロッチェ「…………」
シュウ「そんな………。これが本当に最後の戦いになるなんて嫌だよ、例えその奇襲作戦が僕たちの手で上手く勝利に導いたとしても君とダイのいない旅なんて続けたくないからね!!」
ポップ「シュウ………」
シュウ「お願い………。お願いだからポップ殿下、そんな悲しい事を言わないでよ………」
ポップ「ありがとう。でもな、あの混ざり合った世界にいた頃よ。おれ………アイツに散々な目に遭わされたのを忘れた事がないんだわ」
シュウ「あっ……。あれはただ、僕の監督不行きが原因なんだけど(汗)」
ドロッチェ「マジかよ。もしこっちの作者さんがいる世界でも同じような事になったら、オレやカービィで絶対に阻止してやる!!」
シュウ「それなら僕も混ぜて欲しい。僕にだって、それ位の資格はあるんだからね!」
ポップ「…………」

何か知らない間に、シュウとドロッチェが仲良くなっていく気がするなぁ。
シュウは表世界育ちらしいけど、戦闘に関してはあまり強くないって感じか。
逆にドロッチェは部下たちを率いていた事もあったし、本気になればそれにあった技を披露してくれるだろう。
本当の事をコイツらに話したのは初めてだけど、やっぱりレオナの前で話すのは怖いな。
ベンガーナの時からずっと行動を共にしていたし、最初は彼女に信用されていなかったけど。
当時ダイの親父さん・バランが敵だった時、ダイを守る為にあの行動を取った時によ………レオナとヒュンケルが必死で止めてくれた時があったんだよな。

【廊下】

ポップ「…………。そうだったな、今はおれの計らいでダイ達はエルサーゼに行ってるんだったよな………」

『ピリリリリリリリ…… ピッ……』

ポップ「……。こんな時間帯に掛けてくんのはお前位か? ダイ」
ダイ『えへへっ。やっぱ分かっちゃった?』
ポップ「馬鹿野郎。俺とお前はどんだけ長い付き合いしてると思ってんだよ!」
ダイ『ごめんね。何か急にさ、ポップの声が聴きたくなっちゃって……』
ポップ「奇遇だな。おれも同じことを考えていたんだよ、ダイ」
ダイ『…………』
ポップ「どうした?」
ダイ『ねぇ……、ポップ………』
ポップ「…………。何か言いたい事があるんなら、今の内に聞いてきな」

BGM設定:FF6より目覚めのティナ(別名:ポップとダイ〜変わらない2人の友情〜(※後半のポップの台詞辺りから、ティナのテーマに変わります))

ダイ『……。話してくれたかな? 俺たちの本当の目的を』
ポップ「ああ。こっちはドロッチェとシュウにな、今は''その時''じゃねーのにアイツらから必死に訴えて来やがったから仕方なかったんだよ!」
ダイ『おれも。帰って来た後に少し落ち着いてから、マァムにも本当の事を話そうと思ってるんだ』
ポップ「そうか………」
ダイ『ポップはレオナに話したの?』
ポップ「いや。今はこっちもこっちで色々忙しくて、ゆっくり話す暇もねーんだよ」
ダイ『………。そっか………』
ポップ「………。それからダイ、ヒュンケルの奴の様子はあれからどうなんだ?」
ダイ『今は大分落ち着いて来ているよ。テレシア女王殿下とディルク王がおれとピカチュウの分まで一生懸命に支えてくれたからね』
ポップ「そうか………。明日には俺たちがいるカールに戻って来られそうなのか?」
ダイ『うん。その件ならピカチュウが先に納得してくれてるけど、ヒュンケルにはまだなんだ………』
ポップ「そうか。………なあ、ダイ」
ダイ『どうしたの?』
ポップ「この奇襲作戦。何があっても、成功させてやろうな! 俺たち2人の力でよ」
ダイ『うん。最後まで頑張ってやり遂げて行こうね、ポップ!』
ポップ「ああっ!」

ありがとよ、ダイ。
まさかお前から勇気を貰えるとは、思わなかったぜ。
いつだったかな、お前があの時かなり落ち込んでいた頃はおれが背中を押してやった時があったんだよな。
でも、ミナカトールの儀式の時は………おれ自身が情けなかった。
もうっ、あんな惨めな思いは二度としたくねぇ!!
今は他の奴らの事も考えて、俺たちにしか出来ないことをやるんだ!!

71話に続きます。

感想・アドバイスなど、いつでもOKですよ♪

Re: 戦士たちの愉快な日々3 ( No.91 )
日時: 2022/08/22 21:06
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第71話「ヒュンケルの悪夢」

【夢の中:FF7の世界 眠りの森】

ダイ『ヒュンケル、おれが見えるかな?』
ヒュンケル『ああ、見えるさ! 先程は済まなかったな』
ダイ『……。分かってるから、そんな事は気にしなくていいよ』
ヒュンケル『無理だ。逆に気にしてしまう』
ダイ『そっか…。じゃあ、思いっきり気にしたらいいよ! ザボエラやエクスデスの事、おれに任せて! そしてヒュンケルは自分の事を考えて。自分自身が壊れてしまわないように、ね?』

何だ、見た事のない夢だな。
気がつくとおれは普段から愛用している靴に履き替えていて、そしてダイと久々の一時を過ごしている。
だが、夢にしては何かが変だ。
眠りの森に足を踏み入れた瞬間、一歩も動けないぞ。

ヒュンケル『此処は、何処だ?』
ダイ『此処は【古代種の都】へと続く「眠りの森」と呼ばれている。ザボエラやエクスデスが破壊魔法・メテオを使うのも時間の問題、だからそれを防ぐんだ! それは竜の騎士の後継者でもあるおれにしか出来ないからね』
ヒュンケル『………?』
ダイ『その秘密がこの先にあるんだ。ううん、ある筈なんだ。さっきから何かに導かれている気が……ずっとしているんだ。じゃあねヒュンケル、おれ行って来るよ! 全部終わったら、またね!』
ヒュンケル『待て。待ってくれ、ダイ。おれを………おれを1人にしないでくれ!!』

くそっ、夢のせいばかりか。
おれのこの足が先へ進まないとは、どうなっているんだ。
ダイがその先に行って少しした後、見覚えのある敵とバッツの宿敵らしい敵が目の前に現れる。
まさか、ダイが語らなかったのもおれやマァムたちを守る為だったのか!
だっ、駄目だダイ! そんな事で命を犠牲にするな!!

【現在:カール城 ヒュンケルの部屋】

『ガバッ』

ヒュンケル「行くな、ダイ!!」
リンク「ヒュンケルさん!」
レオナ「ヒュンケル!!」
ヒュンケル「リンク……。それに姫、みんな。此処は……?」
レオナ「此処はカール王国よ。あなたはダイ君のルーラで帰って来た後、2日間眠り続けていたのよ!」
ヒュンケル「…………」
リンク「ヒュンケルさん?」

BGM設定:FF6よりセリスのテーマ(別名:ヒュンケルのテーマ〜過去から遠ざけたい自分の想い〜)

ヒュンケル「…………。夢…………、だったのか………? 皆に確認したい事があるんだが、聞いてもいいか?」
リンク「うん、勿論いいですよ!」
ヒュンケル「ダイとピカチュウはどうした?」
リンク「えっと……、ダイ君は……」
レオナ「待ってリンク君。後はあたしに任せて!」
リンク「………。分かりました、お願いしますレオナ王妃」
レオナ「ええ。ピカチュウの事だけど、彼ならバッツ君のお部屋にいるわ。それにダイ君ならこのカール王国に帰って来てすぐ………マァムと2人きりで話したい事があるからと言って、バルコニーに2人で行ったわ!」
ヒュンケル「………。何故……、止めなかったんですか?」
レオナ「あたしだって必死で止めたわ。それでも………それでもポップ君があたしに言ったの、こんな時じゃなきゃダイ君はマァムと2人きりになれないから………。今はそっとしといてやれって!」
ヒュンケル「…………」

それだと、それだと俺が見た悪夢その物が現実になってしまうだろ。
何の為におれはダイたちについて行ったんだ、二度と目の前で誰も失いたくない為だろうが。
おれ自身が弱いせいで、キスティスも………ダイまでも守る事が出来ないとは。
逆にキスティスなら、おれに面と向かってこう厳しく言う筈だ。
「ヒュンケル。あなたもかつてはポップたちと戦った仲間なんでしょ、もっとしっかりしなさい」と……、流石はおれが大切にしたいと思った事がある女教師だ。
そうだ、今ならキスティスの言葉がよく分かるぞ。
これ以上大切な弟弟子たちを失わずに済むように、おれもおれなりの対策を考えなければならない。

72話に続きます。

感想・アドバイスなど、いつでもOKですよ♪

Re: 戦士たちの愉快な日々3 ( No.92 )
日時: 2022/08/23 08:20
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第72話「悲しむ仲間たち」

【カール城 廊下】

『カツカツカツカツカツッ』

マァム「……………」

まさか、ダイ自身からあんな事を言うなんて今まで信じられなかったわ。
やっと修行の旅から帰って来て少しした後に、私は彼に呼び出されたの。
あの時はただ、ダイに対する私の想いを彼の為に必死で打ち明けようとしていた時だったわ。
色々転々と考えていたその時、誰かとぶつかってしまったの。
ゆっくり目を開けて相手を見たら、あの頃の大魔王バーンではなかった。

バーン「…。此処では体が冷えるだろう、余の部屋に来るといい」
マァム「………」
バーン「おや。お前もいたんだったな、息吹リンクよ!」
息吹リンク「ラーハルト隊長からの指示で、ボクはこちらにいるマァムお嬢様のガードになっているからね」
マァム「………。息吹リンク………」
バーン「いいだろう。お茶を準備しながらこれまでの経緯いきさつなどの話を聞こうではないか、中に入るといい」
マァム「……。行きましょう、息吹リンク」
息吹リンク「はい……、マァムお嬢様!」

あの娘でも、ダイ様から突然の事を言われてかなり混乱している筈だ。
バーンパレスにいた頃、この者と魔法使いを助けようと必死に叫ぶダイ様のお姿を見た時に俺は思ったのだ。
やはり長い付き合いでもあるから、ダイ様は1度仲良くなった友人を最後まで守りたいと考えておられていた。
これもまた、あのお方の父上・バラン様の遺言の1つだったかも知れないな。

【バルコニー】

ダイ「………。おれなりに勇気を振り絞ったんだ、これなら悔いはない筈だよね」
???「だからって、何も堂々と言うことはなかったんじゃないか?」
ダイ「…………。アイク………」
アイク「確かに。この奇襲作戦はお前とポップの運命を掛けた最期の戦いその物かも知れないが、それでお前たち2人は本当に満足しているのか?」
ダイ「そんなことでポップとおれが満足する訳ないじゃないか。本当はおれだって、こんなに後悔した事なんて1度もないよ」
アイク「…………」

BGM設定:FF6より永遠に、レイチェル

ダイ「やっぱり。やっぱり怖いんだよ、1年前のハルバード襲撃事件からおれとマァムは彼らの最後を一生懸命に見て来た。いつかはスコールやリノアみたいにカッコいい姿を見せたいって思った事もいっぱいあったのに。なのに………、それなのに!!」
アイク「………。そうだ、それしかお前とマァムを救えないと悟ったんだろう。アイツら自身の死を無駄にしないように、自ら行った事なんだ!」
ダイ「……………」
アイク「………。いいかダイ、これだけは忘れるな!」
ダイ「えっ?!」
アイク「もし。この奇襲作戦自体がお前たちの最後だろうと、俺たちは何があっても絶対にお前たち2人を阻止する! 何でこんな事を言うのか、お前でも分かるだろ?」
ダイ「………。前にネリネがおれに言ってくれたんだ、大切な人を失うのは1度でいい。でも、こんな痛みは耐えられないって!」
ポップ「当たり前だろ。本気でそう思ってんのは、彼女だけじゃねーんだよ!」
アイク「ポップ殿下、皆!」
ポップ「2人が中々戻って来ないから心配で探してたらよ。来る途中でおっさんからアイクとダイが此処にいると教えてくれたんだ」
ダイ「………。クロコダイン………」
クロコダイン「済まない。男子部屋の方でドロッチェとシュウが話をしているのを聞いてしまってな、いても経ってもいられなかったのだ!」
マリオ(ネルさん次元)「ダイ。俺たちはお前たちと出会って此処まで強くなったんだぞ、もしお前とポップに何かあろうと俺たちだって全力を尽くして闘うぞ!!」
ルイージ(ネルさん次元)「うん。事情はよく分からないけど、此処まで来たからにはダイ、皆がもう一度共に戦えるようにボク達全員が一段となって再結託するしかない筈だよね!」
ダイ「皆……。そうだね! 皆の言う通りだ、明日の正午。最後まで戦う覚悟がある人は会議室に集まって欲しい! そこで本格的に最終的な打ち合わせを執り行うよ!」
全員『うおぉぉぉぉぉーーーーー!!!』

かつておれや息吹リンクたちがいた世界では、キーラとダースと言う新たな創造神と破壊神が現れた。
その時の話自体はダイやポップも知らなかったけど、久々に共演出来たゼルダと共に戦えたのが嬉しかった。
こんなにも喜んでいいのかと思っていたけど、その直後辺りからベンガーナの兵士・アキームから恋人であるゼルダが何処にもいないと聞かされたんだ。
今度はゼルダがいなくなったと言う事は、カオス軍の中にいるザボエラとやらが何らかの方法で暗黒神・ラプソーンを復活させたとしたら間違いなくゼルダと戦うことになるかも知れないぞ。

『ダンッ』

アイク「…………ッ!!! くっ、クソっ!」
ダイ「あっ、アイク………?!」
ポップ「おいアイク、何があったんだよ。」
アイク「済まないダイ。最終会議を執り行う前に、おれの頼みを聞いて欲しい!」
ダイ「………。いいよ、その代わり皆も彼の話を聞いて上げて!」
全員『ああ(はい/ええ/うん)っ!!』
アイク「ありがとう。少し前に俺はベンガーナの兵士・アキームからゼルダを何処かの街で目撃したとの情報があったんだ!」
ポップ「それで。それでゼルダの姫さんは何処に行くって言ってたんだよ?」
アイク「………。この世界地図を見た限り、この大きな街しか考えられないんだ!」
ルイージ(ネルさん次元)「……。彫刻家が盛んでそれを駆使しながら暮らしている大きな街・リブルアーチ、か………」
レオナ「う〜ん。だとしたらその街自体がエイト君が旅をしていたDQ8の世界になる訳ね?」
ポップ「つまりよ。当時その世界を旅した奴らに道案内して貰えればさ、いなくなったゼルダの姫さんの手掛かりが掴めれるんじゃないか?」
キルバーン「成程。ならば偵察部隊として、何人かを派遣しなければならないね!」
ダイ「うん。………今回その人探しだけど、おれに任せて欲しいんだ!」
ポップ「いっ、いいのかよダイ。これはアイク自身が考えた寄り道その物になるんだぞ?」
ダイ「確かにそれはそうだけど。だからって1人の仲間を助けに行かないまま奇襲作戦をする訳にも行かないじゃないか!」
ポップ「…………。でもよ、ダイ………」
ダイ「それにね! 本格的にその作戦を実行するなら先に本来の役目よりも………アイクの用事を順序的に最優先するべきじゃないかな。ねっ、クラウド!」
クラウド「ああ、その通りだ!」
ポップ「…………」
クロコダイン「ポップよ。今回はダイの提案に潔く乗ろうではないか!」
ヒュンケル「ああっ。まずはダイ自身がかなり悩んで、誰を偵察部隊と戦闘班にするかを長い時間掛けて考えなければならないからな!」
ポップ「おっさん………、ヒュンケル………」
レオナ「ポップ君。この寄り道クエストもあたしたちにとっては強くなる為の1歩に繋がるかも知れないわ、だから今回ばかりはダイ君の案に賛同して見ましょう!」
ポップ「分かったよ。だったら俺から言う事は何もねぇよ! ………それとよダイ。修行の旅でもそうだけど………、生きて帰って来なかったりしたらマジで承知しねーからな!!」
レオナ「Σちょっとポップ君!! ごめんなさい皆、後はあたしに任せて!!」
リンク「ポップ殿下……、レオナ王妃……」
クラウド「………。俺にはよくは分からないがかなりヒュンケルよ。アイツ的には苛々が少々増してないか、ポップの奴………」
ヒュンケル「あれはピリピリしているのではない。本気でダイの事を心配しているんだ、ポップなりにな!」
ラーハルト「…………」

今までにない表情を、まさかこの場で見てしまうとはな。
パプニカの若き王であり、大魔道士でもあるあの男なりにダイ様を心から心配しているのだろう。
奴の負担を軽くするのは性に合わないが、これもダイ様の為ならば可能だろう。
後にダイ様の奥方になるであろうマァムとやらならば、どんな反応になるかが気になるな。

73話に続きます。

感想・アドバイスなど、いつでもOKですよ♪

Re: 戦士たちの愉快な日々3 ( No.93 )
日時: 2022/08/23 17:45
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第73話「大魔道士の不安と王妃の支え」

【カール城 城門】

ポップ「…………」

本当なら、素直に頷きたかった。
今の俺はたった1人を守る女の夫であり、一国の王でもある身分だからな。
そんなおれを見てダイの奴は、どう思ったかな。
それでも自分の魔法使いか!か「ポップの弱虫っ!」とか逆に言われたら、流石に立ち直り出来ねーわ。

『タッタッタッタッタ……』

レオナ「待って。ねえ、待ちなさいよポップ君!」
ポップ「………ッ! 来るな、レオナ!!」
レオナ「何を言ってるのポップ君。あたしはあなたの妻なのよ、こんな様子のキミをこのまま放って置ける訳がないわ!」
ポップ「…………」
レオナ「やっぱり。ポップ君は引き摺っているの? バルジ湖の中央の塔であたしを助けた後……、マァムと一時的に離れる事を」
ポップ「違うっ!!」
レオナ「じゃあ、何でダイ君や他の皆の前であんなに冷たく言ったの?」
ポップ「………。今更どんな面してダイに謝れって言うんだよ………」
レオナ「………。聞きたい、あたしなら最後までキミの話を聞く資格があるわ!」
ポップ「………。レオナ………」
レオナ「お願い。あたしの前だけでもいい、正直に話して? ポップ君」
ポップ「………。いつかさ、親父みたいに店のオーナーをするのが当時の夢だったんだよ。おれの実家にある武道具屋は1番古い店でよ、子供の頃からおれは親父に色んな仕事を叩き込まれながら育ったんだ」
レオナ「…………」

初めて語り始めた、ポップ君の語るこれまでの過去。
アバン先生やあたしに出会うまで彼は普通の村の息子として、親に何年間は厳しく鍛えられていたみたい。
そんな時にアバン先生に出会って、彼のように強くなろうとポップ君は憧れを抱いていた。
あたしも同じように、王女としてお淑やかを目指していた時期があったわ。
メルルみたいに上手く出来なくて、結局お転婆王女と呼ばれるようになってしまった事があるもの。

【テラン跡地 竜の祭壇】

『しゅうぅぅぅん ドーン!』

ポップ「いっ、イテテテテテ……」
レオナ「イタタタタタ………。此処、バランに初めて会った思い出の場所だわ!」
ポップ「ああ。ダイの真実を明らかにする為にナバラ婆さんとメルルに案内して貰っていたんだよなぁ」
レオナ「………。ええ、あの時のダイ君は人間離れした力を使ってドラゴンを倒していたけど。村の皆がダイ君を恐れていたわね」
ポップ「………。そうだな、それでも俺たちは恐れようとしなかった。アイツが何者だろうと、ダイはダイだとあの時から思っていたからな!」
レオナ「ポップ君………」
ポップ「そうそう。あの頃おれと2人で何とかしようとした事もあったよな、記憶を奪われたダイに対してよw」
レオナ「ええっ。そんな頃もあったわね、何だか懐かしいわ!」
ポップ「……。でも、実際無力なのはおれだったかも知れないんだ。魔法使いの癖に、命を張るようなみっともない姿をレオナとヒュンケルの前で見せてしまったからな……」
レオナ「………。………てもいい、今は沢山泣いてもいいのよポップ君」
ポップ「レオナ?」
レオナ「いいから。今は思いっきり泣きなさい、これはパプニカ国の王妃としての命令よ!!」
ポップ「分かったよ。じゃあ、お言葉に甘えさせて貰うわ!」
レオナ「ええっ。あたしがキミの側に付いててあげるから、今だけは沢山泣いてもいいんだから!!」
ポップ「………。レオナ………、ごめん………。ごめんよ! レオナーーーーー!!」
レオナ「ポップ君。今までずっと辛かったのね、あたしの為に沢山我慢して来たのね?」
ポップ「………ッ!!! う う う………。うわーーーーーん!!!」
レオナ「ポップ君………」

本当に謝らなきゃ行けないのは、あたしの方よ。
キミはキミなりにダイの為を思って行動していたのに、あたしはキミの気持ちも知らずに叩いてしまった事があるわ。
右頬の赤く腫れている所は、あの頃あたしが思いっきり叩いてしまった後なの。
少しずつあたしはキミを好きだと自覚していたのに、マァムに嫉妬していたかも知れないわ。
これからはあの頃のように厳しくしない、キミのお母様のようにあたしもキミを優しく受け止めたいと心から誓うわ。

74話に続きます。

感想・アドバイスなど、いつでもOKですよ♪


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