お兄ちゃんに恋しちゃった__ 作者/葉沙

第5話「つかの間の幸せ」



お兄ちゃんとあたしは2人そろって学校へ向かった。

陽:「おいおい!!1時間半も学校に遅刻したんなら
思い切って、今日学校休んで、遊ぶかっ!!
久しぶりに!!」

ここは今学校の校門の前。

だからまだ、学校の窓からは、あたしとお兄ちゃんの
姿は見えない。

祐:「で、でも~~」

陽:「大丈夫だよ~!!」

祐:「何て言って休めばぁ・・・・」

陽:「ってそこかよ!!」

祐、陽:「あははははっ!!」

陽:「お前はばかだな~~2人とも、熱出したっ!って言えばいんだよ~」

祐:「うん。」

あたし、今すごく幸せ。

だって好きな人と隣で、過ごしてるんだもん。

いつも家で過ごしてるのとは、ちょっと違う。

何かが____

あたし達はそれから、遊園地やレストランに行った。

今日は言葉に出来ないぐらい、楽しかった。

そして幸せだった___



第6話「嘘」



「嘘」

あたしとお兄ちゃんは次の日学校へ向かった。

祐:「あーあーなんかもっと遊びたかったなぁ~」

陽:「全くお前は、遊ぶことしか頭にないんだな~~」

祐:「もうなによ!!」

陽、祐:「あははははっっ~~」

あたし達は笑いながらも学校に着いた。

すると席に着くなり、由希があたしの机のところに
寄ってきた。

由希:「おっはよ~かぜ大丈夫だった??あんまり無理しないでね。」

祐:「えっ?」

由希:「ん?何が?だって昨日かぜひいて休んだんでしょ??」

祐:「あ~~あっうん。。」

由希:「しかも兄弟そろって休むなんて~~おどろくだよ~~」

祐:「あはははっ」

由希:「あっそれで~あたしね、あした陽先輩に
告ろうと思ってんだけど、良いと思う??」

あたしは一瞬、胸が一気に凍りつくように感じた。

そして胸のどこかで、実の兄を好きになるなんて
やっぱり変かな??なんて思ったりもしていた。

でもこの気持ちを抑えきれない。

由希:「ねえ~どう思う??明日でいいかな??」

祐:「で、でもさぁもう少し様子を見たほうがいいんじゃない??」

由希:「えっ。。どうして??」
祐:「えっ!!なんか落ち着いたほうがいいかな~って思って。」

由希:「ふ~んそっかぁ~なんか祐めずらしいね。」

祐:「そ、そうかな~??」


あたしのばか。

ただ、好きな人を取られたくない気持ちが心の中に
あるから、そんな事を言ってしまったんだ。

ごめん。由希。

でもそうすることしか出来なかった。

少しでも、お兄ちゃんに彼女が出来るのを

遅くするために。

あたしは本当に最低だ。

自分に勇希が無いだけ。

だってこんなこと、結ばれない人を愛してしまったから、もうどうする事も出来ないんだもん。