コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- Multiplex Cross Point 完結
- 日時: 2011/01/04 15:36
- 名前: Faker (ID: uUme72ux)
新たに小説を書きます、Fakerです。
どうぞ、お気軽に見て貰えれば嬉しいです。
御意見など、お待ちしています。
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- Re: Multiplex Cross Point─S1─ ( No.760 )
- 日時: 2010/12/12 20:46
- 名前: インク切れ (ID: uUme72ux)
- 参照: 猫に手痛い反撃を受けました。
滅茶苦茶な戦術だ、とセルゲイは魔術師達と戦いながら、冷たい汗を流していた。
自分が相手に圧されている、それを明確に感じながら。
公孫樹の言葉を合図として、戦いを開始した魔術師達の戦いは、最早、戦術と呼べる物では無かった。
否、正確に述べるならば、”戦術とは呼べない戦いを展開する戦術”、それこそが、魔術師達の戦術だったのだ。
「ふッ!!」
息を吐き、ヴァン・スルメールは銀髪を揺らして、両手に持った西洋剣を以てセルゲイと相対する。
が、彼の得物である西洋剣と、セルゲイの焔の巨槍では威力が違う。
互いに得物を衝突させ、その結果、威力の勝っている焔の巨槍は、ヴァンの二本の西洋剣を別々の方向へ吹き飛ばす。
自分の得物を吹き飛ばされ、丸腰となったヴァンは、
動揺を全く見せず、寧ろ、彼はただ笑って見せた。
「ヴァン君の得物ゲーット!!」
「ヴァン、お前さんの剣を拝借するぞ!!」
空中に吹き飛ばされた二本の西洋剣を、飛翔した冥弛 裄乃と公孫樹 雅が一本ずつを手に取る。
軽快な動きで二人が、軽い挙動で床に着地した瞬間、ヴァンと代わってセルゲイに突っ込んでいく。
「…ッ!!」
ヴァンと交代して自分に挑戦する二人に、セルゲイは共に新たなる敵と相対する。
元々、戦いの方法に形式などは考えない冥弛 裄乃、個性と奇抜さに富んだトリッキーな戦いをする公孫樹 雅。
普段ならば、冥弛は魔術で強化された拳を、公孫樹は円形の五円玉に似たリングブレードと呼ばれる剣を使う。
『Child Soldier事件』で一度は相対した公孫樹、この場所で魔術強化を施した拳を振るった冥弛 裄乃。
どちらも、一度は戦い、その得物を使っている時の射程、攻撃時のモーション、本人の癖…、その全てをセルゲイは覚えている。
だが、今は違う。
冥弛と公孫樹は、普段とは違う武器を手に、普段とは違う戦術でセルゲイに向かってくる。
それこそ、一度は捉えたと思っていた全てを変貌させた二人の動きにセルゲイは付いて行けない。
捉えていた全てに対応する動きを、セルゲイは反射的に身体に染み込ませている。
だからこそ、全く違う攻撃パターンに、彼は対応ができないのだ。
「…ええいッ!!」
全く違っている攻撃パターンに対応が遅れる。
西洋剣の刃先はセルゲイの頬を掠め、肩を掠め、彼を徐々に圧していく。
状況を打開する為に、焔の巨槍を横一線に振るう。
それに反応し、公孫樹と冥弛は焔の巨槍の射程外ギリギリまで距離を取った。
トンッ、と二人が射程外ギリギリまで退き、床を足を踏んだ瞬間、
「反撃の隙なんか…与えないからねッ!!」
「あんたの強さを俺達は充分に知っている。だからこそ、攻撃の隙は絶対に与えない!!」
声が聞こえた。
まだ幼い、少年と少女の声。
それが、雅依 輝星と雅依 光星の声だと判断した頃には、既に遅い。
二人の武器、魔術武装としての機能を有した”拳銃”の銃口は”雷光の弾丸”を放つ。
風の属性に属する系統魔術”雷”。
銃口から、銃弾の代用として放たれるのは、系統魔術”雷”を凝縮した弾丸、すなわち”雷光の弾丸”だ。
唐突な攻撃に、セルゲイの思考は避けろと訴えるも、身体に命令が伝わり切らない。
結果、
爆音を響かせ、セルゲイの身体に衝突した”雷光の弾丸”は彼の身体に甚大なダメージを与える。
「ご…ぉ…!?」
激痛に身を捩らせる暇すら無い。
刹那、吹き荒れた暴風がセルゲイの身体を強引に吹き飛ばし、空中で強引に掻き回し、床へと叩き付ける。
「…まだ私の攻撃は終わってないけど?」
勝ち誇った微笑を湛え、如月 琉那は風の魔術で更に猛威を振るう。
視界に捉える事の無い、不可視の”空気の鎚”を形成し、それを一気に振るった。
直後、爆音と共にセルゲイの叩き付けられている床が彼の身に落ちた”空気の鎚”の一撃に耐えられず凹んだ。
「ぐぉ…。お…のれ…!!」
反撃の糸口が見つからない。
今の魔術師達に、隙は無いのだ。
戦いに勝利する為、魔術師達は確かに”本気”で戦っている。
肌に感じる闘志、一撃に籠められた気迫、その全てがセルゲイを圧していく。
何かが魔術師達に尽きぬ闘志を、気迫を与えている…、それをセルゲイは確かに感じ取っていた。
それは、”此処に立っている理由”だった。
誰もが”愛される為に産まれた存在”では無く、”利用される為だけに産まれた”、一人の少女を助ける為。
その為に、魔術師達は此処にいる。
- Re: Multiplex Cross Point─S1─ ( No.761 )
- 日時: 2010/12/12 21:54
- 名前: NightWind ◆MjV6.5TmZc (ID: EUGuRcEV)
- 参照: http://ppoi9987.blog64.fc2.com/
寝顔とかもう最高ですよねw
でもなでたらおきて、噛むんですよねww
おかげで生傷が絶えませんよww
おぉ、ものすごい反撃!
皆助けるために、その一心で戦ってるのがすごく伝わる話ですよ、これ。
続きが楽しみですので、これからも頑張ってください!
- Re: Multiplex Cross Point─S1─ ( No.762 )
- 日時: 2010/12/13 17:05
- 名前: インク切れ (ID: uUme72ux)
- 参照: 猫に手痛い反撃を受けました。
NightWindさん。
そうですねー。
こちらも寝起きの機嫌が機嫌が悪いのか、噛まれますw
ありがたい御言葉です。
そろそろセルゲイ戦も佳境です。
今日で終わるかも知れないですねーw
- Re: Multiplex Cross Point 更新中 ( No.763 )
- 日時: 2010/12/13 19:31
- 名前: インク切れ (ID: uUme72ux)
- 参照: 猫に手痛い反撃を受けました。
「嘗めて貰っては…、困るのだよッ!! 若人諸君!!」
爆発が起きた。
魔術師達の猛攻を前に、セルゲイは遂に反撃に出る。
火属性の魔術を以てして発生させた爆発は”炎の壁”を形成し、切迫しての攻撃を加えていた公孫樹と冥弛の進路を阻んだ。
一方で、その後から援護射撃を行っていた雅依 輝星、雅依 光星の”雷光の弾丸”は”炎の壁”に当たって縛ぜた。
妨害と防御の役割を持った”炎の壁”を前に、確かに一瞬だけ魔術師達の猛攻は停まる。
その隙をセルゲイは見逃さない。
ヴォッ、と”炎の壁”を突き破って現れたのは、焔の巨槍だった。
凄まじい速度でセルゲイの手で投擲されたそれは、公孫樹と冥弛の間隙を縫って突き進む。
その軌道の先に、雅依 輝星を捉えて。
光星はそれに気が付いたものの、傍にいた輝星に呼び掛ける暇は無かった。
焔の巨槍…異常なまでの速度を誇るそれの刃先が輝星の身体を射抜くのが先だからだ。
誰が、どんな風に見ても、速度から考えれば光星の声も、輝星の回避行動も間に合わない。
そして、
ズガッ!! と何かが突き刺さる音が響いた。
「…まずは一人」
”炎の壁”が展開される向こう側で、セルゲイは確認する様に呟いた。
指を鳴らすと、それを合図とするかのように、”炎の壁”は瞬く間に消え失せる。
一歩、次の敵を倒す為にセルゲイは消えた”炎の壁”の先に足を踏み入れ、
其処で、彼は動きを止めた。
「何だと…!?」
驚愕と共に、声は口から漏れる。
彼が驚愕をしたのは無理も無い。
倒したはずの輝星は、依然として魔術武装の”拳銃”を構えているからだ。
回避は速度から考えるに不可能。
事実、輝星は回避は行っていなかった。
それなのに、焔の巨槍が彼の身体を射抜く事は無かった。
何故なら、
彼の前に、盾の様に立ち塞がった威牙 無限の魔術が、セルゲイの焔の巨槍を防いでいたからだ。
「ガキが。攻撃の威勢は良いが、防御が薄くなってるぞ」
世話の焼けるクソガキだぜ、と威牙は、やれやれと溜息を吐き、眼前に展開する魔術によって発生させた”盾”を見据えた。
朱色に薄く発光する”盾”は、威牙の十八番の魔術である、”アイギスの盾”と呼ばれる魔術だ。
神話にも登場する”アイギスの盾”を模倣した魔術であり、その迎撃防御能力は非常に高い。
それは、セルゲイの焔の巨槍が突き刺さっているにも関わらず、貫通をしていない事からも解る。
輝星は皮肉めいた言葉を吐いた威牙を一度だけ睨むと、
「うるせー。これからミスはしねぇ」
「はッ、それなら良いんだけよ。防御に偏って攻撃を疎かにすんなよ?」
解ってるっての、と輝星は適当な答を返すと、視線を光星に移した。
彼女は輝星が無事だった事に安堵し、安心からか深く息を吐いている。
そんな彼女へ、彼は言う。
「行くぞ、光星。こんな所で爺さんを相手に立ち止まってるのも飽き飽きだしな」
「そうだね。カノンちゃんも待ってるし、先に行っちゃったクロトと椛も気になるしね」
一気に仕留めちゃおっか、と光星が述べた刹那、二人の瞳に力が宿る。
ジャッキッ、と互いに”拳銃”を構えると、セルゲイに向かって、
「特別に披露するね。私達が編み出した、最強の攻撃を」
「派手だから、実戦に向いてないんだけどな」
だが、威力だけは保証するぜ。
輝星は言葉の最後にそう付け加え、二人は高らかに、口上を述べる。
「「魔弾の狂宴、此処に顕さん。──────────────────”Bullet Dance(魔弾舞踏)”!!」」
- Re: Multiplex Cross Point 更新中 ( No.764 )
- 日時: 2010/12/13 21:11
- 名前: インク切れ (ID: uUme72ux)
- 参照: 猫に手痛い反撃を受けました。
縦横無尽。
”雷光の弾丸”はセルゲイの予想を遙かに超えた軌道を描き、彼の身体に突き刺さる。
反撃の隙など、全く見つからない。
”拳銃”を手にする雅依 輝星と雅依 光星は、舞踊の如き素早い挙動で的確に”雷光の弾丸”を放つ。
”Bullet Dance(魔弾舞踊)”。
舞踊を連想させる疾い動きを以て、武器である”雷光の弾丸”を撃ち放つ。
魔術によって発生する”雷光の弾丸”は、普通の弾丸とは異なる軌道を描く。
時に歪曲を描き、時に二発の弾丸は交差し、時に床に当たった弾丸は跳弾の如く跳ね、予想も付かない軌道を見せる。
加えて、尋常で無い速度を見せる”雷光の弾丸”は、瞬きを終えた瞬間には身体に当たっているのだ。
速度と奇抜な軌道。
雅依 輝星、雅依 光星、二人の動きは舞踊の様で、奇抜な軌道を描く”雷光の弾丸”は魔弾と呼ぶに相応しい。
正しく、”Bullet Dance(魔弾舞踊)”とは名の如し、だ。
更に、他の魔術師達も”Bullet Dance(魔弾舞踊)”の動きに合わせ、援護を放つ。
その中には、公孫樹の登場に一度は唖然としていたレイヌやあがさ、一命を賭してセルゲイと相討ちを狙った黒雅の姿もある。
それまで、紀和の治療に専念していた結月の姿も。
誰もが、勝利を掴むが為に。誰もが、捕らわれたカノンを助ける為に。
猛烈、それでいて、疾き攻勢。
最早、たった一人では、この勢いを覆せない。
このまま圧されれば、セルゲイは膝を屈する事となる。
熾烈な攻撃に曝され、躯にダメージが蓄積し、意識が徐々に躯から離れていく。
(お…のれ…。こんな…、こんな童共に…、この私が…、『猛火』のセルゲイ・ディスコラヴィッチが…)
ぐらり、と。
躯が揺らぐのを、セルゲイは確かに感じた。
だが、刹那にセルゲイは躯に渾身の力を籠める。
「─────────────────負けると、思っているのかねッ!!!」
魔術によって、爆発が起きる。
それこそ、猛烈な攻勢に曝されていた状況を、一瞬にして覆す一撃。
爆発は、雅依 輝星を、雅依 光星を、公孫樹 雅を、冥弛 裄乃を薙払う。
攻勢が崩れた一瞬を狙って、セルゲイは飛ぶが如き勢いで、次の敵に視線を移す。
獲物を視線上に捉える猛禽類の様に。
「童ァァ────────────────ッ!!!」
焔の巨槍を一穿に刺突を撃ち放つ。
周囲に爆風を振り撒きながら放たれる刺突は、残った魔術師達に襲い掛かる。
「好き勝手にさせると思ってんのか、クソ爺が!!!」
両手を突き出し、威牙は眼前に”アイギスの盾”を展開する。
刹那、焔の巨槍の刺突は”アイギスの盾”を以て、漸く阻まれた。
だが。
「…調子に乗るな。小僧」
バギンッ!! と、”アイギスの盾”に皹が生じた。
バキバキ…、と一度は停めたはずのセルゲイの焔の巨槍に圧されて。
思わず、威牙は息を呑んだ。
”アイギスの盾”越しに見える、セルゲイ・ディスコラヴィッチの憤怒と狂喜の混じった、その歪な表情を目にして。
「やっと…だ。この数年、私を本気にさせる者は無かった。だが、今は違う」
漸く、私に苦戦をさせる者達が現れた。
漸く、私が”本気”で戦える相手が現れた。
「これぞ僥倖と呼ばずして何と呼ぶ!? 待っていたのだよ、私は君達を!!!」
戦おう、【荒廃せし失楽園】。
命を削れ、死力を尽くせ。
「腹を括ってくれたまえ。此処からが、───────────────────このセルゲイ・ディスコラヴィッチの真骨頂だ!!!」
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