コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- Multiplex Cross Point 完結
- 日時: 2011/01/04 15:36
- 名前: Faker (ID: uUme72ux)
新たに小説を書きます、Fakerです。
どうぞ、お気軽に見て貰えれば嬉しいです。
御意見など、お待ちしています。
MENU
登場人物 >>1
第1話 >>2 >>4
第2話 >>11 >>15
第3話 >>19、>>30、>>31、>>45、>>51、>>52
第4話 >>55、>>56、>>78、>>91
第5話 >>92、>>96、>>116、>>128、>>129、>>132、>>139、>>140、>>141
第6話 >>146、>>149、>>152、>>169、>>172
第7話 >>176、>>181、>>190、>>194、>>201、>>202
第8話 >>218、>>232、>>238、>>295、>>336、>>341、>>351、>>365
第9話 >>376、>>377、>>381、>>396、>>403、>>424
第10話 >>436、>>440、>>448、>>458、>>460
第11話 >>466、>>467、>>470、>>471、>>474、>>484、>>490、>>491
第12話 >>497、>>502、>>504、>>505、>>516、>>517、>>519、>>520
第13話 >>527、>>532、>>535、>>545、>>560、>>579
第14話 >>582、>>588、>>601、>>610、>>613
第15話 >>619、>>624、>>634、>>691、>>706、>>707
第16話 >>719、>>724、>>727、>>734、>>735、>>743、>>749
第17話 >>757、>>760、>>763、>>764、>>767、>>770、>>775、>>776、>>777
第18話 >>781、>>786、>>790、>>791、>>794、>>797
第19話 >>800、>>803、>>811、>>827、>>830、>>833
Last Episode >>835、>>836、>>837
キャラクター募集欄 >>3
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169
- Re: Multiplex Cross Point 執筆再開 ( No.715 )
- 日時: 2010/10/09 14:54
- 名前: インク切れボールペン (ID: 4I.IFGMW)
Agu さん。
医者では無いです。
医療系の工学を学ぼうかと思っています。
- Re: Multiplex Cross Point 執筆再開 ( No.716 )
- 日時: 2010/10/09 15:11
- 名前: Agu (ID: NHSXMCvT)
臨床工学技士、って奴ですか。
……いやはや感服いたしました。
- Re: Multiplex Cross Point 執筆再開 ( No.717 )
- 日時: 2010/10/09 21:46
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: TV9sr51/)
- 参照: 最強次元師!!等、色々と執筆中—*
いえ、大丈夫ですっ!!
寧ろ他人を庇う程勇敢になった紀和の姿を見て感動したんです(´;ω;`)
いつまでも正義感のある優しい紀和であってほしい…、
と瑚雲は呟きますね、はい((
頑張って下さい(`・ω・´)ゞ
- Re: Multiplex Cross Point 執筆再開 ( No.718 )
- 日時: 2010/10/10 11:24
- 名前: インク切れボールペン (ID: 4I.IFGMW)
Agu さん。
はい、臨床工学技士です。
少しでも社会に貢献できればなー、とか考えてます。
瑚雲さん。
おー、大丈夫ですか。
感動ですか、それは嬉しいですね。
そうですねー、自分も優しい彼で在って欲しいと切に願っています。
頑張ります (`・ω・´)ゞ
- Re: Multiplex Cross Point 執筆再開 ( No.719 )
- 日時: 2010/10/10 11:27
- 名前: インク切れボールペン (ID: 4I.IFGMW)
Multiplex Cross Point 第16話
懐かしい感覚だった。
身体が悲鳴を上げ、神経が永らく忘れていたそれを確かにミリー・シャルロットに認知させる。
痛い、と。
彼女は【造られし天上】の第10階層のエレベーターホールの床に背中を預けたまま、ぼんやりと呟いた。
どんな魔法が使われたのか、ミリー・シャルロットの痛覚は完全に元に戻っている。
痛みが彼女の身体を駆け抜ける度、彼女の心は安らかになっていった。
澱みが浄化されていく、そんな不思議な感覚が、ミリーの神経を伝って、心に安心感を与えていく。
おかえり、と。
彼女は安らかな表情で、永らく失っていた感覚へ、そう述べた。
「…負け、だね」
彼女は首を動かし、近くの壁に背を預け、負った傷に魔術的治療を施している月架 蒼天に視線を向ける。
彼は彼女の視線に気付き、すぐさま傷に向けていた視線を彼女へと移した。
「痛覚は?」
「元に戻ったよ。…凄いね、どんな魔術的治療でも、科学的治療でも治らなかったのに」
無痛覚は治らない、と諦めていた彼女には現在の状況が未だ信じられなかった。
名医と呼ばれた医者でも、治らない傷は無い、と豪語した治癒系魔術を専門とする魔術師でも治せなかった無痛覚。
それを、どんな魔法を使ったのか、月架 蒼天は治してしまっていた。
依然として彼女は質疑の視線を彼に向けている。
どうやって、この無痛覚を治したのか、と。
その答は、満身創痍の月架 蒼天の口から単調な言葉によって語られた。
「【蒼の法術王】の能力だよ」
かつて、【Child Soldier】事件で相対した【彼女】との戦いで用いた、最強の【攻撃能力】を持った魔術。
【彼女】が用いた【ゼロの術式】の能力は、【万物の存在という名の数値を0に変える】、というもの。
故に、月架 蒼天と共に戦った仲間達は存在という数値を0に変えられて、霞の如く消え去った。
一方、月架 蒼天の【蒼の法術王】の能力は、その対極。
「俺の【蒼の法術王】の能力は─────────、【変動した万物の数値を初期値に戻す】事だ」
だから、彼女の無痛覚は一瞬にして回復したのだ。
【Child Soldier】事件に於いて、月架 蒼天の手によって瀕死の重傷を負った。
仮に、である。
ミリー・シャルロットが無痛覚になった事象が、【数値の変動】によって起きた事象だとしたら?
例えば、無痛覚になる前のミリー・シャルロットが正常な彼女の値だと仮定して。
月架 蒼天の一撃が彼女の数値を変動させた為に無痛覚という結果を招いたとしたら。
「俺の【蒼の法術王】を用いれば、君の無痛覚を元に戻せる、そう踏んだ。…結果は予測通りだったらしい」
そう言って、彼は自嘲気味な微笑を湛えた。
ミリー・シャルロットという被害者に痛みという喪失を与え、現在は彼女の痛みをまた元に戻す。
傲慢な所行だな、と月架 蒼天を己の力を呪うと同時に、彼女を救済した力に感謝の気持ちを抱いた。
依然として彼女の心が癒えた訳では無い。
痛みを喪失していた日々を過ごした事には何の変わりは無いのだから。
だから、彼はミリー・シャルロットに向かい、真っ向から告げた。
「君には俺を裁く権利がある」
と。
彼は、【カノンを助けに来た魔術師】では無く、【一人の少女を傷つけた男】として此処に赴いた。
最初から彼女に、この言葉を告げなかったのは己が与えた無痛覚から彼女を解放する為。
それが完遂した今、月架 蒼天に心残りは無い。
負った傷の治療を途中で放棄し、彼は彼女の得物であるレイピアを手に取ると、彼女の前に立つ。
そして、レイピアの刃を握り、彼女に柄を差し出した。
このレイピアを断罪の刃と成して、俺に裁きを下せ、と。
月架の行動に対し、ミリーの返答は明快だった。
募りに募った積年の無痛覚という狂気を与えた相手に対し、憎悪を抱かないはずは無い。
レイピアの柄を取って、倒れたまま彼女はレイピアの柄を強く強く握って、
その首を横に振った。
否定。
月架への裁きの否定、それがミリーの答だった。
憎しみを抱かないはずが無い、それなのに。
彼女が選んだのは、
「月架 蒼天。貴方は裁かれる必要なんて無い」
許容。
憎悪をしているはずの相手に、慈悲の微笑を湛えて。
彼女は、月架 蒼天を許した。
何故だ、と。
月架 蒼天は、そんな言葉を口から漏らしていた。
「…怨まないと言うのか、俺を」
「…うん」
「君に無痛覚を与えた俺を。君の仲間を正義という偽善を掲げて斬り殺した俺を…ッ!!」
声を荒げる月架に対し、ミリーは慈悲の微笑を湛えたまま、こう告げた。
彼を憐れむかのように。
「貴方も…。私達と同じ──────────────、ゲーム盤で踊らされていた哀れな駒なんだから」
「駒…? なんだよ、それ…。どういう意味だ…!?」
「貴方は真実を知らない。いえ、誰も知らないの。全ての行動が、思惑が、───────仕組まれている事に」
何だよ、それは。
月架 蒼天は彼女の口から吐き出される言葉に、ただただ唖然とするばかりだった。
浮かぶのは疑問だけ。
仕組まれていた。
ゲーム盤で踊らされていた駒。
その言葉が幾度と無く彼の脳裏で反芻され、疑問は連鎖的に増大し、彼の脳が疑問で溢れそうになった、その刹那。
ドォォォンッ!! と爆音と共に高層ビル【造られし天上】が振動した。
月架は体勢を崩しそうになるが、咄嗟に近くの壁に手を付いてバランスを取った為に体勢を崩される事は免れた。
振動は、絶え間なく続く。
音源は、上の階層からだ。
「お爺ちゃんだよ。戦ってるんだね、貴方の仲間達と」
お爺ちゃん、とミリーが呼んだ人物はセルゲイ・ディスコラヴィッチの事だろう。
お爺ちゃんという呼称で【灰燼の風】で該当するのは彼だけだ。
この音から考察するに、相当な激戦が行われている事が簡単に予想できる。
彼は、ミリー・シャルロットを一瞥し、
「…俺は行く」
「うん。…気を付けてね、お爺ちゃんは強いから」
気懸かりな事は多いが、今はそんな事に気を向けている場合では無い。
彼は、颯爽と新たなる戦場に向かって、上の階層に続く階段を駆け上がって行った。
残されたミリー・シャルロットは、天井を見据えたまま、静かに呟いた。
「…死なないでね、月架 蒼天。これはまだ、始まりに過ぎないのだから」
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169
この掲示板は過去ログ化されています。