コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- Multiplex Cross Point 完結
- 日時: 2011/01/04 15:36
- 名前: Faker (ID: uUme72ux)
新たに小説を書きます、Fakerです。
どうぞ、お気軽に見て貰えれば嬉しいです。
御意見など、お待ちしています。
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- Re: Multiplex Cross Point ( No.515 )
- 日時: 2010/08/02 19:11
- 名前: インク切れボールペン (ID: mCvgc20i)
蒼雅さん。
何か1つくらい取り柄があれば良かったんですが…。
まー、残念な事に特に取り柄が無いんですね、これが。
パシられましたねーw
- Re: Multiplex Cross Point ( No.516 )
- 日時: 2010/08/02 23:23
- 名前: インク切れボールペン (ID: mCvgc20i)
本部の医療階層。
名前の如く、医療器具や治癒魔術に関連した道具が置かれた階層の病室。
備え付けのベッドで安らかな寝息を立てる少女の手を握り、雅依 輝星は歯を噛み締めていた。
今、彼の心を支配するのは、後悔という名の感情。
守らなければならない少女が傷つく様を、見ているしかなかった自分に対する憤慨。
それが後悔に代わり、輝星は苦悶の表情を浮かべていた。
(俺が…守らなきゃダメだったのに)
この組織に参入する前、輝星は少女、雅依 光星に1つの誓約を立てた。
それは、何が遭っても彼女を守り抜く、という事。
組織に参入し、魔術師となる事を決意した日。
彼女は、それを頑なに拒んでいた。
知っていたからだ、魔術師になれば自身が傷つく事になり、相手を傷つける事になる事を。
彼女は平和主義者だから、闘争を好まない。
だから、何が遭っても君を守る、と。
どんな害意からも君を守って見せる、と。
組織の構成員として忙しい日々を送り、忘れそうになっていた言葉が、輝星の胸を締め付ける。
(何でだよ。何で、光星の奴がこんな目に遭わなきゃダメなんだよ…!!)
【猛火】のセルゲイ・ディスコラヴィッチ。
怪物、と呼んでも染色の無い相手だった、と彼は思う。
攻撃を受けようが、一切合切を気にも止めず、あの男は迫撃して来た。
仲間全員が倒れ、メルの手で撤退の合図が掛かった頃。
セルゲイは残った輝星に対し、最後の一撃を与えんと迫って来た。
終わった、そう思った。
なのに、
1人の少女が、セルゲイの前に立ち塞がった。
頭からは血を流し、不規則に乱れた呼吸のまま。
雅依 光星、彼女は圧倒的な実力を持った相手に立ち塞がったのだ。
雅依 輝星、彼を守る為に。
彼ほどの実力者ならば、一撃をして2人を一瞬にして、ただの肉塊に変えるも造作は無かったはずだ。
だが、彼は一言、天晴れな心意気だ、と一笑し、その場から去って行った。
去って行く背中を、追う事は出来無かった。
光星は満身創痍の身のまま、後に立った輝星に振り向いて、微笑んだ。
もう、大丈夫。
そんな事を言って、彼女は倒れた。
最後まで、輝星の事を考えて。
(次は、今度こそは)
約束を、違えてなるものか。
この命を賭して、身が粉になるまで。
(彼女の盾となる)
少女は、命を懸けて少年を守った。
【猛火】と呼ばれた相手を前に、恐怖はあったはずなのに。
それでも、立ち塞がった。
それは、輝星を守りたい、ただ単純明快な意志の下の行動だった。
次は、俺の番だな。
「守って見せる。今度は絶対に。だってさ、俺は───────────お前の盾なんだから」
強く、力強く、静かに眠る少女の手を握った。
そして、小さく、本当に小さく、少女は彼の手を握り返して来た。
「輝星…」
寝言かも知れない、聞き取るのも難しい小さな言葉。
それでも、少年は確かに聞いた。
自分の名前が呼ばれた事を。
その言葉が、何の意味を持っているかを。
解ってる、そう言って、彼は彼女の頭を優しく撫でた。
「…早く元気になれよ?」
1人の少女の為。
少年は盾となる。
幾千の害意、圧倒的なる強者から1人の少女を守護する為に。
過去に誓った誓約の名の下、少年は動き出す。
- Re: Multiplex Cross Point ( No.517 )
- 日時: 2010/08/03 13:15
- 名前: インク切れボールペン (ID: mCvgc20i)
どうやら、死に損なった様ですねー。
医療階層の一番奥の部屋、集中治療室と呼ばれる場所で、錆螺 唄はポツリと呟いた。
ベッドに寝かされた身は、大量の出血による所為か、全くと言って良い程、動かない。
(まぁ、腹に風穴を空けられたんですから、生きてるだけで十分に幸運ですが)
だが、動かなければならない、と彼は思う。
一刻も早く、この身を動かし、ダージスの野望を阻止せねばならない。
そして、
(カノン…)
【神へのアクセス権】という特異な能力を持った【創製種】の少女。
彼女はダージスによって、連れて行かれた。
【荒廃せし失楽園】の面々の名前を覚えようとしていた、健気な少女。
あの出会いも、全てがダージスの奸略だったと言う。
全てが、ダージスの計算の範囲だったと言う。
だが、1つだけ奴はミスを犯した。
錆螺 唄がカノンの手で刺され、彼女を伴ってダージスが撤退しようとした間際。
カノンは、涙を流していた。
ダージスは、カノンの心を壊す、と言った。
確かに、自分に温情を懸けてくれた唄を不本意に刺す、という事は彼女の心を抉ったに違いない。
事実、去り際の彼女の瞳は機械の様に光を無くしていた。
表情も無く、本当の機械に見えた。
あの涙を除いて。
まだ機会は完全には奪われていない。
あの少女の涙は、まだ彼女の心が残っている事を示している。
(だったら、私達が起こす次の行動は決定的です)
唄の脳裏を、カノンの涙が再生される。
それを思い出し、錆螺 唄は笑った。
ありがとう、カノン、と。
彼は、1人の少女に礼を言った。
(久しく忘れていた何かを、思い出せましたよ)
神と同位の能力を得る。
途方も無い野望だが、成就されれば世界が震撼する事は間違いない。
だが、カノンを取り戻せば、それは阻止できるだろう。
しかし、彼の計画が最終段階に入っていると予測すると、神の力を得たダージスと相対する可能性はある。
人類の歴史上、人が神に刃向かって勝利したなどという事例は存在しない。
けれど、
(関係が無いですね。神? 実に矮小です)
人間とは本当に愚かだ、と唄は思う。
今の状況、彼はカノンを取り戻す為に神と相対する可能性を考えて、何の恐怖も湧かなかった。
それよりも、1人の少女の心が崩壊する方が、遙かに怖ろしかった。
だからこそ、重傷を負い、絶対安静の言い渡されて尚、彼は立ち上がる。
「待っていて下さい。カノン」
すぐに行きます。
敗北を経て尚、魔術師達は止まらない。
それぞれの決意を胸に、物語は動き出す。
- Re: Multiplex Cross Point ( No.518 )
- 日時: 2010/08/03 13:17
- 名前: 蒼雅 ◆CwIDAY6e/I (ID: ztRXnpN9)
切なく、少し温まる光景……なのかな(ぇ
「もう、大丈夫。」って、大丈夫じゃないやんけ!(
>>515ww
ならば逆にパシっっちゃえばいいじゃないですk((
何歳なんです、妹さん。
- Re: Multiplex Cross Point ( No.519 )
- 日時: 2010/08/03 13:18
- 名前: インク切れボールペン (ID: mCvgc20i)
彼女を助けたい。
敢えて敵の本拠地に乗り込む、というハイリスクを犯す理由は、至極単純な物だった。
野望の為だけに造られた、1人の少女。
彼女の生まれた理由は道具として消耗品にされる為であり、愛される為ではない。
そんな事、誰が認めようと、俺は認めない。
夜の肌寒い風が、赤毛の髪をそよそよと靡かせる。
柚葉 クロトは今、【荒廃せし失楽園】の本部である廃ビルが建つ広場に立っていた。
後には、本部のビルへの入口があり、今頃は上の階層で他の同僚達の治療が行われているだろう。
きっと、俺が消えたら皆は驚くだろう、とクロトは思う。
だが、彼はそれを鑑みても尚、迷いは無かった。
本部の同僚達に黙り、彼は1人で【灰燼の風】から1人の少女を救う為に行動を開始する。
…はずだった。
「おい、勝手に抜け駆けとはちょっとばかしズルいゼ、クロト」
「…本当ですよ。彼女を助けに行くなら僕達も連れて行って貰わないと」
建物の影から、そんな声が聞こえた。
ザッ、という足音と共に現れたのは、2人の同僚。
「秋兎、…それに、スルメ」
「誰がスルメですか。ヴァンですよ、覚えて下さい。…って、その前にクロトさん、抜け駆けは許しませんからね」
「全くだゼ。魔術師として、1人のロリコンとして、カノンの事は放って置けないゼ」
「理由が不純です」
「気にすんな。さーて、クロト。抜け駆けは許さんゼ、行くなら俺達も連れて行けな」
「そうですよ。【灰燼の風】の本部の位置を知ってるんでしょう。でも、1人じゃ無謀ですよ」
だから、連れて行け、と2人は言う。
1人の少女を助けたい、と望むが故に。
だが、それを望んだのはこの2人だけでは無い。
「面白い話をしてるじゃないか。それ、俺も付き合わせてくれよ」
「私は無謀が大好きでな。危険な事をしようとしているなら、私も交ぜてくれんか?」
またも、別の影から現れる2人の人物。
月架 蒼天、公孫樹 雅。
彼らもまた、無謀な救出作戦を敢行せんとするクロトに同行を求めて来た。
ちょいと妙な空気になってきたな、とクロトは思う。
1人で無謀を敢行するつもりが、その無謀に付き合おうと4人の人物が名乗りを上げてきたのだから。
しかし、実際はそれが4人で止まる事は無かった。
「死地に敢えて飛び込むか。面白いじゃないか、私にも付き合わせてくれ」
「…そんな面白い事、1人やらせると思ってんの?」
「1人でカッコイイ事はさせられんな、クロト。行くなら、この千堂 紀和も連れて行け!!」
「怪我したまんまでしょ、クロトくん。そんな人を私が放って置くと思ったら大間違いだよ。行くなら、私もッ!!」
「俺も。カノンを助けに行くんでしょ。なら行くよ、絶対」
「わ、私もッ。私も行く、クロト!!」
「付き合わせろよ。お前の為じゃないけど、俺は光星を守る為なら何処にだって行ってやる」
次に現れたのは、7人の人物。
星姫 月夜、如月 琉那、千堂 紀和、結月 采音、黒雅 誡、雅依 光星、雅依 輝星。
これだけの人物の登場には、流石のクロトも舌を巻いた。
これじゃあ、何の為に1人で行こうとしたか解らなくなってきた。
しかも、人物の登場はこれで終わった訳じゃない。
「クロト。何を1人で無謀をしようと企んでいるんだ?」
「…馬鹿。うん、馬鹿の極みね。救いようが無いわ」
現れたのは、柚葉 椛とメル・ヴァートン。
その後には、威牙 無限、黒島 聖、冥弛 裄乃が佇んでいる。
唖然とするクロトを無視し、不機嫌そうな口調の椛は面倒そうな口調で呟いた。
「おい、クロト。私に黙って無謀を成そうなど…、私が放って置くとでも?」
「…あはは。いや〜、まさかこんなに人が集まって来るとは思ってなかったよ」
「本来なら私は組織の者達の無茶を止める責任があるが、今回は別だ」
圧倒的な不利な現状。
組織的に大局を見るならば、現状は組織の構成員の傷を癒しきるのが最善策だ。
それを、傷も完治せぬ現状況で敵の本拠地に乗り込むなど下策の極み。
しかし、此処に集った者達の共通の目的は、その下策の極みを実行する事だ。
椛には、一致団結する仲間達を止める事など、出来なかった。
何より、彼女もまた、その下策の極みに賭けてみたい、そう思ってしまっていたから。
「それに…先走った馬鹿を捜さねばなんらしな」
「先走った馬鹿?」
ああ、と答え、椛は溜息を吐いた。
疲れたような、それでいて落ち着いた雰囲気を醸し出して。
「どうやら、錆螺 唄の奴が一足先に【灰燼の風】の本拠地に向かったらしい」
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