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Multiplex Cross Point 完結
日時: 2011/01/04 15:36
名前: Faker (ID: uUme72ux)

新たに小説を書きます、Fakerです。
どうぞ、お気軽に見て貰えれば嬉しいです。
御意見など、お待ちしています。

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Re: Multiplex Cross Point 19話更新 ( No.830 )
日時: 2011/01/03 17:04
名前: インク切れボールペン (ID: uUme72ux)

浮遊感は消えていた。
瞳に映るのは、何の物質も存在しない白銀の世界。
其処に柚葉 クロトは忽然と佇んでいる。

「何なんだ、此処」

頭を掻きながら、彼は警戒を怠らず周囲を見回す。
ダージスの一撃を受け止めた直後、意識が寸断され、気が付いた時には此処だった。
此処が何なのか、幾つかの仮定は構築してある。
閉鎖次元への空間転移だとか、実は此処は天国だとか、色々と。
ふと、その思考は寸断される。

(…ッ!?)

白銀の世界が揺らぐ。
まるで、テレビのチャンネルが変わるかの様に。
刹那の瞬間に、白銀の世界の光景が、変わる。
粉雪が蕭々と降り注ぐ、純白の世界へと。

「本当に構わんのかね?」

唐突に声が聞こえた。
音源の方へ警戒と緊張を籠めて向いた彼が捉えたのは、初老の男性。

(セルゲイ・ディスコラヴィッチ!?)

見間違うはずが無い。
その初老の男性は確かにセルゲイだった。
そして、そのセルゲイが言葉を放った相手、その人物は、

「構わない。僕に選択肢は無いからね」

特徴とも言える緋色の髪と白衣を纏った青年。
諦めた様な力の無い微笑を湛えた彼を、クロトは知っている。
見間違うはずが無いのだ、先程まで戦っていた相手なのだから。
ダージス・シュヘンベルク。
”神の力”を身体に取り込んだ、その男を。
が、ダージスは付近に佇んでいるクロトに一瞥も与えず、セルゲイとの会話に専念している。
まるで、見えていないかの様に。

「深慮するべき時だぞ、ダージス。君ならば聡い選択が可能なはずだろう」

「聡い選択、ね。だから言っているだろう、選択肢など無いと」

ふと、クロトの脳裏に一つの答が浮かんだ。
この奇っ怪な状況に対し、筋の通る答を。

(”共鳴現象”、か)

同質の魔力同士が激突する事で起こる現象。
恐らく、その現象がダージスとクロトの間で起きたのだろう。
そして、この光景は、

(ダージス。奴の記憶か)

良く見れば、ダージスもセルゲイも現在より、少しだけ若く見える。
予想の範囲を出ないが、この光景は数年前のものだろう。

「…君の覚悟は変わらんか。解っているのかね、此処で私の言葉に背かねば、”奴ら”に利用されるだけだと」

「”奴ら”に利用されるのは癪だね。だが従わなければ、僕の愛する人が死ぬ。…解ってるだろ」

何処か寂しそうな微笑を湛え、ダージスは呟いた。
彼女の為ならば、僕は”奴ら”の道具になってやるさ、と。

「この先、忌避されし者として君は世界に記憶されるぞ。それでも構わんのか?」

「構わないさ。彼女の命を護れるならば」

「…。それは悲痛な覚悟だ、ダージス。だが、君は何故…」

蕭々と降り続ける粉雪。
セルゲイの瞳に映るのは、純白の光景と緋色の髪の青年。

「何故、君は其処まで己を捨てられるのかね…?」

理由なんて簡潔なものだよ、とダージスは微笑を湛え、彼の質疑に答えた。
ただ一つの答を。

「彼女を」

雪を纏った風が吹く。
クロトの眼前を真っ白に染めて。
再び意識が闇に沈む。
閉ざされる瞳、深淵に沈んでいく意識。
そんな状況で、漆黒の空での戦闘でダージスが述べた言葉を思い出す。

『結構!! ”真実”を知らぬ者に僕の理想は理解できないさ!!』

彼が述べた”真実”という言葉。
その意味は。
その真意は。
思考は完全に停まり、闇の底へ意識は沈んだ。
最後に聞こえたのは、ダージス・シュヘンベルクの言葉。

「護る事に、愛する事に───────────────────、限界など無いのだから」

Re: Multiplex Cross Point 19話更新 ( No.831 )
日時: 2011/01/03 17:44
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: jQHjVWGa)

え、え、え?
ちょ・・・ダージスさん!?((黙

ダージスって・・・もしかして良い奴、ですか?
彼女って誰でしょうねー・・・(゜д゜ )
全然想像つかないです、完敗でs((

かなり続きが気になる展開ですねっ!!
更新待ってます(*´ω`*)

Re: Multiplex Cross Point 19話更新 ( No.832 )
日時: 2011/01/03 18:18
名前: インク切れボールペン (ID: uUme72ux)

瑚雲さん。

ダージス=シュヘンベルク。
彼の真意は何処にあるのでしょう…。
さて、善人か悪人か、どっちなんでしょうねー。
”彼女”はまだ登場してないですね。
完敗ですかw

では、その御言葉に応え、颯爽と更新しましょう。
次で19話最後です。

Re: Multiplex Cross Point 19話更新 ( No.833 )
日時: 2011/01/03 18:25
名前: インク切れボールペン (ID: uUme72ux)

唐突だった。
再び、漆黒の空に戻される。
ダージスが”神の力”を用いて強化を施した右腕を放ち、それを受け止めた漆黒の空に。

「…停めるか。僕の一撃を」

流石は”神殺し”の魔術師だ、とダージスは拳を停めたクロトを賞賛する。
変わらず侮蔑の表情を籠めた微笑を湛えて。
だが、今の彼の表情が、クロトには偽装に見えてならない。
”共鳴現象”で目撃した、彼を思い出して。
だからこそ、彼は問い掛ける。

「”奴ら”とは誰だ」

ほんの一瞬。
が、確かに一瞬だけダージスの表情が曇ったのを、彼は確かに捉えた。
何の話だい、と嘯くダージスに、彼は更に言葉を叩き込む。

「お前は踊らされているだけじゃないのか!! その”奴ら”なる者達に!!」

「何の話だと言っているんだ!!」

ダージスの裂帛が漆黒の空間に響く。
刹那、放たれる拳。
的確に心臓を穿つが為に放たれた”神の力”を用いて強化された裂拳を。
人間の反応速度を遙かに越えた速度で、常軌を逸した威力の拳を。
しかし、パンッ、という乾いた音と共にクロトはダージスの拳を受け止める。
尚も、言葉を吐き続けて。

「愛する者の為に!! 己を殺して!! お前はッ!!」

「随分と喋るじゃないか!! 余裕の証拠かい?」

「答えろ!! お前の言った”真実”の真意を!!」

「答える必要が無いね!!」

直後、同質の”神”の魔術は激突する。
轟音は世界を揺らし、”神殺し”の魔術師は尚も問う。
”真実”の意味を求めて。
だが、如何なる言葉を投げ掛けられようと、ダージスは見事に捌いて見せる。
その言葉に、意味は無い、と。

「君は随分と余裕の様だ。なら、完全に君の余裕を両断して見せよう」

その瞬間だった。
ダージスの背中から飛び出していた”黒焔の双翼”が砕け散る。

「さぁ、ショータイムの時間だ!!」

飛散した黒焔は、漆黒の空に幾多の魔法陣が描かれる。
幾多の魔法陣が重なり、新たな魔法陣を構築し、そして重なり、新たな魔法陣を構築し…。
その循環が続き、遂には兎葉の街を抱擁するほどの巨大な魔法陣が顕れた。
それを視界に捉えたクロトの頬を、冷たい汗が伝う。
恐らく、この魔法陣は魔術砲撃の陣。
が、これほどの規模の魔術砲撃を撃たれれば、クロトでも停められない。
それ以前に、この魔術砲撃が着弾すれば周辺の街を呑み込み、焦土と化すだろう。
魔術を停める、それ以外に方法は無い。
その為には、

(説得で奴が停まるとは思えない!! なら、方法は一つ)

視界に捉えるのは、魔術砲撃の発動準備に掛かるダージス。
魔術を停める、その方法は。

(魔術を発動している術者を抹殺する事!!)

それは簡単な事では無い。
”神の力”を身に取り込んだ、ダージスを殺すには、一撃で決める以外の方法は無いだろう。
それを成し遂げる為に、必要な条件を満たす魔術は、ただ一つ。

(”神穿ちの魔槍”!!)

刹那、空間が揺らいだ。
”神殺し”。
その魔術は破壊と創造の二属性を扱えるフレスヴェルクの一族のみ使役する事が可能な魔術。
文字通り、”神を刺し穿つ魔の槍”。
創造と破壊、対極の魔術を掛け合わせ、莫大なエネルギーを創造する。
加えて、莫大なエネルギーを凝縮させ、”槍”の形を模した物が、”神穿ちの魔槍”。
ダージスの魔術と同等か、それ以上の威力を持っているであろう、その魔術。

「創造…完了ッ!! 矛先に”破壊”の属性を集束。射出準備完了…ッ!!」

まだ”真実”の意味は聞き出せていない。
それでも。

(仲間を殺させる訳には…。街を破壊させる訳には…)

右腕に、膨大なエネルギーの”槍”を手にして。
クロトは、吼える。



「行かねぇんだよォォォォォォ────────────────ッ!!!」



その瞬間。
莫大なエネルギーの塊である”神穿ちの魔槍”を射出する。
放たれた”槍”は漆黒の闇を滑空し、ダージスへと向かう。

「──────────────────ッ!!!」

魔術の展開に、気を取られていた。
その所為か、飛来する”槍”に対応が遅れ、

”槍”はダージスに激突する。

直後だった。
漆黒の闇に、莫大な閃光が迸る。

Re: Multiplex Cross Point 最終話更新予定 ( No.834 )
日時: 2011/01/03 23:46
名前: インク切れボールペン (ID: uUme72ux)

さてさて、深夜に小さな呟きを。
自分の駄作も様々な方に支えられ、遂に最終話に突入です。
ダージスの真意は何なのか。
"真実"という言葉に籠められた意味は。
誤字多数、設定の修正が大量の駄作も明日には遂に完結かもです。
それでは、明日の執筆の為に鋭気を養うとしましょう。

以上、何の意味も伏線も無い、ただの独言でしたーw


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