二次創作小説(紙ほか)

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※文スト二次創作※ 〜紫眼に惹かれて現世を〜
日時: 2021/09/10 03:28
名前: ぴろん (ID: XL8ucf75)

初めまして。カキコ初見のぴろんと申します。

初投稿ですので何かと至らぬ点も御座いますが、生温かい目で見守って下さると助かります。


コメントや物語に関する質問などは何時でも受け付けておりますので遠慮なくコメントしていって下さい!



※注意
・この小説は作者の完全なる二次創作です。御本家様とは全く関係がありませんのでご了承下さい。

・登場人物の異能など説明不足の部分が多々あります。その場合は御本家様、文豪ストレイドッグスの漫画1〜10巻、小説1〜4巻を全て読んで頂けるとより分かりやすく楽しめると思われます。

・作者の勝手な解釈で作っておりますので、良く分からない表現や言葉等があった時はコメントで質問をして下さい。読者の皆様方が分かりやすく楽しめる小説作りをする為の参考にさせて頂きます。

・此処では二次創作小説の連載を行なっております。リクエスト等にはお答えできませんのでご理解頂けると幸いです。


2016/12/30 閲覧数100突破!本当に感謝です!

2017/01/14 閲覧数200突破!有難う御座います!

2017/02/09 閲覧数300突破!唯々感謝です!

2017/03/01 閲覧数400突破!感謝感激雨霰です!

2017/03/24 閲覧数500突破!有難う御座います!

2017/04/23 閲覧数600突破!泣くほど感謝です!

2017/05/13 閲覧数700突破!感謝しすぎで死にそうです!

2017/05/28 閲覧数800突破!本当に有難う御座います!

2017/06/21 閲覧数900突破!物凄い感謝です!

2017/07/02 閲覧数1000突破!信じられないです…有難う御座います!!

2017/07/18 閲覧数1100突破!有難う御座います!

2017/08/03 閲覧数1200突破!感謝ですっ!

2017/08/30 閲覧数1300突破!有難う御座います有難う御座います

2017/09/24 閲覧数1400突破!本っ当に有難う御座います!

2017/11/03 閲覧数1500突破!感謝しかないです!

2017/11/29 閲覧数1600突破!本当に感謝します!

2018/01/08 閲覧数1800突破!1700飛ばしてすみません!有難う御座います!

2018/01/13 閲覧数1900突破!年始効果でしょうか…有難う御座います!

2018/01/27 閲覧数2000突破!こ、これは…夢でしょうか…?!本当に、心から感謝致します!!

2018/03/07 閲覧数2100、2200突破!1つ逃してしまいました…ありがとうございます!

2018/03/28 閲覧数2300突破!ありがとうございます…!!!

2018/04/17 閲覧数2400突破!間に合わないのがとても嬉しいです…!

2018/05/13 閲覧数2500突破!いつの間に…?!有難う御座います!!

2018/05/20 閲覧数2600突破!とてもとても!感謝でございます!!

2018/05/23 閲覧数2700突破!ぺ、ペースが早い…!ありがとうこざいます!!

2018/06/02 閲覧数2800突破!間に合わなくてすみません。有難う御座います!

2018/06/29 閲覧数3000突破!え、あの、ごめんなさい!有難う御座います!なんかします!

2021/09/10 閲覧数7000突破!有難う御座います。恐らく更新はありませんが、楽しんでいただけたなら幸いです。



何時の間にか返信数も100突破です。有難う御座います!


2017/06/30 本編完結。今後とも宜しくお願い致します。

Re: 〜紫眼に惹かれて現世を〜文スト二次小説※オリキャラ注意 ( No.51 )
日時: 2017/02/15 20:47
名前: ぴろん (ID: XL8ucf75)

28間目




冷たいコンクリートの壁に声が反響する。

「うふふ、奴等も考えたねぇ」

両手を後ろで縛られた太宰が言う。

「嫌な予感はしてたんだ…」

太宰と同じく縄で両手を縛られた式部が言う。

2人は背中合わせで両手を縛られ、式部の手と太宰の手が必ず触れるようにして柱に固定された。

「コレだと式部ちゃんの異能が使えない。困ったねぇ」

「おまけに手錠と縄の二重縛りだ。余程警戒しているんだな」

腕を揺らすと手錠の鎖がカシャリと鳴った。

「さて、このままだと私も君もココの奴隷かな?」

「ココは仮拠点だ。時期にボスが来る」

「それは楽しみだねぇ」

太宰はまた笑みを浮かべる。

「奴隷になれば自殺なんて出来ないし勝手に死ぬ事は許されないからな」

「えぇっ?!それなら早く逃げなきゃね!」

また手元でカシャリと音が鳴る。

だが、その音は鎖が揺れた音では無かった。

「よし。まずは一つだ」

手錠が地面に落ちる。

「やっぱり持ってたか」

太宰の手にはヘアピンが握られていた。

「如何なる時でも最悪の状況を予期していなければいけない、探偵社の鉄則だよ?」

「あっそ」

式部が素っ気なく言葉を返す。

ブツッ

同時に小さな音がした。

ハラリと縄が解ける。

「流石だね」

「うるさい」

式部の手にはガラスの破片が握られていた。

「指先は切ったら痛いんだよ」

手から血がポタポタと滴り落ちる。

「後で絆創膏あげようか?」

「いらない」

式部は腕に二重に巻いていた包帯を取り、首に巻く。

「お、良かった。時計は盗られてないや」

太宰が懐から懐中時計を取り出す。

「持ってたのか」

「昔の盗品さ。この前見つけた」

時刻は午後10時。大分長い間気を失っていた様だ。

「さてと、そこに監視カメラがあるね。どう誤魔化す?」

「俺の異能で誤魔化せる」

そう言った直ぐ後、鉄の柵が切り崩される。

カラン…

「監視カメラの前に俺たちの映像を上書きした。音は入らないタイプだから時間稼ぎにはなるだろ」

鉄柵を杖代わりに立ち上がる。

「便利だねぇ」

「お前が触れたら元も子もないがな」

太宰も立ち上がり、檻から出る。

「触れたら大量に敵が来る…わぁ!とても楽しそう」

「やめろ。疲れる」

式部は足を庇いながらひょこひょこと歩いて行く。

暫く歩いた所に見張りが立っていた。

式部は徐ろに近くに転がっている小石を取ると、見張り目掛けて投げつける。

ゴッ!

鈍い音がしてからドサリと倒れた。

「うわっ、痛そうだね…」

「止むを得ないだろ。そこまで痛くないし」

暫く見張りがいない所を歩いていると、式部が立ち止まる。

「どしたの?」

「…監視にばれた」

式部は目を閉じる。

「今から20秒後に前から5人…いや、6人来るな。どうする?」

「えー?どうするって隠れるしか無いよ」

「ならそこの曲がり角か」

角を曲がって壁に張り付く。

「…あと5秒」

2人は息を潜める。

直ぐ横を武装した集団が横切る。

数秒の間息を止めてからゆっくりと吐き出す。

「はぁ…私こういうの嫌いなんだよねぇ」

「文句を言うな。奴隷は嫌だろ?」

式部はまたひょこひょこと歩いて行く。

「出口の場所知ってるの?」

「知らん」

「えぇ…」

心配そうな太宰を横目に、式部は迷いなく歩いて行く。

「さっきの人が来る時もだけどさ、未来予知でも出来るの?」

「そんなわけないだろ。音が聞こえたからだ。あいつら無線も使ってたし」

「へぇ〜」

関心したように相槌を打つ。

「指示が聞こえれば相手の動きも分かる。お前だってそうだろ」

「まぁそうだけど…普通はその指示が聞こえないからねぇ」

「は?」

式部が立ち止まる。

「あんなデカイ声で言ってるんだぞ?聞こえないのか?」

「遠くの人に声を届けるために使うんだよ。拡声器だとバレるからわざわざそういう機械を使うの」

「丸聞こえだが…」

式部は言葉を切る。

「なに?また来るの?」

「入り口のある方向がわかった」

そう言ってまたヒョコヒョコと歩き出す。

「それにしても今のも聞こえてないのか」

「今のってなんなのさ」

「言ってただろ、入り口の見張りを強化しろって。その後に数人の声で場所の指示をしてた」

「全く聞こえなかったんだけど」

「嘘だろ…」

式部が溜息を吐く。

「なら今までの声も聞こえてないのか…お前らが必死こいて情報を集めてる意味がやっと分かってきた」

「そりゃ良かったねぇ」

暫く歩くと薄暗い通路に光が差し込んできた。

「窓から出れない?」

鉄枠のはまった窓を指差して言う。

「窓の外にも警備がいる。それにこの高さだと登れない」

その先にに大きな扉が見えてきた。

「お、あそこだね」

太宰が少し早足で向かう。

「開けていい?」

「勝手にしろ」

ギギィ…と音を立てて扉が開く。

ジャキジャキッ!

金属の噛み合う音が2人を囲む。

武装した男達が無言で銃口を突きつけて構えていた。

それを見て太宰はパァっと笑顔になる。

「もしかしてコレって死ぬチャンス?!」

「そうだな」

素っ気なく返して前を向く。

人数は30人程。強引に突破するには少し無理のある人数だ。

「何で撃ってくれないのさ!折角のチャンスなのに!」

太宰が動こうとすると、半数の銃口が太宰を追う。残り半数は式部に向けられたままだ。

「式部ちゃーん、理由分かる?」

「こいつらに与えられた命令は俺達の捕獲だ。殺しては意味がない」

「ちぇー、じゃあコレは見せかけかぁ」

太宰は玩具を買ってもらえなかった子供の様な表情を浮かべる。

「急所以外は狙ってくるぞ」

「それは嫌だね。痛そうだ」

太宰は式部に視線を向ける。

「何とか出来ないの?」

「出来る」

目を合わせずに即答する。

それと同時に幾つかの銃口が式部の眉間を確実に捉える。

「…俺だけ逃げてお前を残すってのもアリだな」

「酷いなぁ。私もちゃんと連れて行ってよ」

「分かってるよ」

式部が面倒臭そうに言う。

「じゃあ1つ聞くが、お前は俺を担げる位の筋力はあるよな?」

「流石に式部ちゃんも持ち上げられないなんて事はないよ。疲れそうだけど」

「最後のは余計だな」

式部は小さく息を吸う。

「後は頼んだぞ」

そう言ったのと同時に、目の前を取り囲んでいた男達が消え、残された銃器がガシャガシャと音を立てて地面に落ちる。

そして、式部が糸の切れた操り人形のようにカクンと倒れた。

太宰は式部を受け止め、足を動かさないようにそっと背負う。

「お疲れ様」

静かに呟き、夜道を歩いて行った。

Re: 〜紫眼に惹かれて現世を〜文スト二次小説※オリキャラ注意 ( No.52 )
日時: 2017/02/18 20:25
名前: ぴろん (ID: XL8ucf75)

29間目



帰り道の中、太宰は公衆電話をかける。

3回目の呼び出し音が鳴った所で受話器の向こうから硬い声が聞こえる。

「もしもし、安吾ですが」

「やぁ安吾。私だよ」

「…新手の詐欺ですね」

「違うって!私だよ、太宰 治!」

電話を切ろうとする安吾を呼び止める。

「…僕だって忙しいんです。用件は何ですか?」

「式部ちゃんを捕まえたよ」

「本当ですか?」

「当たり前だろう?私は嘘を吐いた事なんて無いからね」

「その言葉が既に嘘に聞こえますが」

安吾が溜息を吐く。

「で、今何処ですか?」

「内務省前の公衆電話」

「直ぐ向かいます」

ブツッ

電話が切れてから10分程経った後、目の前の建物から安吾が出てきた。

「やぁ安吾!調子はどうだい?」

「その子の所為で丸3日寝てませんよ」

頭を掻きながら言う。

「太宰君も付いてきて下さいね。貴方が居ないと逃げられますから」

「面倒臭いなぁ」

「お願いしますよ。なんせ探偵社と特務化は何時だって助け合って来たんですから」

「…前の事根に持ってるね?」

「えぇ、もちろん。取り敢えず着いて来て下さい」

安吾に着いて行き、内務省の中に入る。

「何時もの護衛2人は?」

「今日は寝てます」

「じゃあ何時でも安吾を殺し放題だねぇ」

「やめて下さい。少なくとも僕は貴方みたいな死にたがりではありませんから」

階段を登った後、1つの部屋に入る。

「その子怪我とかしてますか?」

「右足の骨折と首を撃たれてたね。それと腕に深めの切り傷」

太宰が背中で寝ている式部を見ながら言う。

「全く…何時も何処かしら怪我してるんですから」

部屋の中の椅子に腰掛け、栄養剤を飲む。

太宰も式部を下ろして椅子に座らせてから机に腰掛ける。

「しかしあの時は驚いたよ。急に探偵社に電話をかけてくるんだから」

「携帯だと水没している可能性があったので」

「私もそうなると思って携帯は持ってないんだ」

ポケットを引っ張ると中から枯葉やらゴミやらが出てくる。

「汚いですから捨てて下さいね」

「用務員さんがいるんでしょう?」

嫌そうな顔をする安吾に反して、太宰は笑顔である。

「で、特一級危険異能者になった判断基準は?」

太宰の言葉に少し間を空けてから答える。

「地球上の何処にいてもターゲットを殺戮可能。24時間張り付いて監視しようにも異能で消えてしまい、追跡は不可能です。特務化の仕事は異能力者の監視ですから、そういう者が1人でもいると困るんですよ。オマケに異能の全容はまだ不明です」

そう言って持っていた鞄の中から書類を取り出す。

「僕が今出来る限りの伝手を使って集めた資料ですが、分かる事が少ない。太宰君もあまり有益な情報は聞いてくれませんし」

薄い紙束をパラパラとめくる。

「随時報告してるじゃないか」

「随時?一週間に一度あるかないかしか届いてないのですが」

「あれだよ、電波が悪いんじゃない?」

「じゃあその抜けている部分の情報も下さいよ」

「消しちゃったかもー」

太宰は机からピョンと降りて、安吾の資料を奪い取る。

「ちょっと!」

「へぇ、大分まとまってるじゃないか」

太宰がペラペラとめくる。

1つのページに目を留め、読み上げる。

「〈1歳の頃両親を殺し、その後人身売買の関係者に拾われて1年間市場を回る。〉か…」

「矢張り太宰君もそこですか」

安吾がもう1束の資料を出す。

太宰がそれを受け取りながら話す。

「普通人身売買は売れない商品は捨てるか殺すかするものだ。だけど式部ちゃんは捨てられたなんて情報も無いし、今こうして生きている。妙だねぇ」

「他に知っている情報は無いんですか?」

「残念ながら私は持っていないよ。けど、誰が持っているかは知っている」

そう言って太宰はニヤリと笑う。

「…誰です?」

安吾が嫌そうな表情を浮かべながら聞く。

「ポートマフィアさ」

太宰が言ったところで目の前の机に真っ直ぐの切れ目が出来る。

鉄製の机が音を立てて崩れ落ちる。

「ん…」

椅子に座っていた式部が目を開ける。

「あー…夢見が悪かったな…」

ぼそりと呟いて2人の方を見る。

「安吾、と…」

少ししてから辺りを見回す。

もう一度2人を見る。

「…あぁ、太宰か」

「私だけ遅くない?」

「たまに夢と現実が混同するんだ。太宰は首吊り死体に見えた」

「え?本当?!」

嬉しそうな表情を浮かべる。

「そこ嬉しがる所じゃ無いですよ」

安吾が溜息を吐きながら言う。

「幾ら夢見が悪くてもその辺の物を切るのは止めて下さいよ?経費で落ちると良いんですけど…」

「あぁ、切ったのはこの机か」

式部は机の切断面をくっつける。

手を離すと、机は元通りになっていた。

「これでいいか?」

「本当に便利だねぇ」

太宰が机に手を当てて滑らせる。

安吾は資料を鞄の中にしまい、立ち上がる。

「…逃げないんですか?」

「別れは告げてきた」

式部は何も無い空間から鉄パイプを取り出し、杖代わりにして立ち上がる。

「何処行くの?」

「特務化の本部です。少し働いて貰います」

安吾が扉を開ける。

「太宰君はどうします?」

「私は帰るよ。残業は嫌いでね」

手をヒラヒラと降りながら部屋を出る。

「それと式部ちゃん」

「何だよ」

「今月のお支払い!」

太宰がパッと手を出す。

「…探偵社に直接送っておいた。多分今頃国木田が割り振ってる」

「ちぇー」

口を尖らせ、頭の後ろで手を組む。

「まぁいいや、2人共お仕事頑張ってね〜」

クルリと背を向け、帰っていった。

「…さて、式部さん。歩けますか?」

「一応な」

「じゃあ行きましょう」

前を歩く安吾に続いてヒョコヒョコと歩いて行く。

長い廊下を歩き、エレベーターに乗って地下室へ向かう。

「血の匂いがする」

「よく分かりましたね。大分念入りに掃除したんですが…この前ココで殺人事件があったんです」

「ふーん…」

エレベーターの中をグルリと見渡す。

「下半身と首と背骨…大分無残な感じだな」

「その事について教えましたっけ?」

「教えてない」

式部は天井を見上げる。

「有線式の水素爆弾…線路と木箱に檸檬」

ブツブツと独り言を言う。

「死人の悪ふざけってトコだな。いや、妖怪か」

納得したような表情で言う。

安吾はそれを聞いて驚く。

「見ただけで分かるんですか?」

「過去の事はな。未来は分からん」

そう言って何も無い空間を見つめる。

エレベーターが止まり、ドアが開く。

長い一本道の廊下の両脇には黒服を着て武装した警備員が立っている。

暫く歩くと、木製の扉に着いた。

安吾がそこを開けると、数名の事務員らしき者が仕事をしている。

「あ!坂口先輩、聞きましたよ!新しく特一級危険異能者が…」

「静かにして下さい」

「はい…」

若い女性は目に見えてシュンとなる。

「この子ですよ」

安吾は式部を前に立たせる。

「この子ですか?」

「今言いましたよね」

「何か…想像していたよりも小さいですね」

女性は屈んで式部と目線を合わせる。

「初めまして、辻村 深月と申します。坂口先輩の後輩です。えーとあなたは…」

「紫 式部」

「そう、それです!式部君、よろしくお願いします」

そう言って右手を差し出す。

式部は差し出そうとした右手をチラリとみてから引っ込め、左手を出す。

「あ、左利きですか?」

辻村は出していた手を左手に変える。

「両利き」

式部は辻村の手を指先でチョイっとつまむ。

困惑する辻村を見て式部は両手を開いてみせる。

「さっき手切ったから」

右手は手のひら全体が血で染まっており、左手はかろうじて指先の白い肌が見えていた。

「え?大丈夫ですか?!あ、今ガーゼ…」

「辻村君」

「はいっ」

慌てて立ち上がる。

「式部さんについての資料は既に渡していますよね?」

「はい!先日拝見致しました」

ビシッと姿勢を正し、ハキハキと答える。

「では何故名前を覚えていないのです?」

少し棘のある声で言う。

「え、えーっと、それは…」

「読んだのは1週間前で記憶が曖昧。それに綾辻先生の事もあって大変だったから今朝言われるまでこの件の存在自体忘れてた」

視線を逸らす辻村の言葉を式部が代弁する。

「えっ?!な、何でそれを…」

「見れば分かる」

辻村は自分よりもずっと小さな子供にそれを言い当てられ、困惑する。

「安吾、綾辻ってのは特A級危険異能者の奴か?確か異能力名は【Another】だったか」

「そうですよ。まぁ、辻村君は後で“何時も”の所に来なさい」

安吾がジロリと辻村を睨む。

「はい…」

また目に見えてシュンとなる。

「式部さんに隠し事は出来ないですよ。全部見られてますから」

「へ?見られてるって…」

「そのままです。式部さんの異能は少し特殊なんですよ。今回連れてきたのはそれについてお話を聞こうと思っていましてね」

安吾は羽織っていたコートを壁にかける。

「それより式部さん、何時までその格好なんです?」

「うるさいな、他に服が無いんだよ」

「なら辻村君に適当な物を貸してもらって下さい。流石にその格好でウロつかれるのは良くないですから。着替えはそこの部屋で」

そう言って安吾は奥のデスクに座り、パソコンを開いた。

Re: 〜紫眼に惹かれて現世を〜文スト二次小説※オリキャラ注意 ( No.53 )
日時: 2017/02/20 20:33
名前: ぴろん (ID: XL8ucf75)

30間目



「えーっと…」

「何をしているんです?早くして下さい」

戸惑っている辻村に安吾が言う。

「あの、坂口先輩が貸すのじゃダメなんですか?」

「男性用の物しか持っていませんから」

ディスプレイから目を逸らさずに言う。

「え?いや、そっちの方が…」

「式部さんは女性ですよ」

「えぇっ?!」

部屋の中に大きな声が響く。

「え?え?嘘…」

困惑しながら式部をジッと見る。

式部は感情の無い目で何処かを見つめていた。

「さっさとして下さい。それが終わったら聞き込みですから」

そう言って横に置かれたコーヒーを飲む。

「わ、分かりました!」

ピシッと礼をしてから振り返る。

「えぇと、着いて来て下さい」

そう言って隣の更衣室へ式部を連れて行く。

「すみません…真逆女性だったとは…」

「俺が紛らわしい格好してる所為だ。それに声もな」

パイプ椅子に腰掛け、マフラーと持っていた鉄パイプを置く。

「あ!そうだ!そういえばこの辺に…」

綺麗に整頓されたロッカーを漁る。

「あった!これ、私のパジャマなんですけどいいですか?」

中から几帳面に折りたたまれた黒い長袖のティーシャツと黒の半ズボンが出てくる。

「着れれば何でもいい」

服を受け取ってからバサリとコートを脱ぐと、包帯が巻かれた華奢な身体が露わになった。

「え?!な、何も着てなかったんですか…?」

「包帯なら巻いてるだろ」

後ろで雑にまとめられた髪の隙間から赤く染まったうなじが見える。

「あの、怪我…してません?」

「してる。この服貰っても良いか?」

「あ、どうぞ。もう小さくなってましたし」

式部はティーシャツをワンピースのように頭からかぶる。

「路地裏の奴らは怪我なんて日常茶飯事だ。一々気にしてたら疲れる」

半ズボンはスネ辺りまでの長さ。取り敢えず履いてから腰の所を黒い紐で留める。

「っていうか裸足じゃないですか!スリッパ履いて下さい!」

ペシッと音を立ててスリッパを置く。

「なんで?」

「危ないですよ!もしも石とかガラスの破片とかが落ちてたらどうするんですか!」

「よく踏んでるけど」

式部は傷だらけの足を見せる。

「だ、ダメです!」

「ふーん…」

面倒臭そうに片足だけ履く。

「あの、両方履く物なんですけど…」

「知ってる」

式部はティーシャツの上からコートを羽織り、フードを深く被る。

「どうせ片方は足つかないから関係ない」

鉄パイプを杖にして立ち上がる。

「捻挫ですか?」

「骨折」

辻村は式部に常識が通じない事を察して、小さく溜息を吐いた。

紫色のマフラーを拾って、首に巻く。

「…良い母親を持ったな」

唐突に式部が言う。

「へ?」

「お前の事だよ。その異能」

式部は辻村の足元を指差す。

「でも、私の異能じゃなくて…」

「知ってる」

ヒョコヒョコと歩き、振り返らずに言う。

「そ、それに最近これは死んでしまって…」

「自立型の異能だろ?なら生きてる。あと数年あれば元通りの大きさになるな。主人の命令を忠実に守っている良い異能だ。前も助けられたみたいだし」

辻村は驚く。

前回のあの事件の事は坂口先輩も何も話していないはずだ。なのに何故こんなにも事細かに、しかも私ですら知らない情報を持っているなんて…

“式部さんに隠し事は出来ないですよ。”

先程の安吾の言葉を思い出す。

本当に隠し事が出来ないのかな…

式部と話していると自分の全てを言われてしまいそうだと思い、口をつぐむ。

この感じ、綾辻先生と同じだ!

頭の中に最大級の警戒警報が鳴り響いた。

更衣室を出て安吾の元に向かう。

「安吾、徹夜だったよな」

「着替え終わったんですね。そのコートは変わらないですけど」

「フードが付いてるのが無いんだ。で、徹夜だよな。仮眠するか」

「そうですね。お願いします」

安吾は眼鏡を取り、椅子にもたれて目を閉じる。

2分程してから目を開けて眼鏡をかける。

「助かりました。ありがとうございます」

「無理すんなよ」

この謎のやり取りが理解出来ずに、辻村は頭の上にハテナマークを浮かばせる。

「僕はまだ仕事がありますけど2人は一旦寝ていて下さい。もう遅いですし聞き込みは明日にします」

「何処で寝れば良い?」

「うーん…取り敢えず実験的に綾辻君の所でお願いします。2人が会ったら何が起こるかも調べたいので」

思わせ振りな口調で言う。

「分かった」

「では辻村君、案内を頼みます。連絡はしておきますから」

「はい」

辻村は自分に無理やりこういうものだと言い聞かせて返事をする。

「ではまた明日。辻村君は朝一番に何時ものに来て下さいね」

「…はい…」

安吾は手元に目線を落とした。

〜数分後〜

「こっちです。あ、そこの段差気をつけて下さい」

怪我をしている式部を気遣いながら案内をする。

式部はまた何も無い空間を見つめている。

「何か見えるんですか?」

「…色々」

辻村が聞いてもそれしか答えず、紫色の瞳はまた何処かを追っている。

何も話さず気まずい空気のまま目的地に着く。

「ココです。階段ですけど大丈夫ですか?」

「平気」

鉄パイプを使って慣れた様子で階段を登っていく。

辻村は扉の前に立ち、小さく息を吸ってから扉を叩く。

「夜分遅くにすみません、辻村です」

「あぁ、君か。入って良いぞ」

奥から聞こえた声を聞いてから辻村は扉を開ける。

「この時間に来るとは珍しいな。客人はそいつか?」

ハッチ帽に遮光グラス、白い肌に冷気を帯びた冷たい声。綾辻 行人が座っていた。

「はい、実験も兼ねてとの事です」

「随分小柄だな。歳は…10歳位か?同じ特1級危険異能者として何か通じるものがあれば良いが」

持っていた本を机に置き、不敵に笑う。

「名前は?」

「紫 式部」

「俺は綾辻 行人、見ての通り特務化に囚われた犬だ」

「知ってる」

式部はチラリと部屋の隅を見る。

何の変哲も無い唯の壁だ。

「…趣味悪いな」

「壁には特にこだわりはないが」

「俺だったらもっとマシな奴に憑くと思う」

それを聞いて綾辻は目を見開く。

「見えるのか?」

「前の事件の妖怪だろ?京極 夏彦、随分趣味の悪い奴だ」

辻村の頭の上に大量のハテナマークが浮かぶ。

「あの、お二人は何が見えてるんです?」

「本当に記憶力が悪いな。辻村君には前話しただろう」

「えーと…あ!京極ですか?確か妖怪になって取り憑いたとかなんか言ってましたね」

ぽんっと手を打つ。

「前よりは大分マシになったな。それより、式部君と言ったか」

「式部で良い」

「式部、本当に見えてるのか?」

「この反応を見ても確信出来ねぇのか。探偵ってのは思ったより馬鹿だな」

式部の歯に衣着せない物言いに綾辻はギロリと睨む。

その眼光を向けられていない辻村でさえビクッと肩が震えたが、式部は涼しい顔で受け流してまた壁を見る。

「覚えて…はいないよな、当たり前か…」

まるで久し振りに会った友人に忘れられていたかの様な表情を浮かべる。

「京極に会った事があるんですか?」

辻村が聞く。

「いや、今は無い」

式部の言い方に首を傾げる。

「それより綾辻、寝る場所は無いか?適当な椅子で良いんだが…」

「ならそこのソファで寝ろ。辻村君も泊まっていくか?」

「なっ!そ、そんな事しませんっ!」

顔を真っ赤にして言う。

「遠慮しないでいいぞ。あぁ、風呂と着替えが心配なら奥の部屋にまだメイド服が…」

「さようなら!」

クルッと背を向け、扉を開ける。

そこで一瞬止まり、チラリと振り返る。

「…オヤスミナサイ」

バタンッ!

勢いよく閉められた扉の風圧で、近くの紙が数枚めくれる。

「全く…辻村君は何時も期待以上の反応を見せてくれる」

少し冷めたコーヒーを飲む。

「楽しそうだな」

「少しでも楽しみを見つけないとつまらんからな。この生活は」

外を見ると隣のビルディングの屋上に数人の監視員がいるのが分かった。

その下の階の窓にも他のビルにも同じく監視員がいる。

「外出もさせてくれない所為でココの本は読みきってしまった。また買いに行かないとな」

机に置いていた本を本棚に戻す。

「それなら読むか」

机の上にトサリと何かが落ちる。

「昔読まされた本だ。或る暗殺者の生涯を綴った物だが、人によって大分感想が違う。お前の意見も聞いてみたい」

机の上に落ちたのは、安物の革で纏められた一冊の本。題名と著者名は書かれていない。

「暗殺者の生涯か…まぁ暇潰しには丁度良いな。読ませてもらおう」

席に着き、ぬるい珈琲を飲み干す。

と、空のカップに熱い珈琲が満たされる。

「…コレが君の異能か」

「日常生活で便利な位だ」

式部はソファにもたれて目を閉じる。

暫くの間、静けさが部屋を包んでいた。

Re: 〜紫眼に惹かれて現世を〜文スト二次小説※オリキャラ注意 ( No.54 )
日時: 2017/02/22 18:03
名前: ぴろん (ID: XL8ucf75)

31間目



明け方、空の色が茜色から瑠璃色に移り変わっていく。

部屋の中に響く時計の秒針の音で綾辻は目を覚ます。

机の上には薄汚れた本が一冊。

軽く伸びをして立ち上がり、ソファを見る。

式部がソファにもたれて目を閉じていた。

近寄ってみるが、呼吸音が聞こえない。無意識に息を潜めているようだ。

「睡眠時も警戒したままか…」

綾辻は昨晩過ごした時、ある事に気が付いていた。

式部は極度に人を警戒する。わざと相手に嫌われる事を言い、出来るだけ自分の周りに人を寄せ付けないようにしている。

此れ程の人間不信になるような事が過去にあったのか?いや、それとも…

綾辻が思考を巡らせていると、式部が目を開ける。

「起きたか」

暫く一点を見つめた後、綾辻を見る。

「…そうらしいな」

コートを軽く握って小さくなる。

「寒いか?」

「いや、そういうのは無い」

曖昧な答えをして、何も無い空間から一つの箱を出す。

マフラーを取り、箱の中から針と紫色の糸を出して上から編む。

マフラーの穴を塞いだ後、コートを脱いでフードの付け根あたりの穴を縫う。

「…銃弾か」

「少し狙撃されてな。そこまで大した怪我はしてない」

綾辻は台所に行って適当な朝食を作り始める。

「お前はどうする」

「いらない」

プツンと糸を切り、裁縫箱が消える。

「器用だな」

「これ位は誰でも出来る」

コートを羽織り、もう一度ソファにもたれかかる。

「どうだった?」

「何がだ?」

綾辻は机に2人分の朝食を並べる。

「感想」

「…あぁ、あの本か」

椅子に座り、サラダを一口食べてから言う。

「あれを誰が書いたのかは知らないが、筆者随分その暗殺者の事を嫌っているみたいだな。言葉の端々に棘があったし、何よりそいつの行動全てを批判している」

一呼吸置いてから続ける。

「あれだとその暗殺者を嫌いになる為の教育本だ。まぁ、文章の構成や表現自体は良いものだったと思う」

そこまで言い切ってから式部を見る。

「これでいいか?」

「あぁ、十分だ」

机の上の本が消えると、式部の手に乗っていた。

徐ろに本を開き、パラパラと読み始める。

コンコン

扉が叩かれて声が聞こえた。

「絢辻先生、入りますよ」

返事を聞かずに扉が開く。

「お早うございます」

「おや、辻村君。今日は普段より随分早いじゃないか」

食事の手を止めて言う。

「上からの指令です。ココでは監視カメラは意味がないので、私が代わりに監視します」

何時もよりもピシッと姿勢を正す。

「辻村君」

「はい?」

「朝食はきちんと食べた方が良いぞ」

「な、何を言って…」

グウゥ〜…

辻村は慌ててお腹を押さえる。

「あ、いえ、その、これは…」

「全く君は運が良い。朝食が1人分余っているから食べていけ」

目の前の空いている席を指差して言う。

「え、それってもしや私のた…」

「式部に作ろうと思っていた分が余ったからな」

バッサリと言い捨てて食事を再開する。

辻村は言葉を遮られ、口が開いた形のまま固まる。

「何をしている、冷めるぞ」

「あ、はい。いただきます」

少し慌て気味に椅子に座り、手を合わせる。

「綾辻先生って料理お上手ですよね」

モグモグと食べながら言う。

「本当はメイドでも雇ってやらせたい位なんだがな。生憎いないから自分でやるしかなくなってしまった」

わざとらしく溜息を吐く。

「それ本気で言ってるんですか?」

「当たり前だろう」

平然とした様子で返す。

「…ところで、式部さんの分の朝食が余ったってどういう事です?減っているようには見えないんですけど」

「あいつが食わなかった。それだけだ」

ソファでは式部が静かに本を読んでいる。

「食べないの?」

「…なんか文句ある?」

ジロリと辻村を見て言う。

「い、いえ!滅相もございません!」

その気迫に気圧され、無意識に敬語になる。

「そんなに怒ってない」

「本当ですか?」

「嘘を吐く必要性を感じない」

手元にあった本が消え、鉄パイプに変わる。

それをつきながら立ち上がり、ひょこひょこと歩く。

「何処へ行くんだ?」

「包帯の取り替え」

そう言って適当な個室に入る。

「…あの、綾辻先生」

「なんだ?」

「昨晩、喧嘩とかしませんでした?なんか仲悪そうでしたけど…」

後半だけ声を小さくする。

「君にはそう見えたのか」

「そういう訳ではあるんですけど。なんか式部さんって結構ズバズバ言ってるので心配なんです。昨日もその…馬鹿とか」

最後の言葉に綾辻はピクリと反応する。

「まぁあれは少し苛ついたが、流石に10歳の子供相手にキレる程馬鹿ではない」

最後の言葉を少し強調する。

「根に持ってますよね」

「持ってない」

ガタリと椅子から立ち上がって食べ終わった食器を下げる。

心なしかその動作が乱暴だ。

辻村が朝食を食べ終わった頃、ガチャリと個室のドアが開いて式部が出てくる。

「あ、早かったですね」

「包帯を変えるだけで時間かかる訳無いだろ」

式部はそう言って歩く。

辻村はその様子を見て気づく。

「あれ?骨折してたんですよね?」

式部は鉄パイプを持っておらず、普通に歩いていた。

「治った」

「数日で治るものじゃ…」

「治ったから」

辻村の言葉を遮って言う。

「でも…」

それを聞いても辻村は心配そうに言う。

それを見て式部は小さく溜息を吐く。

「…ほら、治った」

折れていた方の足を上げてみせる。

「これでいいか?本当信じてくれねぇんだよな。最近の奴は頭が堅い。昔なら神だとか物の怪だとか言ってすぐ信じてたのに…」

ブツブツと言いながらソファに腰掛ける。

「お前そこまで生きてないだろ」

「こっちの話だ。気にするな」

相変わらずの無愛想な声で言う。

ブーッブーッ

部屋に携帯のバイブ音が鳴り響く。

「あ、私だ」

辻村がポケットから携帯を取り出し、釦を押す。

「もしもし、辻村です。…はい、2人共います。…了解しました」

釦を押して携帯をしまい、玄関の扉を開ける。

「式部さん、特務科で聞き込みです」

「……」

式部は無言で立ち上がり、机の上に分厚い本を置く。

「今度はなんだ?」

「俺が書いた長編ミステリーだ。犯人が分かったら連絡をくれ。まぁ暇潰しにはなると思う」

そう言って玄関に向かう。

「じゃあ綾辻先生、今日も1日大人しくしていて下さいね。また外出とかされたらたまったもんじゃありませんから!」

そう言って慌ただしく部屋を出る。

「じゃあな、殺人探偵」

その言葉を残して式部は去っていった。

Re〜紫眼に惹かれて現世を〜文スト二次小説オリキャラ注意 ( No.55 )
日時: 2017/02/22 20:57
名前: 真珠を売る星 (ID: 9E/MipmP)

うわああ、綾辻さんと辻村さんだああああっ!
……お、お久しぶりです……。
ついテンションがハイになってしまいました……。
ちょっともう、幸せすぎて頭が混乱しています……
……ありがとうございます、本当に、それはもう、有難う御座います……。
安吾さんも出していただいて、外伝メンバーも出していただいて、目がくらみそうです!ありがとうございます!!

最近、パソコンの様子がおかしいので、コメントもあまり出せなくなると思いますが、応援しています!
毎度のことながら、ありがとうございました。

追記 やはり題名が字数制限に引っかかるようでしたので、少々削らせていただきました。本当に申し訳ありません。


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