複雑・ファジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- IF=全国中学生能力者選手権編= 再開してみました。
- 日時: 2011/11/16 21:40
- 名前: 狒牙 (ID: tDghPMhC)
コメディ、ライトの方で違う名前で
違うもの書いてる者です。
えーと、ざっくりと説明するとですね、
闘いまくります。
そして今ちょっとしたピンチ、詳しくはこの>>0の下の方を見て下さい。
あと、大阪編と東京編に分かれて、同時進行します。
東京編書いたら大阪編って感じで。
メイン主人公が大阪編、メインストーリーが東京編だと
思ってください。
大阪編は東京編の一年前のストーリーです。
長編予定です。
ってなわけで、東京編行きまーす。
プロローグ
今朝起きたら、父親がいつも通り、新聞を読んでいた。
「早くしないと二年生の新学期早々遅刻よ」
キッチンから母さんの声が聞こえる。
ふと時計を見ると、七時半を指している。
「あっそ、入学式は八時半からだ」
朝食を取った俺はすぐに着替え、カバンを用意し、
八時十分ぐらいになるのを待った。
するといきなり、インターホンが鳴った。
「ターカシーン!まだかーーーーーー!」
白石の呼ぶ声が聞こえる。
どうやらシンスケも一緒にいるようだ。
「来るの早いんだよ」
ブーブー言いつつも、いつも通り学校に行く支度をする。
とりあえず、俺は外に出た。
四月だから、吹く風も心地よく、日差しも柔らかく、穏やかだ。
そして、超平凡な、この俺、高木新羅(たかぎ しんら)の
超非凡な物語が始まる。
今回だけ、大阪編も一緒にします。
プロローグ
大阪のある市立中学に通っている白山 後(しろやま こう)には、
もう一つの顔があった。
それは、芸能人としてのじぶんである。
そんな華々しい自分に、少なからず誇りを持っていた。
ある日突然白山は、クラスでも浮いている男子から
声をかけられた。
「俺のいるチームで、全中に出ないか?」と。
※大阪編の主人公は浮いている男子です。
謎や秘密は頻繁に出てきますが、ちゃんと後々
明かしていくので、気にせず読んでください。
質問は気軽にしてください
答えますんで
そして、一つピンチです。能力が足りません。
誰か心優しい方はここを見て下さい。>>34
ついでいうとキャラクター募集、という形に変わりました。
- Re: If there are … キャラと能力募集中 ( No.74 )
- 日時: 2011/08/08 17:14
- 名前: 狒牙 ◆nadZQ.XKhM (ID: XkXzKb57)
大阪編続き
後達が、次の闘いに備えて体を休めようと休憩しているとき、
突然閃光が視界を埋め尽くした。
その光量は凄まじく、反射的に目を閉じてしまうほどだった。
だがその光は本当に凄まじく、目を閉じていても明るさが目にしみた。
ようやくその感覚が収まり、ゆっくりと目を開けようとしたとき、
さっき以上の驚異を与える爆音が周囲一帯にこだまし、鳴り響いた。
腹の奥に太鼓のバチを叩きつけられたような衝撃が走る。
あまりの衝撃に血液も逆流してしまいそうだ。
一通りその爆発音が落ち着いた後に、最初に
何か言葉を発したのは金田だった。
焦りを浮かべた表情で、音のした方向を向いた方向を向いて
茫然としながら無意識のうちに言葉を吐き出す様にして喋りだした。
「何だ今の?雷?」
その金田の質問に最初に対し、答えたのは鱒字だった。
「あれが代介の技だ。神鳴りって言ってな、
威力が神がかっているから雷じゃなくて神鳴りなんだ」
この状況で一切驚いていない鱒字にも驚きだが、
こんなものをおそらく易々とぶっ放したであろう代介の方が
よっぽど驚きだと言ってやりたい。
そんな中、いきなり空気に張り詰めたような感覚が感じられる。
背後に向かってバッと振り向く。
見ると、鱒字と剣も同じ方向を向いていた。
だが、後以外の二人、金田と春は何も感じていないようだ。
三人がなぜその方向を向いているのか
さっぱり分からないとでも言いたげだ。
目はキョトンとしていて特に何も感じてはいないようだ。
「みんな、いきなりどうしたん?」
春はそう、不思議そうに思うような顔をして訊いてきた。
隣にいる金田も同じように思っているに違いない。
でも確かに後は、何かを感じ取ったのだ。
「何か、空気がざわっとしたような気がして…」
その言葉を後が言ったとき、なぜか剣は目を光らせていた。
ほどなくして、その理由は分かった。
「いいね!それが気を感じるってことだよ。
それが感じられるってことは俺と闘うのももうすぐそこだ!」
正直、これを聞いたときにげんなりとしてしまった。
前半はまだ良かったんだ、自分が、成長したということなのだから。
しかし、剣と闘うとなったら命がいくつあっても足りないと思う。
そこだけは、テンションがダダ下がりだった。
「敵に集中しろ、もう来てるぞ」
鱒字が気の緩んだこっちに向かって少々厳しめに
注意する様にしてそう強く、怒るように声をかけてきた。
そうだ、何か相手が迫ってきたから、こんなことを話していたんだ。
突然そんなことを思い出した後は気を引き締める。
するといきなり、目の前の草がざわめき始めた。
風が吹いた訳ではない、何か強い気に当てられて
周囲の環境が乱れて無理矢理にでも動かされている訳でもない。
本当に、草花が意志を持っているかのように
自分から動き出してざわめいているのだ。
何が起こっているのか考えている間に、敵はその姿を現した。
「あれ?白さんだ」
その来訪者の第一声はそれだった。
キョトンとした顔つきになっているが、
氷のように、良く言えば冷静、悪く言えば機械のように
こっちをじぃっと見つめていた。
後は、彼女のことをよく知っていた。業界の友人だ。
透き通るような水色の瞳は普段の彼女と変わりなく、
まるでどこかの令嬢のような、おしとやかな雰囲気が漂っている。
それよりも気掛かりなのは彼女の制服だ。
草が鬱蒼と生い茂る中を歩いて来たはずなのに、
その真っ白な制服には一切の泥を始めとする汚れが付いていない。
そこを不信に思った後は彼女の、花宮薫(はなみや かおる)の
通ったところをよく見てみると、不可解な点があった。
草木という草木が、花道を作るように左右に避けるようにして
汚れないように道を作っていた。
これを見てようやく分かった。彼女は、花宮は
草木をコントロールする能力を持っているのだと。
「白さんって能力は劇団だよね?闘えるの?」
そういえば、本当に理由があるのかないのか分からないが花宮は
いつも白山ではなく白さんと呼ぶ。
「闘えるよ」
「そう、じゃあ本気で行くね」
ザワザワと何かが急速に成長する音が聞こえる。
おそらく植物が成長していく音だろうと思われる。
いばらが覆い尽くす、鞭のようなつるが現れた。
刺は、一定の感覚を開けて、びっしりと一面に生えている。
「咲き誇れ、フローラ(花の女神)」
鼻の奥を、花粉の甘ったるい匂いがツンと突いた。
かと思えば、いきなりあの緑色の鞭が後の目の前に迫っていた。
瞬間的に氷の盾を展開する。白い煙がスッと立ち込める。
だが・・・・・
「あれ?白さんアーティスト?だったらもうちょい本気でいい?」
氷の盾は打ち壊され、つるの刺は非情にも後の腕に喰らい付いていた。
そして、後の腕とその周りの制服は朱に染まっていた。
続く
- Re: If there are … キャラと能力募集中 ( No.75 )
- 日時: 2011/08/08 17:51
- 名前: 狒牙 ◆nadZQ.XKhM (ID: XkXzKb57)
大阪編続き
「アーティストなら、気がねなく本気出せるよ。じゃあ行くよ」
この威力で本気じゃない?
粉々に散って、地面に砕け落ちた氷の盾の残骸を目に収めて、
後は驚きの表情を露わにした。
咄嗟に出したものだが、かなりSOEを込めて
錬成したはずの盾が、簡単に粉砕されたのだ。
しかもそれは本気ではなかったと言う。
この時点で、後には勝ち目が無いのではないかと思える。
でも、こんなあっさり諦めたら後でどうなるか分かんないし、
手も足も出ずに敗北だなんて絶対に嫌だ。
その自分の意思を再確認した白山は、失いかけた闘志をその目に戻した。
「あれ?そっちも本気?困ったな、勝てるか怪しいんだけど・・・」
実力差があるなら、先手必勝!
そう思った後は薫が話しているとか気にせずに気を思い切りよく込めて、
空中に人差し指で正方形を描いた。
この構えは馬方を倒すきっかけを作った氷塊落としだ。
特大の氷の塊が上空彼方から落下してくる。
それは重力によって、徐々に加速していく。
速ければ速いほど、インパクトの瞬間の衝撃は大きい。
攻撃力が高いということはそれなりに防御力も高いということに繋がる。
案の定、それに対し彼女は瞬時に反応した。
「ヤバ、先越された。ローズウィップ(バラの鞭)」
先ほどの、棘に覆われた緑色のつるで巨大な氷を一撃で粉砕する。
さきほどのまだ本気ではないですよ宣言の通り、
明らかに威力は高まっている。
だが、粉砕されても後の攻撃は止まらなかった。
「礫に、気を付けなよ」
馬方のように熱で溶かした訳ではなく、
強力な一撃で打ち壊しただけなので、まだ大きめの
サイズを保っていたりする氷塊は、いくつもいくつも花宮に降り注ぐ。
氷のつぶての数は凄まじく、とても一本の鞭では対処できない。
地面から五本ぐらい、同じような鞭がさらに追加で現れる。
今度は完全に、粉になるまで叩き壊された。
合計六本もつるが彼女の周りを覆っているので、
強固な護りとなっていて、迂闊に手が出せない。
今は最早向こうの姿すら見ることができない。
その代わりに、次の攻撃のために気を練っている。
でも、花宮はもうすでに攻撃を放っていた。
彼女は、先を越されたと後に対して語った。
つまり、もう攻撃しようとしている瞬間だったとも受け取れる。
ただ、ごちゃごちゃ言っている間に何をする間も無く、
先手を取られたから先を越されたと言ったのかもしれない。
しかし、この場合は前者のパターンだった。
そこら中の木々の葉っぱが鋭い刃物のようになる。
サイズといい、性能といい、まるで手裏剣のようだ。
それが、後が今立っている位置に向かって一斉に襲いかかった。
しかし、葉っぱがヒットしても、人間に当たったような感覚は無かった。
キンという硬い物同士が擦れ合うような音がして、
葉はいろんなところに弾かれる。
その様子を見たとき、花宮は即座に気付いた。
これは、氷に映った影だと。
白山は、つるが新たに地面から出てきて、礫を砕いている
その瞬間に、相手の視界から自分が出たことに反応し、
氷の鏡を作り、相手から見ると正に自分がそこにいるように位置を変えた。
そして、花宮はそれにまんまと引っ掛かったという訳だ。
「あー、騙された」
あの破壊力の大きい鞭を振り回す。
まずは氷の壁を粉砕、そしてそれに映っていた本体に向かって
別のつるを振り下ろした。
あまりの衝撃に砂埃が舞い散る。
手ごたえはあったので、おそらく当たっただろう。
砂煙が晴れるのをゆっくり待っていたら
鏡を粉砕した方のつるに何か異変が起きたのを感じ取った。
砕いた氷の欠片が、びっしりとつるを取り巻いている。
まさかと思いながら砂煙が晴れた方を振り返る。
そこも同様にびっしりと氷がつるを覆っていた。
刹那、そこに白山が不意に降り立った。
棘がついていることも構わず鞭に手を触れる。
すたっとまた何かが地面に落ちる音が聞こえた。
ふと見ると、初めに氷漬けにされた方にも後がいた。
そうしてようやく気付く。
この二体は両方、腕に怪我を負っていない。
要するに偽物だということを。
「二重の氷柱・・・」
高いところから後の声が聞こえてくる。
今降り立った二体は両方、ただの氷分身。
「ダブル!」
分身は、高密度の冷気となり、日本のつるを根元まで完全に
氷漬けにすることで、使い物にならなくした。
本物の後が立っているのは後が自分で作りだした氷の階段だった。
「白さん、結構厄介だなぁ・・・」
薫の周囲の植物がより一層強くざわめく。
まるで、さらに強い力を振り絞るように・・・
「LV2、ザ・ヴィーナス・オブ・ブラッサム(花の女神)」
続く
______________________________________
同じ花の女神ですが次元が違うとお思い下さい。
では、次回またしても後が奮闘します。
- Re: If there are … キャラと能力募集中 ( No.76 )
- 日時: 2011/08/14 17:50
- 名前: 狒牙 ◆nadZQ.XKhM (ID: ja6QJnOq)
大阪編続き
「LV2、ザ・ヴィーナス・オブ・ブラッサム」
六本の内の凍りついた二本を取り巻く氷が打ち砕かれ、剥がれ落ちる。
攻撃用に使うため、地面に横ばいになる形で
ずっと空中にキープされていた六本のつるは天へ昇るように
上空遥か彼方を見上げるように上へ進む。
そうして、花宮を中心として時計回りに捻じれだす。
とてつもないまでの気力の集束、それに合わせて
つるも無理に圧迫されていく。
押しつぶされ、ねじ曲がり、そこに溶け込んでいる。
六本のつるは溶けあい、一本の太い茎になる。
押しつぶされ、一度は短くなったつるはまた伸び始める。
突如、その頂点に現れる巨大な蕾。
ゆっくりと、薄桃色の花弁を開いている。
そこから現れ出たのは、まるで花の女神そのものし扮したような
美しい姿の薫が現れた。
咲き誇る大輪の中、降り立つ花の精。
頭には、真っ赤な花が飾りのように咲き、
さっきまで制服だったのに、その服は緑をベースとした
ドレスのような服装になっている。
さっきよりも美しく、可愛らしい姿になってはいるが、
気を感じてみると分かる。
さっきの鬼のような強さがさらに輪にかけて強くなっている。
性格が悪かったりしたなら悪魔と呼ぶのが相当ふさわしい。
だが、彼女がそんな人間ではないことは良く分かっていた。
アーティストスキルとか、Verアルティメットとか関係ない。
おそらく、LV1の私には勝ちの目は99%の確率で無い。
ポタリと、真紅の液体が地面に染み込むのを見て、慌てて気づく。
血を流し過ぎるのはよくない。急いで傷口を凍らせて止血する。
「白さん、何しようともう無駄ですよ」
左手の平をこっちに向けながら、説き伏せるように花宮はそう告げた。
全身から血の気が引いていく。
速攻で判断できた、この攻撃はヤバいと。
何をするかなんて一切分からない。
でも、少しでも強い護りを張り巡らせないときっと・・・
空中に、特大の氷塊をいくつも作りだし、
結界のように自分の周りを取り囲む。
用心に越したことは無い。
一通りでは満足せず、何重にも氷の塊を置くことで
強固な防御壁を作りだす。
「氷程度の強度なら、これで簡単に・・・」
さっき氷の鏡で回避した葉のカッターが現れる。
全方位から挟みこまれ、回避はもちろんのようにできない。
これだけ護りを張っているのに、なぜ回避のことなんて
考えてしまったのかは、次の瞬間に分かった。
「真っ二つです」
音も無く、鋭利な刃は、まるで豆腐を斬るかのように突き進んでくる。
微塵もその攻撃の威力は落ちる気配が無い。
あれほど本気で作った氷の盾も、全てが関係無くなっている。
そうこう考えている間に、もう葉っぱは目の前に迫っていた。
唯一残った欠片ほどの理性でとっさに身体を逸らす。
一つ目は回避した、だが発射されているのはたった一つではない。
その他のまだまだ残っている葉カッターは白山の皮膚と服を刻んだ。
幸い、筋肉はほとんど斬られておらず、いろんなところから
じわじわと血が滲んでいる程度だ。
だが、何か妙な薬品のようなものを精製する植物だったのか、
斬られた部位が焼けるように痛んでいる。
全身から刺すような汗が噴き出ている。
もうちょっとで意識が飛んでしまいそうだ。
「ね、じゃあ白さんの後はあっちの人達だよ」
そう言って春と金田の方を指差した。
その行動が、さっきまでの臆病になっていた後の
闘志を奮い立たせた。
何があっても二人には手を出させないという強い意志。
自分がいくら傷を負っているとかそんなことは気にしない。
朦朧とする意識の中、一瞬だけ鱒字たちがどうにか
してくれるんじゃないかと思った。
しかし、それでは意味が無いんだ。
今まで二人に護ってもらった分、今度は自分が
二人の身を護る盾となる。
それにあの二人はまだ手を出すつもりはこれっぽっちも無いだろう。
だったら自分が守るしか無いんだ。
自分の気が、急激に上昇していくのが手に取るように分かる。
周囲の冷気も、今までとは比べ物にならない冷たさを放っている。
でもまだその上昇は留まるところを知らない。
それはある一点、白山の身体の中心に集まっていく。
瞬時に理解した、これから自分が踏み出すのは、新たな境地だと。
「・・・・・つ・・」
「ん?白さん何て?」
呟きを聞きつけた花宮が後を問いただす。
それに答えるように後は、まずそれを、
花宮に聞こえるように言いなおした。
「・・・LV2」
「なっ・・!!」
もう止まらない、きっとこれはそうだ。
島美、春、見てて。今度は私が護る番だから。
「LV2、アイスウィザ−ドVerアルティメット(氷の魔術師)」
続く
______________________________________
遂に出ました、VerアルティメットのLV2です。
次回後が圧倒的に強くなります。
そして愚痴コーナー
なんで東京編してると大阪編がしたくなって
大阪編してると東京編がしたくなるんでしょうかねえ・・・
東京してたら代介とかマスキタとか白山たちを
動かしたくなって
大阪してたらタカシンとシンスケが使いたくなるんですよ。
だって神道格好良くね?
いろんなものが神がかってて顔も美系って。
正直もう少し活躍させたい。
みんなはどう思います?
- Re: If there are … キャラと能力募集中 ( No.77 )
- 日時: 2011/08/14 17:49
- 名前: 狒牙 ◆nadZQ.XKhM (ID: ja6QJnOq)
大阪編続き
「LV2、アイスウィザードVerアルティメット!!」
凄まじいまでの冷気の集束、それに伴う激しい吹雪。
白山を中心に、渦を巻くように豪雪は舞っている。
周囲の植物は凍りつき、大木のほとんどは樹氷と化している。
ピキピキと音を立ててそれ以外のものも見る見るうちに凍りつく。
防御から意識を外したら軽く凍傷はしてしまうだろう。
着々と、LV2までの段階を経過していく。
少しずつ、荒々しく吹き荒れるSOEは後の身体の中心をめがけて
さらに小さい一点に集中していく。
自分内側から並々ならぬエネルギーが湧き出てくるのを感じ取る。
ほんの一瞬、後の身体に高濃度の冷気がコーティングされる。
次の瞬間、それは全て予選会場全体へと弾け飛んだ。
会場全体の気温が五度以上一気に下がる。
そして、進化した後はその姿を現した。
真っ黒だった髪の毛は、真っ白に染まっている。
瞳の色も、薄い水色になっている。
その身から発せられる雰囲気も冷たくなっている。
大気中の水蒸気を凝結させて錬成した、ステッキをその手に持っている。
「んーと、白さん。これって私かなり不味くない?」
「そうかもね、何か今さあ・・・」
白山が、花宮のところを指差した。
刹那、花宮はあまりの気迫に戦慄が走る感覚がした。
背筋に悪寒が走る。ただ、威嚇だけでそれを感じた訳ではない。
周囲を見渡すと、特大の氷塊の砲弾が周囲を取り囲んでいた。
「負ける気がしないんだ」
周りから押しつぶすようにいくつもの氷塊は花宮を狙って襲いかかってくる。
回日が間に合いそうに無いので、急いでつるで打ち壊そうとする。
だが、その強度はさっきまでのものとは比べ物にならずに、
簡単に弾かれてしまった。
こんなことは今までに無かった。
焦りからか、驚きからか、目が点になり、開いた口が塞がらない。
咄嗟に、壊して防ぐことを諦めて代わりに木の幹の防御壁を展開する。
さっきからひしひしと伝わってくるその攻撃の凄まじい威力は本物で、
防御壁は見事に湾曲し、もう少しで完全に破壊されるところまで来た。
自分の目と鼻の先のその場所で、木の幹の崩壊は止まった。
全身から、刺すような汗が噴き出ている。
後の強気の発言には、現実味があるということをようやく理解した。
「強すぎでしょ、これ。でも・・・」
あの、斬れ味鋭い葉のカッターがまた空中に現れる。
これの鋭さはかなりのものだったから、行けると踏んでのこの攻撃。
しかし、その攻撃は後に届くどころか、発射すらされなかった。
「でも・・・何?」
発射される以前の問題だった。
そこで、木の葉は全て凍てつき、地に堕ちた。
こっちの攻撃は全く通用しない。
花宮の敗北臭が強く漂ってきている。
LV2になっての白山の実力の飛躍具合が半端ではない。
勝てる気が一切しない。
でも・・・この程度で諦めるぐらいなら最初からこんな大会には出ない。
さっきもそうだ、白山だって、さっき諦めなかったのだから
新しい、強大な力を手に入れたのだ。
諦めない、絶対に。
全身全霊の力を身体の中心に集めていく。
華は咲き乱れ、茎は伸び盛り、葉っぱは舞い散っている。
根は盛り上がり、最大の一撃を叩きこむ準備が整う。
「これが決まらなかったら、私の負けね」
さっきから何度も使っている鋭利な葉の、飛ぶ斬撃。
正式な名前は、何百枚もの葉を一気に飛ばす技である、
ブレードストーム(剣撃の嵐舞)と言い、得意技である。
今から放つ最大の技にはその他の技も織り込む。
咲き誇る大輪の花に囲われ、いばらの棘で仕留める薔薇監獄。
伸ばした根で敵の身体の自由を奪う樹縛。
それらの技を全て同時に叩き込むぐらいしか、もう勝ち目は無いだろう。
「行くよ白さん、これが私の最大技・・」
まだ白山は何もしていない。
でも、力を溜めているのは分かる。
漏れだす闘気が、空気を通じて身体の芯まで共鳴してくる。
もうこの時点で、花宮の敗北は決定した。
「エターナルブリザード(永遠の吹雪)」
咄嗟に鱒字が炎のシールドを作らなかったらどうなったか分からないほど、
強力な冷気が周囲一帯どころか、会場全体を包み込む。
重く、鈍く、冷たく、寒気の走る一撃。
会場の全てが凍りついた。
今この瞬間、立っている人間が大幅に削られる。
残った人間は、代介のチームの七人、
そして、今代介と闘っているラグロック。
その他の人間四人。
目の前でもろに喰らった薫は、そこで氷の彫刻と化していた。
続きます
______________________________________
非常に個人的な理由なんですけど
ちょっとタイトルを変えたいと思います。
ほっとんど変わらないけど・・・
多分一週間経つ頃には変わっているかと思います。
- Re: If there are … キャラと能力募集中 ( No.78 )
- 日時: 2011/08/15 20:06
- 名前: 狒牙 ◆nadZQ.XKhM (ID: ja6QJnOq)
うん、これ読んでる頃にはきっと題名変わってます。
というよりこれ読んでるときには題名はとうに変わったと思います
マイナーチェンジだけどね。
とりあえずIfという単語は残ります。
前置きはさておき、大阪編続き
空気がざわめいている。大気が震えている。
少しずつ、何かが迫ってくる。
それを感じ取った代介は目の前のラグロックから意識を外して
得体の知れぬ遠くから発せられているエナジーに対して意識を向ける。
その感覚を色で表わしてみると、白色。氷結系の能力だろう。
ここまでの威力の氷技を使えそうな人間なんて中学レベルではそうそういない。
おそらく白山だろうとめどを立てる。
刻一刻と時間が過ぎ去っていくのと裏腹に、想像を絶するスピードで
冷気は全方位に突き進んでいる。
ここに到達するのも時間の問題だ。
ふと、その中心にある森の中から小さいながらも高密度の
紅い気を感じる。
おそらく、咄嗟にマスキタが残りの二人を守っているんだろうな、と考えた。
多分あいつらはまだLV1だ。
きっと自分の力だけでは防ぎきれない。
「油断か?何を考えている」
ラグロックがせっかく代介が意識を離していたのに
自分の方向に呼び戻す。
真っ黒な執事服に身を包み、毅然と振る舞うその姿は
本物の執事としか言いようが無い。
だが、どこだかは分からないがそこには何か不自然さが感じられる。
しかし、代介は思考回路を一時停止した。
とうとう、あの冷気がここまで到達したのだ。
咄嗟にジャンパーを発動して上空高くへと跳び上がる。
その高度は大体二十メートルぐらいだ。
真っ白な、純白と形容するに相応しい雪を混じえた寒波は
突風と共に突然来訪し、電光石火のごとくまた遠くに離れていった。
にしても、白山は少し暴走気味じゃないかと感じる。
たった数分でえらく温度が下がっているな、と感じとる。
寒波が通り過ぎた後には、日に当たりキラキラと光を跳ね返す
氷が会場全てを覆っていた。
「何だ、あいつは俺が手を出すまでもなく終わったのか」
ふう・・・と呆れを含んだ溜息を吐いた後に踵を返そうとする。
だが、闘いはそこで終わりでは無かった。
ふと、さっきまで対していた奴の気を感じ取る。
返そうとした踵を元に戻した。
本当に面倒くさい奴だ、そう言いたくなってくる。
理由は二つある、一つ目はまだ耐えていること。
二つ目は、おそらく主であろう援軍(たった一人)を連れてきたことだ。
キチンとした身なりに身を包んでいる。
いまどきの中学生にしては珍しく、ボタンを第一ボタンまで閉めて、
シャツもズボンにきっちりと入れている。
髪の毛も特に染めている様子も無く、
ズボンも上げたり下げたりせずに、まっとうな位置にある。
全身から、清潔感が漂ってきている。
「ちょっとさ、今度は誰なんだよ」
「私の主よ。軽々しく口を聞かないで」
「何だお前?オネエ入ってんのか?それとも流行りのニューハーフか?
どれにしろ変態ということには変わりないな、執事君」
ラグロックのこめかみがぴくぴくと痙攣している。
いまだかつて見たことがないほどの怒りようだ。
ここまで憎しみをこめた怒りを引き出したのは初めてだ。
大概の奴はイラつきを含んだ怒気をこっちに向けてくる。
大型の動物と、小型の動物が敵対しているような感覚。
でもまあそれでも睨んでいるのは小さい方で、
大きい方、つまりここでは代介はほとんど手を上げるつもりはない。
あまりの弱さに焦りを感じることもある。
下手したら警察沙汰になりそうな奴もいる。
そういうやつこそ特に挑発したくなるのだが、
最近はセーブするようにしている。
井の中の蛙には大海を見せてやるのが情けだと思っていたが、
大海を見なくて怪我をするのはそいつ、ということで放置している。
それに対してこっちは刃物を突き付けている感じだ。
怒りが強すぎて、喧嘩に終わらずにさらに凄いところまで発展しそうだ。
なぜここまで怒っているかという理由は、
気を見てみると明らかだ。
おそらくラグロックは・・・
「あのねえ、私は女!!」
だろうな、代介は対峙した瞬間には男だと思ったが、
その次の瞬間にはもう女だと分かっていた。
男の発する気を視覚化してみると、角ばっている。
それに対して、女の者は丸く、棘が無い。
それを知っている代介はすぐに分かったのだ。
「女だったら・・・何なの?」
「オネエなんて入ってなくて変態じゃないのよ」
あーあ、マジギレして冷静さを無くした者ほど
弱い者は無いと言うのに。
苦笑と共にまた溜息を洩らすしかなかった。
続きます
_______________________________________
話が全然進まねえ・・・
今回は何だって言うんだ?
代介とラグロックがドンパチ↓
冷気が襲ってくる↓
助っ人登場↓
挑発↓
マジギレ
しかしてな—————い—————
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