複雑・ファジー小説

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『受拳戦争』
日時: 2020/06/10 10:58
名前: 四季彩 (ID: EZ3wiCAd)

彩都さんと四季の合作です。

合作といっても、企画や世界観・キャラクターの名前や原形、プロットなどは、彩都さんです。
四季はキャラクターの口調を考えたくらいだけのもので、執筆係です。

よろしくお願いします。

スレ立て 2017.11.19
投稿開始 2017.11.20

プロット停止のため連載停止 2020.3.17~2020.3.23 2020.6.11~

Re: 『受拳戦争』 ( No.93 )
日時: 2019/06/10 08:07
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: SEvijNFF)

「九回目の人生、俺は、志垣 宇美(しがき うみ)という名前だった」

 多々良は、九度目の人生について、ゆっくりと語り出す。

「何回も転生し、逆に資格や色々な知識が欲しくなってしまう。そんな感覚が、俺は嫌だった。もう嫌気がさしていた」

 三殊は「一般人には理解し難い感覚だな」と思いつつも、多々良が述べる話を聞き続ける。

「仕事は美容師」
「えぇっ!何だか凄い!」
「髪を切る仕事をしていた」
「おぉ……」

 口を丸く空けながら、感心する三殊。

「そんなある日。新たな利用者が現れた」

 多々良はそう言って、ほんの少し眉間にしわを寄せる。これから述べることはあまり良いことではないのだろうな、と思わせるような、薄暗い顔つきだ。

「その利用者の名は、菅原 恋歌(すがはら れんか)。そこそこ整った顔立ちの、二十代前半くらいの女性だった」

 そこまで聞いた時、三殊はその後の展開を思いついてしまう。

 それは、三殊にとってもあまり考えたくない内容であって。しかし、これまでの話の流れから考えるに、それ以外の展開を考えることはできなかった。

「もしかして……彼女が伊良部だったのかい?」

 三殊は恐る恐る問う。
 多々良は頷いた。

「あぁ、その通り」
「やっぱり……」
「伊良部のまさかの登場に、俺は驚いた」

 そりゃそうだろう、と、三殊は思う。

「そして、俺と伊良部は対決することになった」

 美容師と利用者が対決って!と突っ込みたくなるのをこらえつつ、三殊は多々良の話を黙って聞く。

「俺は男、やつは女。だから俺の方が有利。そう考えていた」
「うんうん」
「だが、伊良部は強かった!」

 調子を強める多々良。

「やつは俺の攻撃を軽々と受け止めたんだ!女とは思えない、信じられない戦闘能力だった!」
「うわぁ……」
「しかも、俺が攻撃に使った鋏で反撃してきやがってな!そして俺は殺られた!」

 ——ちなみに。

 多々良曰く、「こいつ、強過ぎるだろ……!?」と思いながら、絶命したらしい。

 実に残念な最期である。

Re: 『受拳戦争』 ( No.94 )
日時: 2019/06/17 11:18
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: exZtdiuL)

 それからしばらく時間が経って、多々良は口を開く。

「十回目の人生について話してもいいか?」
「うん、もちろんだよ」

 まだあるのか……と思いつつも、三殊はさらりと返した。

 聞き始めてしまった以上、最後まで聞かなくては気が済まない。
 それが三殊の心だったのだ。

「十回目の人生、俺はまた女として生まれた。鈴原 リオン(すずはら りおん)としてな。リオンという女として生まれた俺は『何回目の女だよ……』と思いつつ、育っていった」

 そうしてすくすくと育っていったリオンこと多々良は、親の意向で女学校に通うことになったという。

 女学校の入学式。祝辞を述べる役として華ヶ咲 乙女(はながさき おとめ)という少女が現れたが、彼女こそが伊良部であったそうで。リオンこと多々良は「あぁ、辛いなぁ」と思い、溜め息をつき、絶望したらしい。

「やっぱりまた……出会ってしまうんだね」
「あぁ、そうだ」

 入学式から数日が経ったある日。リオンこと多々良は、乙女——つまり伊良部に呼び出された。呼び出された先でリオンは、乙女から「貴方、まだ生きているんですか?」と呆れたような調子で言われ。リオンは「お前を殺して、お前の野望を打ち砕くために何度も何度も生きてんだよ!」と言い放ち、ペンを投げる。が、乙女はそのペンを簡単に受け止め、リオンの左目に突き刺す。

「え、えぇぇ……残酷……」

 多々良の話に、三殊は衝撃を受けていた。

「乙女のやつ、さらに右目も突いてきやがった」
「えぇぇー……」

 リオンは両目が見えなくなり、出血も酷くなる。そんなリオンに対し乙女は「どうせ僕には勝てないんですし、もう僕の計画を邪魔しないでくれる?」と言い。そして彼女は、そのまま、リオンを殺害した。

「ふ、ふぅへぇぇ……」

 思わず情けない声を漏らしてしまう三殊。

「リオンを殺した後、あいつは『この男……いや、この存在がいるから、僕の計画が進まないんだ……!』と呟いて……リオンの死体に唾を吐きやがった!許せん!」

 三殊は引きながらも「死体に唾は問題だよね」と返しておいた。

Re: 『受拳戦争』 ( No.95 )
日時: 2019/06/25 02:23
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: GTJkb1BT)

「まだ話は続くが……聞いてくれるか?」
「もちろんだよ」

 十一回目の人生。
 多々良は、最中 往時(もなか おうじ)という男性として生まれ育ち、教職員になった。

「へぇー!教職員!」
「あぁ」
「多々良くん、凄いね」

 三殊は純粋に感心していた。
 教職員になるなんて、と。

「だが、やつは現れた。それによって、俺の人生はまたもや乱される」

 往時こと多々良が配属された学校の清掃員の中に、伊良部はいた。都竹 太久郎(つづき たくろう)という、往時より八個ほど年上の男。

「やっぱりまた……」
「多分、予想通りだ」

 太久郎こと伊良部を見つけた往時は、思わず「あー!?お前ぇ!?」と驚いてしまったという。

「仕方ないよね……驚かない方が不自然だよ……」
「分かってくれるか」
「もちろん。分かるよ」

 いきなり大声を出された太久郎こと伊良部は、驚きつつ、「少しは黙れ!」と叫び、往時を睨んだそうだ。

「俺は『お前を殺すために何度も色々な人生を歩んだんだ、お前を殺すまで、死んでも、何度でも生き返る!』と叫びつつ、やつを攻撃した」

 三殊はハラハラしながら多々良の話を聞く。

「だがやつは、偶々手に持っていた箒で、突いてきやがった。俺はあっさり倒れてしまった」
「その人、強かったんだね」
「やつは『お前、よく僕に楯突くなぁ?イライラするよ?いい加減諦めたらぁ?』と言って、心臓を箒の柄で突いてきやがった」

 ぶっ飛んだ話に、三殊は驚き戸惑う。
 箒の柄で心臓を突くなんてどうやるのだろう?
 そんなことを気にするなんて野暮だというのに、どうしても気にせずにはいられなかった。

「そしてやつは、持っていた鎌で——」
「鎌!?」
「俺、往時の首を切り、殺した」
「ぶぅえぇっ!?」

 想定外の連発に、三殊はつい、おかしな声を発してしまった。こんな展開で往時が殺られるとは微塵も思っていなかったため、心の準備がかなり不足していたのだ。

「……酷い声を出したな」
「び、びっくりしただけだよ!」

 多々良と三殊は、そんな風に言葉を交わしつつ、歩き続ける。

 次の部屋は、もうすぐだ。

Re: 『受拳戦争』 ( No.96 )
日時: 2019/07/01 18:20
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: nWfEVdwx)

 多々良の前世、十一回目までの話が終わった。

 ちなみに、十二回目は今回である。

 三殊は、多々良の凄まじい過去の数々を耳にし、かなりの衝撃を受けていた。が、多々良と共に伊良部を討伐するということを、考え始めてもいた。

 やがて、二人の前に、次のステージが現れた。
 二人は突入する。
 だがそこは、『ただの大きな部屋』だった。

「部屋……?」
「そのようだな」

 よく見てみると、部屋には、他の学校の生徒たちが幾人も寛いでいて。なぜか、穏やかな空気が流れている。

 多々良と三殊は驚く。
 そんな二人に、狐顔の長身の男性が声をかけてきた。

「おや?貴方たち、二人ですか?……まぁ、いいや。ゆっくり寛ぎな?次で最後なんだから」

 彼はそう言って、微笑む。

 二人は不思議に思いながらも、仕方なく休憩することに。

 この休憩の間に他のクラスメイトたちと合流できればいいなと思っていると、思っていた通り、クラスメイトたちがぞろぞろとやって来た。多々良の三殊は、クラスメイト皆と再会することができた。

「ひ、久しぶり……」
「また会えてラッキーかもぉー」
「久々ですな!」

 麗、事実、翡翠だ。

「凄い時間かかったな!」
「アマゾンよりかは快適だな、ここは」
「帰りたい帰りたいよ。早く帰りたいんだよ」

 飛翔、十六、陸羽。

「相撲はもう、うんざりだ」
「ここまでは一応上手くいってるで」
「久々だネ」

 秤、土豪、鈍器だ。

「我は元気にしていたが、そちらはどうだ?」
「お久しぶりです」
「ウティら、もうひと頑張りっちょ!」

 神黒、芳香、芳野。

「合流できて良かったカン」
「わたくし、が、頑張ったのですが……」
「久しぶりだな!」
「ムエタイとかやらされたの。何とも言えない気分だったの」
「相撲苦労した」

 環視、黄銅、琢磨、魔宵、海斗。

「勝っといたカン」
「我が輩も頑張ったぞ」

 小坂、春夏冬。

「ぼくもできることはしたでんな」
「またお会いできて光栄です」
「袖槻 半天、頑張りました!」

 永保、灯、半天。

 全員休憩をとって、団欒し、それから全員で次の場所へと移動する。

 だが、三殊も多々良も知らない。
 次の部屋が恐ろしい場所だということを——。

Re: 『受拳戦争』 ( No.97 )
日時: 2019/07/02 18:22
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: sNU/fhM0)

好きな色

*安芸井 春夏冬(あきい あきなし) 男 好きな色 青

*牛阪 牛歩(うしさか ぎゅうほ) 15歳 男 好きな色 黄

*皇崗 黄銅(おうおか おうどう) 15歳 男 好きな色 緑

*王城 琢磨(おうじょう たくま) 15歳 女 好きな色 青

*大江戸 芳野(おおえど よしの) 好きな色 銀

*隠岐 翡翠(おき ひすい) 女 好きな色 黒

*教 鏡花(おしえ きょうか) 15歳 女 好きな色 黄緑

*音張坂 環視(おとはりざか かんし) 15歳 男 好きな色 赤

*時雨野 芳隆(しぐれの よしたか) 15歳 男 好きな色 黄土

*釈迦医師 多々良(しゃかいし たたら) 15歳 男 好きな色 血の色

*白神 神黒(しらかみ かみくろ) 15歳 女 好きな色 純白

*四六時中 灯(しろくじちゅう あかり) 15歳 女 好きな色 茶

*袖槻 半天(そでつき はんてん) 男 15歳 好きな色 緑

*空井 飛翔(そらい ひしょう) 15歳 男 好きな色 青

*田井中 鈍器(たいなか どんき) 15歳 男 好きな色 水

*多美浪 小坂(たみなみ こさか) 15歳 女 好きな色 青

*筒岡 陸羽(つつおか りくう) 15歳 男 好きな色 白

*土居 十六(どい いざよい) 15歳 女 好きな色 黒

*呶呶 土豪(どど どごう) 15歳 男 好きな色 赤

*呑道 枯淡(どんどう こたん) 男 15歳 好きな色 黄

*奈緒 三殊(なお みこと) 15歳 男 好きな色 強いて言うならピンク、かな?

*冷褪 麗(ひやさめ うらら) 女 15歳 好きな色 青

*不二 海斗(ふじ かいと) 15歳 男 好きな色 なし

*藤原 芳香(ふじわら の よしか) 15歳 女 好きな色 色って何ですか?

*宝永 永保(ほうえい えいほ) 15歳 男 好きな色 灰

*真実坂 事実(まみさか ことみ) 女 15歳 好きな色 黒

*冥 魔宵(めい まよい) 15歳 女 好きな色 黒

*目盛 秤(めもり はかり) 15歳 女 好きな色 白

*桃井 花園(ももい はなぞの) 15歳 女 好きな色 花の色

*芳澤 蜂窩(よしざわ ほうか) 15歳 女 好きな色 黄


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