複雑・ファジー小説
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- 『受拳戦争』
- 日時: 2020/06/10 10:58
- 名前: 四季彩 (ID: EZ3wiCAd)
彩都さんと四季の合作です。
合作といっても、企画や世界観・キャラクターの名前や原形、プロットなどは、彩都さんです。
四季はキャラクターの口調を考えたくらいだけのもので、執筆係です。
よろしくお願いします。
スレ立て 2017.11.19
投稿開始 2017.11.20
プロット停止のため連載停止 2020.3.17~2020.3.23 2020.6.11~
- Re: 『受拳戦争』 ( No.63 )
- 日時: 2018/11/26 03:31
- 名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: Btri0/Fl)
真臘は、自分が製作したお地蔵さん風のロボットのうち一体を指差し、心なしか自慢げに述べる。
「この子の名は『シキ』という。可愛い可愛い奇跡のロボットだ」
「それがぎゅうぎゅうの相手かなかな」
牛歩の発言に、真臘は素早く口を挟む。
「それ、ではない!せめて、その子、と言え!」
かなり鋭い声での注意だった。
それは恐らく、自作ロボットへの強い想いゆえなのだろう。
「親馬鹿かなかな」
「余計なことは言わない!」
「恥ずかしいのかなかな」
「人を不愉快にするような発言は慎む!……これを忘れたら、人として終わりだ」
会話の中でも、真臘は、時折説教臭いことを言う。もっとも、それが職業柄なのか性格なのかは、はっきりしないところだが。
「では、白い服に着替えるように」
「分かった。着替えてくる」
こうして牛歩は、指定されている白い服に着替えることとなった。
制服の上着を脱ぎ、シャツの前側のボタンをぷちぷちと外していく。牛歩は意外にも手先が器用なようで、結構な早さでボタンを外していっていた。
その時の指の動きは、ピアニストの指がピアノの鍵盤を弾む動きによく似ている。
ボタンをすべて外し終えた牛歩は、シャツを脱ぐ。すると、やや黄ばんだような印象を受ける白いタンクトップが露わになった。彼は一切躊躇うことなく、そのタンクトップも脱いだ。
こうして露わになった牛歩の上半身は、筋肉が目立っており、がっちりしている。
それから彼は、指定の白いトップスを着た。
「これでいいかなかな?」
「下も着替えるように」
「そんなにぎゅうぎゅうの着替えが見たいかなかな?」
「いいから、下も着替えなさい」
真臘は淡々としている。
これは無理だな、と思った牛歩は、仕方なく下も着替えることにした。
ズボンを脱ぎ、指定の白いズボンを穿く。
白いズボンの生地は、柔らかそうで、しかも肌に優しそうなものだった。
「では、始めようか」
「ぎゅうぎゅう!頑張るかなかな」
牛歩はやる気満々だ。
さすが、自ら挙手しただけのことはある。
- Re: 『受拳戦争』 ( No.64 )
- 日時: 2018/12/03 17:58
- 名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: 0rBrxZqP)
雪合戦が始まる。
真臘が愛をこめて製造したロボットであるシキと、3年1組の代表である牛歩が、曇りのない瞳で向かい合う。
色つきの雪玉は既に用意されている。
「では、このぎゅうぎゅうが——先手必勝っ!」
赤い雪玉を投げる牛歩。
しかし、シキはそれをいとも簡単にかわした。
「可愛い我が子シキを、そのようなくだらぬ投擲で倒せると思うな!」
「……やっぱり、親馬鹿なのかなかな」
牛歩の投げた赤い雪玉を跳んでかわしたシキは、素早く着地し、牛歩へ視線を向ける。そして、驚いたことに、口を大きく開けた。くるみ割り人形のような口を開け方である。
「口がっ!?くるみ割り人形かなかな!?」
これには、牛歩もさすがに動揺する。
「この程度で動揺しているようでは、生き残れない」
片側の口角をじわりと持ち上げる真臘。しかし、牛歩がその不気味な笑みに気づくことはなかった。というのも、牛歩は、シキの口に気を取られていたのである。
「負っけるもんか!なかな」
牛歩は動揺しつつも、足下の赤い雪玉を手に取り、シキに向かって投げつける。しかし、シキには一つも命中しない。
「かなっ!かなっ!」
それでも牛歩は投げつける。
が、やはり当たらない。
「かなっ!かなっ!かかなんっ!」
牛歩が投げる雪玉を、シキは、すれすれのところでかわす。惜しい、と思う辺りで避けるところに、悪意を感じる。
「かなっ!かななっ!かなっ!かっななっかっ!」
赤い雪玉が、舞い散る桜の花弁のように、宙を舞う。
「かなっ!かなっ!かななっ!かなかなかな!!かなっ!かなっ!かなかな!かなっ!かなっ!……あ、当たらない……けども。かなっ!かなっ!かなっ!かなっ!かなっ!かなっ!」
赤い雪玉は飛ぶ。
けれど、それがシキを紅に染めることはない。
「ていっ!ていっ!ていあっ!ていえっ!ていぇあっ!」
シキは素早いが、ロボットなだけあって、素早いだけではない。動作にかなりの正確性がある。
「とぅっ!とぅあっ!とぅぇあ!とぅあとぅえあっ!とぅん!とぅあん!とぅえん!とぅぇあんっ!とぅをあんっ!あくす!とぅっ!てゅえん!とぅをん!とぅをりあ!とぅをりんあっ!うぉっう!とう!とう!とうとぅーっ!とうとうとぅありあっ!とぅっ!とぅあっ!とぅぇあ!とぅあとぅえあっ!とぅん!とぅあん!とぅえん!とぅぇあんっ!とぅをあいんっ!あくすっ!!」
それでも牛歩は諦めない。
彼はまだ、勝ちを目指して、懸命に戦い続けている。
- Re: 『受拳戦争』 ( No.65 )
- 日時: 2018/12/10 19:12
- 名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: HTIJ/iaZ)
牛歩はシキに向かって雪玉を投げ続ける。
当たらない、当たらない、当たらない。が、牛歩は決して諦めなかった。
自分が負けたら、3年1組はそこで終わってしまうかもしれない。もしそうなれば、皆のこれまでの努力が、すべて水の泡になってしまうのだ。
——そんなことは、絶対に許されない。
だから、牛歩は戦いを続けた。
時間切れになる瞬間まで諦めない、と、そう心を決めながら。
「そいっ!」
だが、シキはとても素早い。それに加え、人間業ではないような動きをする。そのため、なかなか動きを予測できない。
それらの要素が、牛歩を、かなり苦戦させた。
「そいっ!そいっ!そいそーっす!そいっ!そそいっ!そいっそ!そいっ!そいっ!」
「やみくもに投げても無駄だ」
「諦めないかなかな!」
「無駄だと言うのが分からないのか」
「諦めるものかなかな!ぎゅうぎゅうは、最後まで、諦めないで戦うかなかな!」
真臘は、苦戦する牛歩を見て、静かに笑みをこぼしていた。自信作のロボットが圧倒的な強さを見せつける光景というのは、実に楽しいものなのだろう。
「そろそろか……シキ!」
突如、真臘が放つ。
すると、シキの口がガコンと大きく開いた。
「かなっ!?」
一瞬、牛歩の手が止まる。
直後。
シキの口から、青く染まった雪の玉が吐き出される。
「うわ!」
牛歩はその雪玉を食らってしまった。白い服が青く濡れる。
「かなっ!?」
そこへ追い討ちをかけるように、シキの口から、またしても青い雪玉が放たれた。
「かなぁっ!」
牛歩は咄嗟に身をよじり、シキが放った青い雪玉をかわす。だが、シキはまたしても雪玉を吐き出してきた。シキに遠慮なんてものは存在しない。
「かなっ!かなっ!かぁなっ!かななっ!かななんっ!かなっな!かんななっ!かなっ!かなっ!」
今度は牛歩が責められる番だ。
シキはどんどん雪玉を放ってくる。牛歩はそれを、必死になって避け続ける。反撃しようにも、隙がないからどうしようもない。
- Re: 『受拳戦争』 ( No.66 )
- 日時: 2018/12/17 01:20
- 名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: gZQUfduA)
真臘が作ったロボットのうちの一体であるシキに、牛歩は苦戦を強いられている。
牛歩が能力のない人間なのではない。彼はそれなりの運動神経を持っており、極めて馬鹿というわけでもない。ただ、人を越えた動きをするシキが相手となると、そう上手くはいかないものなのである。
シキはいまだに、大きく開いた口から雪玉を吐き続けている。
嵐のように襲い来る雪玉をかわしつつ、牛歩は作戦を考えていた。
——どうすればシキに勝てるか。
これは、人とロボットの対決だ。まともにやり合ったのでは、牛歩に勝ち目はないだろう。もっとも、シキの動きをほんの僅かにでも止められたなら勝ち目があるかもしれないが。
雪玉が続々と放たれる状況。
それはまるで、冬に嵐の中にいるかのような。
「きっ……厳しい、かっ……なかな……」
牛歩が挫けそうになった、その時。
奇跡が起こった!
「なっ……こ、これは!まさかの、ぎゅうぎゅう神!?」
牛歩の頭に、作戦が舞い降りてきたのだ。
強敵・シキに勝利するための作戦が。
「キタァ!」
一気にやる気を取り戻す牛歩。その瞳は、希望という名の輝きに満ちている。
そして、駆け出す。
牛歩はシキの方へと走り出した。雪玉が体にぶつかることも厭わず、彼は、一直線にシキへと駆け寄っていく。
「何をするつもりだ」
突然駆け出した牛歩を目にし、真臘は怪訝な顔をしていた。
「かなかなかなかなかなかなかなかなかなかなかなかなかなかなかなかなかなかなかなかなかなかなかなかな」
シキにぶつかる直前、地を蹴り、高く飛び上がる。
そして。
「かぁー、なぁーっ!!」
宙から舞い降りてきた牛歩は、両足を揃え、シキを全力で踏む。
「ぎゅうぎゅうが勝つかなかなーっ!」
全体重に重力も加えて踏まれたシキは、真ん中で二つに割れてしまった。
こうして、かなり無理矢理な方法でシキを破壊した後、牛歩は、シキの服に雪玉をたくさん擦り付けた。色をたくさん付けると勝てるからである。
「五分経過!終了!」
少しして、真臘がそう告げた。
「勝者、牛坂 牛歩!」
「軽く勝っちゃったかなかな」
制限時間を最後の最後まで使っての、牛歩の勝利だった。
その後、前の部屋で戦っていた3年1組メンバーらが、牛歩のいる部屋へとやって来た。牛歩以外の3年1組メンバーは、牛歩だけを見て、『また出会えなかったか』と思う。そして、牛歩は、彼らと一緒に次の部屋へと向かうことになった。
- Re: 『受拳戦争』 ( No.67 )
- 日時: 2018/12/19 19:18
- 名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: /ReVjAdg)
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