複雑・ファジー小説

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『受拳戦争』
日時: 2020/06/10 10:58
名前: 四季彩 (ID: EZ3wiCAd)

彩都さんと四季の合作です。

合作といっても、企画や世界観・キャラクターの名前や原形、プロットなどは、彩都さんです。
四季はキャラクターの口調を考えたくらいだけのもので、執筆係です。

よろしくお願いします。

スレ立て 2017.11.19
投稿開始 2017.11.20

プロット停止のため連載停止 2020.3.17~2020.3.23 2020.6.11~

Re: 『受拳戦争』 ( No.128 )
日時: 2020/01/28 00:29
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: SkZASf/Y)

「イ・ノ・ブ・タ!タ・コ!コ・ウ・ギョ・ク・チョ・ウ!」

 イノブタの『イ』と『ノ』の部分に合わせて、鈍器はS字とP字のポーズをとる。そして、『ブ』で二三回その場での素早いターンを行い、『タ』でI字のポーズ。正面から見た時、手の指先から足先までが縦一直線に見える、そんなポーズだ。そして、タコとコウギョクチョウの『コウギョク』までは、縦一直線に見えるポーズのままその場で高速回転。もはや何回転しているかなど誰も数えられないくらいの回転ぶりだ。

 そして、最後。

 一連の流れの一区切りとなるコウギョクチョウの『チョウ』の部分で、X字のポーズをきめる。

「ウ・シ・ガ・エ・ル!ル・リ・ハ・ナ・ア・ブ!ブ・チ・ハ・イ・エ・ナ!」

 3年1組メンバー、自分以外の全員から、鈍器は冷ややかな視線を注がれている。しかし、それでも鈍器は気にせず踊りを継続。

 ウシガエルの『ウシ』の部分では、力士のように股を豪快に開きながら全身の位置を下げ、『ガ』でさらに沈み込んで、『エル』で真上に高く飛ぶ。両手は真横に伸ばして。手のひらは上向け。

 ルリハナアブは、『ル』で右向きの鶴のポーズ、『リ』で左向きに伸びをする猫のポーズ。そして、『ハナ』では、両手を胸の前へ持ってきて花を作る。そこから『ア』でその手で作った花を掲げ、『ブ』で花を散らす。花が散った後、両手は頭の上できらきらと輝かせた。

 そして、今回のフレーズの最後。
 ブチハイエナは、『ブ』でBの字ポーズ、『チ』でTの字ポーズを勇ましくきめ、『ハイ』の間は両足で何度も床を踏む。地鳴りが起こりそうなくらいひたすら力強く踏み、続く『エナ』で右斜め上に跳躍。フィギュアスケート選手のジャンプのような華麗なジャンプを披露した。

Re: 『受拳戦争』 ( No.129 )
日時: 2020/02/03 19:56
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: idHahGWU)

「わ、わたくしも、皆と同じ思いなのです。努力は実らねば意味がありませんから、その、例え短期だけになったとしても、それでも、文武学園の生徒として過ごしたいのです」

 おどおどした口調ながら文武学園入学にかける想いを述べるのは黄銅。

 彼は他の3年1組メンバーたちと比べるとかなり気が弱い方だ。世の色々なことに対して不安を抱いているようなタイプの人間である。
 しかしながら、文武学園入学するということにかけてきた想いは、決して周囲に負けていない。気が弱い彼だが、彼なりに夢を持ち、その夢を叶えるために努力を続けてきた。だからこそ、夢が夢のまま終わるということは納得できないのだろう。

「少しでも、構わないのです。皆で、これまでの努力を良かったと思える、そんな時間を、少しで良いので過ごしたい。それがわたくしの、気持ちなのです」

 言葉を紡ぐその様は決して器用に見えはしない。が、器用ではないからこそ訴えの強さが伝わるということも時にはあるものだ。今の黄銅は、まさにその一例と言えるだろう。

「だよな!あたいも同感!ここまで来たからには入りたいじゃん!」

 そんな気弱ながら一生懸命な黄銅に理解を示す者がいた。
 王城 琢磨である。

 男子と間違われそうなボーイッシュな容姿の女子生徒。
 大人しい黄銅とは正反対に思える存在だが、真逆の特性を持つからこそ、黄銅とは案外相性が良かったりする。

「で、ですよね?」
「当然!みーんなそう思ってるはずじゃん!」
「共感していただけて、嬉しいのです」
「そりゃ共感くらいするって。一緒に頑張ってきた仲間じゃん」

 琢磨に理解してもらえた黄銅はとても嬉しそうだ。

「絶対入学したい!それは全員の気持ちに決まってんじゃん!」
「良かった。やはり、そう、そういう気持ちなのですよね」

Re: 『受拳戦争』 ( No.130 )
日時: 2020/02/10 20:48
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: zbxAunUZ)

「皇崗と王城が言うことはまさに正論だな!」

 黄銅と琢磨が話している内容を聞いていて、やがてそう発したのは、偶然近くにいた土居 十六だった。

「あたしもまったくおんなじ気持ちだ!」

 十六はアマゾンやジャングルで長年暮らしてきた少女だ。それゆえ、体力は常人離れしており、学生生活に馴染んだ今でも若干は野生的な雰囲気をまとっている。

「いやはや、俺もそう思うわ!」

 そこへさらに言葉を重ねてきたのは、土豪。

「そうやんな?枯淡」
「イエス。オレもそう思ってるぞ」

 土豪は気さくな人間である。
 物を持つとやたら壊してしまう点を除けば、問題はあまりない生徒だ。

 彼はやや不良を思わせる風貌。それゆえ親しくない者からはやんちゃなのだと誤解を受けることが多い。3年1組メンバーたちは悪いことは何も思っていないが、それ以外の生徒たちからは恐れられているほどである。しかし、実際には不良ではない。素行も悪くはない。

 ちなみに、枯淡や多々良と仲が良かったりする。

「我は文武学園に入ることを当然のことと考えておる。学園側の事情で入学できぬなど、あり得ない」

 独特の口調で述べるのは、神黒。
 白タイツにピンクのレオタードという格好を常にしている少女だ。

「入学のために努力してきた者の夢をそう易々と幻にされては話にならない」

 彼女は大抵はっきりと物を言う。
 今も例外ではない。
 彼女は何も恐れない。相手にどう思われるかなど、微塵も気にしない質だ。

Re: 『受拳戦争』 ( No.131 )
日時: 2020/02/19 07:08
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: u5wP1acT)

「まよい、正直なんでもいいの!でも、みんなの願いがまよいの願いなのなの!だから、みんなが願うことは、まよいも願うなのなの!」

 そう述べるのは、魔宵。
 童顔かつ貧乳でいまだに小学校低学年に見間違われることもある少女だ。

 ちなみに、彼女はいつも黒い帽子を被っている。
 なぜなのかは3年1組メンバーたちですら知らない。

「ぎゅうぎゅうは夢の学園生活を楽しみたいかなかな」

 ロリっ子魔法使い風の魔宵に続けて口を開いたのは、牛歩。
 彼は魔宵の幼馴染だ。不審な大人から狙われることも少なくはなかった魔宵を、いつも近くで護ってきた。

「夢の学園生活ぅ?それは何なのなの?」
「ぎゅうぎゅうがずっと夢みてた、幸せな暮らーし!」
「……わけ分かんないなのなの」

 魔宵と牛歩は小さい頃からの付き合いだ。だからこそ、互いに遠慮はしない。互いに分かり合っているからこそ、気兼ねなく自由な言葉を交わすことができるのだ。

「あー、これで入れなかったらダリィ!」

 続けて毒を吐き出したのは、蜂窩。
 彼女は、個性派が揃う3年1組内でも、一番の口の悪さを誇る女子だ。

 脚が長く、モデルのような体型で、外見は隙の無い美女。十五歳になんて見えない、大人びた美貌の持ち主だ。だが、その桜色の唇が開かれた瞬間、彼女はただの美人ではなくなる。美人毒舌家へと変貌するのだ。

 ただし、彼女の毒舌を止める人物が一人だけいる。
 クラスメイトでもある、時雨野 芳隆というメガネ男子だ。

 蜂窩は芳隆に対して恋心を抱いている。
 それゆえ、彼の前になると、愚痴も悪口も暴言も履かなくなるのである。

 彼女はまさに、女子の黒い部分を体現したような存在。しかも、容姿が美麗だから、なおさら皮肉なものである。

Re: 『受拳戦争』 ( No.132 )
日時: 2020/02/27 21:38
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: kgjUD18D)

 だみ声の文句が飛んだのを聞き逃さす、花園が発言する。

「えぇ〜、言い方こわぁ〜い〜。はなな、怖い女の人って、苦手ぇ〜」

 花園は、幸運か不幸か、その名前に相応しい可愛らしい容姿は持っていなかった。道行く人誰もが振り返るほどの整わなさではないが、平均よりほんの少し下辺りの顔面である。しかし、何でも一週間もすればマスターできるほどの、常人離れした器用さを持っている。そのため、3年1組が文武学園に合格するためには、とても役立った存在だったりする。

「あぁ!?」
「ひゃあ〜ん、ごめ〜ん。怒らないで怒らないで〜」

 不必要な発言をした花園は、蜂窩に睨まれていた。

「芳澤さん、桃井さん、仲良しですね」

 蜂窩は睨み、花園は怖がっているふりをしつつも睨み返す。険悪な空気が場に漂う。が、そんな空気に気づかず余計なことを言ったのは、芳隆。

「仲良しなのは良いことです」

 芳隆は、蜂窩の口の悪さを知っている。だからこそ、花園との乱雑な交流も、仲良しと捉えたのかもしれない。ただ、それは間違いだけれど。

「僕は入学したらエロ本読むんだよ。女性は嫌いだけどね」

 そこへ、まったく関係ない発言が飛び出してきた。
 発したのは、エロ本好きで有名な陸羽だ。

「エロ本は素晴らしいんだよ。女性嫌いの僕でも、エロ本にはうっとりなんだよ。あのアダルティさ、たまらないんだよ。特に、年増系のエロ本が魅惑的で好きなんだよ。あ、ちなみに、知らない人もいるかもしれないけど、コンビニで売ってるんだよ。少しでも気になったのがあったら、一度手に取ってみるのがオススメなんだよ。慣れるまでは戸惑うかもしれないけど、そのうち、数ページ開いてみるだけで良いか悪いかが掴めるようになってくるんだよ。ぬふふ。もし良かったら、絶対読んでほしいエロ本百選を紹介するんだよ」


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