二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 逃走中2〜かぐや姫の罪を正しく裁け〜
- 日時: 2015/05/12 12:14
- 名前: ヨーテル ◆I.1B0IMetU (ID: MSa8mdRp)
皆さん、初めましての方は初めまして。そうでない方は、今回もよろしくお願いします。ヨーテルと申します。現在バリバリの現役大学生です。
さて、今回の逃走中はあの日本最古の物語『かぐや姫』を舞台に、63人の逃走者たちが逃走成功を目指します。
ある日、かぐや姫の前に現れた5人の求婚者たち。かぐや姫は、彼らにある物を取ってくるように指示します。しかし、ここでおかしなことが起こってしまいます。この出来事に、逃走者たちが巻き込まれていく!果たして彼らは、かぐや姫を最高の結末へと導けるのか!
そして、今回は常識を超えた心理戦が展開される!攻撃と防御を巧みに使い、優位にゲームを進めていくのは誰だ!
では、逃走者紹介です。今回は、9作品7人ずつの参戦となっております。どうぞ!
逃走者一覧 カッコ内は参加回数
『大乱闘スマッシュブラザーズ』 参加7名
・マリオ(2)
・ルイージ(2)
・ワリオ(初)
・ピーチ(初)
・リュカ(2)
・スネーク(2)
・デデデ大王(初)
『ひぐらしのなく頃に』 参加7名
・前原圭一(2)
・竜宮レナ(2)
・園崎魅音(2)
・北条沙都子(2)
・古手梨花(2)
・赤坂(2)
・大石(2)
『ゲゲゲの鬼太郎』 参加7名
・鬼太郎(初)(目玉おやじ同伴)
・ネコ娘(初)
・ネズミ男(初)
・砂かけばばあ(初)
・子泣きじじい(初)
・大天狗(初)
・ろくろ首(初)
『ドラえもん』 参加7名
・ドラえもん(初)
・野比のび太(初)
・源静香(初)
・骨川スネ夫(初)
・剛田武(初)(作中ではジャイアン)
・出木杉英才(初)
・ドラミ(初)
『逆転裁判シリーズ』 参加7名
・成歩堂龍一(初)
・御剣怜侍(初)
・狩魔冥(初)
・糸鋸圭介(初)
・綾里真宵(初)
・王泥喜法介(初)
・一条美雲(初)
『東方Project』 参加7名
・博麗霊夢(2)
・十六夜咲夜(2)
・射命丸文(2)
・古明地さとり(初)
・古明地こいし(初)
・伊吹萃香(初)
・森近霖之助(初)
『福本作品シリーズ アカギ&カイジ』 参加7名
・赤木しげる(2)
・安岡(2)
・南郷(2)
・鷲巣巌(2)
・伊藤開司(初)
・一条聖也(初)
・坂崎孝太郎(初)
『逃走中同盟』 参加7名
・KAME3(2)
・読み線(初)
・nukosan(初)
・狂った猫(初)
・yu-a28(初)
・大化の改新(初)
・イグッチョ(初)
『オリジナルキャラ』※紹介あり 参加7名
竜崎悠太(2)
偏差値68の県立来夢高校に通う、高校2年生。理数系の天才で、校内でもトップの成績をとっている。それに加え、冷静さとリーダーシップを兼ねそろえているため、顔は平均的なのだが、女子からの人気が高い。ただ、竜崎が恋愛に鈍感な為、好かれているということに気付いていない。よって、人と付き合ったこともない。
結城秋子(2)
竜崎のクラスメイト。竜崎のことを心から好いているが、本人の前に行くとどうしても緊張してしゃべれない。ノーメイクだが十分かわいい顔をしているので、男子からは人気が高いが、彼女は竜崎一筋で、他の男子になど見向きもしない。頭は、それなりにいいようだ。
一ノ瀬玲奈(2)
竜崎のクラスメイト。基本的にクールな性格をしており、状況判断も的確。彼女には、幼いころに一家を詐欺でつぶされた経験がある。そのため、人の嘘に敏感で、嘘を見抜くのがとてもうまい。成績は非常に優秀で、10段階評価のオール9。
藤田剣人(2)
竜崎のバイト先の先輩。比較的まじめな性格で、何事にも一生懸命取り組む。そのせいか、国内でも有数の有名大学に通っている。本人いわく、自分の通っている大学は、日本一有名なT大学にあっさりK.Oされる大学であるとのこと。優しい性格をしているが、打たれ弱い。
梅原翔太(初)
竜崎のクラスメイトであり、親友。しかし、2か月前家が火事になり、最愛の弟を亡くす。そのショックで、失声症(声が出なくなる病気)にかかってしまった。言葉を話すこともできないが、火事以来彼は表情をなくしてしまった。心理戦の能力は、相手の心理を読む力もあるが、ポーカーフェイスで相手に心理を読ませないほうが得意。しかしそれは、火事によるトラウマがあるからなのだ……
大塚一平(初)
竜崎の古くからの友人。小中高と同じ学校に通ってきた。彼は基本的にテンションが高く、ハリネズミのように立たせた髪が特徴。そんな彼は、サッカーで全国大会に出場するほどの運動神経を持ち、逃走成功に期待がかかる。
Mr.ブラウン(初)
竜崎の学校でALTをやっている。日本語は片言だが喋れるため、コミュニケーションに問題はなさそうだ。運動はあまり得意ではないが、唯一の外国人参加者として、頑張ってもらいたい。出身地はアメリカ。
以上、63名です。
▽天地人を旅して逃走中!
▽厳しい予選、勝ち抜くのは!?
▽赤木しげるの芸当!
▽逃走中同盟、心理戦でタジタジ!?
▽初参加の妖怪勢の実力は!?
▽異議あり!かぐや姫の罪?
▽心理戦の果てに、逃走成功するのは誰だ!?
では、お楽しみください。
ここから下は、逃走中の各種設定、能力制限の詳細等が書かれています。
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- Re: 逃走中2〜かぐや姫の罪を正しく裁け〜 ( No.343 )
- 日時: 2015/05/15 22:56
- 名前: 雨 (ID: ffzF7wsd)
久々に面白い作品を見つけた。
今後も楽しみにしてます。
- Re: 逃走中2〜かぐや姫の罪を正しく裁け〜 ( No.344 )
- 日時: 2015/05/17 23:08
- 名前: 劇団kame3(kame3&ライム) (ID: ffzF7wsd)
ライム「kame3よ、お前に話がある」
kame3「…劇団kame3って、しばらくの間活動を個人だけにするのだったのでは?しかもそうなった原因同士がこうして話すって…」
ライム「もう和睦したってことでいいだろ、あの件はお互いもう引きずってないし」
kame3「確かに引きずってないけどさ…で、話ってなんだ?」
ライム「kame3、お前…新たに逃走中小説書いてみないか?」
kame3「…は?」
それは、突然の兄からの発言がきっかけだった。今まで執筆を始めたものの二回とも筆を途中で置いてきた逃走中小説を再び新たに始める提案…
kame3「いやいや、何か事前にその話を聞いていて、その後承諾したみたいな感じで書いているけど…急に何いってんの?」
ライム「何言っているって、そのままの意味だよ。俺の中に創作の神が降臨してさ、30分くらいで逃走中小説書くための案が浮かんだんだ。でも、生憎俺は忙しいから執筆経験のあるお前に案を託して書いてもらおうと思ったんだ」
kame3「お前の方が暇だろうが!!それに遊んでばかりいるから担任からいつか留年するとか言われているやつのどこが忙しいんだ!」
ライム「まぁまぁ、とりあえずある程度案をまとめて書いてきたからそれを読んでみてくれよ。コンセプトは、いつでも終わっても違和感の少ない逃走中にしてみた」
kame3「…とりあえず読ませてもらおうかな、少し気になったし」
ライム「さて、kame3が読んでいる間に俺はその逃走中の予告的なものを…」
kame3「予告の代わりに書こうとしていた内容は全カットな。で、読んだ感想としては…変更するところがあるけど、この形式で書けなくはない。みたいな感じかな…」
ライム「おっ、いつ頃から投稿できそうだ?」
kame3「それだけどねぇ…かなり先、かな。今まで全体構成や誰が捕まるかみたいなタイミングは事前に決めてあって、それに沿って話を進めていたけど…下書きの地点で修正重ねまくってかなり時間かかったり、それまで書いてきた内容を後から修正したいけどもう直せないから…みたいな感じでモチベが下がってしまったんだよ。
だから、今回書くとしたら構成をしっかり決まった地点で書き始めるのではなく、既に下書きを完成。後はパソコンにそのまま打ち込めばOKぐらいにしたいから…数ヵ月、もしくは未公開で終るかもしれない。」
ライム「そこら辺は丸投げするから、とりあえず変更点があれば教えてもらう程度でいいや」
kame3「なら、作者チームの話は今回没な。前回集めて見たものの色々管理が大変だったし、今回は台詞などの下書きを全てやって完成したらそのまま上げるつもりだから、募集すると修正することになるし」
ライム「そっかぁ…じゃあ使うキャラは東方と…あれか?」
kame3「早さの数値が出ているから、それを元に設定作りやすいからね。あとキャラが多いし」
ライム「…案外乗り気だよな」
kame3「設定とか考えているときって、とても楽しいからな…それじゃあ、一応基礎から見直して自分なりにやっていきますか!」
ライム「…こんなんで乗るなんて、本当にチョロいな」
- Re: 逃走中2〜かぐや姫の罪を正しく裁け〜 ( No.345 )
- 日時: 2015/05/26 12:40
- 名前: ヨーテル ◆I.1B0IMetU (ID: PVBlMup7)
>蘭華さん
このゲームでは、各キャラの個性が重要になる局面もあるので、知らないキャラがいるとその分この先の展開も読みにくくなります。そしてそれは、逃走者にも言えることだと思います。ですが、キャラの説明などは必要に応じて加えていきますし、キャラをあまり知らない方にでも楽しんでいただけるようにと書いているつもりですので、その辺はお気になさらずに、楽しんでいただけたらと思います。
>KAME3さん
KAME3さんの逃走中小説キターーーーー!
と、はしゃいでしまいましたが、KAME3さんがいつもお忙しいのはこちらも百も承知なので、あまり無理をしないでくださいね。さて、本編について。
密告した後気を抜かないのは、彼らクラスもう当たり前にやっていることですので、いちいち言う必要もないということでしょうね。では、中間発表に入ります、お楽しみに!
>ライムさん
いろいろ不思議なことは起こっていますが、案外それが起こった理由はシンプルなものかもしれません。というより、私は難しいことを考えるのが苦手なので、シンプルなものしか書けません(汗
>雨さん
初めまして、ヨーテルといいます。面白い作品と言っていただけるのは、本当に嬉しいです。これからもこの作品をよろしくお願いします。
- Re: 逃走中2〜かぐや姫の罪を正しく裁け〜 ( No.346 )
- 日時: 2015/05/26 12:43
- 名前: ヨーテル ◆I.1B0IMetU (ID: PVBlMup7)
ゲーム開始から5分が経過し、ここからはゲームの中間結果が常時全プレイヤーにわかるようになる。戦略を立てるきっかけにもなるこの中間結果、果たして先手を取ったチームはどこなのか。
ドラミ(緑)「5分経ったわね。中間結果は……え!?」
咲夜(黄)「うそ……まだ開始5分よ?」
赤坂(オレンジ)「そう、まだ5分しか経っていないというのに……」
〜中間結果〜
1位 黒 +8
2位 ピンク +4
3位 赤 +2
4位 青 0
4位 白 0
4位 水色 0
7位 金 -2
7位 オレンジ -2
9位 緑 -4
10位 黄 -6
竜崎(青)「黒チーム+8!いや、それだけじゃない。プラス、マイナス共に絶対値は14。密告1回につき2点獲得のこのゲーム、現状密告以外でのポイント獲得が不可能だから、このスコアは最低7回は密告が起こったことを意味している。なんというハイペースだ……」
KAME3(赤)「さっきアカギさんからねずみ男さんを密告したって連絡があったから、うちのチームは+2か。密告されてなくて良かったけど、黒チームがおかしすぎるでしょこれは……」
±0付近のスコアのチームの者たちは、黒チームの異常さに驚き、それを分析しようとする。しかし、それどころではないチームもいた。
狂った猫(黄)「最下位……-6!?もしもし!もしもし!」
目下最下位、黄色チームである。すぐに、無線機での通信が始まった。
マリオ(黄)「おい、これはどういうことだ!俺は1回も密告された感じはなかったぞ!」
咲夜(黄)「私も、常に壁に背を向けていたから、密告は不可能なはずよ」
狂った猫(黄)「俺もです。密告こそしていませんが、誰とも会っていませんし、慎重に行動していました!」
誰もが、密告されたという自覚がない。にもかかわらず、訳のわからぬうちに6ポイントを失い最下位という現実は確かにそこにある。
咲夜(黄)「とにかく、このままじゃ敗退は確定。何か手を打つ必要があるわ」
非常に厳しいスタートとなってしまった黄色チーム。ここから策を練り直し、逆転へ向けて動き出す。
スタッフ「いや〜、驚きの結果になりましたね。どうですか、アカギさん?」
アカギ(赤)「ククク……」
スタッフ「ア、アカギさん?」
アカギ「俺にとっては、ここまでの密告中は……すべて俺の予定通りだ」
スタッフ「え!?」
さて、見ている方も気になっているであろう黒チーム+8のタネを、そろそろ明かしたいと思う。そのために、ここで黒チームメンバーの一人、イグッチョに注目する。
イグッチョ(黒)「なんだ、このスコア?うちが1位なのはいいけど、なんか釈然としない。だって俺は、ここまで一度も密告を行っていない!」
イグッチョ視点では、これは味方の活躍による1位だとわかる。自分が足を引っ張らないようにと、気合を入れようとしたその瞬間、イグッチョの無線機に連絡が入った。
イグッチョ(黒)「もしもし?」
ミツルギ(黒)『ミツルギだ。中間結果を見ただろうか?』
イグッチョ(黒)「ええ、見ました。さすがミツルギさんですね!誰を密告したんですか?」
ミツルギ(黒)『それなんだが……私は一人も密告していない』
イグッチョ(黒)「え……?」
ミツルギ(黒)『その反応、どうやら君も密告はしていないようだな。これで結論が出た。この8ポイントは全て、こいし君が稼いだものだ……!』
イグッチョ(黒)「ええええええええっ!」
なんと、黒チーム8ポイントの立役者は全て古明地こいしだった。その密告速度、5分間で4回!
ミツルギ(黒)『こいし君とは、連絡が取れない。が、彼女がここまでの活躍をしていることは事実。我々は、さらなる加点を目指すとともに、安易に密告されないよう守備を固める時間に入っていると思う』
イグッチョ(黒)「そうですね。こいしさんがここまでの活躍をしているのに、俺たちが失点しては何にもならない」
黒チーム、行動を守備気味に変更し、これからのゲームに挑む。このリードを、どこまで守れるのか。
- Re: 逃走中2〜かぐや姫の罪を正しく裁け〜 ( No.347 )
- 日時: 2015/05/27 22:20
- 名前: ヨーテル ◆I.1B0IMetU (ID: eetvNq3l)
プルルルル……プルルルル……
スネーク(金)「なんだ?」
メールだ……
沙都子(金)「『通達 エリア内に10個の宝箱を設置した』」
文(青)「『中にはポイントや、ゲームに役立つものが入っている。活用したまえ』ポイントがもらえるのはいいですね!」
鬼太郎(水色)「『ただし、ハズレの宝箱もあるので気を付けること』せっかく見つけてもハズレだと残念だね」
通達 10個の宝箱を設置
現在エリア内に、10個の宝箱が設置されている。
中には、ポイント他ゲームに役立つアイテムが入っている。
ただし、ハズレの宝箱もあるので注意すること。
ミクモ(ピンク)「お宝!現状2位のウチとしては慎重に行動すべきなんだろうけどさ、お宝と聞いちゃ黙ってられないね!」
宝箱を開けることができれば、今後のゲーム展開が有利になることは間違いない。
ナルホド(オレンジ)「う〜ん、でも宝箱を見つけに行くってことは、動くってことだろ?それに宝箱を探すから、他の人に注意がいかなくなる恐れも……」
しかし、動けば他のプレイヤーに見つかるリスクも高まる!積極的に宝箱を探しに行くか、それは各プレイヤーの自由だ。
一条(緑)「おお、こんな近くに宝箱が!」
宝箱を最初に発見したのは、目下9位と苦しい展開の緑チーム、一条。
一条(緑)「いいやつ……!きてくれっ……!頼むっ……!」
苦しい現状を打破するため、どうにかここでいい物を引いておきたい一条。祈りを込めて宝箱を開ける。
パカッ
一条(緑)「ん?これは……」
中には『367 2pt』と書かれた紙が。
一条(緑)「この番号を電話で伝えれば、2ポイント手に入るってことか?」
一条、今回初めての電話。
一条(緑)「一条だ。367と書かれた紙を宝箱の中から見つけたが、得点になるのか?」
スタッフ「おめでとうございます、一条様。367ですと……はい、緑チームに2ポイントが加算されます」
一条(緑)「よし!」
緑チーム、2ポイント追加!これにより、スコアは-2に、あと一人密告すれば負債返上である。
スネーク(金)「エリーが言っていた、とにかく動くことというのは、こういうことか。今後も動くことでポイントが獲得できるようなイベントがあるなら、じっとしているだけではじり貧だな」
沙都子(金)「トラップも設置しましたし、動くのは性に合いませんわね……」
どちらかというと、敵を待つタイプの金チームの2人。しかし、ジッとしていては密告以外の追加点を得る機会が減ってしまう。
その後……
ミクモ(ピンク)「やった!宝箱みっけ!中身は……2ポイント!」
大天狗(青)「お、これが宝箱だな。中身は……1ポイントか」
ミクモ、大天狗が宝箱での加点に成功。こうなると主催者の、このゲームを勝ち上がるために、±0では足りないという言葉が、現実味を帯びてくる。
宝箱が出現したからと言って、密告中の本質が他人を密告することであることに変わりはない。開始5分で密告4回という偉業を達成したこいしは、宝箱を無視して更なるターゲットを探していた。
こいし(黒)「ん〜どっかに人はいないかな〜」
こいしは、街中のど真ん中を警戒なしで歩いていた。これは、密告中のルールを考えたらありえない行動である。しかし、こいしだけはその常識にとらわれない。彼女は極端に存在感が薄く、1stステージ最後の難関である警備員を、ただ通り過ぎるだけで突破した。
しかし、ハンターには存在感の濃度など関係ないため、今回の逃走中でもこいしがそれほど有利になる条件はないと思われていた。
だが、この密告中において、こいしの能力は最強の武器となる……!
人間というのは、視界に入ったものすべてを認識できるわけではない。視界に入っても、本人がそれを見ようと『意識』しなければ見ることはできない。
例えば森の中を歩いている時、ふと下を見ると偶然一匹のアリが歩いていたとして、そのアリを見ようと意識しなければ、アリがいることに気付くことはできないだろう。
気付くことができないということは、要するに気付こうとしていないということで、それはつまり相手の存在に対して『無意識』であるということだ。
こいしは影が極端に薄いというのは、正確に言えば正しくない。古明地こいしが本当にもっている力、それは他者に自分の存在を『意識』させない力、『無意識』の世界に誘う力。これが密告中でどれほどの効果を発揮するかは、想像に難くないだろう。
こいし(黒)「〜〜♪」
今も彼女は、無警戒にエリア内を歩いている。そして、他のプレイヤーを見つけ次第、背中の番号を見て密告する。相手はこいしに気付くことなく、ただポイントだけを失う。これが現在黒チームが圧勝しているトリックだ。
早めに対策を立てないと、コールドゲームクラスの大差がついてしまう。黒チーム以外の9チームは、どうするのか……!
黒チームのポイントゲッターとして君臨した古明地こいし。しかし、黒チーム+8ポイントの理由に気付いているチームが、果たして今どれだけいるのだろうか。
結論から言うと、それに気づいているチームは3つしかない。
アカギ(赤)「黒チームがここまでポイントを伸ばした理由……まあ、わかるだろ?」
霊夢(赤)「ええ!この短時間でこれほどの密告……できるのはこいしくらいなものよ!」
KAME3(赤)「なるほど、確かにこいしさんなら、そのくらい可能!」
まずは、赤チーム。さすがにここは優勝候補筆頭とあって気づいてくる。アカギはゲーム前のわずかな時間でこいしとコミュニケーションをとることで、その本質に気付く。霊夢は元々こいしと面識があり、それをKAME3が聞いたという寸法だ。
文(青)「黒チームの爆発的なポイントの増加。あのチームが異常ににチームワークがいいか、それともう一つ考えられるのは、こいしさんが単独で密告し続けているか」
竜崎(青)「こいし?それは一体どういうことだ?詳しく聞かせてもらおうか」
大天狗(青)「文殿、ワシも聞いておきたい。こいし君とは、いったいどのような者なのか」
次に、青チーム。ここは、文がこいしと面識があり気づくことができた。
さとり(ピンク)「これは、十中八九こいしの密告でしょう。あの子の姿を見るのは容易ではありません、お気をつけて」
ネコ娘(ピンク)「なにそれ!反則じゃないの!」
ミクモ(ピンク)「どっちにせよこれで、強敵は優勝候補の赤チームや青チームだけじゃないってことになった。これからどうする?」
さとり(ピンク)「そうですね……『目には目を、密告には密告を』こちらもなりふり構わず密告合戦といってみましょうか」
最後に、こいしの姉、さとりが所属しているピンクチーム。この3つのチームだけは、黒チーム圧勝の途中経過の理由を推測することができた。
古明地こいしからの密告を何としても避けること、黒チーム以外の9チームには、早くも試練が襲い掛かった。しかし、その試練に気付いていないのが、まだ6チームもある。このまま黒チームに圧勝させるわけにはいかない。反撃の策は、あるのか。
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