二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 神様のノート 二冊目※打ち切り
- 日時: 2016/02/11 06:06
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 0zbVOBmK)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=28346
ひょんな事から授けられたノートもついに二冊目。
新たな仲間も増え、そして、新たな物語の可能性も増えた。
さて、そんな奇妙奇天烈な世界の物語、今一度、書き綴ってゆこう…。
昴「それと、前と同じようにキャラ紹介をここのURLに張り付けましたので、キャラがつかめない場合は是非ご一読ください。」
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☆一冊目へのリンク
・一冊目への道しるべ >>1
☆料理対決
〔第四回・男女混合料理対決地獄編〕
・賢者に自愛を、愚者には罰を 愚者編
〔第五回・宝石所持者の料理対決!〕
・通算九回目の固定審査員の始まり始まり(By昴) >>474-482
・実食
一番&二番 >>490-494 三番&四番 >>499-504
五番&六番 >>509-514 七番&八番 >>604-614
九番&十番 >>629-633 十一番&十二番 >>638-644
十三番 >>648-656 十四番&三番 >>660-665
・結果発表…!? >>681-689
・裏回
〔番外編・審査員一新!? 選抜メンバーの料理対決!〕
・
☆学力対決
・成績不振から始まる物語 >>158-163
・テスト本番! その前に。 >>242-250
☆ノートの世界のTwitter事情
〔本編〕
・その九 >>728-732
〔物語リメイク〕
・その一 >>738-740 new!
〔番外編〕
・異世界の料理対決
その二 >>181-189 その三 >>225-234 その四 >>363-372
☆マヨナカテレビ事件
〔烈編〕
・諸注意 >>2
・懺悔の菊 >>3-14
・クマにできるコトしたいコト >>23-26
・運命の船出 >>32-37
・悪魔の歯車 >>52-57
・手を延べる悪意 >>61-66
・見守る星々 >>89-94
・茜色の焔 >>200-208
☆時空越の勇者
・壊された平和 >>126-129
・仲間との別れ 姫との出会い >>136-140
・賞金稼ぎとの邂逅 >>143-145
・仲間を求めて >>292-295
・あの人の為に >>303-309
・少年の思い >>333-339
・亜空軍との戦い >>446-451
☆神様・悪夢相談室
・神様:ケース「緑谷 凪」 >>413-416
・神様:ケース「リュータ」 >>692-695
・悪夢・番外編:ケース「奏月 昴」 >>698-792
☆牡丹博士のSCP講座
・SCP-Lie
第一弾 >>537-544 第二弾 >>580-587
☆ある神様の聖誕祭
その一 >>98-104 その二 >>148-153
その三 >>214-220 その四 >>256-265
☆うちの13班
・設定 >>621-624
・小話 その一 >>625-628
☆もしももしものちいさなおはなし
・料理対決りばーす >>169-170
☆林間学校
・いざ、林間学校へ >>346-350
・飯盒炊さんと温泉の時間 >>356-360
・林間学校の終わりに >>377-383
☆セブンスエンカウント
・セブンスエンカウンター >>550-566
・ノーデンスエンカウンター >>570-576
☆パロディ
・アンジャッシュパロ
その1 >>440-441 その2 >>456-460 その3 >>522-531
・日和パロ
その1 >>670-673
☆短編
・プチネタつめつめ >>18-20
・続・ほのぼの日和 >>43-45
・小ネタ >>60
・ある日の為の打ち合わせ >>71-74
・あるアイドルの一日 >>75-85
・続々・ほのぼの日和 >>122-125
・唐突に思いついた料理対決案コーナー >>197
・テストネタ・問題案 >>273
・秋の長雨 >>279-282
・逃走中未完成案 >>288
・夏休み残り一週間の聖域にて >>315-317
・Welcome to Lapistoria Academy >>320-328
・黒翡翠の逆襲 >>390-395
・神と猫の集会場 >>591-601
・忘れないでね〜 >>677-678
・烈とリリィの橙代替品探し。代替大体大成功! >>706-711
・年末出店祭り >>714-722
・年初め 波乱万丈 いつもの日 >>723-727
・今後加入予定メンバーの設定 >>743
★募集中の事柄
なし
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- 結果発表…!? 後書き ( No.689 )
- 日時: 2015/12/18 23:26
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: EWuSebNO)
後書き de 雑談
私
—はい、裏回始まりますよー。
昴
「マジで死ね! 何でまた裏回なんかやるんだよ…。」
私
—何でだろ。面白いから?
昴
「…はぁ…。言及するのも馬鹿らしいか。」
影
「今回は前とは違い、誰が作ったかわかってる状態だから直接持ってこさせるんだね。」
私
—そう。相手がわかっている状態で食べるのもアリだと思ってね。だから、直接持ってこさせてみようと思った。
昴
「何度もやっていたり、データを作っていたら、評価五が確実にわかるから安心する反面、死ぬ料理人が出てくる順番になるとへこむよな。」
影
「だけど、覚悟はできるよね? あ、でも今は確実な評価五が鈴花しかいないから少し不安か。」
昴
「…とりあえず、食える料理をみんなが作ってくれていますように…。」
私
—さて、と。祈る娘は置いておいて、話題もないから終わらせるわね。じゃ、またねー。
★
感想OK
- Re: 神様のノート 二冊目 ( No.690 )
- 日時: 2015/12/19 22:22
- 名前: エイヴ ◆.Z4zYzVCxs (ID: FpNTyiBw)
やっと料理対決が終わっ……たと思ったら 裏 回 に 突 入 っ て 。
ディクト「表だけでもお腹いっぱいなのに……(´・ω・`)」
フレイ「(´・ω・`)」
コール「(´・ω・`)」
ディクト「……仕方ない。どうせなら食べようか。大丈夫。万が一の事があったら匠とネリアが処理してくれるから(・ω<)」
匠「おい」
ネリア「私達に丸投げでしょうか?」
ひとまずはお疲れ様でした(=・ω・)ノ 結果発表では一部お話し合い(物理)がありましたが、表はおしまいですね(´ω`)
ディクト「とりあえず、何かが起きない事を祈っておくよ('ω')」
フレイ「がんばってね(・ω・)ノシ」 コール「がんばってね(・ω・)ノシ」
それでは(^∀^)ノ
ちなみにブレデフォですが、少しだけレベルを上げて、お父様を倒しました(=・ω・)ノ 今は吸血鬼城のサブシナリオをやっていますが、宝箱だけ回収してメインシナリオに戻るつもりです。そして、ここまでモンク(ティズ)と白魔道士と黒魔道士とナイト(イデア)だけで進んで、とうとうマスターしてしまいました。いっその事、ラストまでこのジョブで頑張ってみようと思います。
そう言えば、奏月さんの中で、ブレデフォの公国軍の人達との戦いの最期で、最もメンタルを持っていかれたのは誰との戦いでしたか?自分は、
1位:ヴィクターとヴィクトリア
2位:カミイズミ師匠
3位:エインフェリア
4位:メフィリア
5位:ジャッカル
でした。まだアナゼルとは戦っていないので、暫定ですが、毎回終わる度に後ろめたい何かを感じました。セカンドでヴィクターとヴィクトリアがいない理由は「もしかして……」と察してしまいましたが、お口はチャックでお願いします。……もう、土のクリスタルを解放したらどうなるか察していますが、それもお口はチャックでお願いします。
それでは(^∀^)ノ
- Re:エイヴさん ( No.691 )
- 日時: 2015/12/21 07:54
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: UNL2z9Yl)
エイヴさん:
ええ、その、終わりましたが…あの馬鹿神のせいで裏回が始まってしまいました;
昴「確かに十四品も食ってるから腹いっぱいだよな。いや、別の意味でも腹いっぱいだけど;」
影「のっけから包丁ぶっ刺しハンバーグが来たと思ったらそこから四連続でハズレ、大当たりが来たと思ったら八番で事故が起き、箸休めに少し来たら…十二番と十三番でまた事故が…;」
ディクトさん、フレイ君、コール君、もう少しお付き合いください。匠さん、ネリアさん、何かあったらお願いします。
結果発表は一部無事ではありませんが、無事終了しました。
これにて第四回料理対決・表は終わりです。
昴「ディクト、それは無理な相談だ。ロクな料理を作っていないし、どう考えても生の食材がある。まぁ、こっちはまだ反省するからいいし、一匹は種族故に仕方がないから許す。だが…;」
反省するだろうけど、ちょっと危険なのがいるんだよね…;
おぉ、もうブレイブパパまで倒しましたか。
って、ジョブ一つだけでここまでってすごいですよ;ほかのアビリティを覚えるために少し他のを揚げた方がいいと思います;でもここまで一つのジョブでマスターになるのは凄いです;
私の場合は、その最期につらいって思ったのは、フライングフェアリー時ですが…。
一位:導師&魔人(この二人は何で死ななきゃいけないのと思った)
二位:白魔導士&モンク(最初だったからか、ショックは大きかった)
三位:シーフ(後半のサブイベントになるにつれもう無理)
四位:魔法剣士(彼の事を知るにつれてもう辛くなりました)
五位:ソードマスター(救済措置なかったら確実に挑んでません)
ですね。
アナゼルは…うん、セカンド同様ヘタレの点は可愛いんですが…。あと、もう最初からジョブを取るために戦って殺すのはもう…;
セカンドで彼らが出ていない理由は本編までで明かされてはいませんが、多分お察しの理由かと思います。あと、そっちの話もそっと口を閉じておきますね。
では、この辺りで失礼します。
- 神様相談室:ケース「リュータ」 ( No.692 )
- 日時: 2015/12/24 21:58
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 0zbVOBmK)
いつも爽やかな緑と風が吹き抜ける聖域…。
その真ん中辺りに建つ白い神殿には、神様が住んでいる。
この物語は、そんな神様の元に、一人の少年が来た事から始まる。
■
本日、昴は鈴花と共にクリスマスパーティーの準備に勤しんでいた。
「飾り付けに料理に、っと…。昴さん、プレゼント何にした?」
「大学の参考書。しかも東大の赤本だ。」
「私達にクリスマス早々頭痛に苛まさせる気ですか貴方は鬼ですか。しかもどこに入学させようとしてるの。そういう昴さんは、どこの大学に行ったの? 学校行かないでフラフラと神様やってたの?」
「俺をニートみたいに言うんじゃねえよ。あと、学校についてはスルーしておけ。割と本気で。」
とにかくも、この話に触れないよう注意を促してから、再び飾り付けに戻った。
「買い出しにいった理乃センパイ達、うまく安い七面鳥買ってこられたかなー。」
「むしろ七面鳥より大きい鳥を狩ってるんじゃないか? 葉月やアルテミアも一緒につれてったらしいし。」
「由梨センパイの胃薬が増えそうだね。」
「むしろ放っておいて他の食材の買い出しに行ってるかもな。」
買い出し班の苦労を考えつつも、飾り付けに戻ろうとしたその時、
—ガシャーン!
「なんだぁっ!?」
突然、ガラスが割れる大きな音と共に、ひとつの影が神殿内へと侵入してきた。
「す、すすす昴さん、匿ってくれ!!」
「匿う前にお前のバイト先か警察に連絡していいか。あ、ハインケルのおっさんか堂島さん呼ぶのもいいな。」
「現職警察官呼ばないで!? つか事情は後で話すから今は何も言わず匿ってくれよ! あっ!」
影は昴に懇願するも、とりつく気のない彼女に涙を浮かべていた。が、何かあったのか、すぐに昴を離して近くにあったこたつに隠れた。勝手に。
「うにゃにゃ! なにするにゃー! もがもが!」
「わ、わりぃ、ミネット! でも今は静かにしてくれ!」
どうやらこたつの中にはミネットがいたようだ。影はミネットの口を塞ぎ、居ついた。
「リュータん!」
刹那、走ってきたのは、ラーズだった。
「ラーズじゃないか。どうかしたのか?」
「あっ、すばるん! リュータんを見ませんでしたか?」
「(す、すばるん…。相変わらずこいつのあだ名は鏡やクマ以上に独特だなおい。…って、待てよ。まさかあいつはラーズから逃げていたのか?)いや、すまんが見てない。」
「そうですか。失礼しました。」
ラーズはキョロキョロと辺りを見回しながら、帰っていった。
「…ほら、行ったぞ。リュータ。」
昴が名を呼ぶと、モゾモゾとこたつの布団が揺れながら、リュータが中から出てきた。ボサボサ髪で不機嫌な顔のミネットを抱えて。
「ありがとな、昴さん! いやー、どうなることかと思った…。」
「そうかそうか。んじゃ、まずは、ん。」
リュータは昴の差し出された手の意図がわかったのか、顔を青くさせた。
「えー…ピチ丼の割引券で手を打ってくれます?」
「ざけんな。人んちの窓壊しといて何ふざけたこと抜かしてんだよ。」
「じょ、冗談ですってば!(うぅ、今月ピンチなんだけど…。)」
「今月ピンチなら親に前借りしろ。お年玉の前借り。」
リュータが内心涙目になっていると、昴は追い討ちをかけた。
「なんスかそれ! まるでカツアゲじゃないッスか!」
「窓。」
「ハイ、前借りして工面します。」
昴の威圧に気づいたのか、リュータは素直にしたがった。
「それから、ピチ丼の割引券はミネットに渡せ。彼女のテリトリーに勝手に踏み込んだ上に乱暴したんだからな。」
「コタツしんにゅー罪にゃ。」
「それを言うなら家宅侵入…あ、でもこの場合はこたつに侵入したからこたつ侵入罪か。」
ミネットの言葉に何かを突っ込もうとした鈴花だが、よくよく考えると納得した。
リュータは泣く泣く、ミネットにピチ丼の割引券を渡したとか。
「で、何でラーズから逃げてたんだよ。」
話の本題を戻そうと、昴は窓をノートに記述して直しながら訊ねた。
「その力で直るなら工面しなくてもいいんじゃ」
「あぁ?」
「スンマセンッシタ! え、えーっと、その…。」
言い淀むリュータ。何があったのだろうか。
「言わないと一年間、うちでタダ働きさせっぞ。」
「わかりました言います。…きっかけは、今朝見た夢なんスけど…。」
そして、リュータは自分が見たと言う夢を話し始めた…。
- 神様相談室:ケース「リュータ」 ( No.693 )
- 日時: 2015/12/24 22:08
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: .Cs7UCz5)
「ねぇ、突然だけどさ…僕と一緒にpop’n musicをプレーしてくれないかな?」
本当に突然、ラーズの奴がそう言ったんスよ。一人称が“私”じゃなくて“僕”というのも気になったけど、やっぱ突然だったからさ。
「は? いきなりなんだよ。」
と、オレは聞き返したけど…。
「大丈夫、僕もまだ始めたばっかりで、全然うまくないから。だから君と一緒にうまくなりたいなって思って。」
全然会話が成り立たなかったんスよ。で、こっちの返事を待たずに、アイツがオレの手を無理矢理引いて移動することになって…。
「そうと決まったら、早速ゲームセンターに行こうか。」
「何が『そうと決まったら』だよ! 何も決まってねーだろうが!」
で、気が付いたら目の前が真っ白になって…。
「君と一緒に、ポップンがしたいんだ。」
って、アイツの声が響いたんスよ。エコーで。
とにかく、真っ白な目の前が晴れたと思ったら、何故かステージの上にいたんスよ。ライブとかで使われるようなアレ。真っ暗だし派手なライトが点いてるし、観客もバッチリいるし。
それから、ステージの上に、何故かポップンの筐体があって、オレはその前に立たされたッス。そこで考えたんスよ。オレのプレーを見て、女の子にモテるんじゃないかって。だから、腹を括って筐体の前に立ったッス。
「えーと、まずは、財布を出して…。」
「そうだよ。そしてe-AMUSEMENT PASSも忘れずにね。」
オレ、自分のパスを持っているんスけど、ラーズの奴がパスを渡してきたんス。passだけに…じゃなくて、とにかく、そのパスをかざそうとしたんスけど…何故かあいつのサイン入りだった。誰特だよ。
それは置いといて、普通にかざそうとしたら、ドヤ顔でパスをかざす場所を指差したんス。
「ここだよ、ほら、『ここにタッチ』って書いてある。」
「知ってるっての。」
パスを当てて、番号を入力する画面に切り替わったから普通に入れようとしたら、またあいつが横から口を挟んできたんスよ。
「4桁の番号を…。もしも君の誕生日とかにしているんだったら僕もわかるんだけど…まさか、そんな単純な番号にはしてへんよな。」
「なんでバレたし! じゃなくて、なんでいきなり関西弁になるんだよ!」
そう言いながら、オレが番号を入れたら…。
「えらいね。ちゃんと覚えてた。」
「近い近い近い!」
ラーズの奴、オレに顔を近付けて来たんスよ! マジ誰特だよ!
「てゆーか、番号入れただけで褒められるって、子供かオレは! と、とにかく100円入れ…って、ああっ!」
めっちゃ動揺してたから、100円玉を落としたんス。そしたら、あいつは投入口を指差したんス。
「ほら、よく見て、ここ。ここに投入口がある。焦って入れ損ねないようにね。」
「お前は100円玉を床に入れようとしてるように見えたのか!?」
とにかく、100円玉を入れて、画面に出てるお知らせを見たんスよ。
「うん、インフォメーションだね。新しい遊びや、今開催中のイベントなんかを紹介しているんだって。」
「だから、知ってるっての。」
「あっ、ほら。目を背けないで。チュートリアルが始まっちゃうよ。」
「なんで画面じゃなくてお前を見なきゃなんねーんだよ!」
「これを一通りやり終える頃には、君もきっとpop’n musicがどんなゲームかわかるはずだよ。って、僕もまだそんなに詳しくないんだけどね。」
「お前、そんなにポップン歴浅いのか?」
呆れながら画面から目を離さないでいると…。
「画面に近いよ。ちゃんと離れなきゃ、目を悪くするよ。」
「だから近いって! てゆーか、触んな!」
あいつがオレの身体を引いて、筐体から距離を開けたんスよ。男に触られても嬉しくねーよ!
「あっ、ごめん…。」
「あ、ああ、悪い、言い過ぎた…。」
あいつが恥らって謝って来たから、条件反射で謝っておいたけど、今思うと、別に謝らなくてもよかったッス。可愛くねーし。
「まずは、ボタンを押す練習からしようか。」
「いや、分かってるって。」
「台にあるボタンの事。真ん中の“R”ボタン、これはこうやって押すんだ。」
そう言ってラーズは指先で普通に真ん中の赤いボタンを押した。よく見たら、何故か“R”の文字があったな。普通ないのに。
「見りゃ分かるって。」
「でさ、“R”ボタンの“R”って何の“R”だと思う?」
「は? そりゃ、“RED”だろ?」
「そう、よく分かったね。」
「馬鹿にしてんのか?」
「ボタンの名前は、色の頭文字になっている。」
「おい、聞けよ。」
「そして次に、…GREENの“G”...BLUEの“B”、そして“Y”ボタン…これはYELLOWの“Y”だね。」
自慢げに解説するもんだから、適当にスルーしてたんスけど、各ボタンに対応する色の頭文字があったことに気付いたんスよ。それで、もう一つ気付いたことがあって…。
本当ならあるはずの白いボタンがなくて、代わりに紫色のボタンがあったんスよ。
「慣れないうちは、ちょっと難しいんだけど、最後は“P”ボタン。紫色のボタンだよ。」
「それはもういいって! なんで白じゃなくて紫のボタンがあるんだよ!」
「まあ、僕もまだうまく押せないんやけどね。」
「押せねーのかよ!」
「でも、簡単な曲やったら、“P”ボタンあんまり出てこないから大丈夫。ゆっくり慣れていこう。これでボタンは終わりだね。」
画面上のチュートリアルを無視して延々と解説してきたのも、ようやく終わりかと思ったら、まだ続くんスよ。
「でも、これだけじゃあ音は鳴らせない。ボタンを押すのと同時に、ペダルも一緒に踏まなきゃ。」
「は!? ペダル!?」
そんなもんねーよ! と、思って筐体の下を見たら、本当にペダルがあったんスよ。
「どこのエイプリルフールだよ! 五年も前のネタじゃねーか!」
「こっちのレーンに流れてくるこれ、うん、ノーツって言うらしいんだけどさ…。」
「いや、ポップ君だろ。」
「とにかく、この色に対応したボタンを押しながら、一緒にここを踏めばいいってわけ。」
「変に手順が増えたな。」
「案ずるより産むが易し。ほら、ノーツが流れてくるよ。」
「だからポップ君だって!」
よく分からないけど、言われた通りポップ君に合わせて、ボタンを押しながらペダルを踏んだッス。思ったよりもうまくできたけど、実際曲をプレーするとなると、難しいだろうな…。
「うん、ばっちりだね。僕なんかより、断然飲み込みが早そう。ちょっと悔しかったりして…。」
嬉しくない恥じらいを見せられたから、オレはツッコんでやろうと思ったんスよ。そしたら、観客席から揃った声が聞こえたんスよ。
『そんなことない、ラーズくんが丁寧に教えてくれるからだよ。』
訓練された声援かよ! てゆーか、なんでラーズの奴、人気者みたいになってんだよ! まあ、夢の中ではそんな感じなんだろうけどさ…。
「ありがとな。」
あいつが満更でもない様子で声援に応えるのが、なんかムカついた。
「あ、実際にプレーする前に、ちょっとだけ気にしてほしいのが、ここのゲージ。」
そう言って、あいつはすぐに画面のグルーブゲージを指差して解説を続けやがったんス。
「上手く演奏できれば、その分ゲージがどんどん増えていくんだけど…。」
「ミスると減るんだろ? 分かってるからもう黙」
「そうそう、演奏に必死で上手く視界に入らないかもしれないけど、ちょっと片隅に入れておいてほしいかな。」
「オレの話、片隅にでもいいから聞いてくれねーかな…。」
当然、オレのぼやきは無視されたッス。
「さあ、いよいよ本番。曲を選んでいこうか。曲はここの青や緑のボタンで選べるよ。」
「知ってるって。もう、いちいちツッコむのも疲れた…。じゃあ、何にすっかな…?」
「うん、そうだと思った。えっとー、君はpop’n musicの曲はプレーしてたよね? じゃあ、pop’n musicの曲からプレーしてみようか。」
「おい、さっきまでの解説はなんだったんだよ!」
オレがポップンをやってることを知ってるんだったら、説明とか要らなかったんじゃねーか! と、思ったッス。
「ここの緑のボタンを押して、青いボタンを押していくと…あ〜、行き過ぎ行き過ぎ! せっかちやなぁほんと。」
「口調統一しろよ。」
「ここの、“BEMANI”カテゴリの“pop’n music”ってところを選んで…。」
「なんでポップンなのに“BEMANI”カテゴリにあるんだよ!」
「そしたらほら、pop’n musicでもおなじみの曲があるやろ? じゃ、好きな曲に合わせて。そしたら黄色いボタンで難度が選べるから…。」
好きな曲ということで、“徒然 My world”を選んだんス。それで、普通にEX譜面をやろうとしたんスけど…。
「“EASY”にしようか。これなら僕でもできるから、きっと君でも大丈夫。とりあえず“NORMAL”とかもあるんだけど、今回は初めてだし、“EASY”にしようか。」
と言って、勝手にイージー譜面に合わせやがったんス。
「じゃあ、あとはこの赤いボタン。これだね。」
もう、どうにでもなれ、と思いながら、赤ボタンを押そうとしたら…あいつの手がオレの手に触れやがったッスよ! しかも、また恥らいやがったッス! マジで嬉しくねえ!
「なんでお前までボタン押すんだよ! 男が恥らうな気持ちわりぃ!」
「…コホン。…えっと、そしたらさっきのチュートリアル通りに演奏すればOK! 僕はこれから応援する事しかできないけど、君の演奏見守っているから、頑張って。」
男に見守られても嬉しくねえ。とにかく、流されるままにプレーしたんスよ。そしたら、大量のポップ君が落ちてきたんス。イージー譜面にしちゃあり得ない譜面だったな。今、思うと、どこぞの初心者浄化計画みたいだったッス。
当然、クリアできないわ、息切れるわ、おまけに足が痛むわで散々だったッス。そんで、何事も無かったかのように、ラーズが話しかけてきたッス。
「で、プレーしてみてどうだった? pop’n music、楽しかったらいいんだけど…。」
「ポップンは楽しいけど、筐体も遊び方も間違えたらちっとも楽しくねーって…。」
「それはよかった。で、あのー…。」
「なにがよかったんだよ! で、なんだよ…。」
「これからも、僕と一緒にpop’n music遊んでくれたら嬉しいんだけど…どうかな…。」
ラーズの奴、照れながら聞いてきやがったッス。そりゃ、女の子だったら喜んで受けるところだけど…。
「いっぺん頭冷やせ!」
流石にイラッときたから一発ぶん殴った。
「うん、ありがとな。」
あいつ、殴られたのに爽やかに返事しやがったッス。殴られて礼を言うなんておかしいって! もう逃げるしかないと思って、なりふり構わず逃げ出したッス…。
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