二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 神様のノート 二冊目※打ち切り
- 日時: 2016/02/11 06:06
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 0zbVOBmK)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=28346
ひょんな事から授けられたノートもついに二冊目。
新たな仲間も増え、そして、新たな物語の可能性も増えた。
さて、そんな奇妙奇天烈な世界の物語、今一度、書き綴ってゆこう…。
昴「それと、前と同じようにキャラ紹介をここのURLに張り付けましたので、キャラがつかめない場合は是非ご一読ください。」
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☆一冊目へのリンク
・一冊目への道しるべ >>1
☆料理対決
〔第四回・男女混合料理対決地獄編〕
・賢者に自愛を、愚者には罰を 愚者編
〔第五回・宝石所持者の料理対決!〕
・通算九回目の固定審査員の始まり始まり(By昴) >>474-482
・実食
一番&二番 >>490-494 三番&四番 >>499-504
五番&六番 >>509-514 七番&八番 >>604-614
九番&十番 >>629-633 十一番&十二番 >>638-644
十三番 >>648-656 十四番&三番 >>660-665
・結果発表…!? >>681-689
・裏回
〔番外編・審査員一新!? 選抜メンバーの料理対決!〕
・
☆学力対決
・成績不振から始まる物語 >>158-163
・テスト本番! その前に。 >>242-250
☆ノートの世界のTwitter事情
〔本編〕
・その九 >>728-732
〔物語リメイク〕
・その一 >>738-740 new!
〔番外編〕
・異世界の料理対決
その二 >>181-189 その三 >>225-234 その四 >>363-372
☆マヨナカテレビ事件
〔烈編〕
・諸注意 >>2
・懺悔の菊 >>3-14
・クマにできるコトしたいコト >>23-26
・運命の船出 >>32-37
・悪魔の歯車 >>52-57
・手を延べる悪意 >>61-66
・見守る星々 >>89-94
・茜色の焔 >>200-208
☆時空越の勇者
・壊された平和 >>126-129
・仲間との別れ 姫との出会い >>136-140
・賞金稼ぎとの邂逅 >>143-145
・仲間を求めて >>292-295
・あの人の為に >>303-309
・少年の思い >>333-339
・亜空軍との戦い >>446-451
☆神様・悪夢相談室
・神様:ケース「緑谷 凪」 >>413-416
・神様:ケース「リュータ」 >>692-695
・悪夢・番外編:ケース「奏月 昴」 >>698-792
☆牡丹博士のSCP講座
・SCP-Lie
第一弾 >>537-544 第二弾 >>580-587
☆ある神様の聖誕祭
その一 >>98-104 その二 >>148-153
その三 >>214-220 その四 >>256-265
☆うちの13班
・設定 >>621-624
・小話 その一 >>625-628
☆もしももしものちいさなおはなし
・料理対決りばーす >>169-170
☆林間学校
・いざ、林間学校へ >>346-350
・飯盒炊さんと温泉の時間 >>356-360
・林間学校の終わりに >>377-383
☆セブンスエンカウント
・セブンスエンカウンター >>550-566
・ノーデンスエンカウンター >>570-576
☆パロディ
・アンジャッシュパロ
その1 >>440-441 その2 >>456-460 その3 >>522-531
・日和パロ
その1 >>670-673
☆短編
・プチネタつめつめ >>18-20
・続・ほのぼの日和 >>43-45
・小ネタ >>60
・ある日の為の打ち合わせ >>71-74
・あるアイドルの一日 >>75-85
・続々・ほのぼの日和 >>122-125
・唐突に思いついた料理対決案コーナー >>197
・テストネタ・問題案 >>273
・秋の長雨 >>279-282
・逃走中未完成案 >>288
・夏休み残り一週間の聖域にて >>315-317
・Welcome to Lapistoria Academy >>320-328
・黒翡翠の逆襲 >>390-395
・神と猫の集会場 >>591-601
・忘れないでね〜 >>677-678
・烈とリリィの橙代替品探し。代替大体大成功! >>706-711
・年末出店祭り >>714-722
・年初め 波乱万丈 いつもの日 >>723-727
・今後加入予定メンバーの設定 >>743
★募集中の事柄
なし
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- 結果発表…!? 評価:四 ( No.684 )
- 日時: 2015/12/18 22:59
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: EWuSebNO)
上ってきたのは、茜の孫である烈だった。上ってくるなり祖母を睨みつける。ああ、これ誰かから聞いたな。
「悪いけど評価用紙は後な。…ばーちゃん?」
烈の笑顔が怖い。かなり怖い。
「ヴァイス先生から聞いたぞ。何っつーもん出してるわけ?」
「老婆心でな…すまん。」
「まったく、ちょっとは自重してくれよ。俺らまだ学生だし、気が早いって。結婚する前に子供産ませる気か? 段階はきちっと踏んでくれよ。ばーちゃんはこの後、禁酒一週間な。」
好物を禁止された茜は、塩を振りかけられた青菜のように、しおれた。
「話は済みましたか?」
烈の説教が終わったタイミングを見計らい、桐生が烈に話しかける。
「げっ…。」
「ちょっとこちらへ。まだ他の方への結果通知が終わっていませんからね。」
「わ、悪かったって。反省してるって。だから、お手柔らかに頼むよ…。」
MZDへの仕返しの件だろう。烈は苦笑いを浮かべながら桐生に従う。
(よりにもよって何でこいつに当たるんだし…。)
「笑いごとではありません! しっかり話を聴くように!」
「へーい。」
「返事は、『はい』!」
「はい。(あーもーめんどくせえな…。本当に何でこいつに当たっちまうんだし…。)」
そう言いつつも、自分が悪いとわかっているので、素直に桐生に従う烈。いつしか彼は正座をしていた。
「そもそも、料理を出すということは、相手をもてなすということです。にも関わらず、貴方は料理にそぐわないものを入れて迷惑をかけました。個人的な場において、個人の責任の上で行う分には問題ないでしょう。しかし、彼は腐っても神なのです。身分だけは我々よりも上なのです。性格がどうあれ。崇拝に値するか否かに係わらず。よって、この場においては、形式上は敬意を払わねばならないのです。」
「ちょっと待て腐っても神ってどういう事だ!」
くどくどと烈に説教をする桐生。そして無視されるMZD。
「…次行くか。」
そんな光景を無視し、昴は次なる人物を呼び始める。ついでに、桐生の説教が烈以外に聞こえないよう特殊な加工をしてから続きを始めた。
「次…評価三が多いな。えー、三番、六番、七番、十一番、それからラスト十四番だな。今呼ばれた奴らは上がってこい。紅。」
『えー、まどかと美結と鈴花とそれからラズリと乱麻だな。多いな…。呼んでくる。』
あまりにも多いので一度復唱してから、紅は次なる人物を呼びに向かっていった。
「…つか、いつまで説教続くんだろうな。」
「しばらくは無理じゃろう。」
もう孫を助ける気もないのか、茜はそう昴に平然と言った。
- 結果発表…!? 評価:三 ( No.685 )
- 日時: 2015/12/18 23:04
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: EWuSebNO)
そしてやってきたのは風雅、ジェイド、氷海、タクト、トアの五人。その前にまどか、美結、鈴花、ラズリ、乱麻が並んで立つ。
「はい、風雅君。」
「これは…さっき言っていた前のですよね。それでも二だったんだ…。」
「まぁ、レトルトカレーを出したから、評価三は普通に貰えるわ。でも、ルール上、ね。」
「そうですよねー。」
まどかは風雅に評価用紙を渡すと、和気あいあいと話始めた。ここは既に評価用紙を受け取っているようなものなので、これ以上話す事はないようだ。
その横で、美結がジェイドに呆れた表情を浮かべていた。
「理事長先生、あれはいったい何なのですか…。特にこの薬について教えていただきたいのですが。」
そう言って美結が取り出したのは、今の今まで謎だった、あの薬瓶だ。
「え、牡丹に聞いて面白そうだと思ったから、入れてみたんだよ。奇跡を濃縮させて作った…その名も“きせきのくすり”だよ!」
「やっぱり奇跡成分入れたのかよ! おいジェイド! どういうつもりだお前!」
「普段からの仕返しだよ馬鹿神。まったく、ちゃんと仕事もせずほっつき歩いて…。僕や影やイオロアやジェダイトに迷惑かかってるのわかってるの!?」
「だからって奇跡成分込めるな!」
「あの桐生でさえ、プライベートでの悪戯にゴーサイン出したって聞いたよ? あの真面目でいい子の桐生がね。」
そう、風紀に厳しい桐生でさえ、ゴーサインを出したのだ。それ程までに他人を振り回しておきながらこの態度は、誰であれ許せないだろう。
「だからって女体化に水着はないだろうが! ポールダンスもふざけんな!」
「え、水着? へー、奇跡って服装にまで作用するんだ。」
「当時の様子は、ばっちり録画しているであります。後でごらんになりますか?」
アイギスがそう言うと、ジェイドは手放しで喜んだ。
「わー、気が利くね! そうだ、パルテナ様にも見て貰おうかな? 僕に奇跡を教えてくれたし。」
「やっぱあの女神も関わっていたのかよ!」
どうやら、きせきのくすりの監修は女神パルテナのようだ。
「うん! でも、服装が変わる奇跡なんて教わってないよ。」
「つーことは、水着はお前の所為じゃねえってことか。」
「まぁ、それは後で再現VTR見ればいいさ。丁度アイギスが撮ってたみたいだしな。」
その辺りは後で見てもらうという事になり、ジェイドは美結から評価用紙を貰った。
そんな彼らの横では、鈴花と氷海がにこやかに会話をしていた。ただ、氷海の表情は引きつっていたが。
「えーっと、り、鈴花…。」
「ん? なーに? 氷海ちゃん。」
「その…えーっと…笑顔が怖いわ。」
言っていいものか迷ったが、口に出してしまう氷海。鈴花はそんなことを気にせず、にこやかに笑っていた。
「笑顔は人を和ませ元気にするものだよ? 生徒会のお仕事で疲れちゃったのかな?」
「(いや絶対それはない。断じてそれはないわ。)あ、あはは、そ、そうよね。私ったら何を言ってるのかしら…。えっと、鈴花。評価用紙、貰えないかしら?」
さっさと終わらせた方が吉と思ったのか、氷海は評価用紙を即座に渡すよう鈴花に頼んだ。
「うん、わかった。はい、氷海ちゃん。評価用紙! ごめんね、うちのク…お兄ちゃんが。」
「(今、クソ兄貴とか言いそうになってなかった?)ありがとう。あと、気にしないでいいわ。」
氷海は即座にそう言っただけで終わった。というか終わらせた。
そして、また別の方に視線を移すと、タクトがラズリから評価用紙を貰っていたが、即座に苦笑を浮かべていた。
「ラズリさん、いらないものをみんなに売らないでください。それから神様、そんな態度だから腹パンと顔面に一発食らうんです。自覚してください。」
「酷くないか! つかお前もお前で相棒にどういった教育してんだ!」
「神様にも見えているのですね…。僕とシャルはそんな関係ではありません。上も下もない、対等な存在なんです。」
「まあまあ、言い争いは何も生まんで。アロマ焚いたるから、落ち着いてーな。」
そう言ってラズリはアロマポッドを用意し、火を点した。たちまち、いい香りが辺りに広がる。
「あ、いい香り…。」
「せやろ? 定番のラベンダーを焚いたんやけど、ええ感じやろ?」
暫し香りにまどろんでいると、ラズリがにっこりと笑顔でそろばんを持った。
「今なら、特別価格で3割引きや!」
「いらない!」
「おぶっ!!」
(ぎゃん!)
余程嫌だったのか、最後まで商売を続けるラズリにタクトは思わず、肩に乗っていたシャルを掴んでラズリにぶん投げた。対等な関係とは一体。
さて、最後の評価を渡しているペアに移ろう。トアと乱麻だ。
「華やかな料理、見事だ。食すのが惜しいくらいにな。」
「ありがと、乱麻。あー、やっぱり見た目にこだわり過ぎたか…。」
「芸術的な料理は見ていて楽しいが、実際に食すとなると箸を入れるのに抵抗が生じる。」
「ご、ごめんねー…。でも、料理って見た目も重要だし、職業病か、何か妥協できなくて…。」
ふむ、と、トアの考えを聞いた乱麻は納得したようなそうでもないような顔をした。
「ならば、“食べたくなるような”見た目の料理を所望する。見た目にこだわるそなたになら、できるだろう。」
「頑張ってみます。」
少しだけ苦笑が浮かぶペアだったが、いい意味での見た目以外特に問題点もないので普通に終わった。
「(ラズリとタクトは置いておいて…。)んじゃ、次行くぞー。評価二はいないから、次は一か。…なぁ、今一番を呼びたくないんだけど。」
『だが、呼ばねばなるまい。』
「じゃあさ、特別な部屋にあいつを呼んで、部屋に評価用紙と妹だけ置いて、オレ達は外にいようぜ。」
「賛成。つーわけで鈴花、さっき理乃がお楽しみしていた部屋にこれ持ってにーちゃん迎えに行け。」
「うん、いいよー!」
鈴花は嬉しそうな表情で、先程理乃が二番と一緒にお楽しみしていた部屋に向かった。
「えー、一番は、今、妹が迎えに行ったから、ウキウキしながら別の部屋に行け。ミチルは試食した部屋に来い。それから二番、四番、お前ら二人はこっちに来い。」
『では、我はヴォルフとジェダイトを呼んでこよう。』
そんなこんなで、次なる評価を呼んだ。
- 結果発表…!? 評価:一 ( No.686 )
- 日時: 2015/12/18 23:09
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: EWuSebNO)
『昴さん、先程理乃ちゃんがお楽しみしていた部屋から、打撲音が響き渡りました。』
「またその部屋を防音加工しとくから、スルーしとけ。」
『あなたは 好きですか?』
「うん、僕、こっちに来て正解だったね。今頃多分腰抜けて逃げられない。」
「誰だ関係ないこと言ったのは。」
関係のない音声が流れて来たので、昴は首を傾げた。
それはさておき、低評価である一を取った二番の翠里、四番のイオとその料理を食べたヴォルフガングとジェダイトが二人の前に来た。
え? 一番の大牙? 妹とこう、お話し合いしてます。一番を食べたミチルはこの場に避難しています。
「お前な…。好きなものなのか、仕事柄必要な物かはわからんが、元々味がついているものに更に変な味を混ぜるな。あと、大丈夫か?」
満身創痍の状態で車椅子で上がってきた翠里を心配しつつ、ヴォルフガングは評価用紙を彼女に渡す。ちなみに怪我は事前に治したのでご安心を。
「うぅ、チビ助先輩に酷い目に遭わされたっす…。」
「翠里さん、また魔法食らいます?」
「すまねっす。遠慮するっすよ理乃先輩。」
にこやかーにスタンバイする理乃に、翠里はガタガタ震えながら理乃に謝罪をしたとか。
「つか翠里、お前、あれ味見っつーか、食ってないだろ。」
「絶対美味しいはずなんで、食ってなかったっすよ?」
「じゃあ、今、食え。お前のインチキ理論を証明して見せろ。アイギス。」
「お任せください。」
昴は二番の料理に【アンドゥ】をかけて戻したままの材料をアイギスに渡し、そしてうまい具合に再現させた。
「後はこれをコッペパンに挟んで、っと。」
「どう考えてもまずそうなのじゃが。」
「翠里、これ、どう考えてもまずいって。」
「これ、人間の食べ物? ボク、こんなカロリーメイト食べたくないんだけど。魔界のヤツらだってこんなの食べないよ。こんなのお菓子じゃないよ。」
完成した謎の物体を、コッペパンに挟む昴を他所に、茜とジェイドがそう結論付け、ゼルハルトが冷めた視線を浮かべた。
「いただきますっす!」
確信に満ちた目をした翠里は、コッペパンもとい物体Xを頬張る。
「おろろろろ…。」
そして、ぐしゃぐしゃに崩れた物体Xを吐き出した。
「さあ、迷探偵翠里。これはどういうことか説明して貰いましょうか?」
「はっ! わかったっす! これはパンがいけないんっすよ!」
「んじゃ、パンだけ食ってみろ。」
まだ口に入っていないパンを、謎の物体が触れていない部分を削り取り、翠里に食べさせた。
「うまいっす!」
「じーっ。」
「な、何っすか?」
全員、翠里に冷たい視線を送る。
「お前、さっき言ったよな?『パンがいけない』って。じゃあ、なんで今食ったパンが、さっき食ったやつと同じパンが『うまい』んだ?」
「え、えっと、それは、私が食べた部分だけカビが生えてたっす!」
そう翠里が言うと、背後から恐ろしい気を感じた。振り向くと、そこには今回使うパンの製作者である理乃と由梨が立っていた。
「お前、アタシ達がそんな粗末なものを出すと思ってんのか? つか、もし、んなカビとか生えてたら、今頃昴さん達が黙ってねぇっつーの。」
「そもそも、焼き立てだからカビなんて生えませんよ。こちらに落ち度があればいくらでも謝りますが、そうでないなら、この上なく不愉快です。」
「二人の腕は俺が一番よく知ってる。…翠里、いい加減認めろ。お前の推理が間違っていたことを。お前の作った謎の物体が不味過ぎてパンを台無しにしたことを。」
「うぐぐぅ…!」
翠里は観念する様子もなく、学園の外へ逃走を図った。
「お、覚えておくっすー!」
が、校門から出ようとしたところで結界に阻まれ、思い切り吹っ飛ばされた。
「きゃん! …あ。」
痛む尻を撫でつつ、いきなり辺りが少し暗くなり、影になった部分をふっと見上げるとそこには…。
「さて、どうしてくれようか。」
武器を構えて、スタンバイを完了させる理乃と由梨がいた…。
「ひいいっ! お許しをー!」
「逃がすかあぁぁぁぁっ!!」
無論、翠里は一目散に逃げ、二人が追い掛け回したのは言うまでもない。
「(再びのお楽しみタイムに突入した彼女は放っておこう。)さて、イオ、評価用紙だ。」
「ありがとな、ジェダイト。…ホント、スルースキル身に着いたよな。」
「お陰様でな。身に着けたかったのは浄化の力だが…。」
「まあまあ、それは後にしようぜ…あー、やっぱダメだったか…。」
完全に外の現状をスルーするジェダイトにイオは深く言及せずに評価用紙をもらい受ける。そこに書かれていた評価に、イオは苦い顔をした。その様子を見たロアが、イオの後ろから評価用紙を覗く。
「…はぁ…。何を入れているんだ、お前は。カレー粉やらも適当に入れた様子が浮かんできたぞ、まったく…。」
「ご、ごめんって…。」
「やはり下処理等はロアが担当していたのか。」
「あ、あはは…。恥ずかしい話だけど、俺、そういった細かい作業が苦手でさ…。ジェダイト、パステルくん、にゃぐわ、ジョーカー、ごめんな…。それから、昴様、本当に申し訳ありませんでしたっ!」
不快なものを食べさせたことを自覚しているイオは、固定審査員全員に向けて謝罪をした。昴には丁寧な謝罪と深々と礼を加えて。
「おい、イ」
「あ、お前には謝る気がない。どうでもいいし。」
「ロア、お前の態度がイオに移っ」
「『自業自得』という四字熟語を辞書で引いて下さい。Google先生に訊いてもいいですよ。」
「あー、だな。つーわけで、ggrks(ググれカス)。」
「ググるのはいいがグレるなよ!」
もうこの銀河を翔る天使は神に対して何とも思っていないようだ。それどころか恨みつらみがもう一言一言果てしなくこもっている。神の威厳が堕天した瞬間であった。
「もう一度私達を従わせたいなら、自らの信頼回復に努めてください。」
「反省するまで言うこときかないからな!」
「あ、じゃあボクもー! というわけで、反省するまで君の仕事、一切手伝わないからそのつもりでね、馬鹿神。」
イオとロア、それから影はもうMZDに従う気はないようだ。彼が悔い改めるまでは。
「完全に見捨てない辺り、流石は神の従者か。さて、後は…。」
「地獄を見せたあの馬鹿二人だね。あ、ちなみに、吊るされた八番は一応下ろしといたよ。」
「さんきゅ。じゃ、残り二人、殴られる覚悟ができたらとっとと上がってこい。一分以内に来ないとマジでぶっ飛ばす。弓弦、二コラ。二人も上がってこい。」
最後のメンバーをマイクで呼んだ昴は、ひとまず待つことにした。
- 結果発表…!? 評価:零 ( No.687 )
- 日時: 2015/12/19 11:16
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: a0p/ia.h)
「えっと…矢の準備はできています。」
「いっぱいあるから、どんどん使ってね。」
そしてすぐに、弓弦と二コラが上がってきた。すみません、二人して武器を持ってるって何。
程無くして、手に手錠、足に鎖付き鉄球をはめられたファントムと、しおらしくしつつもファントムの手を引くエクリプスがやってきた。
「なんなんだよ、お前ら…こんな酷い目に遭わせて楽しいかよ! いてっ!」
反抗的な目で昴達を睨むファントムを、エクリプスがポカリと殴った。
「女ハ、もっと酷い目に遭っタ。男ハ、鎮める為に奔走しタ。災厄の元凶は粛正されて然るべきダ。」
「あれれ? エクリプスって、こんなにいい人だっけ? まあいいや。」
ニコラはエクリプスの態度に疑問を抱きつつも、怪しい薬の入ったフラスコを着々と出す。
「何する気だよ! まだ足りないって言うのかよ!」
「うーん、それは君次第だね。まずは、これを受け取ってね。」
そう言いながらニコラは評価用紙を渡した。昴とニコラ以外まともな評価をしていないのを見たファントムは、大きく頬を膨らませて激怒した。
「ちょっと! あの料理を零評価っておかしいんじゃないの!? せっかく面白おかしくしたのに! てかそこのみょうちくりんな神様とワケわからないふわふわしたの以外まともな評価してないってどう言うことだよ!」
はい、案の定反省しませんでした。アレだけの騒ぎを起こしておいて。
「そう言うんだな。んじゃ、本当は渡したくなかったけど、これをやるしかないな。」
観念しないファントムに向けて、昴はもう一枚髪を渡した。どうやら請求書のようだ。
「怪我人の治療費と、校舎の修繕費。それから、ゲストさんに対しての迷惑料だ。」
「あれ? 誰か怪我してたっけ?」
「…そういえば、誰か怪我してたっけ?」
怪我人の存在が抜け落ちている。おいお前ら、あんだけ頑張ったのにその存在を忘れてやるな。。
—ラーズ君でしょ。カッコつけてたじゃない。それに、あのミミズとの戦闘中に留衣君も怪我したね。こっちはニコライさんが治してたから多分なんともないだろうとは思うけど。あと、ツルツル滑って転倒していた人がいてもおかしくはないし。
(あ、そうだった。思い出した思い出した。けどさ、カッコつけは酷くね。あのミミズとの戦いでのMVPに。)
—冗談よ。
冗談に思えなかった気がする昴だが、スバルの言葉にこれ以上突っ込むのは得策ではないと感じ取ったのか、スルーした。
さて、反省する気のないファントムを置いておいて、弓弦はエクリプスに評価用紙を渡した。
「エクリプスさん、なんなんですかアレは…。」
「森の魔女に教わっタ、黒き魔の料理ダ。我は魂しか喰わぬ故、生物が食す物等解らなかっタ。」
「お願いです。次は普通の人間に教わってください。」
「済まヌ。だガ…。」
エクリプスの悪夢の箱は、どうやら森の魔女であるロキが教えてしまったせいでああなったようだ。当人は反省しているようだが、まだ何か言いたいことがあるようで、弓弦は彼の話にしばし耳を傾けることにした。
「次はなイ。料理は我に不要。馬鹿げた催しも含めてナ。」
「そうですね。できれば、興味を持たない方を巻き込むような事態は、なくなって欲しいのですが…。」
「今後、我を巻キ込むことがあれバ、ポップン神の魂を刈り取ってやろウ。」
「ええ、是非お願いします。」
「お前ら酷くね!?」
苦笑を浮かべる弓弦を横目に、エクリプスはきっぱりとそう言ったら、あろうことか従者であるイオとロア、そして影が口を揃えて言うものだから、MZDは軽く泣いたとかいないとか。
「ま、まぁ、いいや刈られる前に逃げればいいんだし。んじゃ、そんなわけで…。」
何がどういうわけなのかわからないが、MZDはこの後、とんでもないことを口にした。
- 結果発表…!? あの回突入!? ( No.688 )
- 日時: 2015/12/18 23:21
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: EWuSebNO)
「裏回やろうぜ!」
この言葉と同時に、ポップ君を判定ライン丁度で叩いてCOOL判定が出るかの如く、一瞬でMZDの顔面がめり込んだのは言うまでもないだろう。え、執行人? 昴とクマとりゅーと風雅とユマ。
「いい加減懲りろこの馬鹿。お前、また裏回の元凶になる気か?」
「またクマ達みたくギセイシャ増やす気クマか? いっぺんそのノーミソとっかえてこいクマ。」
「こっちのバ神にも言いたいが、何故にお前はまたうちやそっちで起こった悲劇を再現させようとするんだ?」
「ウチも裏回経験したけど、ろくなもんじゃないのがよーく分かったわ。バ神、とっとと反省してくれへん?」
裏回にいい思い出のない四人の能力が炸裂したが…。
「あー、昴様、諦めた方がいい。結界が消えてない。」
「逃げ道はないみたいだから、多分こいつ裏回やるまで解除しないと思う。」
「そんなわけですから、諦めてください、昴様。愚痴なら後でお聞きしますから。」
解除される気がない力を感じ取っていた従者達により、諦めた方が早いと察した。
「だよなー。…はぁ、仕方がない。やるしかないか。死人が出たらこいつに色々と責任とってもらって。」
「うぅ、ですよねー…。あと、裏回やるまでゲストさん以外こっから誰も逃がさねえからな!」
(ゲストさんには優しくて、ボク達には優しくないね、この神様。)
パステルくんは何故かいつものロンパボタンをいい笑顔で準備しながら、MZDを見ていた。
「はぁ、仕方ない。みんな、腹括ってくれ。特につぎドカ!メンバー。」
「あの、昴さん、そもそも裏回って何?」
初挑戦のタクトが昴に訊ねる。確かに初参戦した人達には全くわからないだろう。
「ああ、そうか、初参戦組はわからないよな。裏回はその名の通り、裏…つまり、今回試食側に回った人間が、今度は提供者、つまり、挑戦者になるって訳。逆に挑戦者だった人間は今度食う方になる。つまりは、だ。自分の料理を審査した人間の料理を、今度は食えって話。あー、そう言えば、全員に作らせたから裏回はすぐにでもできる環境なのか…。」
こんなことならば最初に挑戦者を決め、料理を作らせるんだったと後悔し始めた昴。だが、悔いても遅い。
「アワーグラスの効果で時間が止まってるはずだから、新鮮なままか。…はぁ…。」
「確かに、折角作ったのに勿体ないよね。」
タクトがそう言うと、助けとばかりにMZDが頷いた。
「だろ? ほら、裏回は必要ななんだって!」
「無知な奴を利用して正当化するな。」
だが、タクトの言うことも一理はある。昴はもう諦めて、真っ青な顔をしているヴォルフガングとミチルに心の中で謝罪してから、いつもの固定審査員メンバーを見た。
「すまん、みんな。今回の裏回は本当に裏でやってるわけじゃないから、表同様に俺達で評価をしよう。」
「つまり、メンバーはそのままってことだね。」
「ああ、構わないか、パステルくん、にゃぐわ、ジョーカー。あ、馬鹿神には答え聞いてない。」
「もちろん!」
「にゃぐー!」
「ああ、構わない。こうなった以上、仕方のないことだろう。」
「答え聞いてないってどういう意味だよおい!」
反論を許さず強制決定されているMZDは昴に訴えるも、
「俺達の反対意見を聞かないお前の意見は、聞く価値がねえよ。」
そう、バッサリと一刀両断した。
「よし、少し休憩したら裏回開始だ。準備を済ませたら、風花に合図を送るから、呼ばれたら料理を直接部屋に持ってこい。伝言と弁論はそこで聞く。評価用紙も直接渡す。では、解散!」
昴は一度全員を解散させ、休息をとった。
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