二次創作小説(映像)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 神様のノート 二冊目※打ち切り
- 日時: 2016/02/11 06:06
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 0zbVOBmK)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=28346
ひょんな事から授けられたノートもついに二冊目。
新たな仲間も増え、そして、新たな物語の可能性も増えた。
さて、そんな奇妙奇天烈な世界の物語、今一度、書き綴ってゆこう…。
昴「それと、前と同じようにキャラ紹介をここのURLに張り付けましたので、キャラがつかめない場合は是非ご一読ください。」
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☆一冊目へのリンク
・一冊目への道しるべ >>1
☆料理対決
〔第四回・男女混合料理対決地獄編〕
・賢者に自愛を、愚者には罰を 愚者編
〔第五回・宝石所持者の料理対決!〕
・通算九回目の固定審査員の始まり始まり(By昴) >>474-482
・実食
一番&二番 >>490-494 三番&四番 >>499-504
五番&六番 >>509-514 七番&八番 >>604-614
九番&十番 >>629-633 十一番&十二番 >>638-644
十三番 >>648-656 十四番&三番 >>660-665
・結果発表…!? >>681-689
・裏回
〔番外編・審査員一新!? 選抜メンバーの料理対決!〕
・
☆学力対決
・成績不振から始まる物語 >>158-163
・テスト本番! その前に。 >>242-250
☆ノートの世界のTwitter事情
〔本編〕
・その九 >>728-732
〔物語リメイク〕
・その一 >>738-740 new!
〔番外編〕
・異世界の料理対決
その二 >>181-189 その三 >>225-234 その四 >>363-372
☆マヨナカテレビ事件
〔烈編〕
・諸注意 >>2
・懺悔の菊 >>3-14
・クマにできるコトしたいコト >>23-26
・運命の船出 >>32-37
・悪魔の歯車 >>52-57
・手を延べる悪意 >>61-66
・見守る星々 >>89-94
・茜色の焔 >>200-208
☆時空越の勇者
・壊された平和 >>126-129
・仲間との別れ 姫との出会い >>136-140
・賞金稼ぎとの邂逅 >>143-145
・仲間を求めて >>292-295
・あの人の為に >>303-309
・少年の思い >>333-339
・亜空軍との戦い >>446-451
☆神様・悪夢相談室
・神様:ケース「緑谷 凪」 >>413-416
・神様:ケース「リュータ」 >>692-695
・悪夢・番外編:ケース「奏月 昴」 >>698-792
☆牡丹博士のSCP講座
・SCP-Lie
第一弾 >>537-544 第二弾 >>580-587
☆ある神様の聖誕祭
その一 >>98-104 その二 >>148-153
その三 >>214-220 その四 >>256-265
☆うちの13班
・設定 >>621-624
・小話 その一 >>625-628
☆もしももしものちいさなおはなし
・料理対決りばーす >>169-170
☆林間学校
・いざ、林間学校へ >>346-350
・飯盒炊さんと温泉の時間 >>356-360
・林間学校の終わりに >>377-383
☆セブンスエンカウント
・セブンスエンカウンター >>550-566
・ノーデンスエンカウンター >>570-576
☆パロディ
・アンジャッシュパロ
その1 >>440-441 その2 >>456-460 その3 >>522-531
・日和パロ
その1 >>670-673
☆短編
・プチネタつめつめ >>18-20
・続・ほのぼの日和 >>43-45
・小ネタ >>60
・ある日の為の打ち合わせ >>71-74
・あるアイドルの一日 >>75-85
・続々・ほのぼの日和 >>122-125
・唐突に思いついた料理対決案コーナー >>197
・テストネタ・問題案 >>273
・秋の長雨 >>279-282
・逃走中未完成案 >>288
・夏休み残り一週間の聖域にて >>315-317
・Welcome to Lapistoria Academy >>320-328
・黒翡翠の逆襲 >>390-395
・神と猫の集会場 >>591-601
・忘れないでね〜 >>677-678
・烈とリリィの橙代替品探し。代替大体大成功! >>706-711
・年末出店祭り >>714-722
・年初め 波乱万丈 いつもの日 >>723-727
・今後加入予定メンバーの設定 >>743
★募集中の事柄
なし
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- 実食 七番&八番 前書き ( No.604 )
- 日時: 2015/11/16 22:10
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 7hab4OUo)
前書き de 注意事項
私
( ・ω・)<我が家のナナドラⅢにおける13班、いつか載せたい。そして鏡君とランデブーしてhsp
※しばらくお待ちください。
昴
「何か言い残すことはあるかしら?」
私
( TДT)<ごめんなさい悪のりしました。
※三倍アイスクリーム
昴
「で? 前書き使って何。」
私
( ・ω・)<早い話が、ちょいR指定ギリギリブッ込みすぎた。ちょっと危ないものが出てくるから、閲覧注意ね。
昴
「ぬるぬる相撲とかでお馴染みのあれか。とりあえず作った奴は後でブッコロ。じゃ、本編どうぞ、っと。」
- 実食 七番&八番 ( No.605 )
- 日時: 2015/11/16 22:17
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 7hab4OUo)
採点方法
六段階評価を下す。内訳は以下の通り。
五、いい意味で何をしたらこうなったか教えてほしい。貴方、もう店を開いた方がいいよ。
四、まだまだレシピ寄りだけど、ちゃんと遊び心はあるのがわかる。店レベルにはもう一歩。
三、完全にレシピ見て作りましたレベル。次はアレンジに挑戦してみよう。
二、レシピに沿ったのはわかるけどちょっと失敗が目立つ。高評価から聞いたりして修行をしよう。
一、反省してるし、改善しようとしているのはわかるレベル。まずは高評価のメンバーの簡単なお手伝いから始めましょう。
零、貴方、この小説を発禁物にさせる気? 人の話はちゃんと聞いてた? 後で説教部屋へ来て頂戴。土下座で済むと思わないでね。貴方の大好きなアレをたーっぷり堪能させてあげるから、死 ぬ が よ い(By昴)
±要素
・+…あともう一歩で上位のレベルに上がれるくらいにおしい品。五+は五段階評価じゃ足りません。
・無印…妥当なレベル。惜しい部分もなければ、マイナス要素も特になし。
・−…ミスが多いのでお情けでこの評価に。零−? もう知らん。
お題:『パンに合うもの』
普通の料理でもスープでもジャムでも、パンに合えばok。
ただし、パンは理乃と由梨が作ったパンに固定する。
トーストさせたり挟んだりと、簡単な調理をさせる物や、パンに塗る物もok。要するにパンに自分達での細工は許可しないが、審査員に簡単な調理をさせる物は許可。
※注意
・既製品やレトルトは許可。しかし、既製品をそのまま料理として出したり、温めるだけで出すのは不可。材料を何か加えるなり焦げ目をつけるなりする事。
・ガイストのアンドゥで一発でバレるので、不正は行えないものと思え。
役割
固定(で必ず)死(ぬ)んさ員:
昴、パステルくん、ジョーカー、にゃぐわ、MZD
変動審査員兼挑戦者:
烈、風雅、氷海、鈴花、茜、大牙、タクト、ミチル、ニコラ、イオ、ロア、トア、桐生、美結、弓弦、乱麻、ラーズ、ヴァイス、まどか、ジェイド、ジェダイト、ファントム、エクリプス、ヴォルフガング、ハーピア、ゼルハルト、ラズリ、翠里
救援:
黒、紅、アイギス、ガイスト、風花
材料・成分分析:
ガイスト、アイギス
通信:
風花
医療班:
冷一、クマ、理乃、由梨、ユウ、アニエス、ホーリー、ヴィクター、ニコライ、ユマ(YUMAさんから)、ディミトリー、青年トゥーン(Haruさんから)ヴァイス、風雅、パステルくん、美結(りゅーとさんから)+α
昴
「あら、今回は問題児でも暴れるのかしら?」
私
—あの、めっさ怖いんですけど。つかこの時点で女子化してるし!?
- 実食 七番&八番 本日の救援 ( No.606 )
- 日時: 2015/11/16 22:25
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 7hab4OUo)
『とまぁ、今回は当たりが多い回だったな。』
「良かったじゃねぇか。ハズレの後の当たりが来てよ。」
定期報告がてら、DTOとの通信をする昴。その表情は笑顔に満ちていた。どうやら余程嬉しかったと見える。
「つか、腹減ったな…。美味い料理の話聞いていたら。」
『後でそっちにも何か持ってくよ。…ん? 先生、何か騒がしくね?』
「ん? あー、確かに何か騒がし…って、何か来るぞ!?」
ズドドド…! と音と煙を立てながら、こちら目掛けて一直線に走ってくる影が、複数。
そして来客用の出入り口を潜り抜けた人達は、辺りを見回していた。
「よかった! まだ被害はない!」
「よ、よかったですー…。」
「いや、もしかしたらどこかに隠れてるかもしれないぞ!?」
「いえ、ですが変な気配は感じませんが…。」
「何だ何だ一体!!」
『え、教授、どうしたんだよ! 落ち着けって! 英国紳士があわてふためくなって!』
訳もわからず混乱するDTOを他所に、その一団の中に知り合いの姿を見かけた昴が声をかけると、シルクハットの紳士が何かに気づいたのか、はっと息を飲むと、恥ずかしそうにシルクハットを深く被った。
「す、すみません、昴さん。お見苦しいところをお見せしました。ところで、今は平和ですか?」
『ああ、平和だけど…。Haruさんとこのレイトン教授、今日はどうした?』
紳士—レイトンは顔をあげ、昴の方を見た。
「いえ、まるで未来を予言したかのような風の便りがありまして…。回復薬とこちらの料理対決で出たトゥーンのナポリタンを持って来ました。念のためレイピアも持ってきましたが、必要ないとよいのですが…。」
『その嫌な予感云々についてはスルーしとく。成程な、その便りがあったから一斉に来たのか。(あいつ、もしかして何か見たか?)』
風の便りを出した相手を即座に理解したのか、昴は何かを考え込むも、まずは次の救援を確認しなければ。
『で、そっちの一団は?』
昴は別の一団に話を振る。一人は大きな機関銃を持った男。一人は悪魔のような翼が特長の槍を持った男。一人は紫色の髪を持ったよくわからない杖のようなものを持った科学者のような女性。それから、花のような杖を持った桃色髪の女性がいた。
『あ、あの、貴方はノアさんとおっしゃるのでは?』
突然、アニエスが通信に割り込んできて、話始める。どうやら一団の中にいた謎の杖を持った女性—ノアの事を知っているようだ。
「そうだが、貴方は…?」
『私はアニエス・オブリージュと申します。直接の面識はありませんが、以前、少し噂を聞いて…。』
「ああ、私も貴方の話を聞いたことがある…気がする。まあいい、私達も同じく救援だ。私は[廻造王]ノア。こっちが」
「[戦王]G.S。よろしくな。」
ノアの横にいた機関銃の男—G.Sが自己紹介をする。どこかちょっとホストっぽい雰囲気がその大きく開けられた上着のボタンからかいまみえた気がしたが、スルーしておこう。
「わ、私は竜巫女エルフィです。よ、よろしくお願いします!」
緊張しているのか、桃髪の女性—エルフィはどこかおずおずと挨拶をする。
「俺は[悪魔王]ディアブロだ。よろしく。」
悪魔の羽の男—ディアブロが自己紹介したあと、DTOは「よろしく。」と答えると、ふと、エルフィの手に握られていたものを見て首を傾げる。
「エルフィ、それなんだ? 袋と本と…?」
「あ、これははちみつキャンディです。回復魔法がかかっているので美味しいですし回復効果もありますよ。それからこの本は私達を救援に寄越した作者のユウカさんが念のため持ってけって…。それとこちらは肉がじゃです。」
決して肉じゃがではありません。肉がじゃです。さて、本の方に戻ろう。
「この本はクトゥールの禁書。うちのゲテモノ処理班である[悪食王]クトゥールを呼び出せる本だ。」
「うん、何となく名前で察した。」
DTOはゲテモノ処理班が増えることに安堵するが、とりあえずできれば使われたくないなぁ、とも思っていたりした。
ちなみに彼ら四人はロード・トゥ・ドラゴンというアプリゲームの住人で、最近コメントを下さるユウカロードさんからの救援である。アニエスが彼らを知っている理由は、以前BDFtSとロードラでコラボした縁であったりする。
「で、お前らは…?」
次に、DTOは双子のような印象と、どこか知り合いに似たを受ける二人を見た。
「初めまして、DTO先生。僕は留衣(るい)と申します。」
「私は零寿(れいじゅ)! よろしくお願いしまーす!」
「あ、ああ、よろしくな。…つかお前ら、なんだろうな、あの吸血鬼に似てね?」
あの吸血鬼というのは、ポップンパーティーで何度か一緒になっているユーリのことだろう。
それを聞いた男子—留衣は小さく笑い、
「ええ、僕らの世界でのユーリさんとは、親戚なので。」
「あー、なるほどな。だから似てるのか、あいつに。」
『えっと…お前達は暁桜さんからの救援でいいんだな?』
と話した。そして通信越しに昴が問いかけると、留衣と女子—零寿は頷いた。どうやら彼らは暁桜さんからの救援のようだ。
「はい、よろしくお願いします、昴さん、MZD様。」
『留衣、こんな馬鹿に様付けする必要なんかないって。むしろ呼び捨てでいいよ。』
『酷くないかお前!』
「そ、そうもいきませんよ。僕達は神守護という仕事についている以上、神様は敬いませんと…。」
『大丈夫だ。うちの巫女も法王も、こいつを敬っちゃいねぇから。』
『ええ、敬っていないので大丈夫です。』
巫女は葉月、法王はアニエスのことだろう。確かにアニエスはさん付けはしているが敬いはしていないし、葉月に至っては呼び捨てである上に、昴に対してはさん付けしている。
MZDは『ひでぇ!』と訴えるが、自業自得なのでスルーしておく。
「それと、お前は…。(うわ、モノホンの医者が来たぞ…。)」
最後に、青鼻と茶色い毛並みとばってん印の帽子が特徴の生き物を見て、DTOは苦い顔をした。
そう、ついに救援として回復スキル持ちの存在ばかりか、本物の医者が来てしまったのだ。ヴァイス先生? あの人は医者は副業で主な仕事は黒い仕事でしょ?
「オレはトニー・トニー・チョッパー! Ehさんから頼まれて救援に来たぞ!」
「ああ、うん、お前の事は十分知ってる。凄腕の医者が来てくれて心強いよ。よろしくな、チョッパー。」
生き物—チョッパーはにへらと笑い、DTOにどこからか取り出したかわからないお茶を出した。
「コノヤロー! オレは誉められたってうれしかねーぞ!」
(十分嬉しそうですはい。)
どこからか取り出したかわからないシュークリームを頬張りながら、可愛いなぁ、と見つめるDTOだった。
「じゃあ、アニ…いや、ユウ…は、今は三番に完二と一緒についちゃってるか。ニコライ、頼んでいいか?」
『かしこまりました。では、また後程。』
その言葉を最後に、ニコライの姿は消えた。
『あの、先生。』
「ん?」
次に映し出したのは、アニエスの姿。
『何故、私に道案内を頼まないのですか?』
「絶望的な方向音痴で察しろ。」
『うぐ。』
そんなやり取りを他所に、迎えに来たニコライの案内で救援の人達は保健室へと向かっていった。
- 実食 七番 ( No.607 )
- 日時: 2015/11/16 22:34
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 7hab4OUo)
とてつもない量の救援に、全員嫌な予感を感じずにはいられなかった。
「ああ、これ来るね。ここか、次くらいに。教授が言った嫌な予感がする風の便りの件もあるし。」
「来るな。多分ここじゃなくて次じゃないか?(なんとなくそう思った。つかあいつは何を見て何を載せた。)」
とにかく、警戒はしつつ、次なる審査員を待った。
「できれば鈴花は審査員で来てほしくないねー。」
「今回料理の腕が判明しているのは、つぎドカ!メンバーだけだからな。審査員に鈴花が来るという事は、かなり絶望的な状況だろう。」
「何故だ?」
パステルくんやジョーカーの言葉に、ガイストが首を傾げて訊ねた。
「大当たりである事が判明している鈴花がこちらに来るという事は、大当たりの可能性が一つ潰えたという事だ。何人大当たりがいるかわからないこの状況で確実な大当たりが消えるという事は、絶望でしかない。」
「ああ、なんとなくわかったが…。」
ガイストはちらりと、扉の方を見る。
「…。」
そこには、次なる審査員だろうか、扉の端を掴んで様子を窺うようにこちらを見ている。
ガイストの視線の先に気付いた昴達も、その方角を見る。恐らく今の状況を顔文字で表すなら…。
(*'ω') ('ω';)
( 'ω') ('ω';)
(´・ω・) (・ω・;)
( ;ω;) Σ(・ω・;)
( TДT)ヽ(д;ヽ)Ξ
だろう…。
昴達固定審査員は全員、机に突っ伏して泣き出してしまった。
「何でお前がこっち来ちゃったんだよおぉぉぉぉぉっ!!」
「私だってあっちに行きたかったよ!!」
次なる審査員も、反論するかのように食って掛かる。が、これはすべて籤が悪い。
昴達が泣くほどの次なる審査員。勘のいい人はもうわかっただろう。
「うわあぁぁぁぁぁぁんっ! 鈴花のばかあぁぁぁぁぁぁぁっ!! こっちでくるなんてひどいよおぉぉぉぉぉっ!!」
「パステルくん、酷くない!? 私のせいじゃないから!!」
そう、あろう事か今話題に出ていた鈴花が変動審査員として来てしまった。
つまり、大当たりが一つ消えたという事である。何人大当たりを出すかわからないこの状況で、確実に大当たりを出せる鈴花が来たのは大きな痛手だった。
鈴花も鈴花で、当たりが何人いるかわからないこの状況での、確実な当たりである自分が変動審査員で来る事がどう言う事か、重々承知していたので、反論はするも申し訳ない気持ちで一杯だった。
「うう…我が名はMAX PASTEMIZER...ゲテモノとバケモノの最後の番人...」
「パステルくんはゲテモノもバケモノも作らないでしょ?」
希望が潰えたことが余程ショックなのか、パステルくんはおかしなことを口走った。
「パステルくん、正気に戻ってくれ。俺だって現実逃避したいんだから。…とってくる。」
現実逃避したいのは全員一緒だ。と言わんばかりに昴が言ってから、次なる料理を取りに向かう昴だった。
「…希望が潰えると、人はここまで落胆するものなのだな。料理ひとつといえど。絶望の味には私にも覚えがあるが、これは…。」
ガイストは死んだ目であからさまに落胆する一同を見ていた。
「ガイストさん、無理もない事であります。この料理対決は、生きるか死ぬか。生と死が紙一重の戦い。ただ単なる料理バトルとはひと味も二味も違うのであります。時に激辛に苦しまされ、毒の味を覚え、しまいには料理と言う名の生物による暴挙。そして審査員が詰め込まれる医務室で行われる治療行為という名の戦争。それが、この料理対決なのであります。そして固定審査員は確実に死ぬので、もう固定で必ず死ぬ審査員。略して固定死んさ員と改名してもいいくらいであります。」
「すまぬ、私が想像していた料理対決とは随分かけ離れているのだが。まるで暗殺合戦だな。一つ間違えれば、大怪獣合戦になるな。」
「あーあーははー。七海センパイみたいな料理人が多く集うとそうなりそうだねー。」
「…やめてくれ。マジで今、異世界のを含めると、それが現実味を帯びてきそうで怖いんだからよ。」
アイギスとガイストが話し込んでいるのを聞き届けた鈴花は遠い目を浮かべ、料理を持ってきた昴は落胆しながら告げた。その言葉に、ガイストの目が淀んだのは言うまでもない。
「さて、鈴花。」
「大丈夫。胃薬も千枝センパイから借りた脚甲も装備済み。種もいっぱいあるよ!」
「飯が出るか魔が出るか。ちょっと重かったから心配だが…。」
「できれば飯希望。」
「にゃぐ。」
どうやら、蓋付きお盆の中身は重かったらしい。昴は武装する全員を見てから、一思いに蓋を開けた。
中は、鍋と七枚の皿とアワーグラスγ。特に今のところ危険そうな物質は見受けられない。だが、油断はできない。鍋の中身がわからない以上は。
「…開けるぞ。」
「…。」
全員、その後に起こるであろう出来事に備え、攻撃体制を整えた。
昴はそっと、蓋を開ける。
「…何か大丈夫みたいだな。」
その昴の言葉に、全員警戒を解く。
そこにあったのは、黄色い液体。…カレーだった。
「よかったー…。でもカレーかー…。」
鈴花の脳裏には、第四回の裏回が甦ってきているのだろうか。辛いものの代表格であるカレーと聞くと苦い顔を浮かべる。
それは昴達も一緒だ。ここにいる固定審査員全員、激辛料理にはいい思い出がない。
「今回はあいつみたいなバ辛党はいないはずだし、安心していいんじゃないかな? 特に学生系は常識ありそうなやつらばかりだし。乱麻とか弓弦とか。」
「うん、確かに一応常識はあると思う。ただ一人を除いて。」
「ああ…。」
その誰かがわかったのか、昴は遠い目をしながらアワーグラスγを使って時間を動かした。
ほどよいカレーの香りが鼻をくすぐる…が、何故か熱気が感じられない。とろみもないし、柔らかい地面を抉るような感覚がする。
「…冷たいね。このカレー。」
ひんやりとする鍋に触れながら、鈴花はぽつりとつぶやいた。
「ガイスト、後で【アンドゥ】頼むわ。風花、伝言。」
『ええ、例のごとく預かってます。“レシピ通りにカレーを作ったのだけれど、カレーって一日置けば美味しいって前に聞いた事があって、それを思い出して私の能力で凍らせたのですが…調理室がいきなり破壊されて、そちらに気を取られて温め直すのをすっかり忘れていました。評価は下げて結構ですので…。”と…。』
「ふむ、確かにカレーの材料のようだ。カレールーは市販の固形ルーのようだな。」
伝言を読んだ風花の言葉の後、ガイストの目の前に並べられた小間切れの豚肉、じゃがいも、ニンジン。それから、バー○ントと書かれた箱(中辛)の固形のカレールー。
「ねえ、私達で温められないかな?」
「そうだな。温めなおしすれば美味しいと思うし。このまま低評価も勿体ないしな。」
作った人物が分かったのか、昴は黒をちらりと見る。
『はぁ…。仕方あるまい。相棒の未来の嫁の為だ。神、烈のスキルを使え。』
「そう言ってくれて助かる。スキルコンバート、赤羽烈。」
烈のスキルを使えるようにした昴は、黒に向けて焔を飛ばす。
精霊の姿に戻った黒は、昴が用意した台(耐熱性)の下に潜り、とどまった。それにより、カレーが徐々に温まっていく。
「あったかいねー。」
『我を焚き火代わりにするな、鈴花。…こんなものか?』
「うん、よし。…水っぽさがあるのはもうこの際気にしないでおこう。」
どうやらカレールーの比率よりも水の比率の方が多かったのか、水っぽさが残っているが、パンにつけて食べると考えると、これくらいが丁度いいだろう。
「温め直しさせた点はマイナスだが、味は全然問題ないな。」
「うん! うちのクソお兄ちゃんが起こしたトラブルがなければ今頃一応完璧な形で出せたんだね…。」
「カレーの前でクソとか言うな。」
「うん、ごめん…。」
昴の発言に、鈴花は委縮しながら謝罪をした所で、評価用紙に記入した。
☆
総評:三−
昴:評価…三
温め直しをさせた点と水っぽさはちょっとマイナスポイントかな。だがそれ以外は普通に食べられるからこの評価だ。次はこの評価を安定してとれるように。
しかし、この後鈴花が兄貴に話し合い(物理)しないかが不安だ…。
パステルくん:評価…三−
うーん、あの事故は仕方がないとはいえ、温め直しする羽目になったのは痛かったかなー。その気の周りは正しいけど、今回は普通に提供しても大丈夫だったよ?
今度また何かやらかしたら日常的に、ユマさんの所みたく、クソ兄貴って鈴花がそろそろ呼びそうで怖い。
にゃぐわ:評価…三−
美味しいけど、ひんやりしたカレーはちょっとごめん被るニャ。でも、一歩一歩着実に美味しくなっててオイラ嬉しいニャ! この調子で未来の旦那と義妹に近づいてほしいニャ! 義妹の方は手ごわいけど、頑張るニャ!
うちの暴走男児がもうほんとごめんなさいニャOTZ三番にも謝らないとニャ…;
ジョーカー:評価…三
うむ、第二回の料理対決から着実に成長しているようだな。その調子で周囲に教わりながら、一歩一歩前進して、いつかリリィを驚かせてやれ。カレーの方は皆が書いているから、特に我から言う事はない。
これ、今回の件でローズやリリィだけでなく、フランシスやセシルもキレるんじゃないか…?
MZD:評価…三−
最初からホカホカの状態で提供してほしかったが、まぁ、あの一件があったんだったら仕方ねぇな。
あのー、鈴花の評価用紙が恐ろしい事になってんだけど、オレ、無視していい?
鈴花:評価…三−
美味しいのは美味しいんだけど、温め直しを忘れたのは痛かったなー。ううん、君のせいじゃないんだよ? 悪いのは、ク、じゃなかった、やんごとなき馬鹿のお兄ちゃんだからね。だから、あんまり自分を責めないでね?
これからも、未来の旦那さんに驚きと感動を与えるくらい、腕を磨いてね!
「ああ、うん、何か話し合い(物理)のフラグが立ったなこれ。」
鈴花の評価用紙を見ながら、昴はぽつりとつぶやいた。
- 実食 八番 ( No.608 )
- 日時: 2015/11/16 22:55
- 名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 7hab4OUo)
幸せそうな顔をして鈴花が去って行った後にやってきたのは、少し病弱そうな少年—二コラだった。
「ああ、二コラ。次はお前か。」
「うん! どんな生物がでるかなー? 動くお魚とかラスボスとか、面白そうだねー。」
「何、生物フラグ期待してるの!?」
何故かワクワクしているニコラに、パステルくんは思わずツッコミをいれてしまう。
「ニコラ、その寿命を縮めたくなければ、そんなフラグたたせるな。ワクワクするな。期待するな。」
「えー、大丈夫じゃないのかなー? だって、生物料理での被害は烈君から聞いたけど、何だかんだでみんな死んでないよねー?」
「そうだけどさ…。まぁいい。取ってくる。」
昴はニコラとの会話を打ちきり、次なる料理を取りに行った。
「何だろうな。ワクワクするなー。」
「ニコラ、これ以上フラグを乱立させないで…。」
「えー? 実験室から何個か理乃先輩が作った薬品がなくなってるっていうのもダメなのー?」
「何、恐ろしくて馬鹿でかいフラグを立ててるの!? え、てか薬品が消えてるってどういう事!? しかも理乃が作った薬って危険じゃん!」
どうやら、理乃が作った薬品が一部紛失しているようだ。
「それから、るー先輩が何かの実験に使おうとしていた大量の油が消えてるのも話しちゃダメー?」
「お前もう口を閉じろ!」
どんどんフラグを立てていくニコラに、戻ってきた昴は口を閉ざすように言った。
「はぁ…。フラグ折れてくれマジで。ニコラ、(死ぬ)準備はいいか?」
「うん! おばあちゃんのお薬用意しておいたから大丈夫!」
(あー、うん、生きる準備万端だなー。)
ともあれ、ニコラの準備もできているので、昴は蓋を開けた。
「」
と、同時に、目の前に現れた料理に、昴達は絶句。が、ニコラは対照的にワクワクしてた。
「わー! これ、チョココロネかな? ミミズみたいだけど、動くかな?」
「ミミズ食うとか嫌だ! それより…。」
昴はツッコミをいれた後、再び料理に向き直った。
何を作ったかはわからないが、どこからどう見ても…かなりの太さを持った、ミミズ…の、ようなもの。それが七匹、いた。
「なぁ、俺、今頭の中で“彼の者の名は”が流れてんだけど。」
「奇遇だな。私は“試練の戦い”が流れている。」
「我も“CLAMARE”の再生が余裕なのだが。」
「ボクも“鬼天”の再生が余裕だよ。」
『我は“曼珠沙華”だな。黒は?』
『同じだ。』
「オレは“Innocencee”がエンドレスループ。」
何かを察したのか、ニコラ以外全員なんかしらの戦闘曲やボス曲、戦闘曲に合いそうな曲が頭の中でループしているようだ。
おい、何で全員中ボス戦的な曲を思い浮かべる。昴のはBDFF及びBSELでの公国軍アスタリスク所持者、ガイストのは帝国軍のアスタリスク所持者とのバトルテーマだよな。そしてジョーカーはワンダートラベラーでの自分の担当曲で、パステルくんは幻獣イベントの奴だな。そして鴉達は色違い鈴花の担当曲で、MZDはあろう事か理事長のかよ。
「私も“Master of Shadow”が延々と流れているであります。」
『うん、私も“F.O.E”が余裕で再生できる。』
アイギスのは満月シャドウ戦で、風花がPQでのF.O.E戦での楽曲か。二人して強敵や中ボス戦の曲を再生しないで。
「…全員、武器用意。」
昴はヒメルを弓モードにし、構える。その横ではパステルくんがスパナを構え、ジョーカーが力をいつでも発動できるよう身構えた。
「【アンドゥ】でなんとかできれば良いがな。」
そう呟くガイストの手には、ドゥームズデイが握られており、アイギスは銃弾を装填した。
「うーん、使わないと思うけど、僕も用意しておこうかなー。」
ニコラも怪しげな液体が入ったフラスコや、怪しげな色の煙を充満させた試験管を取り出し、構える、昴達はそのフラスコやら試験管をちらりと見るが、すぐに料理へと向き直った。
「さぁ、みんな。生き延びるんだ!」
「おーっ!」
「おー?」
昴は片手で、アワーグラスγを動かした…。
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