二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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神様のノート 二冊目※打ち切り
日時: 2016/02/11 06:06
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: 0zbVOBmK)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=28346

ひょんな事から授けられたノートもついに二冊目。
新たな仲間も増え、そして、新たな物語の可能性も増えた。

さて、そんな奇妙奇天烈な世界の物語、今一度、書き綴ってゆこう…。

昴「それと、前と同じようにキャラ紹介をここのURLに張り付けましたので、キャラがつかめない場合は是非ご一読ください。」


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☆一冊目へのリンク
 ・一冊目への道しるべ >>1

☆料理対決
〔第四回・男女混合料理対決地獄編〕
 ・賢者に自愛を、愚者には罰を 愚者編

〔第五回・宝石所持者の料理対決!〕
 ・通算九回目の固定審査員の始まり始まり(By昴) >>474-482
 ・実食
  一番&二番 >>490-494 三番&四番 >>499-504
  五番&六番 >>509-514 七番&八番 >>604-614
  九番&十番 >>629-633 十一番&十二番 >>638-644
  十三番 >>648-656 十四番&三番 >>660-665
 ・結果発表…!? >>681-689
 ・裏回

〔番外編・審査員一新!? 選抜メンバーの料理対決!〕
 ・


☆学力対決
 ・成績不振から始まる物語 >>158-163
 ・テスト本番! その前に。 >>242-250


☆ノートの世界のTwitter事情
〔本編〕
 ・その九 >>728-732

〔物語リメイク〕
 ・その一 >>738-740 new!

〔番外編〕
 ・異世界の料理対決
  その二 >>181-189 その三 >>225-234 その四 >>363-372


☆マヨナカテレビ事件
〔烈編〕
 ・諸注意 >>2
 ・懺悔の菊 >>3-14
 ・クマにできるコトしたいコト >>23-26
 ・運命の船出 >>32-37
 ・悪魔の歯車 >>52-57
 ・手を延べる悪意 >>61-66
 ・見守る星々 >>89-94
 ・茜色の焔 >>200-208


☆時空越の勇者
 ・壊された平和 >>126-129
 ・仲間との別れ 姫との出会い >>136-140
 ・賞金稼ぎとの邂逅 >>143-145
 ・仲間を求めて >>292-295
 ・あの人の為に >>303-309
  ・少年の思い >>333-339
 ・亜空軍との戦い >>446-451


☆神様・悪夢相談室
 ・神様:ケース「緑谷 凪」 >>413-416
 ・神様:ケース「リュータ」 >>692-695
 ・悪夢・番外編:ケース「奏月 昴」 >>698-792


☆牡丹博士のSCP講座
 ・SCP-Lie
  第一弾 >>537-544 第二弾 >>580-587


☆ある神様の聖誕祭
 その一 >>98-104 その二 >>148-153
 その三 >>214-220 その四 >>256-265


☆うちの13班
 ・設定 >>621-624
 ・小話 その一 >>625-628


☆もしももしものちいさなおはなし
 ・料理対決りばーす >>169-170


☆林間学校
 ・いざ、林間学校へ >>346-350
 ・飯盒炊さんと温泉の時間 >>356-360
 ・林間学校の終わりに >>377-383


☆セブンスエンカウント
 ・セブンスエンカウンター >>550-566
 ・ノーデンスエンカウンター >>570-576


☆パロディ
 ・アンジャッシュパロ
  その1 >>440-441 その2 >>456-460 その3 >>522-531

 ・日和パロ
  その1 >>670-673


☆短編
 ・プチネタつめつめ >>18-20
 ・続・ほのぼの日和 >>43-45
 ・小ネタ >>60
 ・ある日の為の打ち合わせ >>71-74
 ・あるアイドルの一日 >>75-85
 ・続々・ほのぼの日和 >>122-125
 ・唐突に思いついた料理対決案コーナー >>197
 ・テストネタ・問題案 >>273
 ・秋の長雨 >>279-282
 ・逃走中未完成案 >>288
 ・夏休み残り一週間の聖域にて >>315-317
 ・Welcome to Lapistoria Academy >>320-328
 ・黒翡翠の逆襲 >>390-395
 ・神と猫の集会場 >>591-601
 ・忘れないでね〜 >>677-678
 ・烈とリリィの橙代替品探し。代替大体大成功! >>706-711
 ・年末出店祭り >>714-722
 ・年初め 波乱万丈 いつもの日 >>723-727
 ・今後加入予定メンバーの設定 >>743


★募集中の事柄
なし

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年末出店祭り ( No.714 )
日時: 2015/12/31 20:37
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: SpLhUj83)

年末が近づく、とある冬の日。

「さーて、どこのおせちが安いかなー。」

昴はチラシを片手におせち料理を吟味していた。そこ、神様なのに? ってツッコミを入れない。

(だて巻きに数の子は必須だよなー。謂れがあるけど、豆はいらん。栗きんとんもいらん。でも大抵のには入ってるから、仕方ないから凪にでも食わせ)

—ピンポーン。

思案を打ち消すように、呼び鈴が鳴る。

「ん? 誰だこんな日に。はいよー。」

昴は玄関まで行き、扉を開けるなり…。

「あぁ、年末恒例のバイトか。給料なしの。」
「せめて要件聞いて!?」

目の前にいた葉月に対し、用件を聞かずにそう告げたので、思いっきり突っ込まれた。

「何だ? 違うのか?」
「いや、そうだけどさ…。でも私の顔を見るなり要件を言い当てないでよ…。」
「お前の行動パターンくらいアイツと共有してる記憶で大体察するっての。で? 今度は誰に声かけた?」
「去年のメンバーと、アニエスさん達には一通り。あと、凪君のツテで仕事してくれそうな人に話をしたみたいだけど…。」

凪のツテ、と聞いて、昴は表情を変えた。とても嫌そうな顔に。

「多分それ、あのにゃーでんすに縁がある奴等だろうな…。」
「あ、確かにノーデンスの人だって聞いてるよ。何かあるの?」
「…一人、油断ならないのがいるんだよ。」
「もしかして、給料請求される?」

真面目な顔で訊ねる葉月に、いや、そうじゃない。と心の中で思う昴だが、思うだけにしておいた。

「…まぁ、給料は請求されてもおかしくはないだろうが、そういう意味で油断ならないんじゃないんだって。」
「まさか、昴さんのおシリを狙って…!?」

葉月がそう言った瞬間、彼女の後ろにあった樹にズダン! と矢が刺さった。

「んな変態だったらとっくの昔ににこうしてる。」
「ですよねー。」

ヒメルを葉月にわずかにそれるよう狙いを定めて放った昴に、葉月は苦笑いをして後ろを見た。

「…この世界の事、あるいは昴さん自身の事、でしょ?」
「思いついてたんならあんなくだらない事を言う前に最初からそれ言え。」
「場を和ませようとしたのに…。」

しょぼんと項垂れる葉月。だがすぐに真剣な表情を浮かべた。

「でも、それは連れてきちゃまずいよね…。凪君に言って、その人だけ外してもらう?」
「できるかは定かじゃないが、そうするよう頼んでみようかな…。」
「でも、どうやって頼む? 多分、理屈が通ってないと納得してくれない感じっぽいし…。」
「何とかやる。…できるかは分かんねぇけどな。」

昴は携帯を取り出し、凪にかけた。

年末出店祭り ( No.715 )
日時: 2015/12/31 20:44
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: SpLhUj83)

ノーデンス社前。
凪はいつものようにここに通っていた。

「ふんふふーん。」

ルンルン気分でスキップなんかしながら門をくぐる凪。そんな時、携帯が震えているのを感じた。

「(あれー? 昴さんからだ。)もっしもーし、どうしたの、おかーさん。」
『出て早々お母さんはやめろ。』
「だって、お弁当作ってくれるしー。他にも諸々家事をやっちゃってるでしょー?」
『それはお前らができないから仕方なしにやってるだけだっつーの。』

あくまでもお母さんと認めない昴。だが、本題はこれではない。

『それはそうとさ、凪。お前、ノーデンスの奴らにバイトの事話にいってるんだろ?』
「うん、そー。カーソルさんにお話して手伝ってもらおうと思ってー。人手は多い方がいいでしょー?」
『それはそうなんだが…その…。一人、さ。呼ばないでほしいのがいるんだよ。』
「え? あー…気持ちは解るけど、無理に外そうとしたら、逆に疑われるんじゃないかなー?」

電話口から、昴の盛大な溜息と共に『だよなぁ…。』と諦めたような発言が聞こえた。

「それなら、いい考えがあるぜ。」

小型の何かの機器を持ってやって来たカーソルが、そう言った。

「あ、カーソルさん。駄目だよー盗聴しちゃー。」
「なんか不穏な会話が聞こえたんでな。ま、アイツに苦手意識を持つのは無理もない。そこで、だ。俺にいい考えがある。」
「何々ー?」

凪はキラキラした目をカーソルに向けた。本当に何の提案が飛び出してくるか、楽しみのようだ。

「それはな…ゴニョゴニョ…。」
「ふむふむー…。うん、うん、それなら(多分)大丈夫だねー。」

カーソルの案に若干の不安があったのだが、あえてそこは表に出さずに納得した。

「じゃー、後はそれをうまくやってくれるとありがたいなー。」
「おう、任せとけって!」
「んじゃ、次はいつものように作業だねー。僕、ちょっと社内にいる猫とお話してから行くから先行っててー。」
「今日も行くのか。んじゃ、先に待ってるわ。」

そしてカーソルは凪と別れ、本社の中に入っていった。

(…あの人に降りかかる災いや面倒ごとは、さっさと落としとくに限るしねー。こういう仕事は僕に任せてゆっくりと働いてほしいよ。できれば休んでほしいけどね。)

言っても無駄だ、とは思うが、凪は心からそう願っていた。

(貴方も、そう願ってるんでしょ? …本物の神様。)

年末出店祭り ( No.716 )
日時: 2015/12/31 20:51
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: SpLhUj83)

「…まぁ、うまくはやってくれっかな、凪。」

いつの間にか切られていた通話で判断したのか、昴は凪を信じてポケットに携帯を入れた。

「できれば来ないといいけどね…。これ以上所持者増えちゃったらどうするの。」
「俺もそれは避けたい。あんまりポンポン知られてもそれはそれでめんどくさい。もう何人アイツの事を知ってるんだよおい。」
「えーっと、所持者で言うなら…理乃に由梨。りせちゃんに風花さん。鏡君。アニエスちゃんにユウ君にジャン君にブレイブ閣下。…九人。で、持たされてないけど事情を知るのが…えーっと、デニー陛下に紅君に私に七海。…四人。十三人もあの人の事知ってるってもう隠しとく意味あるのか逆に聞きたくなるんだけど。」
「話すと色々めんどくさいだろうが。知ってんのは一部でいいよ一部で。」

この世界のあらましを話す事になるのは、かなり面倒であるし、ショックも大きいだろう。なので、できるだけ話したくないのが現状だ。しかし大体の人間が何らかの事情で昴あるいはスバルの正体に迫ったが故の事故だ。理乃と由梨に至っては完全にあの馬鹿神のせいである。ユウ達が手帳を持った理由は、のちに語ろう。

「さて、バイトの話に戻すか。」
「うん。えっと、前回よりも手伝ってくれる人がいるから、出店とか多く出して貰えるね。他にも手伝って欲しいこととか、新しくやってみたいこともあるし。」
「新しくやってみたいこと?」
「うん、色々考えてるんだけど…。」

どうやら、葉月は葉月なりに色々と考えているようだ。

「まぁ、いい。その点は後で聞く事にするよ。」
「うん。初めてだし、うまくいくといいな…。」

それは後で聞く事にし、葉月と別れようとしたら、前から誰かがやってきた。

「あ、アニエスさん!」
「あぁ、やはりこちらにいらっしゃったのですね、葉月さん。」
「えっと、バイトの件かな?」
「『金銭の発生しないバイトはタダ働きだよ』とイデアが言っていましたが、とにかくその件についてです。」
「後でイデアちゃんにそれは言わないお約束って言っといて。」

確かに、金銭が発生しないバイトであるので、タダ働きである事は変わりないが、ここでは正論には空気を読んで貰った。

「で、どうだったのかな?」
「ええ、皆さんにお聞きしたところ、ハインケルさんが警備のためにここに残るとおっしゃっていました。ですがそれ以外の皆さんは行くそうですよ? イデアも何だかんだで楽しみにしていました。」
「わーい! ありがと、アニエスさん!」

どうやら、ハインケル以外は全員行くようだ。

「行くメンバーはだいたい決まったし、私、お父さんとお母さんに連絡してくるね。」
「おう。あとは凪次第だし、何人か変動するのは覚えておいてくれ。」

そう言って、葉月は昴達と分かれた。

「…さて、と。アニエス、お前も帰ったらどうだ?」
「ええ、そうですね。ふふっ、今からそのバイトが楽しみです。」

アニエスと少し話し込んでから、二人は別れ、帰って行った。











そして月日が経ち、いつしか十二月三十一日、バイト当日である。

「みんなー! 今日はほんとありがとー!」

聖域前には、かなりの人数が集まっていた。

「おい、いつものアタシ達が手伝っている以上の人数が来てるんだけど。」
「随分と大人数に声をかけたわね、葉月…。」

つぎドカ!組を含むラピストリア組の一部、ペルソナ組、ジョーカー一味、司組、ブレイブリー組、ナナドラ組と、かなりの人数が揃っている。

「私も今年はちょっと声かけすぎたと思ってる。でも、そのおかげで色々とやりたい事が出来るもん!」
「まぁ、その辺の話は後にしてさ、まずは葉月んちに行こうぜ!」

今回も無理矢理駆り出されたMZDは、全員に向き直った。

「じゃ、移動すっぞ!」

前回同様MZDが指をはじき、一瞬ののちに葉月の実家である水上神社にワープした。

「ふわー…。」

初めてここに来たブレイブリー組とナナドラ組は、あまりの荘厳さに息をのんだ。

「あはは、無理もないけどな。その顔は。」
「凄い…。こんな凄い神社、初めて見た…。」
「ここは、神社というのですか…。クリスタルの神殿や、ガテラティオの正教本部よりも荘厳ですね…。」

ポカーンとした表情を浮かべる一同に昴がそういうと、澪は目をぱちくりさせつつそう呟き、それを聞いたアニエスが自分の知る建物の事を並べていた。

「そ、そんな荘厳かな?」
「ええ、昔ながらの感じがこう、醸し出していて凄いです!」
「あー、うん。と、とにかく、上に行こうか。」

色々と話し込んでいる時間もないので、上に行くことにした一同だった。
神社の長い階段を上り、出迎えてくれたのは、葉月の母親、菖蒲だった。

「あら、葉月! 今回は随分大所帯ね!」
「うん! みんな快く引き受けてくれたの!」

確かに快く引き受けたメンバーが大半だが、一部そのタダ働きという点が気に食わない人が多い。だが、そこはスルーしておこう。

「さてと、これなら数件程、出店が出せそうね。」
「それに、あれもやれると思うよ! お母さん!」
「そうね、あれがやれそうね。」

あれ、というのはいまいちよくわからないが、とにもかくにも服を着替え、いつものように役割分担することになった。

年末出店祭り ( No.717 )
日時: 2015/12/31 21:03
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: SpLhUj83)

男女分かれて着替える際、ふと気づいた凪は、カーソルに首を向けた。

「そー言えばカーソルさん。ベルベルさん来てないみたいだけど、作戦うまく行ったのー?」
「ん? まあ、成功と言えば成功なんだが、あっさり作戦がバレてビミョーな空気になった。ただ、クロノが行くと言ったから、ベルは留守番するって言ってくれたぜ。」
「猫の世話を誰かしないといけないからねー。」
「にゃーでんすのエリア拡大を目論んでいるらしいが、なかなかあいつのお眼鏡にかなう人材が見付からなくてな。」

どうやらベルは、あのにゃーでんすのチェーン展開を望んでいるらしく、現在絶賛人員募集中らしい。
とにかく、今回ベルは来ていないようだ。凪はそれを聞いて、安心した。

「でも、ベルベルさんが来てくれなくてよかったよー。めんどくさそうだしー。」
「ははっ、それは言えてるな。何気に頭硬くてさ。おっと、あいつの前では“ベルベル”とか呼ぶなよ? 何されるか分かんねーからな。」
「はーい。」

そんなこんなで、着替えシーンはすんなりいく…。

「…すまん、また神主服が一着足りないんだが。」
「はあぁぁぁぁぁっ!?」

わけもなく、再び事件が勃発しました。

「え、まさかこの間みたく誰かが神主服を処分したとか」
「いや、普通に私達の発注ミスだ。すまん。というわけで、誰か巫女服を」
「誰が着るか!」

男子全員、そう言って拒否した。だが、誰か犠牲にならないとダメだと痛感していた。
ここで、男子による醜い戦争が勃発した。

「…と、トア、着たら? 前にお姉さんのコスプレしてたみたいだし。」
「い、嫌だよ! 流石に僕だってニアのならまだいいけど、巫女はパス!」
「ムラサメ、お前ニンジャだろ? 女装くらい楽勝じゃね?」
「俺のはコスプレだ。サムライのスキルは使えても忍術は使えん。」
「烈。君になら似合うと思うよ?」
「ほう、お前は燃え盛りたいのか。風雅。」

タクトがトアに押し付け、カーソルがムラサメに無責任に提案し、風雅は烈に無理矢理渡したら殴られた。

「ブレイブリー組のみんなは」
「絶対に着ない!」

凪が進めるも、全員全力で拒否した。拒否された。全力で。
そんな中、鏡が何かに閃いたのか、ぽんと手を打った。

「あっ! 適任がいた!」

そして、巫女服を持ち、とたとたとある人物の前に歩いて行った。

「よろしくね、おネエさん!」
「アタシ!?」

それは、ジュリエッタだった。これにはノーデンス男性社員は、全員吹き出した。

「ははっ! こりゃあいい!」
「確かに口調が女っぽいが、これはアウトじゃ…ぶふぅ!」
「…ぷっ。」

カーソルは愉快な見世物と言わんばかりに絶賛し、ブランは駄目だろと言わんばかりに笑い、ムラサメは懸命に堪えていたが時折吹き出した。

「わ、笑う事ないじゃない! アタシだってきっと着たら似合うわよ! 着ないけど!」
「じゃあ着ろよ! 似合うなら着ろって!」
「面白がる気満々じゃない! ブラン! アンタならオジサンだから解るでしょう!?」
「解るが拒否権は俺には…駄目だ、笑いが止まらん…!」
「ムラサメ! アンタからも何か言って頂戴!」
「ネタとしてはアリだな。…ぷぷっ。」

ジュリエッタが喚いていると、隣からも笑い声が聞こえてきたことに気付いた。

「やだ、ジュリエッタさんが、女装…!」
「写真撮ろうぜ! 写真! 社員のヤツらへの土産にしようぜ!」

エリーは心底おかしいとばかりに笑い、ナガミミはジュリエッタを笑いものにしようと撮影を提案した。

「初めに会ったときは、女みたいな言葉遣いをして気持ち悪いと思っていたけど…こうなると可愛いわね。」
「心の性別と服装が一致していると思われます。身体は男のままですが…ふふっ。」
「おじさんが巫女服だなんて、気色悪いわあ。ねえ、スカーレット。汚物をカチコチに凍らせて頂戴。砕いて、彼を本物の女にしてあげるから。」
「言いたいことは解ったが、機能不全になるだけで女性の特徴を得る訳ではない。毛穴を焼却して死滅させ、いわゆるムダ毛が生えないよう処理することは可能だが…。」

リオナはジュリエッタとの初めの出会いを思い出し何気に辛辣なことを言い、クロノは冷静に分析するものの笑いに抗えず、眠そうな声の女性は物騒なことを言い出し、スカーレットは真面目に返答をしたと思ったら別の物騒な提案をした。

「あ、ついでにうちの裸になる事が好きな番長の汚物も凍らせて。あたしが砕く。」
「あ、俺からもお願いしまーっす!」
「待ってくれ陽介、里中! 色々待ってくれ!」
「えっと、スカーレット。アタシの精霊もよろしく。」
『待ってくれ由梨! って、ぎゃあぁぁぁっ!!』
「きゃあぁぁぁぁっ!!」

千枝と陽介がスカーレットに物騒な事を提案したら、それを聞いていた悠が泣きながら答え、ついでに頼んだ由梨が何かを頼んだら、イフリートがあっちに出てきたのだろう。…着替え中の女子の中に。

「…何があったか知らないが、まずは今一度、話し合いをすることを勧める。それでも駄目なら、ベルに頼んでくれ。これはスカーレットに頼むべき事案ではない。」
「う、ウッス…。けど、何かもう色々と無駄だと思うッス。あのセンパイに関しては。」

ブランは女子に怯えながら言ったので、完二はそう返した。
その騒動に乗じ、ジュリエッタはこっそりと更衣室の外へ出ようとした。

「あ、ジュリエッタさんが逃げます!」

が、それを発見したユウがびしっと指をさした。

「あっ、逃げんなよおっさん!」
「諦めて服を着てよー!」

ユウの声に反応したジャンとトアが、ジュリエッタを逃がすまいと先回りをした。
じりじりと、全員でジュリエッタの前に立ちふさがり、にじり寄ると…。

「わ、わかったわよ! 着るわよ! 着る!」

観念したのか、ジュリエッタは巫女服をかすめ取った。そして、不慣れな手つきで巫女服を着た。所々崩れているが。

「ぶふぅっ!」

現れたジュリエッタの姿に、当然のごとく全員吹き出した。

「おい、女子共! こっちきてみろよ! 面白いモン見れっぞ!」
「お、マジで!? 行く行く!」

どたどたとあわただしく現れたのは、ナガミミとエリーだった。後からリオナ、クロノが追ってくる。
そしてジュリエッタの姿を見たと同時に、先に来た二人が腹抱えて笑い出し、後の二人がこらえているのか、プルプルと震えた。

「いやー! 髭巫女! あははっ!」
「オイ! カメラどこだ! ヒヒヒッ!」
「思ったよりも、ひどい…! ふふっ!」
「駄目です…! 抑圧不能…! …ふふふっ!」

そのすぐ後に、残りの二人がやってきた。スカーレットと、白髪のおっとりとした女性だ。

「面白い見世物ねえ。寄らないで頂戴。」
「メイ、無理矢理着せられた身にそれは酷だ。…くっ!」

メイと呼ばれた女性はヤレヤレと溜息を吐き、顔を伏せるスカーレットの背をさすった。
その後、後から後からどんどん人がやってくる。

「あ、あはははっ! も、やめて、女装、やめ…!」
「うわぁ…。意外に似合うわ…ぶほっ!」
「…っ、っ…!」
「リリィ、無理に堪えないでいいと思いますわ…ぶっ!」

ジュリエッタとは顔見知りの理乃が床をバンバン叩きながら笑い、由梨が引き気味に応えるも最後に吹き出し、リリィがプルプルと震えていたので、牡丹が自分も笑いながら笑うよう促した。

「わー、ジュリエッタさん、凄く似合うよー。」
「ミオちゃん、棒読みよね!?」

澪は冷めた視線を浮かべ、ジュリエッタを見たら泣かれた。
そしてひとしきり男女全員で笑って、ジュリエッタが反論していたら…。

「…つかさ、昴さんなら神主服出せるよな?」
「出せるけど、面白いからしばらくこのままにしとく。」

烈が何かに気付き、昴に訴えるも、しばらくはこのままでいてもらう事にしたそうな。

年末出店祭り ( No.718 )
日時: 2015/12/31 21:07
名前: 奏月 昴 ◆Dh/xEZWmVM (ID: SpLhUj83)

そんなわけで、ひとしきり笑い、昴が神主服を出してジュリエッタを着替えさせた後、全員集合して役割分担の話し合いをすることにした。

「さて、今回は凄く人数が多いから、調理と販売班のほかに、何人か出店を出してほしいのだけれど、頼めるかしら?」
「出店って、何をやればいいんだ?」
「その辺りは任せるわ。料理が得意ならばその得意な料理を出してもいいし、他の事が得意なら、それを出しても構わないわ。」
「じゃあ、何人かで組んでやってみても面白いかもな。まずは出店の案を出そう。」

そんなことで、まずは出店の案を募る事にした。

「じゃあ、カードでジャンケンはどうかしら。互いに山札から手札を3枚引いて、その中からカードを1枚出して勝敗を決めるの。勝てば飴玉を2つ、負けたら飴玉を1つ、景品としてあげるの。」
「えっと、確かお前はデュエリストだっけ。お前らしい案だな。」
「じゃあ、ボクも一緒にやるー!」
「我も一緒にやろう。一人では大変だろうしな。構わぬか? リオナ。」

リオナの案に、ローズとジョーカーが合意した。リオナは快く申し出を受けた。

「出店もいいけど、警備も必要だよねー? スリとか出ないとは思うけどー。」
「そうだな。何人か警備に回った方がいいか。」

凪と烈が警備の心配をしていると、ムラサメが提案してきた。

「なら、俺とカーソルも警備をしよう。構わないか?」
「助かるよ。…神社に詳しい人も必要だから、アタシも警備に回る。」
「なら、私も手伝います。」
「オレもー! 紅と一緒なら空からも見れるもんね!」
『うむ、空ならばよく見えるからな。ムラサメ、お前も乗るか?』
「お前にか? …その身体では、子供一人乗せられないだろう。」

ムラサメの提案に、由梨、氷海、鏡も手伝う事にする。
紅の話になった時にしたムラサメの言い分ももっともで、精霊化していない紅では鏡はおろか、幼い子供のヴィクトリアでも無理だろう。乗れてもせいぜい擬人化していないジョーカー一味くらいなものだ。

「今の紅なら無理だけど、大きくしたら平気だよ! ここでは迷惑だから後でにするけど。」
「大きくするというか、精霊としての本来の姿に戻す、じゃの。」

鏡の言い間違いを、茜が訂正する。ちなみに、今回は茜も最初からいます。

「じゃー、僕達は地上から、烈達は空からの警備でいいよねー?」
「そうだな。空と地上からやればいいだろう。」
「俺は【ハイディング】で地上を見張ってるぜ。ムラサメは祭壇のある建物…名前なんだったかな? まあいいや。そこの警備な。」
「やたら範囲が狭いな。」
「天井警備員には野外の警備は無理だろ?」
「いつから俺は妙な名前の職に就いた! 天井なんかなくても警備はできる!」
「お前、いつも天井から降りてくるじゃねえか。まあいい。木から木へ飛び移って見張ってろや。」
「それなら納得だ。」

コスプレニンジャではなく、本当に忍者なのではないか。そう思うカーソルは「頼んだぜ」と一言だけ言った。
全員、とりあえず何も言わない事にして、次の案を募った。

「あと、花火をしたいんだけど、誰か手伝ってくれないかな?」
「それなら、メイにできるんじゃない?」

葉月が提案をすると、エリーはそう答えた。

「ほら、メイは機甲槍使えるし!」
「あれは敵を破壊する為の武器で、花火に使える気はしないけど…。」
「大丈夫だよ! “アンジーよりも有無が安い”って言うじゃない!」
「…それを言うなら、“案ずるよりも生むが易し”じゃな。」

冷めた視線でヴィクトリアがエリーの間違いをただす。

「エリー、帰ったら資料室でお勉強会やりましょうね。」
「えーっ! 冬休み初日に宿題を終わらせたのにー!」
「知識も力。力無き兵士は己が身を鍛えるのが筋だ。」

メイとスカーレットに挟まれ、エリーはしょぼくれた。

「ほほう、ちっちゃいのによく知っておるな。」
「わらわも遊んでばかりではないぞ。ヴィクターから教わったのじゃ。」

えへん、とえばるように言うヴィクトリア。横ではヴィクターがちょっと感動していたのは、そっと流しておこう。

「エリー。冬期講習を開講してあげるわ。交代制で。」
「なんでー! って、みんなも冬休みを楽しまなきゃ!」
「未修得のまま遊ぶなど、いけません!」

発言を聞いていた桐生が、エリーに近寄ってきた。これを見た学生一同は、(あぁ、また始まったな。)とでも言うかのように冷めた目で見ていた。

「勉学とは、基本的には後に社会に出た時に応用する為に修めるものなのです。また、知的好奇心を満たすことを覚え、新たな道を切り開き世に生かすのです。それに、最低限の知識を身に着けねば、困るのは貴方なのです。貴方だけではありません。貴方の無知が、周りの足を引くことさえあるのです。連携を取り、速やかに事を運ぶ為に必要なものは、何と言っても知識と頭の回転なのです。他にコミュニケーション能力も挙げられますが、それは主に授業外で身に着けるもの。部屋や仲間内に引きこもっていないで、その外にいる人々とも話をするのです。店の従業員にきちんと礼を述べるのも、立派なコミュニケーションです。『金を払っているのだから礼を言う必要はない』と思っている人がいるようですが、実にけしからん! 従業員が仕事を拒否すれば、大金を積もうと望むものを得られないのです! 従業員側も、仕事を与えてくれる顧客がいるからこそ、給金の発生する仕事を得られるのです。故に手抜きも誤魔化しも許されませません。互いに相手の存在の重要性を認識することです。そもそも、何故コミュニケーション能力が重要視されるかと言うと…。」

くどくどと、エリーに説教をする桐生を、全員放っておくことにした。

「いつにも増して長いなー。」
「だなー。で、花火班はそっちの、えっと、メイだっけ。お前がやるの?」

もう完全に放っておくことにした昴は、先程の話に戻すために、メイに振った。

「頼まれたからには仕方ないわ。うまくいくか判らないけど、やるだけやってみるわ。ところで…。」

メイは提案者の葉月に近付いた。

「機甲槍って、槍と砲を組み合わせた武器なんだけど…手入れは簡単じゃないのよねえ。扱うのもコツが要るし、火薬もタダじゃないのよねえ。」
「(ち、近い近い!)え、えと、その…。」
「ボランティアって、報酬を求めないけど、費用はかかるのよねえ。」
「あ、あうあう、あうぅ…!」

凄むメイに怯える葉月。何を要求するのかと思っていると…。

「お守り、一つくれないかしら?」
「…はへ? お、お守り?」
「ええ。お守り。」

メイは葉月の神社のお守りを要求した。

「…ど、どのお守りですか?」
「そうねえ、安眠のお守りが欲しいわ。」
「…あ、安眠はないけど…金運アップのお守り渡すね。」
「ありがと。いい子ね。」

お守りを貰う約束をしたメイは、葉月に抱きついた。胸に顔を押し付けて。

「むにゅうぅぅぅっ!!」
「見栄を張るなって、普通の乳。」
「アフロにするわよ、若おじさま。」

ブランがメイをからかうと、メイは怖い目で言い返した。

「あー、そろそろそいつ放してくれね?(ここが凍り付く前に。)」
「あら、ごめんなさい。」

そう言ってメイは葉月を解放した。

「…。」

むー、と頬を膨らませながら、葉月はメイを見るも、すぐに仕事に戻った。

「わ、私は治療班に回るわね! えっと、スカーレットさん、お手伝いお願いしますっ!」
「心得た。しかし、何故、私の能力を知っている?」
「え、えっと、貴方の力の流れに治癒の力が混ざっているので、多分治癒術が使えるのかと思って。」
「ふむ、確かに私は魔力を治癒力に変換することができる。よく気付いたな。お前もメイジなのか?」
「いえ、メイジというわけではありませんが、貴方と同じように魔力を持っています。」
「それで、私の魔力に気付いたという訳か。納得した。」

こうして、スカーレットと理乃は治療班に回る事にしたそうな。

「えっと、治療班には私もお手伝いした方がいいでしょうか?」
「アニエスは基本動かない方がいいと思う。うん、動 か な い 方 が い い 。」
「ひっ、ひどいですよティズ!」

アニエスの提案にティズが同意した。割と強調して。それにアニエスは軽く泣いたが、彼女を知る人すべて、ティズの言葉に同意していた。

「じゃあ、アニエスさんは私達と一緒に医療班にいてください。…迷子になった後に探すのが大変なので。」
「はい…。」

しょんぼりと落ち込むアニエスに、理乃は容赦なく言い放つ。アニエスもアニエスで反論する事もしなかった。

「あ、そうだ。俺もメイさんの手伝いするよ。」
「私も手伝うー!」

忘れていた、とばかりに紅刃が言うと、七海も同意する。

「えっ…大丈夫なのか、兄貴…。」
「火薬の扱いとか平気なの? 七海。ここ、爆発させないでね?」
「ちょっ、由梨ひどくね!?」
「だいじょーぶだいじょーぶ! 平気だよ、理乃!」
(不安だ…。)

一同、一末の不安を覚えるも、もうやる気満々なので放っておく。後はメイに何とかしてもらおうか。とも思っていた。

「ねえねえ、クロノ! 私達は占いやってみない?」
「占い…ですか。」

エリーが提案し、クロノは首を傾げた。

「クロノ、フォーチュナーでしょ? 占いなんかできると思うんだけどなー。」
「私の占いはこの神社というもので祀る神とは、性質の異なるものです。場違いだと思いますが…。」
「でも…占いに、神様、関係ないと、思う…。」

クロノの意見に反論したのは、リリィだった。

「クロノさんの占い、私、見てみたい。多分、場違いじゃ、ない。」
「そうですか…景観的にご迷惑をおかけしなければ良いのですが…。」
「大丈夫。やるなら私、手伝う。」
「ワシも手伝うぞい。」

リリィとノルゼンの後押しを受け、クロノは頷いた。

「分かりました。ご期待に沿えるよう、努めます。」
「うん、がんばろ。お店のお手伝い、頑張る。ノルゼンおじいちゃんは、同じ占い師だから、得るのもあるかも。」
「いやぁ、リリィ。ワシは占い師ってわけじゃないぞい。一応、教授なんじゃが…。」

ノルゼンは何かを言うが、リリィはその後一切無視した。もう何も言うつもりもないらしい。

「じゃあ、私は客寄せやるね!」
「集中の妨げになるのでやめて下さい。」
「そんなー! じゃあ、何すればいい?」
「じゃあ、俺の店を手伝ってくれないか?」

何もすることがなくて頬を膨らませるエリーに話しかけたのは、ブラン。

「適当に飲み物を提供しようと思ってな。」
「あ、そうか。ブランはバーテンダーだったね。」

ブランは、ノーデンス社のラウンジでバーテンダーをやっている。本人曰く「適当」に混ぜたカクテルは美味だと評判だとか。

「あ、じゃあ私も手伝うよ! 簡単なおつまみも作れるから、手伝えると思う!」
「私も」
「牡丹は客寄せで。料理は一切手伝わないで。」
「酷くありませんこと!? …いえ、無理もありませんわね。」

鈴花と牡丹がブランの手伝いを名乗り出るも、鈴花は牡丹を一刀両断した。一瞬反論するも、自分の腕を自覚したのか、ここから先は何も言わなかった。

「じゃあ、俺とセシルもそっちを手伝おう。」
「わたくしも簡単な調理ならばできますから、お手伝い可能ですよ。」

ブラン達の手伝いは大変だと思ったのか、フランシスとセシルも手伝いを申し出た。

「おいおい、出すのは飲み物だけにしようと…ああ、なんか適当につまめるもの作ってくれ。」

本来は飲み物の売買をするはずが、いつの間にかおつまみも出す話になってしまったので、計画を変更したようだ。

「あとはそっちで少しの警備と、料理ができる奴は神社の料理班に回ってくれ。あ、カダと赤いおっさんは絶対に入れるな。いいか? 絶 対 に 入 れ る な 。」
「大丈夫だ、昴殿。絶 対 に 入 れ な い 。アルテミア、ティズ、マグノリア、ジャッカル、リングアベル、アナゼル、キキョウ。この辺りでいいだろう。酒を扱うのならば、リングアベルとアナゼル、キキョウ辺りに任せたらいいだろう。」
「去年色々とやったし、オレも手伝うッスよ。」

ブレイブが何かを察したのか、強制的に料理ができる人物に決定した。それと、去年色々と手伝った完二もサポートとして加わるようだ。

「あと、神社のおみくじとかお守りとかを売る販売の方もそっちのみんなにお願いしたい。ナガミミ達もそっちに回ってくれ。」
「オウ、任せな。」

どんどん人手が増えたので、ブランは冷や汗をかいた。

「なんか、とんでもないことになってきたな…。これ、出店ってレベルか?」
「まぁ、そこは気にしないでおいとくのが一番だぜ?」

何かもう慣れたのか、ジャンは冷や汗をかいたブランに言い放った。

「って、もうこんな時間! 早く準備しなきゃ!」
「んじゃ、残りは神社の外で客寄せしててくれ。」

そんなこんなで、役割は結構適当に終わった。


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