黒影寮は今日もお祭り騒ぎです。

作者/山下愁 ◆kp11j/nxPs(元桐生玲

ごあいさつ


 拝啓、天国のお父さんとお母さん。
 ついでに世界1周旅行へ行っている珊瑚叔母さん。
 私は元気です。とても元気です。元気を分けてあげたいぐらいに元気です。
 今日も私の前を、

 パンツが飛んでー。

 男の怒声が飛び交ってー。

 何だか炎まで飛んできてー。

 挙句の果てに今、恋人になるように強要されています。
 ……私、人生間違えましたでしょうか?


 初めまして、というのもなんですが。一応。
 桐生玲(きりゅう/あきら)という者です。まぁ、名前を変えただけですが。
 私が誰だか当てられるでしょうk((殴
 大変失礼しました。


プロローグ とある少女はとある寮での管理人!!

 とある少女の日記から抜粋。

 ○月×日。

 こんにちは。初めまして、神威銀です。
 私はあの名門の男子校、『英学園』の7つあるうちの1つ、黒影寮の管理人をしています。
 とても寮の中は広いですし、住んでいる人も優しいです。
 でも、問題が1つあります。
 私が住んでいるこの黒影寮――ただの人が住んでいる訳じゃないんです。

「どおりゃ、必殺! めろきゅん☆らぶびーむ!」

「気持ち悪い!」

 今日も蒼空さんと睦月さんがどつきあいをしています。
 この2人は何だか、仲がいいようで悪いのです。喧嘩するほど仲がいいと言いますね。

「ねぇ。うるさいんだけど。ネットに投稿する原稿が出来ないんだけど」

「ヘッドホンでもつけろ」

「……蓮。人の相談は流してるのかな、このチキン!」

 小説家志望である悠紀さんが、近くで本を読んでいた蓮さんの傍で大きな物音を立てます。
 蓮さんは大きな音にびっくりしたのか、本を放り出して逃げてしまいました。お尻についていた尻尾がぼわぼわになっていましたね。

「……今日も、聞こえる」

「怜悟君。シュールすぎて分からないよ」

 部屋の隅では、霊感があると言われている怜悟さんが天井を見上げながら言いました。
 その隣で怪訝そうに目を細めているつー君。いや、つかさちゃんとでも言いましょう。
 この2人は案外、仲がいいんですよ。

「翔ちゃん翔ちゃん勉強教えて明日当たるんだよね!」

「知るか。赤恥をかけ、俺は知らん」

「えー! 翔ちゃんの薄情者! いいもん。翔ちゃんのノートを勝手に見てやる。ついでにえっちい本を机の上に並べておいてやる!」

「テメェ、裸の女が乗った本なんぞ、俺の机の上に置いてみろ! 骨の髄まで消し炭にしてやる!」

 そんな事を言い合っているのは、この黒影寮の寮長である翔さんと副寮長である昴さんです。
 この2人はいつも一緒にいます。昔から仲がいいらしいです。
 そして最後、私の傍にいつもいますこの方――

「ぎーんちゃん☆」

 にっこり笑顔を浮かべて私の髪の毛をくるくるといじってくるこのお方。
 眼帯をしていて、パッと見ると怖い雰囲気の人なんですが、口調からして軽い男であると分かります。
 この人は本当に分からない人です。彼女がいるんですから、他の人のところに行けばいいのに。

「空華さん! 髪の毛をいじらないでください!」

「いいじゃないのー。だって、俺様は銀ちゃんの事が好きなんだしさ」

「よくそんな出まかせが言えますね? 女の子を弄んで楽しいですか?」

「弄んでないよー。俺様は、いつもマジマz「翔さんこの人をまず最初に消し炭にしてもらえませんか?」嘘、ちょっと銀ちゃん?!」


 という訳で、これから始まるのは。

 私・神威銀と黒影寮に住まう『能力者』である9人の生徒達の物語です!




黒影寮 名簿表



神威銀(カムイ/ギン)

皇(スメラギ)中学高等学校に通う高校1年生。
家庭的な性格が目立つ、ほんわかおっとり系天然ガール。通称『マザー』
JKにあるまじき、オシャレなどに興味はない。そして恋も興味なし。料理、洗濯、掃除、裁縫などと言った家事を得意とする。
昔、家族を火事で亡くして、叔母である神威珊瑚と共に暮らしていたが、ある日『黒影寮』の管理人代理になってしまう。
銀髪に黒の瞳。スタイルはまぁまぁいい。
特殊能力は他人の怪我を治癒できる術『銀の鈴』。


王良空華(オウラ/クウカ)

英(ハナブサ)学園に通う高校2年生。黒影寮に住まう生徒。
女好きが目立つが、飄々としていて掴めない空気のような性格。だがしかし、裏には残忍で残酷な性格も併せ持つ。
彼女があちこちにいるだとか噂があるが、それはそれで内緒。情報収集が得意。
何かを隠しているようだが、それは誰にも明かしていない。
黒髪短髪にボサボサ。右目に眼帯をしていて、エメラルドグリーンの瞳。身長は高い。
忍者であり、自分で技を作る我流忍術『王良家』の当主。


東翔(アズマ/ショウ)

黒影寮の寮長。
頭脳明晰、運動神経抜群な完璧野郎だが、唯一の欠点とも言える性格が最悪。常に他人を見下したような口調と態度を取る。誰に対しても。
女が嫌いで、特に銀を見ると『ビッチ』と叫んで逃げだすほど。中国武術と棒術が得意。甘党。
黒髪長髪、女の子のような容姿をしている。ニット帽は確実。
正体は死神。炎を操る大鎌を持っている。


椎名昴(シイナ/スバル)

黒影寮の副寮長。
運動神経抜群で、底なしの体力を持つ少年。楽観主義で鈍感。常にボーとしている。が、やる時はやるで1本芯の通った奴。
翔の幼なじみであり、唯一翔を『ちゃん』づけで呼べる存在。あだ名は常識知らず。テコンドーなどの足技が得意。
茶髪が肩につくまでの長さ。瞳は黒。
いくつもの星が見えるとか。反閇(ヘンバイ)技を得意とする踊り子。


二条蒼空(ニジョウ/ソウクウ)

みんなのムードメーカー。
唯一のお馬鹿キャラで、黒影寮きっても盛り上げ隊長。だかしかし、赤天記録更新中。前向きで諦め癖が悪い。変な所に真面目。
勉強が嫌いらしく、翔や空華などに教えてもらってはいるが理解出来ない。でも運動は得意、特に球技。
黒髪に青い瞳。女装が似合う。
重力操作を得意とする。


堂本睦月(ドウモト/ムツキ)

大阪弁を使う兄貴キャラ。
優しくいつも笑みを絶やさないが、たまにドM発言をしてくる変態。でも怒る時は怒る。
銀を女王様として慕っているだとか。犬キャラ? でも柔道が得意らしい。
金髪に青い瞳のイギリス人みたいな奴だが、純日本人。いつも飴をくわえている。
超能力者。あと傷つけられると力が増す。


月読怜悟(ツクヨミ/レイゴ)

無口なオーラ少年。
あまり喋る事はなく、そして方向音痴。オーラが見えるとか見えないとか、その辺は分からない。気配がない。
いつもブツブツと独りごとを喋っているが、そこは彼の特徴。
黒髪に紫色の髪。馬鹿じゃないと触れない刀を持つ。
シャーマン。だから幽霊と話せる。


祠堂悠紀(シドウ/ユウキ)

小説家志望の少年。
ひねくれ者で性格がねじ曲がっている。翔より悪いかも。いつも眠そうな感じで、口を開けば悪口ばかり。でも結局はやるあまのじゃく。
パソコンを使うのが得意で、いつも持っている。芸術家?
黒髪の少し天パ。片目が隠れている。パソコン常備。
言葉を使うワードマスター。


篠崎蓮(シノザキ/レン)

不良。ド短気の不良。
すぐにキレるキレ者の野郎だが、雷とかで驚いたりするチキンでもある。実は不良などと言われているがチキンを隠す為ww
いつも猫耳をつけている?
銀髪を1つに括っている。ニット帽常備。下には猫の耳。
肉体変化(メタモルフォーゼ)を使う。常に猫に変身。


国枝つかさ(クニエダ/-)

いつもニコニコの女の子。ちゃんとした寮の住民。
実は女である事を隠して学校に通っているが、みんなにはばれている。性格は温厚。めったな事では怒らない。
でも重大な秘密が――?
琥珀色の髪で泣きほくろ。
刃や刀、針などを使う戦闘民族。


神威珊瑚(カムイ/サンゴ)

銀の叔母。現在世界旅行中。
黒影寮の管理人。