コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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トランスミッション・データフローム
日時: 2011/08/02 19:15
名前: ハッチしゃn (ID: X96rB3AK)

ようこそ、クリックしていただき有難うございます。
主な内容ですが、それは読んでいたただいて読み取ってください。

一言で言うと、『禁書目録』に似ていると思うのですが、それを散りばめた物語に仕上がって行きますのでよろしくお願いします。

それと、誠に申し訳ないのですが、日常の都合上で、更新速度はとても遅いです。
相変わらずカメ更新です。が、ババッと更新するときは更新しますので、メリハリ悪さを感じながらでも見ていて下さると助かります。

※あと、これは元『ざけんじゃねぇ!』です。
タイトルを大幅に変えさせていただきました。
友達から『タイトルダサい』と言われたので変更します!

うっしゃー、本格的に更新するぜー(棒読み)
っていうかpc直打ちだったから内容としてコロコロ転がるんだよなァ……もうムカついたから執筆から始めてます。
などなど、いろいろあれですが、トラミスよろしくねw



※本編は日付で進んでいきます。
※SSは下のSS集にて追加していきます。(本編ではあまり出られないキャラクターも、グチャグチャ出させますので、楽しんでください)








トランスミッション・データフローム 目次


七月十五日>>1>>2>>3>>4>>5

七月十六日>>8>>13>>16

七月十七日>>20>>22

七月十八日>>26>>27>>29>>31>>34

七月十九日>>35>>36>>38>>39>>41>>42>>47>>51

イコールの過去>>53>>54>>55

七月二十日>>56>>57>>64>>65

七月二十四日>>66>>67>>70>>72>>74

七月二十五日>>79>>83>>84>>85>>87>>88>>92>>96>>97

七月二十六日>>98>>99>>102>>103>>104>>105>>106
      >>107>>108>>111>>112>>113>>114>>118
      >>119>>123>>124>>127

七月二十七日>>129>>130>>131>>132>>133>>134>>135
      >>137>>138>>139>>140>>141>>142>>146
      >>147>>148>>151>>152>>153>>154>>155

七月二十九日>>156

八月七日>>162>>164>>167>>170>>171>>175>>189

八月八日>>191

八月十四日>>200>>201

八月十五日>>206>>207>>208>>210

八月十六日
>>215>>217>>219>>229>>233>>234>>236>>237>>238

最終通知>>240

一篇「主人公の終局」>>242>>243>>245>>253>>257
          >>259     

登場人物紹介→ 絵を追加するまで少々お待ちを

トラミスSS集:SS1>>230

〜登場人物〜
尾崎浩太 能力名不明 14歳 中学二年生(主人公)
レベル2
「万物における存在を”無”にする」能力。呼称は不明

ポタコン アンドロイド 年齢不明(外見は小学三年生並)
レベル0
尾崎の能力を特化させるために存在するアンドロイド

坂条奈津美 風使い 14歳 中学二年生
レベル8
序列第二位という実力ある超能力者。
正義感があり、ポリス・スタデントで治安維持活動する

坂条真奈美 炎使い(矯正治療済) 13歳 中学一年生 
レベル6
奈津美の妹で、同じく正義感に溢れ、ポリス・スタデントである

イコール 神細胞使い 年齢不明(外見は中学生くらい)
レベル8
序列第一位という頂点にいる人物
気に障る事をすると、頭のネジが飛び、殺害衝動に走る
頭脳はかなり良く、1次元から11次元までの法則を理解している

ミール・ラーナ 白と黒の魔術師 9歳
魔術側の一人であり、
『アンクノウン』という西洋儀式魔術団のメンバー

凪野愛奈 放射原子砲 17歳
レベル8
序列第三位という実力者。上位には奈津美がいるが、
年下であり、しっかりものなので友人関係である。
冷静で、おとなしい。しかし、冷酷でもある

松代浩二 水使い 14歳
レベル3
尾崎浩太と親友。馬鹿友達とも言える。
あまり出番はない。


≪読者様≫
・友桃様・葵様・ハルカ様・モノクロ様・sie様
・なつ様・仁菜様・いぶ様・ちゃっぴー様・美純様
・茂中様・真夏様・漆様

今までコメントして下さってありがとうです!↑
そしてまたこれからも宜しくお願いします!b

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Re: ざけんじゃねぇッ!と言う少年と少女の物語(darkness編 ( No.111 )
日時: 2010/08/27 13:41
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第18話

 (止血は・・・・なんとか終わったけど)

 真奈美にとっては、まだまだ激痛があり続ける。腕を動かせば、体中に響く。それを塞ぐために、救急箱から真奈美は白い布を手にすると、左肩にかけて、布の両端を結ぶ。
 そうすることで、白い布は、腕を通せる間隔を作り上げる。そこに負傷した右腕を通し、固定する。

 「ふぅ・・・なんとかこれで行けるわね」

 ちなみに、止血はしたが、その内部の傷は治されていないため、この激痛は、一週間は去ることはないだろう。

 脇腹を抑え、湯船の端っこから立ち上がると、玄関が閉まる音がする。

 (お姉ちゃん、帰ってきた!?)

 真奈美は、息切れする口を左手で抑え、奈津美に気づかれないようにする。やがて、歩く音が浴室の扉の前までくると、奈津美が口を開いた。

 「・・・真奈美? 帰ってたならメールくらいしなさいよ」
 「えへへ、ごめん。ポリスでちょっと」

 「・・・・そう。だったら私も読んどきなさいよね。」
 「大丈夫。 サボったなんて言ってないから。」

 奈津美は、頷くと、扉に背中を向けて寄りかかる。真奈美視点からそれは影。その影に合わせるように、反対側から背中を向けて寄りかかった。

 「お姉ちゃんはどこ行ってたの?」

 「ちょっと、尾崎の部屋でハンバーグ食べてたわ」

 (のんきだなぁ・・・)と、真奈美は思う。

 少しの沈黙が続くと、奈津美から口を開いた。

 「じゃあ、私、野暮用があるから。明日はショッピングモールでも行こうね、真奈美。」

 真奈美は「・・・うん。楽しみにしてる」と、傷の痛みと戦って言った。少し震えてたため、気付かれた可能性もある。

 「うん、じゃあね。」と、奈津美が言うと。真奈美の浴室の扉の影は消えて、玄関が閉まる音がする。あまりの早い行動の姉に疑問を抱くが、そんなことよりも真奈美には疑問がある。

 ”田名中光と名乗った女が、なぜ私に伝えたのか”だ。別に、北武市の軍隊と戦争を起こすくらいなら、そのまま直に伝えた方が良いと思った。だから疑問に思う。

 「どうして・・・? なぜわざわざ私に伝えたの? 上層部から伝えるのが怖かったから?」

 無論、そんな事はないだろう。あれだけの力を、そして真奈美にここまでの怪我をさせることに躊躇がないのだから、この考えはない。

 「・・・・わからない。あの人は、なんでこんな事を」


2時間後———

 真奈美は一旦、この疑問から抜け出すために行動に移る。浴室から出て、新しい制服に着替える。脇腹が痛むが、そこを乗り越え、一気に着替える。スカートを履き、靴下をタンスから取り出す。

 「っく・・・」

 靴下をつけるために、うつ伏せになったため、脇腹が強い刺激を繰り返す。その繰り返しを我慢し、両方ともつけることができた。

 「はぁ、はぁ、・・・次!」

 と、真奈美は立ち上がり、テーブルの上にあるパソコンを開く。起動時間を乗り越え、パソコンが使えるようになると、バンク端末から、『田名中光』の情報をハッキングする。

 田名中光の情報を確認すると、さらに調べこむ。

 ・年齢 17歳
 ・出身国 日本
 ・詳細  不明
 ・生存している

 「え・・・? そんな、詳細が不明なんて、この時代の科学技術ではありえないはず。それに、情報が少なすぎ・・・」

 なぜありえないか、それは、この時代の科学技術では、どんなに細かいところでも衛星から確認できるからだ。この結果から、彼女は法律を無視している事になる。それと、、、。

 「法律を無視するほどの力があるってわけ・・・か。暗部の誰かが雇っているようにしか見えないけど、もう少し調べてみる確認はあるかも・・・ん?」

 突然、真奈美のケータイが鳴る。会話ボタンを押すと、ポリス・スタデントの先輩からの電話である事が分かった。

 「・・・はい。坂条真奈美です。要件をお願いします」
 「おい、そんな事言ってる場合じゃねぇ! 真奈美、お前の姉が、誰かもわかんねぇ女とどんぱちやりやってんぞ!!」

 え・・・・!?

 突然の連絡に、真奈美は止まった。

Re: ざけんじゃねぇッ!と言う少年と少女の物語(darkness編 ( No.112 )
日時: 2011/05/06 17:14
名前: ハッチしゃn (ID: X96rB3AK)

第18話

 真奈美は走り続ける。方向は、廃墟とされている、工場とのことだ。詳細は不明。ただ、姉が、女性と暴れているとの事。妹としてお前が助けろとの命令になる。

 「はぁ、はぁ、もう、・・・なんで今日ばっかり!いろんなことがありすぎるよ!」

 真奈美が独りでに愚痴をつぶやく。彼女にも疲労困憊な状態では、苦しくなる。まだ傷は痛む。どんな考えをしたところで、それがむせかえるだけだった。

 ポリス・スタデントの先輩が言っていた、場所は、廃墟の前の橋だという。そこも工事で中断されており、そこから入るのが適切だと感じた。それに従えとのことだ。

 「ったく、お姉ちゃん一体何考えて———ッ?!」

 真奈美がビルの建物の角を曲がると、そこには先輩が言っていた通りの橋があった。工事が中断されており、橋は途中までしかない。そしてそこの先に映っていたのは・・・。


 「この野郎がァぁぁ!!」

 と、奈津美が吼えていたところだった。あまりにもの怒りの形相になっており、真奈美には、目を閉じることは許されなかった。

 「あっはははは! 何? この計画にあなたは否定するの? 同じ”真実”を見た者同士なのに!!ふふふふふっ!!」
 「笑ってんじゃないわよ! いちいち笑ってる自分の表情見てみなさいよ! その、腐った顔を!」

 「はぁぁ? 鏡ねぇから見えないっつの! あっはは! 本当に、仲間にはなってくれないの? ねぇ、貴方だって許せないでしょう! あんな実験をされてた私たちの事を!」

 「・・・だから! それと、今回の事では、全然意味が変わってんじゃないのよ!!」


 真奈美には唖然とするしかなかった。ここまで怒っている姉を見た事がないからだ。それに対して、疑問を抱くような言葉ばかりが、自分の胸に突き刺さってくる。

 (真実・・・・?計画・・・?)なんのことなのかわからない。だから、余計に真奈美は動けなかったのだ。

 そう思っているときだった。

 「私が言いたいのは、あんたが、この事に”私の妹に手を出した”事! 分かる? ここよ!」

 「・・・・はぁ? 別にどうってことないでしょ。」

 奈津美はその言葉に気づいていないように、続けて話した。

 「あの馬鹿! 私が分かんないとでも思ってたのかしら!? 部屋の中は救急箱を探すために荒れてて、それでいて、至る所に血が飛んでて、気付かないと考えるなんて! 本当に馬鹿!」

 隣にいる、田名中光にはその暴言が誰に向けたのかわからないため、首を傾げる。

 「私が一番ムカついてんのは、私に”嘘を付いた馬鹿な妹”と、その妹に手を出した”テメェ”なのよ!! まったく、自分の妹だと思うと、馬鹿馬鹿しくて腹が立つ!! あんなひどい声をあげて、いかにも怪我をしている声をあげて、私に気付かれないように今日の事を聞いてきて、ぶん殴ってやろうかとも思った。・・・・けど、その前に殴んなきゃ気が済まねぇのは、・・・テメェだっ!っつってんの!!」

 真奈美の心に、一撃で大きな穴が開いた。姉の怒りの気持ちが、背筋を通して貫いたのだ。

 (おねえ・・・ちゃん・・・)

 奈津美は、もう一度 直径5メートル、縦3メートル並みの竜巻を起こすと、それを田名中光にぶつける。が、その前にテレポートをされ、かわされる。

 「・・・まぁ、あなたがどんな怒りを持っているかしらないけどぉ〜、例えレベル8でも、能力の幅が関係してるのは、知ってるはずよね〜、ふふ、属性が無意味ね、あなた」

 「あっそぉ!」と、もう一度、奈津美は竜巻を放つ。
 「だっかっら〜、無意味よ。もういいわ。私は帰る。もし、私と同じく暴力団と戦いたいなら、仲間でも集めて軍隊の代わりにいる事ね。じゃあ、さようなら」

 と、田名中光は言うと、姿を消した。曰く、テレポートをした。

 「くっそぉ! なんだってのよ・・・」

 奈津美は怒りを止められずに、廃墟のビルを風で壊しまくる。



 その時、真奈美は・・・その光景を見ていた場所から、姿を消していた。

Re: ざけんじゃねぇッ!と言う少年と少女の物語(darkness編 ( No.113 )
日時: 2010/08/27 15:09
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第18話

 真奈美は見逃さなかった。田名中光がテレポートなどしていない事を。鏡と鏡の光の反射で消えたようにしただけなのだから。廃墟ビルには鏡製の窓ガラスがある。それを使えば、と。真奈美は警察の知識を使ったのだった。

 そのため、走って逃げて行く田名中光を追ったのだ。

 (逃がさない! そしてお姉ちゃんごめんなさい。それでも私は・・・・戦場の一番奥深くへと進む!)

 その気持ちを曲げずに走る。逃がしてたまるか。その気持ちがあらわになっている。その意思で挑む。

 「・・・? あら、だれかと思ったら、妹さんね」

 真奈美が、十字路を通ると、そこには探していた田名中が隠れていた。

 「へぇ・・・あなたから出てくるなんて、嬉しいですよ。」

 真奈美には、恐れる言葉はない。もう逃がさない。真奈美には痛いほど姉の気持ちを味わった。だから、それを覆す事は出来ない。

 「あら? あなた雰囲気変ったわね。でもいいの?あなたはレベル6、私はレベル7。勝ち負けはもう決まってんじゃないかしら?」

 真奈美は少し、一拍を置いて、呼吸してから言った。

 「確かに、貴方を倒すことは出来ないかもしれないです。でも、逃がすつもりはありません」

 田名中光は笑って「何言ってるの? あなた私がテレポートして逃げたらそれでおしまいよ?」

 そして今度は真奈美が笑い、「じゃぁ、テレポートしてください。」と言った。

 田名中が真奈美を睨みつける。それはなぜか? そう、真奈美は彼女の弱点、欠点を見つけたのだ。それはやはり、姉との戦いを見ていたから気付いたことだった。

 「あなたは・・・自分をテレポートすることは出来ない。 そして、物ではない・・・人も。」

 「・・・なぜ?」と、田名中は首を傾げる。

 「だってあなたの能力は”座標”である物からしかテレポートできないからですよ」

 「じゃあ、なぜ私は、レベル8の風をかわしたのかしら?」
 「ええ。そこは疑問に思って”いました”。でも、分かったんですよ。鏡と鏡での幻想を作り上げているのなら、鏡をずらせば、一瞬動いたことになるって。」

 今の真奈美の表情は勝ち誇った顔だった。その隣にいる田名中は、薄気味悪い笑顔を浮かべている。

 「へぇ〜、それであなた、これからどうしようと?」

 真奈美はゆっくりと閉じた瞳を開け、まっすぐ見つめて。

 「あなたを・・・ここで逮捕します」






 二人の周りに・・・沈黙が漂った。

Re: ざけんじゃねぇッ!と言う少年と少女の物語(darkness編 ( No.114 )
日時: 2010/08/28 16:10
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第19話「これが、坂条真奈美」

 二人の周りに長い沈黙が流れたが、それを田名中は滑稽に壊した。

「逮捕・・・? ははっ! やってみるもんならやってみなさい! お前の身の程を教えてやる!!!!」

 真奈美も負けじと言う。

 「ええ、だから! その第一歩ですッ!」と。

 真奈美は目の前にいる田名中に目がけて直径15センチ、縦1メートルの炎を投げつける。

 突如、その炎はかわされ、田名中は真奈美の背中へと回っり、右足で蹴り上げた。

 「−−−−!?」
 「ほらほらぁ、押されてるのではないのかしらぁ!?」

 真奈美はその蹴り上げた足を肘で止めて、後ろに下がった。

 「へぇ、器用なまねね。」と、田名中は笑う。それをみた真奈美は、不快にしか思えない。だから言った。

 「ほら、どうしたんですか?田名中さん。 あなたの力なら、私をすぐ倒せるはずですよね。手加減しないでください! ・・・舐めんなよコラ!」

 その言動に田名中は少し驚くが、もう一度笑みを取り戻し、攻撃態勢に入った。

 そう彼女は別にいつでも敬語や丁寧語を使うわけではない。やはり姉と似ていて、頭にくると言い方が汚くなるのだ。
 それを見た田名中は、さもおかしそうに笑った。

 「あっはは! あんたさ〜、そういう言い方出来んのなら、丁寧語なんて使うのは適切ではないわ。」

 そう言いながら、田名中は、真奈美に向かってシャーペンを見せつけた。

 「あんたさ、まだ傷癒えてないんでしょ? 応急手当てだけって、馬鹿よあなた。 今も・・・脇腹が痛いはずよね。もう一度 右腕もコテンパンにしてやってもいいのよ」

 「脅迫・・・ですか? 笑えますね。 もう一度喰らうほどの勇気がなくて、ここに立てるとでも? 立てるわけじゃないですか。・・・貴方を逮捕するとためにこの舞台に戻って来たんだ!! やわなこと考えている暇があんなら、ちゃんと戦え!」と、真奈美は言った直後に炎を左手に起こし、何発も田名中へと向けて放つ。

 その攻撃を田名中は器用に交わし、そして炎をテレポートさせる。依然、標準は真奈美本体だ。

 「じゃあ、さようなら。こちらの操縦計算できたわ。あなたよりもね。・・・ご臨終」

 と、彼女は言った後、散らばっている炎をテレポートさせる。・・・・が。

 その炎はテレポート出来なくなっていた。なぜだ?

 「なにを・・・したのかしら? こんな事は初めてよ?」
 「言ってなかったですね・・・私の能力は炎ですが、それ以前に所有能力者なんですよ。別に、能力を二つ持っているわけではありません。 ただ・・・自分の能力を固定する治療をしただけです。・・・他人に能力を使わせるなんて、反吐が出ますから!」

 「・・・そう。・・・・。 ・・・じゃあそのまま殺してやる!!」

 と、田名中は、奇声な笑い声をあげると、真奈美にシャーペンを掲げて、テレポートさせた。途中で真奈美の呻き声が上がるが、真奈美は炎を放つ。

 「・・・がはっ! また・・・刺さっちゃったか・・・」

 (どうしてだろう・・・どうして私はこんな危ない敵に向かって手を出したんだろう。・・・負けるのは見え見えなのに・・・。自分で分かんない事やってるなんて・・・とんだ馬鹿だよ・・・) 真奈美は、逆の脇腹に刺さったシャーペンを見ると、目を閉じて言った。

 「・・・だから、せめてここで私の”すべて”を出して頑張ってみるよ。」

 その真奈美の光景に腹が立ったのか、田名中は、睨みつけて言った、。

 「なぁにさっきからちまちま言ってんだぁ!? この小便臭ぇガキがよぉ! てめぇなんかに、暴力団を止められるとでも思ってんじゃねぇぞぉ? レベル6なんかが調子に乗ってんじゃねぇぞッ!!」

 先ほどの顔とはもう別人だった。目の前にいる田名中光は先ほどの面影は全くなくなっている。言葉づかい、目の配り方。すべてが変わっていた。それに真奈美は驚くが、その驚きの前に、もう一つの激痛が彼女を襲った。

 「ががっ!ああ!あがぁあッ!」

 彼女の背中に二本のシャーペンが突き刺さった。

 それが、今の田名中には笑えてしまう。

 「きゃははっ! ほらぁほらぁ! なまけてると痛い子ちゃんになっちまうぞぉ!?・・・・・・・・・・・・・ああ?!」

 田名中が真奈美に突進しようとしたが、その前に、真奈美はスローモーションのように倒れた。足場を崩したように。その光景が・・・またもや田名中の心をくすぐる。

 「ぎゃはははははっ! もう終わりかよぉ!? つっまんねぇ警察さんだなぁオイ! 一分も遊んでねぇじゃねぇか! あぁーつっまんねぇ! ここまでしといてよぉ・・・ここで逝っちまうたぁ・・・しょうもねぇガキアマだな!! 滑稽だぜ! ぎゃはははッ!!」

 田名中は、壁に寄りかかりながら大声をあげて笑う。その隣には、無残ながらもまだ息をしている真奈美が倒れている。田名中は彼女を見るたびに、笑い上げている。まるで”ざまぁみろ”と言うように。

 だが、倒れてしまった真奈美も、まだ意識はあった。まだ、体も動かせた。・・・ただ彼女の体は今のうちに休んでおけというように感じたのだ。それで崩れた”真似”をする。息を整えようと、吸ったり吐いたりを繰り返す。

 (まったく・・・笑っちゃうな。 隣に馬鹿笑いしている女がいるのに、体を優先させるなんて・・・。なんてザマなんだろう・・・。こんな事でポリス・スタデントになっているのが笑えてしまう。 本当、つくづくお姉ちゃんを尊敬しちゃうよ・・・。絶対お姉ちゃんならこんなヘマをしない。・・・・いい加減にしろ真奈美!)と、自分自身に言葉を投げかけると、真奈美は言った。

 「・・・確かに・・・しょうもねぇガキアマですよ。・・・でも・・・それを貴方に・・・言われたくはない・・・です」

 「なぁにぃ? あらら、まだ話せるのね〜、うふふ、いいわ。お姉さんが、そこまでして意識を保っていられる事を讃えて、この世界の真実を教えてあげるわ!」

 突然、田名中は機嫌が良くなったように変わると、もう一度、最初のような口調と雰囲気を変え、倒れている真奈美を見て言った。

 それには、真奈美も疑問を抱いていたところだった。なぜ姉はそれを知っているのか。・・・まるで極秘のようなものだったので、考えれば、気になってしまう。

 その意思表示として、真奈美は田名中を見上げた。

 「・・・真、実・・・・?」と、問いて。

Re: ざけんじゃねぇッ!と言う少年と少女の物語(darkness編 ( No.115 )
日時: 2010/08/28 18:03
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

すみません。第19話の、会話の中での事です。

ちょっと汚い言葉が出ていますが、やむ追えず使ってしまいました。

汚い言葉を削除してほしいと言う人は言ってください!

不快に思われた方、申し訳ありません。


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