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†執事ゲーム†
日時: 2010/04/04 12:12
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)

シリアスなのかギャクなのかパロディなのかコメディなのか分からないけど、多分・・・・全部。

<登場人物>

音葉サク──15歳 見た目は少年だが少女 まりあ家の守護者として契約された 『日本刀』

真白ノエル──16歳 根は優しい 幼い頃からまりあ家に仕える 『炎』

園崎ちの──15歳 負けず嫌いで頑固 誰に対しても敬語 『花』

菅野ナトリ──19歳 物静かで穏やか 執事の中では最年長 『水』

野沢ヒロヤ──16歳 自信家でナルシスト つっぱしっては失敗する 『風』

まりあナデハ──15歳 まりあ家次期当主 無口で淡々と喋る 

イルベーヌ──外見は十代半ば。 アプサの女王で全ての災厄の元凶。

アプサメンバー>>87  用語説明>>102

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Re: †執事ゲーム† ( No.80 )
日時: 2010/03/22 09:04
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)

         第8話
        執事……羊?



「…………」 「…………」 「…………」


狭い洗面所で、ノエル、ヒロヤ、ちのが歯を磨いていた。

「………お前っふぇ、寝ぐせヤフェーよな」
「お前って、寝ぐせヤベーよな……?」

サクは三人の後ろで待機しつつ、三人の代弁をしている。
ヒロヤの言葉に、ノエルがカチンとくる。

ノエルの髪は雷が落ちたような爆発状態。

「ヒロヤふぁんって、ちっふぇーですよね」
「……ヒロヤさんって、ちっせーですよね」
「! ンだとフェメー! ふぉれが一番気にしてる事ふぉ!」

「………ねえ、いい加減変わってくださいよ。 私も歯、磨きたいんですから」
「あ、サクさん。 僕変わりますよ?」
「あ、いいっていいって」

ノエルが溜息をつきながら、

「つか、今日だろ? 姫の従弟が来んの」 
「え」
「はーナデハの従弟とか大体想像つくっつーの」
「?」
「なんか、冷静沈着ってイメージありますよね」
「???」

一人話についていけないサクが、首をかしげる。

「………え、ナデハさんの、従弟?」
「ああ。 お前は知らなかったな。 サク坊が来る前から、ナデハの従弟がここに来るっていう話になってたんだ」
「従弟、居たんですか?」
「………まあ、な」

歯切れの悪いヒロヤ。 サクはそれ以上は追求せず、

「でも、ナデハさんの従弟って……どんなんだろ」
「ノエルも見た事ねーんだよな」
「ああ。 なんか、ずっと都会の方で暮らしてたんだとよ。 姫とはかなり年があいてるみたいだけど」


──……ナデハさんの、従弟…。


「どーするよ。 従弟までもがあんな怖ぇ奴だったら」
「ひ、ヒロヤさん。 怒られますよ……?」
「うがー、想像したくねぇ」
「俺はちっせーころからの付き合いだから、姫には慣れてるな」
「ノエルさんまで……((汗」

Re: †執事ゲーム† ( No.81 )
日時: 2010/03/22 11:26
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)

ホクホクのじゃがバターを目の前に、ナデハはこれ以上無いほどブスっとした表情だった。
あのナトリまでもが、声をかけるを躊躇っている。

「ったく。 キヨネの奴……何もこんな忙しい時期に来なくてもいいというのに……っっ」
「ナデハ様、冷めますよ?」
「キヨネはともかくだ。 まだ小さいからな。 その母親も母親だ。 親バカな奴め……っっ」

いつもの冷静沈着でひややかな印象を与えるナデハが、今回はまるで子供のように見える。

「そろそろいらっしゃるんじゃないですか?」
「ちの、お前がキヨネの相手をしろ」
「ぼ、僕がですか?」
「お前が一番好かれそうなタチだ」
「む、無理です。 こ、子供の世話なんてやった事ないですしっ」

ちのがフルフルと首を振る。

「ナデハの命令だぜ? ちーのー」
「ヒロヤさん……」 
「そうそう。 諦めてガキのお守してろ」
「ノエルさんまで……っ」

オロオロするちのを見て、さすがに同情したサクが、

「私も、やりますよ?」
「……………………………」

何故か無言になるメンバー。
サクが 「???」 と顔をひきつらせる。

──変な事、言ったかな……。

言いにくそうに口を開いたのは、ナトリ。

「……サクさん、お守とかできるんですか?」
「うーん……やった事ないけど、最低限の事は!」
「ガキに変な事教えそー」

ノエルの言葉に、サクがカチンとなる。

「ノエルじゃないんだから、教えるかっ」
「はぁ!? お前最近生意気だぞ」

ギャーギャーと言い争う二人を残し、ナデハは唸るように考え、

「分かった。 サク、お前とちのでキヨネを見てやれ」
「分かりましたっ」
「……変な事、教えるな。 命令だ」
「教えませんっ!!」

Re: †執事ゲーム† ( No.82 )
日時: 2010/03/22 12:27
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)

──まったく。 私が小さい子に変な事教えるような人に見えるのだろうか……。 ヒロヤさんの方が教えそうなのに……。

「さ、サクさん、そんなウロウロしてちゃ危ないですよ……?」
「なんか……無性に腹が立ってきた……」
「えぇっ。 す、すいませんっ」
「いやいや、ちのじゃないけど……」

──ちのは優しいなぁ〜。

「………サク、さん?」  「あ、ゴメン。 なんか、ちのって優しいよね」 「そう、ですか? な、なんか照れます……」

白い肌が少し赤く染まる。
と、車が止まる音がちのの耳に届く。

「あ、いらっしゃったようです」
「ひゃー緊張してきた……っっ」

サクが両手で頬をペシペシと叩く。
気を取り直して、扉を開けた。

「ぬおーっ、来てやったぞナデハっ!!」

大きな声で着任早々そう言ったのは、小学生ほどの元気な少年だった。
ナデハとは違い、髪は薄茶色で、黒い子供用のスーツを着ている。

「えっと……、キヨネ様、ですか?」
「ああそうだっ。 まりあキヨネとは俺の事だぜ♪」
「ナデハ様の所に案内いたします」

ちのが優しく微笑みかける。

──小さいヒロヤさんみたいだなぁ……。

サクはそう思いながら、軽く会釈して後ろからついていく。

「長い道のり、ご苦労様でした」
「いや、別にいいんだって。 お前も女なのに守護者でナデハの執事なんて偉いなー」
「………………」

ちのが渇いた笑顔を作る。

──キヨネくん、ちのはね、男の子なんだよ。

サクもあははと作り笑い。

「ぬぬ。 お前も執事か?」
「はい。 音葉 サクっていいます」
「…………サク?」

キヨネが足を止め、サクをまじまじと見つめる。
「???」
サクは目をパチクリ開けてキヨネの反応を待っていると、

「ああ、あの妖刀のねーちゃんか?」
「………私を、知ってるんですか?」
「んや。 話に聞いてるだけ。 サクっつー刀があるってだけだけどな」

──まりあ家の人たちは、みんな私を知っているのか。

「キヨネ様、こちらです」 「おうっ」

ちのが扉を開け、キヨネが勢いつけて飛びこむ。

Re: †執事ゲーム† ( No.83 )
日時: 2010/03/22 12:31
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=QBIQTbUnm0M

イメソン決まりました^^

アリプロジェクトの阿修羅姫です。

Re: †執事ゲーム† ( No.84 )
日時: 2010/03/22 16:03
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

「貴様はもう少し大人しくできないのか。 キヨネ」

バク天を披露しながら登場した従弟との再会に、ナデハがうんざりした表情。

「俺が来てやったのに、なんだそのしらけ顔はっ」
「勝手に来たのはそっちだ。 志乃は?」
「母さんは相変わらず俺にベッタリだっ」

──だろうな。

ナデハの性格とは大分異なるキヨネに、ノエルが笑いを堪えている。

「俺の弟にしてやら、ガーキっ」  ヒロヤがポンとキヨネの頭の上に手を置く。
「はぁ? 誰もお前の弟になったつもりはねぇけどな」
「っ、んだとクソガキっっ!!」
「昔のヒロヤを見ているみたいですね」

にこやかな笑顔でナトリがぽつり。
それを聞いてヒロヤが顔を真っ赤にする。

「ナトリさんまで! 止めろよなっ! さ、サクとか本気にしちまうじゃねぇか」
「安心してください。 見たまんまソレっぽいです」
「んなっ!!」

サクの冷ややかな指摘に多少傷つき拗ねるヒロヤはスルーして、キヨネが興味を示したのはサクだった。
じっとサクを見て、ちょいちょいと手をつつく。

「…………???」
「ん、あーいや。 刀だって聞いてたからさ。 なんか人間ぽくないって想像してたから……。 ちょっと意外だな」

感心したようにサクに触れるキヨネ。
サクは少し寂しそうに笑って、

「キミとあまり変わらないですよ」
「物、食べたりするのか?」
「はい」
「…………ウ○コ、出るのか?」

ピキッとその場の空気が張り詰めた。
幼いキヨネの口から出た質問に、サクが困惑した表情で作り笑い。
ナデハに関しては、目を光らせ睨みつけている。

「あったり前だろーがキヨネっつー奴。 それは刀といえども擬人化してんだし、糞も出るっつーのっ」
「ちょっ、ヒロヤさん!! なんて事子供に教えるんですかっ」

ちのが慌てて止めるが、

「うっせーな。 出ないって言う方が不自然だろうがっ」

先ほどの仕返しなのかヒロヤの発言がヒートアップ。
サクは茫然としつつも、なんとか笑顔を保ちながら、

「そういう、事に、なるのかな……あはは」
「ふーん。 ナデハ、ここの執事は面白いなっ」
「絶対にこういう奴になってはいかんぞ、キヨネ」

──私が志乃に怒られるではないか……っっ。

キヨネが母親の前でそんな言葉を使った現状を想像し、ナデハが無表情ながらももだえる。

「こら、ヒロヤ。 まりあ家の品位を落とさないように行動しろと、あれほど言っているのに」
「はいはいすんませんでしたねー」

「まったく。 執事としての自覚が無さ過ぎです」

ナトリがハァッと溜息をついて、気を取り直してサクとちのの方に向き直る。

「キヨネ様の面倒をしっかりと見ていてくださいね」
「はい」 「分かりました」


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