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†執事ゲーム†
日時: 2010/04/04 12:12
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)

シリアスなのかギャクなのかパロディなのかコメディなのか分からないけど、多分・・・・全部。

<登場人物>

音葉サク──15歳 見た目は少年だが少女 まりあ家の守護者として契約された 『日本刀』

真白ノエル──16歳 根は優しい 幼い頃からまりあ家に仕える 『炎』

園崎ちの──15歳 負けず嫌いで頑固 誰に対しても敬語 『花』

菅野ナトリ──19歳 物静かで穏やか 執事の中では最年長 『水』

野沢ヒロヤ──16歳 自信家でナルシスト つっぱしっては失敗する 『風』

まりあナデハ──15歳 まりあ家次期当主 無口で淡々と喋る 

イルベーヌ──外見は十代半ば。 アプサの女王で全ての災厄の元凶。

アプサメンバー>>87  用語説明>>102

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Re: †執事ゲーム† ( No.65 )
日時: 2010/03/15 20:08
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)

ちのが見たのは、赤く爛々と瞳を光らせ、手に刀を構えたサクの姿だった。

「……………サク、さん?」

呼びかけると、サクがチラと振り向く。
それは、普段のサクではない睨みつけるような視線。

「刀としての自分の役割を見つけたのかなぁ?」
「お前には、関係ない」

キッパリと断言し、刀を構えヨーテに斬りかかる。
ぶ厚い漆黒の皮膚を貫き、一刀両断する。 血しぶきで汚れても気にする事なく、次に斬りかかる。

数体のヨーテを倒し、残ったのはジフ一人だけ。

「アプサの僕は倒せないと思うけど」
「…………黙れ」
「怖いね。 サクちゃんじゃ想像できない♪」

ジフの右腕狙って斬りつけようとするが、スルリと木から降りられた。

「甘いって。 んなので僕を殺せるワケねーだろ」
「はあああああぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「甘いって。 これだからガキは」

ヨーテ化させた腕で刀をふさぐ。  皮膚のはずなのに、金属と金属がぶつかり合うような音が響いた。

「っ!」  「アプサはヨーテなんかと違う。 能力も、人間性も、断然僕らの方があるんだよねぇ」

一度退き、再度構える。

「ナメないでほしいなぁっっ!!! 」

Re: †執事ゲーム† ( No.66 )
日時: 2010/03/16 22:02
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)

あげ

Re: †執事ゲーム† ( No.67 )
日時: 2010/03/17 17:16
名前: 羽鳥 (ID: CsDex7TB)

ふぉぉぉぉッ、すごいっ!!
カッコイイです! 
すごくカッコイイ!!叫

これからどうなるんだろう^^

Re: †執事ゲーム† ( No.68 )
日時: 2010/03/17 18:48
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)

ありがとうございます^^

Re: †執事ゲーム† ( No.69 )
日時: 2010/03/17 19:08
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)

           

思い出した。 自分が何者かという事に。

──私は、人間なんかじゃなかったんだ。

涙が溢れた。 全てというわけではないけど、自分の正体が分かり、安心したような悲しいような複雑な心境になる。

戦って、サク。

そう言われたような気がした。
自分がどうして此処に連れてこられたのか。 ようやく分かった気がする。

「私は、戦う為にここに在るっ!!」
「僕はお前を破壊するためにあるんだよ」

右手をヨーテ化させ、サクに襲いかかる。
それを真っ向から刀で抑えつけ、ジフを睨みつける。

「昔を見てるみたい。 真っ赤であまーい血の色の目」
「黙れっ!!」

悪魔の囁きが鼓膜から意識を震わす。
集中しろ、集中しろ、集中しろっ!

雨が次第に強くなる。  「さっさと僕に壊されろよっ!」
あいていた左手をヨーテ化させ、サクの脇腹を鋭い爪で貫こうと、振り上げた。

「ダメだっ! サクさんを守ってっ!」

倒れていたちのが叫ぶ。
『花』 の守護者のその声に反応したのか、大地が揺らぎ、生えてきた樹木がジフを突き飛ばす。

「ちのっ」 「女の子を……一人で戦わせたら執事失格ですから」

優しくそう言い、そっとサクの頭を撫でる。
血が染み出、苦痛に顔を歪ますが、しっかりと自分の足で立っている。

「いってぇな……」 「っ」

ジフがヨロヨロと立ち上がり、二人を睨みつける。
両手をヨーテ化させ、もう一度襲いかかろうとしたが、

「………………」 「???」

動きが止まり、ジフが遠くを見つめる。
そして軽く微笑んで、  「ちょっと呼ばれたから、今日はここまでね〜♪」 「は?」

二人が唖然としているが、ジフは笑いながら

「でもこれで終わりだなんて思わないで。 僕はいつだってお前らを叩き潰す事だけしか考えてないんだから〜」

そう言って、スッと消えた。
煙のように。 跡形もなく。


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