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†執事ゲーム†
日時: 2010/04/04 12:12
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)

シリアスなのかギャクなのかパロディなのかコメディなのか分からないけど、多分・・・・全部。

<登場人物>

音葉サク──15歳 見た目は少年だが少女 まりあ家の守護者として契約された 『日本刀』

真白ノエル──16歳 根は優しい 幼い頃からまりあ家に仕える 『炎』

園崎ちの──15歳 負けず嫌いで頑固 誰に対しても敬語 『花』

菅野ナトリ──19歳 物静かで穏やか 執事の中では最年長 『水』

野沢ヒロヤ──16歳 自信家でナルシスト つっぱしっては失敗する 『風』

まりあナデハ──15歳 まりあ家次期当主 無口で淡々と喋る 

イルベーヌ──外見は十代半ば。 アプサの女王で全ての災厄の元凶。

アプサメンバー>>87  用語説明>>102

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Re: †執事ゲーム† ( No.35 )
日時: 2010/03/08 16:24
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)

あげ

Re: †執事ゲーム† ( No.36 )
日時: 2010/03/08 17:58
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)

「……血?」 「え、ナトリさん。 何か言いましたか?」
花を生けている手を止めて、辺りを警戒するように睨んでいるナトリにちのが訪ねた。
いつもの温和な表情ではなく、何かを察した時の鋭い目つき。

「ナデハ様の血の匂いがします」
「え、お嬢様の?」
「いや………、かすかですが、ノエルの匂いも。 確か、ナデハ様はサク達とお出かけに………」
「っ、お嬢様が危ないですっ」

ちのが大慌てで廊下を走り、部屋で休憩しているヒロヤに事情を伝えた。
クロスワードをしていたヒロヤは事情を聞くなり、顔面蒼白。

「おまっ………、それ早く言えっ!」
ちのの手を掴んで、ヒロヤが猛ダッシュ。
「ちの、つかまってろよっ!」
「は、はいっ」

必死でヒロヤの背中に手を置き、そのスピードに合わせる。 
「頼みますよ、ヒロヤ」 「任せとけ」
ナトリが扉を開ける。 ヒロヤは思い切り扉から駈け出して、

飛んだ。

『風』 の守護者である執事・ヒロヤはその姿を巨大な鳥の姿に変えた。
翼を思い切り伸ばし、大空を羽ばたく。
その背中から、ちのは上空からナデハ達を探す。

「居ました。 2時の方向です」
返事の代わりに、鳥の鳴き声が聞こえる。

──ノエルさんも、守護者の血を轢く執事だ。

──その獣は一族の中でも凶暴な者。 負けるとは思わないけど……心配です。

仲間の無事を心の中で祈りながら、ちのの視界にナデハ達が映る。

Re: †執事ゲーム† ( No.37 )
日時: 2010/03/08 20:30
名前: 嵐猫 (ID: 6d0h2282)

おぉ、風の守護者、すごいですねっ。
空飛べるなんて、いいですねぇ。

Re: †執事ゲーム† ( No.38 )
日時: 2010/03/09 17:08
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)

一度でいいから飛んでみたいです。
びゅーん

Re: †執事ゲーム† ( No.39 )
日時: 2010/03/09 17:29
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)

                                              .





「お嬢様、少し痛みますが耐えてください」
「ああ」

屋敷で引き裂かれた腕の手当てを受けるナデハが、沈痛な面持ちで溜息をつく。
その細い腕は皮膚が赤く爛れ、化膿してしまいそうな深い傷だった。

「ナデハ様、申し訳ありません」
「何故お前が謝る。 これは私のミスだ」
「しかし、もう少し早く我々が気づいていれば」

申し訳なさそうにしているナトリを見て、バツが悪そうな顔のナデハ。
その顔が、苦痛で歪む。

「つっ」 「あ、すみませんっ」 「いい……さっさとやれ」

ナデハの表情を伺うように、ちのがそっと傷口に触れる。
強く押しつけるようにしている為、痛みが体全身に走っていく。

「………これで、応急処置はできました」

ちのが手をどけると、先ほどまでパックリと開いていた傷口が閉じ、生々しい傷跡が残っていた。

「まだ痛むと思うので、救急セットをお持ちしますね」

ちのと入れ替わりに、ヒロヤが頭をかきながら戻ってきた。
「サクの様子は、どうでしたか?」
「まだ気絶してる。 けど、ナデハとノエルが見たっていう、刀はどこにもなかったぜ?」
「………消えた、という事でしょうか」

「いいや。 戻ったんだ」

ナトリの推測を、ナデハが阻止する。
「………戻った?」
「ああ。 先代……お母様から話は聞いている」
「それは、やはり………」

ナトリが発言を止める。 ナデハと初めて会った事を思い出したのだ。
泣き叫ぶ彼女の姿を、彼は記憶している。
燃えきった屋敷。 灰となった使用人たち。 脳裏に刻んでしまった血の色。 血肉の感触。


「ノエルはどこ?」 「サクに付いてる」 
テーブルの上の菓子をつまみ食いしながら、ヒロヤが答えた。
「これから、どうすっか? また戦いが始まるのか」
「ヨーテが出現しているんだから、当たり前」

暗い表情でナデハは答え、腕を抑えた。

「また、始まるんだ」


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