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†執事ゲーム†
日時: 2010/04/04 12:12
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)

シリアスなのかギャクなのかパロディなのかコメディなのか分からないけど、多分・・・・全部。

<登場人物>

音葉サク──15歳 見た目は少年だが少女 まりあ家の守護者として契約された 『日本刀』

真白ノエル──16歳 根は優しい 幼い頃からまりあ家に仕える 『炎』

園崎ちの──15歳 負けず嫌いで頑固 誰に対しても敬語 『花』

菅野ナトリ──19歳 物静かで穏やか 執事の中では最年長 『水』

野沢ヒロヤ──16歳 自信家でナルシスト つっぱしっては失敗する 『風』

まりあナデハ──15歳 まりあ家次期当主 無口で淡々と喋る 

イルベーヌ──外見は十代半ば。 アプサの女王で全ての災厄の元凶。

アプサメンバー>>87  用語説明>>102

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Re: †執事ゲーム† ( No.50 )
日時: 2010/03/13 19:53
名前: 羽鳥 (ID: m7RL/.Cf)

まりあ家の武器・・・?!
色々気になってきたなぁ^^
これからどうなるか、楽しみです。

Re: †執事ゲーム† ( No.51 )
日時: 2010/03/13 20:29
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)

いやーありがとうございます。
そしてお久しぶりです^^♪
>nanasis


武器です。 そうですぶっきー←変です((汗
>羽鳥s

Re: †執事ゲーム† ( No.52 )
日時: 2010/03/13 20:50
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)

         第6話
        ちのとサク



──8年前


暗い暗いまりあ家の屋敷の地下。 
冷たくて、ヒヤリとしていて、だけどどこか懐かしくて。
金髪碧眼の美しい容姿をした女が、自分とそっくりの少女の手を引いて地下に下りていく。

鍵が厳重にかかった扉を開き、少女の中に導いた。

「ナデハ、紹介しておくわね。 彼女は……いいえ、コレは私たちの家の家宝でもあり、家紋でもある、妖刀よ」

「………? でも、お母さん。 コレは……人間だよ?」

少女の言った通り、その 『妖刀』 は人の形をしていた。
腰以上に伸びた黒髪に、赤く爛々と輝く瞳。
暗い所にいるせいか、真っ白な肌。

裸体だが、黒髪のせいでほとんど露出はない。

不思議そうな目で二人を見ている 『妖刀』 は、そっと微笑んだ。

「お母さん、やっぱりコレは人だよ」
「ナデハ、怖がる事はないわよ。 人間の言葉なんて覚えてないから」
「…………この人、どうなるの?」

少女の質問に、先代まりあ家当主は微笑んで答える。


「世界の終りを見ていくのよ」



 
          ♪


屋敷から飛び出したはいいものの、雨が降り始めた。

──ヘリで来るぐらいの所だったから、迷うのも無理ないか……。

木の陰で雨宿りしながら、サクが溜息をつく。
思い出すのは、あたたかい育ての親。

血の繋がりは無くとも、自分を大事に育ててくれた。
生みの親はタヒんだと聞かされても、ちっとも悲しくはなかった。

「……帰りたいよ」  あの場所に。 あの家に。
ワケの分からない悪夢なんて見ずに、あのまま幸せに三人で暮らせていたら……。

でも、それはもう不可能だった。
彼らはもう、タヒんでしまったのだから。

「……やだよ」

自然と口から出てくるのは、溜息と絶望だけ。
遠くで雷の音が聞こえ、ビクリと体を震わせる。
体育座りで、ギュッと膝を抱え込む。

「風邪、引きますよ?」
「………………え?」

声をかけられて顔をあげると、ずぶ濡れのちのが居た。
「ち、ちの??」  「やっと見つけました。 良かった……。 あまり濡れてはないですね」
「どうして…………っ」

ちのは微笑んで、前髪をかきあげる。
童顔で少女のような顔立ちだが、横顔は静観な顔つきをしていた。

サクは自分が泣いている事に気づいてあわててそっぽを向く。
そんなサクに気付いたのか、ちのはあえて何も言わずにサクの隣に座った。

「雨、止みませんね」  「な、なんで追いかけてきたの?」  「女の子って、雷嫌いでしょ? どこかで泣いていたりしたら駄目だなーって思って」

ちのの優しさに、また涙があふれてくる。
「私、別に雷とか怖くないし…… それに、あんな所戻りたくないし……」

「僕は、別にサクさんを連れ戻しに来たわけじゃありません」
「え?」
「ただ、サクさんの嫌がる事はしたくないって思って……。 だから、止めません。 本当はアパートまで案内しようかなって思ったんです」

ちのがゆっくりとサクの前に移動する。
「サクさんが居なくなるのは、すごく寂しいけど……でも、サクさんが悲しむのはもっと寂しいです」
微笑むちのを見て、サクは涙がボタボタこぼれるのも気にしなかった。

「ごめん……ごめんね」 
「いっぱい泣いてください。 サクさんが悲しい時一緒にいてあげる事くらいは、僕もできますから」
「……うっ、うわぁぁぁぁっ」

泣きじゃくる。 今度はちのの腕の中で。
自分に怯えながら。 ヨーテという存在に震えながら。
サクはただただ、泣き続けた。

Re: †執事ゲーム† ( No.53 )
日時: 2010/03/13 20:51
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)



                   .



まりあ家が襲撃された 11年前の 『紅の惨劇』

これを、8年前にします((汗

設定変えるんで((汗

ナデハの年齢が幼すぎたのっっ

Re: †執事ゲーム† ( No.54 )
日時: 2010/03/13 20:57
名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)



しゃっくりをあげながら、サクが目をこする。
そんな彼女を見て、ちのは微笑んだ。

「子供らしい人ですね」
「それ………ほめてないよね」
「ほめてますよ」

雨も次第に小ぶりになり、これなら濡れてもあまり気にならないだろう。

「どうしますか? お屋敷に戻りますか? それとも………」
「私は、」


ちのがツルでヨーテの腕を制御したのと、サクが伏せるのが同時だった。

「ヨーテっ!!」 「っ」

サクは慌てて起き上がり、ちのの後ろに隠れる。
獰猛で、黒く硬い皮膚を持つ化け物・ヨーテが鋭い爪と牙をむいて、サクに襲いかかろうとしていたのだ。

「こんな所に……っ、怪我はないですか!?」
「平気っ」
「良かった」

一瞬微笑んだが、険しい顔になってちのがツルを断ち切る。
よろめいた隙を狙い、今度は大地に手を置く。

「サクさんを守ってっ!!」

祈りを込め、そう叫ぶ。
するとその願いに応えるかのように、サクを白い巨大な花びらが包み始める。

「ちのっ!」  「すぐに終わります。 僕の獣の姿は、サクさんには見せたくない」
「駄目っ、駄目!!」

花びらで隙間がどんどん縮まっていく。
ちのは微笑みながら、

「お屋敷のみんな、サクさんの事大好きですよ」
「っっ」


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