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- †執事ゲーム†
- 日時: 2010/04/04 12:12
- 名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)
シリアスなのかギャクなのかパロディなのかコメディなのか分からないけど、多分・・・・全部。
<登場人物>
音葉サク──15歳 見た目は少年だが少女 まりあ家の守護者として契約された 『日本刀』
真白ノエル──16歳 根は優しい 幼い頃からまりあ家に仕える 『炎』
園崎ちの──15歳 負けず嫌いで頑固 誰に対しても敬語 『花』
菅野ナトリ──19歳 物静かで穏やか 執事の中では最年長 『水』
野沢ヒロヤ──16歳 自信家でナルシスト つっぱしっては失敗する 『風』
まりあナデハ──15歳 まりあ家次期当主 無口で淡々と喋る
イルベーヌ──外見は十代半ば。 アプサの女王で全ての災厄の元凶。
アプサメンバー>>87 用語説明>>102
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- Re: †執事ゲーム† ( No.15 )
- 日時: 2010/03/04 17:51
- 名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)
「ほらよ」
ナデハの朝食が終わり、コックたちが後片付けをしている中、サクはノエルに紙を渡された。
「なんですか、コレ」
「執事たる者、かの条件を必ず守るべし! ってこの前ヒロヤ先輩が作成した。 お前にもやる」
「はあ………」
<執事たるもの>
一、いついかなる時もナデハの事を最優先させる。
二、命をかけてナデハを守る。
三、契約を破る事はタヒを意味する。
「………契約?」
その項目の内の一つに目が止まり、サクが首をかしげる。
「なんですか、この契約って」 「あー、それはまた姫にでも聞いてくれ」
話をそらしたようなノエルの反応に、若干の疑心を覚えたが追求しなかった。
†
「………いかがなさるのですか、ナデハ様」
白をモチーフにしたダイニングで、朝食を終えたナデハがナプキンで口を拭く。
その傍らにはナトリがついており、サクに向けたような優しげな視線を彼女にも注いでいた。
「まだ、彼女には真実をお伝えしないのですか?」
「………真実ほど辛いものはない」
静かに、冷たく、淡々と響くナデハの声。
「それに、あいつがそれを受け止められるかどうかも分らない」
「………そうですね」
悲しげに呟き、グラスにジュースを注ぐナトリ。
それをじっと見つめながら、溜息混じりに、
「そろそろ奴らは私の匂いを嗅ぎつけただろうか」
ナデハが訪ねた。
手を止めて、窓の外を見る。
そこには緑の山々が連なっており、この屋敷以外の家は見当たらない。
「……………」
「どうだ? 獣のお前は何か悟ったんじゃないのか」
「ナデハ様、如何わしい者らがうろついています」
ナトリの言葉に、ナデハが嘲るように鼻で笑う。
「潮時、か」
- Re: †執事ゲーム† ( No.16 )
- 日時: 2010/03/04 18:52
- 名前: nanasi (ID: XTwzLzPc)
なにかありげなかんじがしますね・・・
- Re: †執事ゲーム† ( No.17 )
- 日時: 2010/03/04 20:08
- 名前: 嵐猫 (ID: UXNmz4pg)
何を知るべきなんでしょうか。
色々気になるっ。
- Re: †執事ゲーム† ( No.18 )
- 日時: 2010/03/05 17:43
- 名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)
ありありな感じです
>nanasis
いろいろ気になる感じです
>嵐猫s
- Re: †執事ゲーム† ( No.19 )
- 日時: 2010/03/05 18:06
- 名前: 朝倉疾風 (ID: BLbMqcR3)
†
黒く淀めく森の中、漆黒のフードを身にまとった人影が道を行く。
木の葉に掠れる音はなく、静かに、そっと、そっと。
「見つけた」
あどけない少女の声がした。
なにか、自分の求めていたものが手に入った時のような嬉しそうな声。
フードで表情はうかがえないが。
「あそこにいるんだな」 「間違いないよ。 ここまで匂ってくるんだ」 「………のんきにこんな所で過ごしてるワケか」
後者の声は、どこか苛立たしそうな声だった。
歯ぎしりまで聞こえてくる。
「どうするの?」 「………今はまだ様子を見る」
†
夜 8時。
帰る家もないため、サクは仕方なく屋敷で掃除をしていた。
──絶対に帰ってやる。
「おい、サク。 もうちょいで姫が風呂いるから、服用意してやって。 女お前一人だから」
「………分りました」
──雑用じゃんか。
掃除を切り上げ、階段を上がる。 ナデハの部屋は最上階の奥にある。
長い廊下を速足で歩き、扉をノックした。
「サクです。 パジャマを用意しろとの事ですので」
「入れ」
部屋はナデハのフランス人形のイメージを崩さないような、ドールハウスのような部屋だった。
「パジャマ、ここに置いておきます」
返事がない為、ガラステーブルの上に置いておいた。
髪を結びながら、サクをじっと見てくるナデハ。
「なんですか?」 「………お前は、何も覚えてないのか?」 「???」
──ナデハさんとどこかで会ったっけ。
「えっと、どこかでお会いしました?」
「………会ってない」
「ナデハさんの事は……ご存じありません」
会っていないのにどうして覚えているのかと尋ねたのだろう。
細かい事は追求せず、サクはそのまま部屋から出ようとしたが、
「っ!」
その足が止まる。
振り向いて、咄嗟にナイフを持って襲ってきたナデハの手首を掴む。
「な………っ、はあ?」
ワケも分からずただただ茫然とする。
ナデハは無表情で、
「やはり、瞬発力はそのままのようだな」
「………なに、が」
「お前はまだ覚醒していないのだろうが………いずれ分かる時がある」
ナデハが力を緩めたのを確認し、サクは手を放す。
ナイフをしまいながら、
「ここから出ていけ」 「はあ!!?? 」 「覚醒していないお前に用はない」 「意味分かりません! 私が覚醒って何ですか! 意味分かりませんっ!」
扉は閉まり、外に締め出されたサクは茫然と立ち尽くす。
「なに………それ」
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