ダーク・ファンタジー小説
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- 白と黒の境界 【CONNECT】
- 日時: 2013/02/16 20:48
- 名前: 和里 (ID: uwZWw1uD)
はじめまして、和里と申します♪
小説書いてみました!
どこーにでもありそうなタイトルであることは承知しております・・・
で、内容も何処にでもありそ(以下略
・・・・・・・。
初心者なので、色々だめなところがあると思うのですが、どうぞよろしくお願いします
なお、更新が遅く、内容が複雑だったりしますがご容赦ください
誤字、脱字あれば教えてください。すぐ直します(多分結構多いと思います(焦))
中傷、荒らしなどは止めてください
あと、私は学生だったりしますので、成績が落ちると更新できなくなる可能性があります!
感想、アドバイスなどのコメントよろしくお願いします!!
最後に・・・・・・・
私なりに頑張っていきたいと思うので、よろしくお願いします♪
- 白と黒の境界 ( No.29 )
- 日時: 2012/10/12 22:08
- 名前: 和里 (ID: uwZWw1uD)
凄惨、の一言につきる……。
そこら中に血だまりができ、見渡す限り血痕の無い場所はない。
家は壊され、瓦礫が散乱している。ここら一帯の生命反応は無い。
逃げ回ったと思われる街の人々。沢山の亡骸が目に入る。
綺麗な姿で残っている死体もまあ在るが、ほとんどは酷い有り様だ。
腕がないもの、足がないもの、上半身と下半身が切断されたもの、首がないもの……。
十中八九軌龍の仕業だと思われる。
流石にこれだけ壊し、漁り、喰えば満足したのだろう、もうここに軌龍の姿はない。
こう辺りが血塗れだと、可笑しくなりそうだ…。
既に食い物を求めて獣達が集まって来ている。
しょうがない、
始末
するか……
- 白と黒の境界 ( No.30 )
- 日時: 2012/10/13 23:25
- 名前: 和里 (ID: uwZWw1uD)
『姫、人間が、降って、あ、いえ、降りてきます』
『あ、ああ。何人くる?』
『えと、30人ほど、です?』
『あ、ぁ、なぜ疑問符?』
『い、いえ。何故だかわかりませんが、こちらに来てから術のちゃう、ぁ、調子が悪いんです』
『やはり、な…。白の磁場のせいだろうな…』
あまり無理はしないように、と付け加え、私の胸元に潜んで(ぬくぬくして)いるものをそっと取り出した。
両の手のひらにちょこんと座る可愛らしいものは、温度差に思わずと言った風に身震いした。
『うぅ…。寒いですよ、姫ー』
『はいはい。でも胸元は止めろ。私の髪の毛巻いていいから』
『はぁい』
声の主を私の肩にのっけると、すぐさま髪の毛を一束捕まえて自分の体に巻きつけた。
太陽の光を反射して光る銀色の髪は雪を思い起こされる。しかし巻き付けている当人はそんな事、毛ほども気にしていないようで、もぞもぞと動き場所を決めると、うとうとと微睡みはじめている。
『寝るなよ』
『寝てませんよ、ひみぇ』
ひみぇ、って……、寝言じゃないのか?
『あるじ、人間が近づいてきます』
『ああ』
私は短く答えると、前方に視線を移した。
わずかだが、草を踏み折る音が聞こえる。
『早々に立ち去ってもらわなきゃな……。さて、……』
私は音の発信源と思われる所へ雷の広範囲魔法を放つ。
しかし、何かにぶつかる前に、その気配は消えた。
『なかなかやるな…』
- Re: 白と黒の境界 ( No.31 )
- 日時: 2012/10/15 00:04
- 名前: 和里 (ID: uwZWw1uD)
「副隊長、位置は動いていないな?」
部隊長は隣にいるロン毛の副隊長。ルキア曰くムカつく野郎に問う。
「ええ、少しも。あとだいたい200〜250mってところでしょう」
そんな事は今の俺には関係なかった。俺にとってもっと問題だったのは……、今現在ロン毛副隊長の隣を歩いているということだ。
少し前のところで気づいているかもしれないが、ロン毛の副隊長……。これは俺たちの隊長だ。
なぜ嫌なのかは、もう言わなくてもわかると思う。
助けを求めるように俺は目線を後ろに送った。すると偶然にもルキアと目があった。ルキアは一回困ったように口元が笑い、「頑張れ」と無声で言ってくれた。が、何の解決にもならない。現に今俺の隣にはルキア曰くムカつくロン毛が歩いているのだから……。
仕方なく、というか、用が済んだのだから必然的に前に視線を戻す俺…。
その動作と俺が妙な気配を感じとったのはほぼ同時だった。
「!?」
間違いなく、前方から磁場の乱れを感じる。それは……こっちへ、、近づいてきている!?
これは多分雷系の広範囲魔法…!?
「まずい!」
俺はとっさに拡散系雷魔法吸収魔法陣を展開。拡散系でなければ全ての電流が俺の身体に流れ込み、下手すれば感電死だがそんな事考えていなかった。(因みに吸収魔法陣は自分の属性でのみ+拡散系にのみ有効)
ほんの刹那の後、俺の予想通り雷系の、しかも拡散系魔法が飛んできた。
それは俺たちや木々へ向かっていたが、突如軌道を変え、俺へ向かってきた。
「うあぁ——!」
俺が驚いたのではない。魔法が俺へ向かってくることは当然なのだから。
驚いたのは俺の後ろ、軍の連中だ。
そりゃあそうだろう。いきなり蛇のような雷の束が幾つにも枝分かれしてこちらに向かってくれば動揺しない人はそうはいない。
軍の連中が動く気配を背中で感じ取った俺は、思わず
「動くな!」
と叫んだ。
別に動いたからと言って彼らに害が及ぶことはないのだが、俺の集中力がキレる。
幾つにも枝分かれした雷が向きを変え、こちらに向かい、そして俺に……触れる——!
俺の身体を強い衝撃が襲った。
しかし、雷の束は順調に魔法陣に吸い込まれていく。
そして最後の雷が収まった瞬間、魔法陣は消え、それと同時に目眩が………。
体が後ろへ傾いた。反射的に後ろへ片足を出すが支えきれず、地面へ
「!!——おい、大丈夫か!?」
倒れることはなかった。
誰かが支えてくれたのだ。たぶん声からしてルキアだろう。
こんな事は初めてだ。衝撃を感じるくらいならいざ知らず、目眩まで感じるとは。よほど強力な魔導師か…。しかし、あの威力にあの量、そしてあの広がり方。あれを放った魔導師もきっと消耗しているはずだ。
目頭をおさえ、そんな事を考えていると、さっき支えてくれた人に礼を言うのを忘れていた。
「すまない…。ありがとう」
「いえいえ。礼には及びませんよ」
なにぃ!?
支えてくれたのはルキアのはず…。
なぜ隊長の声が?
「いやぁ、素晴らしい反応速度でしたよ。それによくあの量をよく防ぎ切れましたね。連れてきた甲斐がありましたよ」
「…………」
そうか、実際支えてくれたのは隊長で、ルキアは声を上げただけか……。
と…、また磁場の乱れを感じた。
「!また来たようですね」
俺はまた拡散系雷魔法吸収魔法陣を展開させようとした。のだが…
「君は下がっていなさい。次は純粋な雷系では無いようですから」
「?」
言っている意味がわからなかったが、とりあえず下がる。そして隊長が一歩前に出た。次の瞬間、水色の雷がおそってくる。
「な!?」
雷系魔法は普通、いや、絶対に黄、または白のはずだ。
訳を聞きたくなるのだが、隊長は魔法陣の構成をはじめている。
今はそんな事より命の心配をした方がいいのだろう。しかし俺には大切なことだ。
——シャンッ
そんな音をたて、隊長が作り出した半透明のウォールが目の前に出現した。
——ビリッ、バリッ
と音をたてながら数瞬前に隊長が作り出したウォールにぶつかった。
それによって大きく軌道をずらされ、空に上がり、雲に吸い込まれていった。
「あ、あれは何ですか?隊長」
俺は、俺の隣で涼しい顔をしている隊長に向かって訊いた。あれだけ大規模なウォールを張っておいて息ひとつ乱していない。
「あれですか?あれは雷と水を組み合わせたものでしょう」
「はい?そんな事が可能なものなんですか?」
「まあ、それは走りながらで」
隊長は後ろへ体をむけ、部隊長に呼びかけた。
「急ぎましょう。次がまたくるかも分かりませんから」
そう言う隊長の声はいつもより緊張しているような気がした。
- 白と黒の境界 ( No.32 )
- 日時: 2012/10/18 19:51
- 名前: 和里 (ID: uwZWw1uD)
——ザッザッザッザッ
地を蹴る音が無人の森に響く。聖域に人の手を加えることは禁止されているため、カネルよりも自然の生物が沢山繁殖している。中には聖域にしかいない生物だっている。しかし、この聖域に降りてから、生き物の姿はおろか、鳴き声や気配すら感じられない。
「それで、さっきの話ですが……」
と隊長が口を開いた。走っているというのに声が全く揺れていない。いったい何なんだよ、コイツ…。
隊長はまたしても全く揺れぬ声で続けた。
「さっき言った雷と水ですが、あれはそれぞれに放ったのではないと思われます。きっと分子レベルで結合させたものでしょう。水、という属性の魔法はありませんから、それも……まぁ創ったのでしょう。そんな事が出来る魔導師を、私は片手の指の数も知りませんけどね」
淡々と発せられる言葉をただ驚いて聞いていた。分子レベルで結合。そんな事、できるのか?だが、物理的には不可能ではないのだ。ただ、それほど高度な術を使えるものが少ないのだ。かなりの経験と技術が必要なうえ、かなりの魔力と集中力、体力が奪われる。
「分子レベルで結合?そんなこと………」
「その反応が普通ですよ。ここは聖域。そして相手は軌龍を相手に戦っていたものです。こちらの常識は通用しないと思ってくださいね」
それはそうだ。
と、その時、頭の上から…いや、頭の中に……
『止まりなさい』
声が降ってきた。この表現が適切かどうかはわからないが、頭に直接響く感じだ。
皆は驚き、足を止めた。
「なんだ!?」
異口同音にその旨を口にする。
しかし、もちろんそれには答えずにさっきの声と同じ声が降ってきた。
『今すぐこの島から立ち去りなさい。ここは聖域です』
多少の怒気をはらんだ声。声の感じから察するに、女だろうか?
「部隊長……どうしますか?」
「うむ……全体進め!」
そう。この島に上がり込んでいるのはどちらも同じだから。
『それもそうですね。ならば…迎え討ちましょう』
聞こえているのか?
自分の心が読まれているような感覚にぞっとする。
頭の中に降る声は、迎え討とう、と言った。戦闘の準備をしなくてはならないか…。
「いいですか?気を抜けば死にますよ?これは実戦です」
そう俺だけに聞こえる言ってきてくれたのは隊長。
そんなことは分かっている。その事は隊長も承知しているはずだ。多分、今回は異常性がかなり高いので、いつも以上に注意をしろという意味だろう。
しばらく走る。
すると、ほかの木に比べればずば抜けて高い一本の巨木が目に入った。
- 白と黒の境界 【白い偽善】 ( No.33 )
- 日時: 2012/10/18 22:16
- 名前: 和里 (ID: uwZWw1uD)
その巨木の根元に腰掛けていたのは、少女だった。俺が少女、と呼ぶには似合わないが。
日の光を受けて輝く銀髪が印象深い。シオンと同じ銀髪。しかし、受ける印象は全く別物だった。シオンが人なっこい家猫だとしたら、この少女は攻撃的な野良猫か…。少女との間に十数メートル距離を置いているので、詳しい容貌まではわからないが。
「貴様は何者だ!?」
部隊長は半ば怒鳴りつけるように問いをぶつけた。
少女は立ち上がり、質問に対する答えを述べるでもなくこう告げた。
「『人間を確認。排除します』」
その言葉は凍るような冷たさを持ってあたりに響いた。まるで機械音声のように無機的な声。
次の瞬間、様々な武器がこちらに<飛んできた>。少女は指一本たりとも動かしていない。ただ、どこからか光を纏って現れ、飛んできた。その数はざっと見たところ、50・60。
羽などついていないのに、だ。まるでひとつひとつに意志があるように。
「なっ!」
皆の口からでた言葉は同じ。綺麗にハモった。が、そんな事を感じている暇も与えず、指示が飛んだ。
「全員で対抗!副隊長、術徒は女だ!」
「はっ!」
鋭い返事と共に皆は同時に動き出した。
俺は、少女のもとへと隊長に付いて走る。
「ガルルゥぅ——シャァゥ!」
獣の叫び声のようなもなの。まあ目の前に見えているものがソレなのだからそうなのだろう。その獣は巨木の後ろから突如として飛び出し、こちらに向かって疾走してくる。ペールホワイトの毛皮をまとっている。毛並みはよく、ふわふわしていそうだが、黒く鋭い爪がそれをを否定しているような印象を受けた。
「くっ——!仕方ありませんね。ゼアル君はあの少女を!」
声を上げたのは隊長だった。初めてゼアル君と呼ばれたのだが、それに気づくほどの余裕は持ち合わせていなかった。
「はいっ!」
俺はそのまま真っ直ぐ走り、獣の爪の軌道をうまくかわした。が、眼前1メートル弱の距離に、何の前触れもなく、本当に突然、槍が現れた——!
「うおっ——!?」
あとほんの刹那、反応が遅かったらアウトだった。
俺はとっさに腰に下げていたリボルバーを引き抜き、顔と飛んでくる槍との間に滑り込ませた。
——ガッ!
その槍は見事にシリンダーを貫通。
もう使用は不可能だろう。
そこで俺は、自分が犯した事の重大さに気づいた。
——ああぁぁぁああぁぁぁぁぁああぁあ!
俺のリボルバーがぁ!!
しかし、後の祭り…。
いつもならここで悲嘆にくれるだろうが、今はそんな時ではない。感傷をすて、俺の相銃(愛銃?)である(今や槍の刺さったただの)リボルバーも右後方へ投げ捨てた。
高かったのに!ホント使いやすかったのに!!
そしてまた加速する。槍がリボルバー(場所で言うとシリンダー)に突き刺さってからここまで約2秒。
(リボルバー=回転式拳銃。シリンダー=弾倉(回転式弾倉)。)
前方を見ると少女も地を蹴っていた。仕方なく、今は亡きリボルバーの定位置よりも後ろ、腰骨の右上あたりに手を伸ばし、それを引き抜き、その勢いのまま迫り来る少女と切り結んだ。
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