二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

レッドレイヴン 〜Cat End〜
日時: 2012/03/29 16:53
名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)

 初めまして!黒簾香菜と申します。


 ちゃんと書けるかは分かりませんが、頑張ってみます。



 注意

・荒らしはしないでください。
・キャラ崩壊するかもしれません。
・もしも気に入ってくれましたら、感想を貰えると有難いです

  以上です!

 この他にも、「小説家になろう」という所で小説を書いています。そちらも見ていただけると嬉しいです。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42



Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.107 )
日時: 2012/06/23 17:20
名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)

 あれ?返信100回超えてましたか。全然気づきませんでした・・・
いつも好き勝手に書いているので。

 有難うございます!

 背景描写は、いつも分かりやすいようにって頑張ってます。気に入っていただけたなら嬉しいです♪
東洋の帽子屋さんも頑張って下さい!!

Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.108 )
日時: 2012/06/24 14:52
名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)

「えっ・・・?」

 視力を、奪う。つまりは、目を見えなくさせたのだ。
そんなこと、可能なのだろうか?そう思うが、バジルの目は本当に見えなくなったらしい。足元が覚束なく、フラフラしながら壁に手をつく。真っ暗な闇の中、敵と対峙しているような状態なのだ。誰であろうと不安になる。

「視力が・・・?そんなこと、出来るはずが「出来るさ」

 彼の声を、自信満々な鬼の声が遮った。腕を組み、仁王立ちの彼女は猫とはどこか一線を引く者だということがウォルターにも何となく分かる。

「人間の体の神経は、簡単に言ってしまえば軽い電気が流れることで動いている。それに妾の一部である自由に操れる電気を混ぜて操ってしまえば良い」

 笑いながらそう言うが、それも恐らくミハエルから教わったものだろう。


 死してなお、猫の身を守ろうとする。


 それが、バジルにとっては忌々しかった。
彼にも、ミハエルは手を差し伸べてくれていた。しかし、それを掃ったのはバジル自身だ。本当に救ってくれるなど、信じることが出来なくて・・・

 言ってしまえば、簡単な八つ当たりだ。

「もう終わりにしようか?妾にとって、貴様の存在などどうでもいい」

 こくり、と首を傾げて鬼は手を振った。魔法のように、バラバラになった斧の部品が手に集まる。それを組み立てて、盲目となった無力なバジルへと向けた。

 しかし、そこで彼女の意識が急速に切り替わった。猫の思考が、鬼へと流れ込む。

「ね・・・こ・・・?何故?だって、こいつは・・・」

 鬼が頭を押さえ、顔を歪める。

「おい、どうしたんだよ!?」

 その急な変化に戸惑い、ウォルターは彼女の肩に手を置いた。微かに震えていたその肩は、今は人形のように動かない。

「・・・成程?」

 くつくつと不気味に笑い、彼女は突然ウォルターの胸倉を掴んだ。彼の体勢を崩したまま、斧をガラスの無くなった窓から抛り、比較的近くまで来ていたバジルの腕も掴む。目の見えない彼には、何が起こったかさえ分からないだろう。 

「「えっ!?」」

 二人の声が重なる。それは、ウォルターとバジルのものだ。

「受け身、ちゃんととれ!!」

 信じられない腕力で彼ら二人を持ち上げて、鬼は先程斧を抛った所と同じ窓から外に出た。

 ————————ちなみに、ここは二階だ

「おいっ!」

 何かウォルターが文句を言おうとするが、そんなこと無視されて。
重力に引かれ、三人は勢いよく地面へと落下していった。

Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.109 )
日時: 2012/06/26 05:23
名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)

  ドサッ

 と、何かが落ちる音がした。そこは、今アンディが向いている方向・倉庫の出口付近にある草むらだ。
彼の背後にいる人々が、そこにも銃を向けたのが分かる。対して草むらに落ちてきた者達は驚くほど気が抜けていた。

「危ないだろぉが!殺す気か!?」

   『 一体何のことだ?それより、ここはどこだ? 』

「・・・ちっ・・・・“猫”に戻ったか」

 口々に何か言いながら草むらから這い出して来る。三人共葉っぱを頭や服に付けていてひどく間抜けだ。バジルは視力を取り戻したのか、普通に歩いていた。

「迎えに来たぞ。白いマフィア」

 堂々とした声が響いた。
部下達にアンディ達を警戒させたまま、ボスと思われる者が声を発する。そんな奴らにやっと気が付いたのか、真剣な顔付きになって猫とウォルターは彼らの方を向いた。

「・・・迎えなんて、呼んで無いんですけど?」

 軽口を叩き、怪我をした腕をかばいながらバジルが彼らの元へと歩いて行く。逃がしはしない、と猫が前へ出ようとするがウォルターが腕を掴んでそれを制した。

「ごちゃごちゃ喧しい。サッサと車に乗れ。ここから立ち去るぞ」

「・・・汚い車。こんなのに乗れってか?」

   バンッ

 劈くような発砲音が耳につく。ボスと思われる者は拳銃を取り出し、すぐ近くまで歩いて来たバジルの足元を打ち抜いていた。

「・・・・別にあたしは、貴様がここで殺されても構わないんだぞ?」

 威圧的に睨みつけてそう言う彼女(?)に何も言い返すことが出来ず、バジルは渋々車に乗った。それを見届けて、彼らの一部が車に乗り込む。しかし、残りの者達は銃をアンディ達に向けたままだ。

「退散するぞ」

「「「Yes!Boss!!」」」

 妙に統率された動きで次々と彼らは車へと乗り込んだ。その動きには、無駄も隙も無い。
全員が乗ったことを確認して、彼女はやっとアンディ達へと目を向けた。

 癖のない、ポニーテールに縛られた真っ直ぐで艶やかな黒髪が翻る。その隙間から、右耳についた一風変わったピアスが覗く。陶器のように白い肌と、精悍な顔付き。きっちりとしたスーツに包まれた体は細いが、胸だけが豊満で女性らしい。
濡れたような黒目が、三人を映す。しかしその右目は無く、ぽっかりと空洞になっている。

 赤い唇が笑みの形に歪み、言葉を紡いだ。

「・・・それでは、また会おう」

 軽く羽織ったコートを翻し、彼女は車に乗る。大きなエンジン音が倉庫全体を包み込む。

「まてっ!!」

 大きな声で叫び、猫がバジルを追おうとする。しかし、先の戦闘で乱れ、ダボダボの服を縛っていた紐は外れていた。それゆえに

「・・・うにゃ!?」

 ずれてきたズボンの裾に躓き、彼女は盛大にずっこける。そんな彼女を嘲るように車は倉庫を出発し、気が付けばその姿は見えなくなっていた。

Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.110 )
日時: 2012/06/29 04:40
名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)

   『 何故逃がした? 』

「今回の仕事は、クレギターとファシンダに対する処刑だけですわ。バジルはまだ残念ながら判定書に載っていないので。それよりも問題なのは・・・」

 場所は、ファシンダの倉庫内。アンディ、猫、ウォルターは地面に座り込み、大人しくロナヴィニの言葉を聞いていた。ちなみにシャルルはすでに起きているのだが、監視役である仕事を彼女に取られて出番なし。

「先程の女性。クレギターファミリーのボス。ヴィーナ・クレギターですわね」

「あぁ、クレギターのボスだったんだ。あの人」

 緊張感などお構いなしにアンディが呑気に相槌を打つ。そんな彼を無視して、ロナヴィニは話を続けた。

「・・・まぁ、とにかく。それぞれ休みたいでしょうし、クレギターへは明日行きましょう!そして猫!その服何とかしなさい!」

 あまりにもサイズが大きすぎて、処刑の為に動き回るには彼女の服は邪魔だ。宿へと帰る途中で食事と猫の服を買うことに決めてアンディ達は立ち上がった・・・・のだが。

「・・・おい、“猫”」

   『 何だ? 』

「そこから降りろよ!邪魔だ!」

 何故か猫はウォルターの棺桶に登り、決して降りようとはしなかった。
正直、その棺桶はとても重いのだ。いつもウォルターは息を切らしながら必死にそれを運んでいる。そんなただでさえ重たい棺桶に、比較的軽いとは言っても人一人乗っては動かすことも難しいだろう。

「・・・何やってるの?」

 そんな二人のやりとりに気づいて、アンディがやって来る。首を傾げて、何かに気づいたのかウォルターと言い合いをしている猫のズボンの裾を捲った。

「・・・腫れてる、ね」

「真っ青だな」

 その言葉に、彼のフードに入っていたシャルルが相槌を打つ。急に耳元で声を掛けられ、驚いた様にアンディは目を丸くした。

「起きてたの?」

「ずっと前からな。でも、そんなことが知られたらまた・・・」
  「ごちゃごちゃと五月蝿いですわ!愚鈍なポンコツはゴミ屑らしく、その中で一生眠っていなさい!」

 大声を出して、ロナヴィニがシャルルの頭へと突撃して来る。それを軽くアンディはシャルルごと避け、フードの中にいる彼を掴んでロナヴィニの目の前に突き出した。
これで、アンディが危険なロボットのくちばしの攻撃を受けることは無い。

 裏切り者!と、ロナヴィニから逃げ回るシャルルが叫ぶがアンディは気にしない。

「足が痛いって言えばいいのに」

 シャルルを無視して、ウォルター達二人に向き直った。アンディの言葉を聞き、少し恥ずかしそうに頬を染めながら猫が反論する。

   『 余計な迷惑をかけるつもりはない 』

「俺が迷惑なんだが!」

 少し憤慨したように、ウォルターが叫ぶ。しかし、いくら叫んだところで猫が歩けないことに変わりはない。
白く細い足首は、内出血で真っ青になっていた。腫れもひどく、見ていて痛々しい。少しでも動けば激しい激痛が彼女を襲うであろう。

   『 それなら、どうしろと言うんだ? 』

 もっともな疑問に、アンディが提案を出した。

「それならさ・・・」

Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.111 )
日時: 2012/07/02 15:03
名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)

 漆黒の車の中では、沈黙が続いていた。ぼーっと車窓から外を眺めるボスの雰囲気に、部下達は何と声を掻けたらいいのか分からないのだ。
しかし、一人の部外者はそんな事お構いなしに沈黙を破る。

「何も言わなかったんだ?」

 その言葉に、彼の後ろに座った女性は答えない。

「久しぶりなんだろ?」

 あえて遠回りな言い方をして、彼女の出方を伺う。その事にイラついてか、彼女はやっと口を開いた。

「・・・アレは、強かったか?」

 その質問に黙ったのは、バジルの方だ。アレが何を指しているのか、彼はよく分かっている。
丁度数十分前に、それに傷を負わされたばかりなのだから。

 その様子で答えが分かったのか(予想はついていたのだろうが)満足そうに彼女は頷く。微かに、その顔に労わる様な、どこか優しい表情がよぎった。

「成程。こっ酷くやられたようだな」

 図星を突かれて嫌そうな顔をするバジルを嘲笑して、やっと話の本題に入る。

「・・・スキャッグスとの取引は、これで終いにするつもりだ」

「・・・」

 まだ先程言われたことに傷ついているのか、彼は答えない。だが、話は聞いているようなので彼女は後を続ける。

「レッドレイヴンが来ている。さっき見た通り。ファシンダの奴らと同じように、あたしも明日にはああなるだろう」

 その瞳には、何もなかった。
何かを楽しみにしているようにも、何かを悔やんでいるようにも、悲しんでいるようにも見える瞳。そんな表情を彼女がする意味を、部下達はよく知っていた。

「部下達には、ファミリーを続けたい奴は続けさせて、他に行きたい奴は行かせる。あたしがボスとして上に立っているクレギターファミリーは、スキャッグスファミリーと取引をするつもりはない。後に続けた奴がどうするかは知らないが」

 そっけなく呟き、彼女は前を見つめた。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42



この掲示板は過去ログ化されています。