二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- レッドレイヴン 〜Cat End〜
- 日時: 2012/03/29 16:53
- 名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)
初めまして!黒簾香菜と申します。
ちゃんと書けるかは分かりませんが、頑張ってみます。
注意
・荒らしはしないでください。
・キャラ崩壊するかもしれません。
・もしも気に入ってくれましたら、感想を貰えると有難いです
以上です!
この他にも、「小説家になろう」という所で小説を書いています。そちらも見ていただけると嬉しいです。
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- Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.192 )
- 日時: 2012/12/01 05:59
- 名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)
「・・・ヘヴン」
「やあやあ!元気そうで安心したよ。今日はね、前の約束通り迎えに来たんだよ♪」
「ナイフを下ろせ」
「怖い顔しないでよぅ。ちょっとからかっただけだからさ!」
シグマの言葉に、ヘヴンと呼ばれた彼はあたしからナイフを引いた。気が付けば、背中に冷や汗をびっしりとかいている。
「まま?」
不安そうに、あたしの顔をティアラが覗きこんでくる。しかし、あたしにもまだはっきりとした状況が分からない。
どうしたらいい?まずは、情報を集めて現状を知るべきか?
「悪いが、もうお前とは一緒に行けない」
混乱しているあたしの耳に、その言葉が届く。
どうやら、この怪しい男は彼の知り合いのようだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ?」
そのことをあたしが認識した瞬間、ヘヴンと呼ばれた男の笑顔が凍りつく。
あたしにも分かる、彼から立ち上る気配は———————殺気。
「前は、お前と一緒に行っても良かった。けど、今はもう無理だ。俺には、ヴィーナも、ティアラも・・・クレギターファミリーの皆もいる。俺はもう、昔の俺じゃない」
こんなに真面目な表情をして語る彼を、あたしは初めて見たかもしれない。
そんなにもヘヴンに語り聞かせる彼は、真面目で真剣だった。
「・・・・・・・・・・は?な・・・・に、言ってんの?」
ヘヴンから立ち上る殺気が増す。
憎悪。嫉妬。恨み。困惑。怒り。
様々な感情が煮込まれた瞳で、ヘヴンはシグマを見つめ返す。
「研究が一通り終わって、スキャッグスから離れる時にシグマさん、言ったよね?“研究が完成したら、俺らは廃棄処分にされるだろう。お前の研究が終わるまで、俺はお前を外の世界で待っていてやる”って」
「“そして外国にでも逃亡しよう”————確かに、俺はそう言ったさ」
あたしには、それが何のことだか分からない。しかし、過去に二人は何かの約束をして別れ、その約束を果たすためにへヴンはシグマに会いに来たことだけは分かる。
恐らくヘヴンは、その約束を心待ちにしていたのだろう。シグマとどこに行こうか、そんなことばかりを考えていたに違いない。
しかし、彼の想像には存在しないイレギュラーが現実にはいたのだ。
—————あたしと、ティアラ
「だが、それはお前を止められるのが俺しかいないと思ったからだ。ヘヴン。お前は————・・・・危険だ」
驚愕に目を見開いたのがわかる。
手に持っていたナイフが、音を立てて砕け散った。
「他社に依存しなければ、お前はまともに生きていけない。だから、昔の俺は大切なものが俺自身しかいなかったから、お前の関心を俺に向けさせた。だが、今は違う」
愛しいものを見る目つき。
いつもと何一つ変わらない、優しい微笑みをたたえたままシグマは言った。
「俺にも出来たんだ・・・・本当に、大切なものが」
その告白は、あるものには喜びを与え。
またあるものには、絶望を与える言葉だった。
- Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.193 )
- 日時: 2012/12/05 04:48
- 名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)
「嗚呼、そっか」
絶望を与えられた男はそう呟いた。
その表情に、もはや笑みは無い。
「何だ・・・・同情、してただけ、か」
「ヘヴン・・・・本当にごめ・・・・っ」
シグマが、吹っ飛ばされた。全く、残像さえ目に見え無い。
「シグマっ!!」
「ぱぱぁ!?」
腕の中のティアラが、痛みに呻く彼を見て不安そうにむずがる。
「ボク、研究中の激痛にも不安にも、ずっと耐えてたんだよ。ルートナンバー内で、あの研究者どもはボクが一番扱いにくかったみたいでさぁ。研究に一番時間がかかったんだ」
手の中で粉々になったナイフを握り締めたまま、十メートル近く移動したシグマを睨みつけるヘヴン。
その顔はまるで、親に見放された子供のようだ。
「でもさぁ・・・ボク、シグマさんと約束したから。外に、シグマさんと一緒に行きたかったから。ずっと、ずっとさぁ—————我慢したんだよ?」
あたしも理解する。これは、シグマが悪い。
しかし、ここまで他者に依存するヘヴンは何か恐ろしいものに見えた。
「でも、何?妻と子供ができたから、ボクに諦めろって!?この数年間、ずっと耐え忍んだボクとはお別れだって!?ふざけるなよ!!」
恐ろしい憎悪を孕んだ瞳が、あたしを映す。
危険だ。まるで、猛獣でも敵に回したかのような不安。背筋が一瞬にして凍りつく。
「分かったよ。こいつらだろ?こいつらがいるから、シグマさんはボクと来てはくれないんだ・・・」
ナイフの破片で切れた血まみれの手が、迫る。
「そんな奴らは、いらないよね」
- Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.194 )
- 日時: 2012/12/08 21:47
- 名前: 故雪 (ID: 2rVxal1v)
こんばんは!
名前を変えました♪元・実咲です。
シグマの告白の意味・・・・・・残酷ですね・・・。
更新、楽しみにしてます♪
- Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.195 )
- 日時: 2012/12/11 05:57
- 名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)
どうも。風邪で寝込んでました。結構辛かったです。
実咲さん改め故雪さん。コメント有難うございます♪
シグマの告白は残酷ですよね・・・
でも、ヘヴンの危険さを考えるとこれしか思いつかなかったみたいです。
番外編・ヴィーナの話もそろそろ終わりです。
シグマからの告白はまだ他にもあるんです。
- Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.196 )
- 日時: 2012/12/11 05:58
- 名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)
破壊力抜群の速さで、ヘヴンの拳があたし達に迫る。
その早さを目で追うことに精一杯で、避けることは出来ない。
「——————っ!!」
思わず腕の中のティアラを抱きしめ、目をつぶる。
次に来る衝撃を想像し、身構えていたあたしだったが、いつまでたっても彼の拳はあたしに触れない。
「えっ?」
不思議に思い、目を開いてみるとそこには信じられ無い光景が広がっていた。
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