二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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レッドレイヴン 〜Cat End〜
日時: 2012/03/29 16:53
名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)

 初めまして!黒簾香菜と申します。


 ちゃんと書けるかは分かりませんが、頑張ってみます。



 注意

・荒らしはしないでください。
・キャラ崩壊するかもしれません。
・もしも気に入ってくれましたら、感想を貰えると有難いです

  以上です!

 この他にも、「小説家になろう」という所で小説を書いています。そちらも見ていただけると嬉しいです。

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Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.67 )
日時: 2012/05/27 05:26
名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)

 ポタリ、と涙が落ちた。
悲しみ、憤り、不安、辛さ。様々な感情の混ざった表情。

 今まで見たこともなかった鬼の表情だった。

 いつも自信にあふれていて、猫第一の考えで、負の感情とは全く無関係そうだったのに。
今の彼女は、少しでも触れれば壊れてしまう。

「分からない・・・・」

 握りしめた手を開き、自身の体を抱きしめる。

「研究所から、ミハエル達と逃げ出したんだ・・・・・スキャッグスの思想には、ついて行けないからって」

 ミハエルは、その頭脳を買われて派遣されて来た研究員だった。他にも数名が研究所へと派遣されてきた。
しかし、スキャッグスの思想に共感出来ず、逃げ出した。

 綿密な計画。その中には、逃げ出した後の追手を撒くために猫の力が必要不可欠だった。
猫はミハエルに懐いていたし、逃げ出すことには賛成していた。だから鬼も了承した上で研究所を逃げ出したのだ。

「ミハエルの計画通り事が進んで、追手も撒けて、全てが順調で・・・・・・」

 それなのに

「逃げ出せた事に皆で喜び合って、その間は無防備だから妾が電気を放電して周囲を警戒してて・・・・」

 偶然だったのだ


  『あの場所から出られたのだから、もうあんな化け物とは縁を切りたい』

  『ずっと一緒にいては、こちらが殺されてしまう』

  『“多岐の鬼”なんてもう・・・・いらないだろう?』

「本当に、偶然。研究員達の思考が読めてしまって・・・」

 そうしたら、あまりにも猫が不憫になった。
彼らの考えている事も知らず、猫は笑っている。

 自分は役に立てたのだと。

 彼らの一員として認められたんだと。

 そう、信じて。思い込んでいて。
無邪気な笑顔を彼らに向けている。

 彼らが内心、何を思っているのかも知らず・・・・

「妾は、何が何だか分からなくて・・・・・気が付けば力を行使し、ミハエルもろとも全員を殺してしまっていた」

 そして、猫の記憶から自分に対する記憶を消去した。


 怖かったのだ。

 自分の存在を認めてくれた数少ない者に、否定される事が。

 恐れていたのだ。

 お前なんかいなければ良かったのだと罵られ、自我が消失してしまうのを。



 鬼は猫から忘れ去られることで、自分を保とうとしたのだ。

「罵りたかったら罵ればいい。お主だって、研究所で唯一自分の事を人間扱いしてくれていたミハエルの事を尊く思っていたのだろう?」

 本当はそんなことなど欠片も思っていないだろうに——————

 無理をして・・・

「ミハエルを殺したのは、妾だ」

Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.68 )
日時: 2012/05/20 12:40
名前: 黒猫 (ID: 0/Gr9X75)

 …辛い、過去があったんですね。
 鬼ってすごくいい奴です!応援したいと思います
 続き、楽しみに待ってます

Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.69 )
日時: 2012/05/20 15:45
名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)

 普段はふざけてるんですけど、根は良い子なんですよ!
私、鬼は大好きです♪出番増やしたいなぁ。でもしばらくは無理だしなぁ・・・

 難しい所ですが、頑張ります!

Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.70 )
日時: 2012/05/20 15:50
名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)

「やっぱりそうだったんだ・・・」

 納得のいった顔をして、アンディは布団を手に取るとソファーへ寝転がった。その様子に意外そうな顔をして、鬼はアンディの寝ているソファーに近づく。

「怒らないのか?」

「変なこと言わないでよ」

 不安そうな顔をする彼女に、彼は容赦なく言葉を浴びせる。

「君は、僕に罵られて安心したいだけだろう?僕は処刑器具だが、君は判定書に載っていない。君を罰する理由なんてどこにもないさ」

 そう切り捨ててソファーの上で丸くなるアンディに、鬼は泣きそうな顔をしながら触れる。髪を弄びながらか細い声で囁いた。

「殴ってくれ・・・・罵ってくれ・・・・そうすれば、妾は自身が罰せられたのだと思い込める。もう罪を背負うことは無いのだと安心できる。そうしたら、“猫”に顔向けできる」

 祈るように、縋るように、髪を弄っていた手をアンディの手に移し、きつく握りしめた。痛いだろうが、アンディは何も言わない。ただ、目を瞑り、鬼を無視し続ける。

 しばらく経つと諦めたのか、鬼はアンディから離れてベッドへ向かった。しかし、未練があるのか振り返り、背を向けたまま眠っているアンディをぎゅっと抱きしめる。

「人と触れ合うなど数年ぶりだ。これ位は我慢してくれ」

 少し寂しそうな表情が大人っぽさを増し、さらに妖艶に見せていた。しかし、その顔はアンディには見えないので彼は鬼の吐息と体温だけを感じている。

「ありがとう。少しだけ安心した」

 耳元で囁くと、くすぐったいのかアンディは身をよじった。そんな彼を愛おしそうに見つめながら、頭を軽く撫でて鬼は離れる。
アンディの体温が体に残り、自分は一人じゃないのだと少しだけ思うことが出来た。

 満足そうにうなずき、鬼はベッドに寝転がる。


 誰もこの罪を罰してはくれないのだから。

 どれだけ重くても、自分で背負うしかない。

 覚悟を決めて、鬼は眠りにつく。
猫の体を抱きしめながら——————

Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.71 )
日時: 2012/05/20 21:08
名前: 黒猫 (ID: 0/Gr9X75)

 本当に鬼っていい人ですね。僕、こういう人好きです。
 これからも、頑張ってください


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