二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- レッドレイヴン 〜Cat End〜
- 日時: 2012/03/29 16:53
- 名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)
初めまして!黒簾香菜と申します。
ちゃんと書けるかは分かりませんが、頑張ってみます。
注意
・荒らしはしないでください。
・キャラ崩壊するかもしれません。
・もしも気に入ってくれましたら、感想を貰えると有難いです
以上です!
この他にも、「小説家になろう」という所で小説を書いています。そちらも見ていただけると嬉しいです。
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- Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.87 )
- 日時: 2012/06/05 20:47
- 名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)
こんばんわです!(こんにちは?)黒猫さん♪
実は、大人しく戦闘シーンには行かないんですよね・・・
それでも、続きを待っていただけたら幸いです。
- Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.88 )
- 日時: 2012/06/05 20:48
- 名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)
一瞬だった。
『 自分で避けろ! 』
約二十人いたファシンダの者達の十名以上が、猫の電撃で感電し倒れる。それをギロチンや棺を使ってアンディ達は何とか避けた。
「ちっ・・・・政府の鴉になり下がったか・・・・」
残ったのは盾によって守られたファシンダのボス・ケインとその近くにいた6名のみ。そして、アンディ達が身を守った時に傍に居た為偶然電撃の当たらなかった下っ端の男。
「えっ?えっ?レッドレイヴン・・・??」
どうやらこの男、本当に頭が足りていなかっただけらしい。未だに混乱して銃をウォルターに向けようとする彼を、アンディは殴って気絶させた。
あれ程いた味方がたった一撃で倒され、猫の力の恐ろしさを目の当たりにしたケイン。
「本当に惜しいよ・・・・君の力は政府の下ではなく、我々のような者が使うべきだ」
悔しそうに言う彼に、アンディは堂々とした声で答えた。
「“力”は所詮“力”でしかないよ。それに、“猫”が選んだ結果はコレだ。君が変えられるものじゃない」
ファシンダの部下が倒れた時に落としたスキャッグスを武器(ギロチンの刃)で破壊する。まるで、ケインの思想を破壊するかのように・・・
「僕らが君を殺して、終わりさ」
そうアンディが言っているうちに、猫は奪われていた斧が入ったケースを取り戻した。銀を含んだ眩い輝きの斧が、あっという間に組み立てられる。
ウォルターが棺桶の中から十字架の形をした釘の様な武器を取り出した時だった。
・・・ゴォン
聞いたこともない不思議な音がして、ケイン達の背後にあった本棚が横にずれ動く。
「隠し扉・・・?」
それの存在に気づいた時には、ケインを含んだ三名が扉から脱出した後だった。
- Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.89 )
- 日時: 2012/06/06 17:45
- 名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)
「逃げられたか・・・」
足止めのために残った残り三人を相手に、ウォルターは一歩前へ出た。
「追ってこい。こいつらは、俺が相手をする」
『 平気か? 』
三対一だ。不安にもなる。
「屋敷は広いんだ。あそこからどこに通じているのか分からないし、探すしかないだろ」
探す人数は多い方が良い。
そうポツリと呟き、ファシンダの者達が経路を塞ぐ前にウォルターは動き出した。
「早くしろ!多分車か何かで逃げるつもりだ!」
棺桶で銃弾を防ぎ、釘を使ってスキャッグスを壊す。使い物にならなくなった銃を捨ててナイフで攻撃を仕掛ける男を迎え撃ち、ギリギリで背後から撃たれた玉を避けた。
ウォルターを信頼して、アンディは倒れてドアを塞いでいる男達を無理矢理どける。
『 良いのか?相手は三人だぞ! 』
そんなアンディに不安げに言葉を送る猫を一瞥もせずに、彼はやっと開いた扉から廊下へと飛び出した。
「平気だよ。あんな奴らに、ウォルターはやられない」
そう自信たっぷりに言う彼の言葉に、猫はやっと足を動かす。
『 ・・・ケイン・ファシンダの居場所が分かった 』
ウォルターが逃げやすいように、扉を開け放したまま
『 離れにある倉庫だ 』
猫はそう言葉を送って、アンディの背を追いかけた。
- Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.90 )
- 日時: 2012/06/08 21:46
- 名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)
本当に、ここにいるファシンダの者は多い。
そのことを実感したのは、猫とアンディが廊下に出てからだった。
銃声を聞きつけたのか、この屋敷中のファシンダの手下がボスがいた部屋へと駆けつけてきたのだ。一歩進めば銃弾の嵐が襲い、彼らを倒して一歩進むとまた大量の鉛玉に襲われる。
アンディがいくら腕を振るい、銃弾を弾いても。猫がいくら電撃で気絶させ、斧で殴りつけてもきりがない。
「くそっ・・・!」
こうしている間も、ケインは逃げる準備を進めているのに・・・
焦ってもしょうがないとは思っているが、焦らずにはいられない。
『 数が多すぎる 』
一体何人倒したことだろう。いい加減、敵がいなくなってきた時。
「汚いな・・・。全く、何でこんな所・・・・帰りたい・・・・・帰ってとりあえず着替えたい・・・」
そう呟きながら、二人が倒した人間達を踏みつけながら歩いてくるのは。
「バジル・・・?」
『 何故、ここに 』
白いスーツを着込んだ、リバースナンバー004。“侵食の掌”(イローション・パルム)を持つバジルだった。
- Re: レッドレイヴン 〜Cat End〜 ( No.91 )
- 日時: 2012/06/10 05:57
- 名前: 黒簾香菜 (ID: xJuDA4mk)
猫が忘れ去ってしまった、遠い過去の記憶。
それをかき集め、整理して鬼は暇をつぶしていた。これは恐らく、後々猫のためにもなるだろう。
そう思い、猫が生まれた時の記憶やスキャッグスに連れてこられた時の記憶の断面を集め、繋ぎ合わせていた。
その中の一つを覗き、鬼は手を止める。
その光景は恐ろしいほどに美しく、煌々として綺麗で。
溢れそうなほどの悲しみが詰まっていた。
一人の女性が、幼い、三歳位の猫を抱いていた。
安らかな寝息を立てている彼女の柔らかな頬に、女性はそっと触れる。癖のない、ポニーテールに縛られた真っ直ぐな黒髪が風に靡いた。
何があったのか、女性はあちこち傷だらけで体の一部を失ってさえいる。それでも、猫を撫でる手は優しく、温かい。
「ボス!」
穏やかなその光景に近寄る者がある。
スーツを着た一人の男性が、十数人の男達を引き連れて女性の背後に立った。
「やはり、止めましょう・・・・・俺達は、これで構いません。金なんか無くても、ボスと共にいられればそれで・・・」
不安そうな顔で男はそう言う。後ろに控えた者達も、納得するかのように頷いた。
しかし、彼らに背を向けたままの女性の声は冷たい。まるですべてを拒絶するように、赤い唇が言葉を紡ぐ。
「・・・・“一話一話を演じながら、生きる事こそ人生だ”・・・そう、何度も言っているだろう?」
「ボス。だからって、嬢さんを渡すなんて・・・」
「これでファミリーの者達は生き延びられる。・・・それなのにお前たちは、これ以上何を望む?」
「俺達は・・・・」
男の声は、風によって掻き消された。
そんなに広くない、しかし手入れの行き届いた花園には美しい花々が咲いている。その中の白薔薇を手で千切り、猫の髪にそっと挿す。棘で切れてしまった掌から、真紅の血が流れた。
「俺達は、ボスがいればいい。ファミリーも、住民も関係ない。ただ、ボスに笑っていて欲しいんです」
「・・・・そうか」
溜息をつき、やっと女性は彼らの方を向いた。
「お前達がそう言ったところで、あたしの意見は変わらんよ。・・・手は尽くした。それでもこの結果になってしまったのだから、元からこの子をあいつらに渡さねばならない運命だったのだろうよ」
「良いんですか?それでボスは、幸せなんですか?」
先程の男とは別の者がそう言う。それに答えるかのように、女性はにっこりと微笑んだ。
しかし、その目には今にも溢れそうな涙が溜まっている。
「あたしはこれで構わない。それに、あいつらだってこの子が欲しいとずっと前から言っていただろう?」
花園の入り口に車が止まった。そこから数人の男達が出てきて何も言わずに女性の腕から猫を奪い、彼女を抱いたまま車に乗り込んだ。
「あの子は、アレの娘だ。元からこうなる生まれだったのだ」
車のドアが閉められ、女性達の声は届かなくなる。隙間から見える彼女は、傷だらけの掌をぎゅっと握りしめて涙を流している。
女性の血が微かについた白薔薇を髪に挿したまま、猫は薄目を開けて車の中から遠ざかるその女性を見ていた。
「まぁま・・・?」
花が散る。
別れを惜しむように。
それは、とても美しい光景だった。
しかし、それを猫に思い出させてはいけないと分かっていたからこそ、鬼は大量の記憶の渦の奥深くにそれをしまい込む。
『 これは時が来るまでしまっておくしか無いな 』
そしてまた、他の記憶の欠片に手を伸ばした。
『 愛しい愛しい“猫”の為に・・・ 』
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