複雑・ファジー小説
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- *Tarot-Labyrinth* コメ募集中><
- 日時: 2011/10/15 15:23
- 名前: 奏 (ID: mtBKxXTx)
はじめましての方ははじめまして。
二次小説で「悪ノ物語」というものを書かせていただいていた奏(かなで)です^^
そっちが完結したので、今度はオリジナルで書かせていただきます。
ちなみに、複雑・ファジーということなのですが、
80%がコメディ・ライトです。
あまり重い話はないですので、ご安心を´ω`*
■読む前に注意■
・奏のことが嫌いな方は回れ右
・荒らし、中傷目的の方も回れ右
・複雑・ファジーなのに重い展開少ねぇじゃん!ヤダ!って人も回れ右
・更新が休日だけだったりとかが嫌なかたは回れ右
・厨二的なものが受け入れられない方は回れ右
(↑実は一番重要)
基本金曜・土曜・日曜のいずれかの更新になるかもですが、
気長に待っていただけると嬉しいです。
キャラは多いのでここには書きません^^;
>>1 【主人公級キャラ】
>>2 【敵級キャラ】
>>3 【その他キャラ】
>>6 【用語説明】
- Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.69 )
- 日時: 2011/07/07 00:03
- 名前: 奏 (ID: 8q90sanJ)
第39話 遭遇
* ちとせside
私は小さなスーパーに来ていた。
買い物メモを見る限り、大きなお店に行くまでもなかったからだ。
ひんやりとした店の中に入り、
買い物カゴを手にしたとき、
私は、とある人物らが棚の前で商品を見比べていることに気づいた。
それは、出会ってもまったく嬉しくない人物たち。
いや、むしろ危険だと思ってもいいだろう。
一旦店を出ようか迷ったが、帰るのが遅くなるのは避けたい。
仕方がないので、気づかれないように買い物を済ませることにした。
が、やはりそれもなかなか上手くいかない。
私は、入り口側から出口に向かって、順番に棚を巡っていたのだが、
その人物たちは買い忘れがあったらしく、
逆のほうに戻ってきてしまい・・・さらには、私とばったり遭遇してしまった。
・・・まぁ、なんやかんやで今、そいつは目の前にいるわけなんだけど。
「・・・まぁまぁ、珍しい方にお会いしましたわね。」
そう、その声の主っていうのは、あの悪ガ・・・もとい、真里亞。
そして、その後ろにくっついている、初めて見る少女。
私は、無意識のうちに固まっていた。
最悪の状況だ、仕方ないとすら思う。
しかし、真里亞はそんな私を見るなり、呆れたようにため息をつき、告げた。
「あのー・・・そんなに警戒しないでくださいません?」
「え。」
「流石に、お店の中で戦おうなんて野蛮なこと、しませんわよ?
私だって、人の目くらい気にしますし、カードに関わりのない人間を
巻き込むつもりだって端からありませんわ。」
意外な言葉だった。
怯えたように固まっていた自分が恥ずかしい。
真里亞は、私の隣にあった棚から小麦粉の袋を取り出すと、
「行きますわよ、リゥ。」
と後ろにいた子に告げ、その場をあとにした。
私はというと、こんな言い方をするのもおかしいが、
無事に買い物を一通り終えた。
途中、真里亞たちが店から出て行くのが見えたため、
妙に安心した。
帰り道、
家にたどり着くためには、
なぜか、狭い路地を通ることが多い。
狭いといっても、普通に人が通れるし人通りがないわけじゃないので、問題ないのだが。
が、私が通ったとき、他に誰もいなかったのだ。
それがきっと、災いしたんだろう。
「Poison Box」
後ろからそんな声が聞こえた瞬間、私の目の前に、薄紫色の壁が現れた。
・・・いや、正確には、
私は“薄紫色の箱のようなもの”に閉じ込められていた。
「な・・・!?」
慌てて周りを見渡すと、
そこには、つい先ほどまで顔を合わせていたアイツがいた。
「マリア!!」
「・・・リゥがいて助かりましたわね。
買ったもの持ちっぱなしで戦うなんて無理ですもの。」
そういえば、小さな女の子がいない。
・・・そうか、荷物を持たせ帰らせて、自分は待ち伏せしていた、と。
「あんた、さっきは戦わないって・・・!!」
「・・・さっきはお店の中ですもの。
ここなら、誰にも迷惑なんてかかりませんわ。」
真里亞は見下したようにフンと鼻を鳴らした。
閉じ込められていても、会話が成立するってことは・・・音は外にも聞こえるのか・・・。
でもそれが分かったところで、助けなんて呼べないし、
呼べるような人物が通るとも思えない。
「とにかく・・・ここから出しなさいよ!」
「出してあげられますわよ?・・・カードを譲るというのなら。」
「・・・っ!誰がっ!!」
真里亞は腕組をし、しばらく何事か考えた後、
私に目の高さを合わせ、にやりと笑ってつぶやいた。
「・・・この箱、『毒の箱』って言うんですけれど、
何が起こるかご存知ですか?」
「はぁ?」
「この箱の壁から、毒が発生されているんですのよ。今も。
早く出ないと・・・まぁ、大変なことにはなるでしょうね。
何か体に異常はありませんこと?」
信じたくはないが、さっきから体が重く、頭が重い。
正直気を失いそうになる。
箱の中で座り込んだ私を、真里亞は嬉しそうに見下していた。
・・・あぁ、私が意識を失えば、それはそれでカードを奪われるのか。
こいつ、どんだけ卑怯なんだ。
・・・いや、こんなこと考える余裕はないか。
意識がはっきりしなくなってきた。
この道を通る人は何人かいたが、みんな素通りして行った。
これも、真里亞が能力を使ってどうにかしているのだろう。
それより私は・・・
どうしたらいいのだろうか。
「・・・な。」
「・・・?」
「・・・・・・れ・・・な。」
「あら、人を頼りますのね。
・・・無駄だと思いますけれど・・・。」
「・・・・・・助けて、怜菜ッ!!」
私の視界から、“薄紫色の壁”が消えた。
いや、箱が、くだけ落ちていた。
と一緒に、地面が濡れていた。
「・・・・・・あぁ・・・しつこいですわね。」
真里亞がだるそうな声をあげる。
重い頭を上げ、隣を見ると、
渦を巻く水。
そしてそれを支える、見慣れた姿が・・・
私の、幼馴染であり、親友であり、家族である、
怜菜が、いた。
- Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.70 )
- 日時: 2011/07/15 22:34
- 名前: 奏 (ID: fh.wbL8r)
眠気我慢して書いたのが消えたあああああ!!
すいません、、
また暇ができたら書きます・・・;;
今日はもう気力と眠気がww
- Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.71 )
- 日時: 2011/07/17 18:12
- 名前: 奏 (ID: RjGXEztJ)
第40話 頼るべき者
* ちとせside
「・・・れー・・・な・・・?」
「遅くなってごめんね、大丈夫?
都和から、ちとせが危険かもって言われたから、ずっと探してたんだ。」
「あー・・・あた・・・しは・・・だ、だいじょ・・・ぶ。」
上手く舌が回らない。
毒のせいだけではないだろう。
怜菜がここにいることに、私は驚きを隠せなかった。
「あーあ・・・やっぱり、
もったいぶらずに即効性の毒を使っておけばよかったですわ。」
真里亞はやれやれといった様子で呟いた。
それに対し、腕の周りで水を回らせながら怜菜が言う。
「・・・私の大事な人たちを、傷つけたら許さないよ。」
フン、と鼻を鳴らした真里亞は、一瞬だけ私を見ると、怜菜の目を真直ぐ見つめた。
「素人使いに、私が倒せるとでも?」
「素人だって、前より成長してると思う。
それに、今は素人とかそんなの関係ないよ、
・・・マリアが、私の大事な人を傷つけるなら、私はそれを許すわけにはいかない。」
真里亞は黒い羽を広げ、浮かぶ。
まるで、受けてたつとでも言いたげに。
「ちとせは・・・ここで待っててね。」
怜菜は、情けなく座り込んでいる私に、いつもの屈託のない笑顔を見せた。
思えば、この子は私の知らないうちに大人になった気がする。
いや、まだまだ私には甘えることもあるし、だだをこねることもあるし、
十分子供なんだけれど、
それでも・・・何かが変わった気がする。
小さいころ、近所の犬が怖くて、ずっと私の背中に隠れて、
人見知りで、いつも出かけるときは私と一緒じゃないと行かない、なんて言ったりして。
「怜菜はちとせちゃんと一緒じゃないと何もできないのね。」
怜菜のお母さんも、笑いながらそんなことを言っていた気がする。
だから私は、いつの間にか怜菜に・・・いや、怜菜だけじゃない。
みんなに、頼られるポジションになっていた。
それは、仕方のないことだと思ってた。
けど違う。
私が、みんなに頼ろうとしていなかっただけ。
だから、怜菜の成長にも気づいていなかったんだと思う。
あぁ、意識がはっきりしてきた。
いまだ、私の目の前では戦いが繰り広げられている。
だが、さすが真里亞というべきなのか・・・強い。
怜菜から放たれる水の攻撃を、軽々とかわしていく。
だが、怜菜も引く気はないようだ。
怜菜が、心配そうなまなざしで、こちらに視線を移す。
「・・・よそみは・・・いけませんわよッ!!」
「!!?」
怜菜はその隙を狙われ、真里亞の毒風を食らい、
コンクリート向かって真っ逆さまに落ちてくる。
背中がコンクリートにぶつかる寸前・・・!
「Poison Box!!」
怜菜の周りに、見覚えのある薄紫色の壁が現れた。
「・・・こ・・・これッ・・・」
「怜菜!!」
怜菜は、完全に先ほどまでの私と同じ状態に陥ってしまった。
さらに、1分もしないうちに箱の中で座り込んでしまった。
「さて・・・と。
さっきより毒は強いものにしましたから、時間の問題ですわね。」
真里亞はそう呟くと、うっすらと笑みを浮かべた。
「・・・ごめんね、ちとせ。」
箱の中から声が聞こえる。
そうか、箱を通じても声は聞こえるんだったっけ・・・。
「私・・・ちとせのこと・・・助けに来たのに・・・
結局、役・・・立ってないよね・・・ごめん。」
怜菜はさも悔しそうにそう告げた。
『助けに来た』
初めて怜菜から聞いた言葉だった。
今まで私が頼らなかったから、聞けなかった言葉。
その言葉を聞いた今・・・
私は、どうするべきだろう。
「さぁ・・・邪魔者は動けない・・・。
どうしますの?女教皇。」
「・・・・・・・・・。」
「いや、貴女だけではありませんわね。
上手くいけば・・・この素人節制をも奪えるかもしれませんわ。」
真里亞は、フォークの刃先を確認すると、
私に向けてそう言い放った。
私は・・・どうしたらいい?
私だけじゃなくて、怜菜まで被害を被ることになる。
・・・そんなの、駄目だ。
どうしよう、どうしたらいい?
立ち向かう?
それもいい。だがどうやって?
『落ち着いて、チトセ』
頭に声が響いた。
聞きなれた落ち着いた声、女教皇の声。
『冷静になりなさい、貴女は女教皇・・・冷静であるべき』
分かってる、分かってるけど・・・。
『大丈夫、今の貴女なら・・・人に頼れるってことに気づけた貴女は・・・
女教皇の使いに、近づけた。』
どういうこと・・・?
『今なら、大丈夫。
私を信じて、私に合わせて。』
・・・・・・うん。
私は、ゆっくり目を閉じた。
「Poison Numbness!」
真里亞のフォークから、例の痺れる攻撃が放たれる。
———いくよ、チトセ———
——— うん ———・・・
「Practice!」
- Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.72 )
- 日時: 2011/07/18 22:32
- 名前: 奏 (ID: RjGXEztJ)
第41話 第一覚醒・女教皇
* ちとせside
私に、真里亞の攻撃は当たらなかった。
目を開くと、私の手には
柄に黄色い花が飾られた、指し棒のようなものが握られていた。
「・・・え・・・なにこれ・・・。」
『それが、女教皇の武器みたいなものよ。
心配しないで、私に合わせてちょうだい。』
「・・・わ、わかった。」
* 怜菜side
ちとせ・・・力、使えるようになったんだ・・・。
朦朧とする意識の中、私はそんなことを考えていた。
「Vine twine!」
ちとせがそう声を張った瞬間、
指し棒の先から、植物の蔓のようなものが伸び、
真里亞向かって猛スピードで一直線に進んでいった。
「・・・そんなものッ・・・当たりませんわよ!」
真里亞はそれを毒風で弾き飛ばす。
蔓は方向を変え、私に・・・いや、正確には私が閉じ込められている
薄紫色の箱めがけて飛んできた。
反動で地面に倒れたとき、
手に触れたものは毒の壁ではなく、コンクリートだった。
「・・・あれ・・・箱が消えて・・・。」
倒れこんだままの私の頭の中に、とある声が響いた。
『最初から、箱を壊すことが目的だったもの。』と。
ちとせのほうへ顔を上げると、
いつもの凛とした目で真里亞をにらみつけていた。
「あら、私としたことが、失敗ですわ。」
真里亞は、私を箱から出したにも拘らず、
いまだ余裕綽々といった感じにそうつぶやいた。
「rit around!」
次にそう叫んだ瞬間。
ちとせの足元は轍が発生し、あっという間に広がったかと思うと、
真里亞の足元から腰あたりまでに巻きついてしまった。
「・・・!?
いつのまに・・・。こんなもの・・・・ッ!」
真里亞はもがくが、もがく度に轍が上のほうまで絡み付いてくる。
「・・・・・・チッ・・・。」
小さく舌打ちが聞こえるたと共に、
真里亞は、辛うじて動いていた右手で、フォークの刃をコンクリートに打ち付けた。
例の毒風が起こる。
その衝撃で、轍は大方真里亞の体から離れてしまった。
「・・・次は、こうはいきませんわよ。」
最後にそうはき捨て、
黒い羽を前後に動かすと、彼女はどこかへ飛んでいった。
「・・・お、終わった・・・。」
『よくやったわ、チトセ。』
「・・・今のが・・・私の力・・・なの?」
『・・・まぁね。実行だけだから、能力自体はまだ弱いけれど。』
「そう・・・。ありがとう、女教皇。
・・・あ、怜菜、大丈夫?」
ちとせは、思い出した、というように、
コンクリートに座り込む私の目を覗き込んだ。
「もう平気だよ。助けてくれてありがとう。
・・・やっぱり私は、ちとせに頼ってばかりだね、ごめん。」
私がそう言うと、ちとせは小さく笑った。
「何言ってんの。私を助けてくれたのは怜菜じゃん。
怜菜がいてくれたから、私はさっき、力を使えたんだよ。」
「え、でも・・・。」
すると、建物の陰から、とある人物が顔を覗かせた。
「ま、ちとせも力を使えるようになって、よかったのですよ。」
「・・・と、都和!?いつからそこに!?」
そう、それは一番頼もしいであろう人物、都和だった。
「ずっと、いましたですよ。
でも・・・2人に任せておいて大丈夫だと思いましたし、
そっちのほうが、結果的によかったんだと思います。」
つまりは、
都和がいて、真里亞と戦闘を行ったなら、
ちとせは能力を使えなかっただろう、ということだ。
私はよく分からなかったが、都和いわく、
「特に守りたいと願う対象がいなければ、能力は使用しにくい。」らしい。
それって・・・。
突然、ちとせのカードの中から、女教皇が姿を現した。
『・・・貴女が、トワ?』
「そうですよ。はじめまして、女教皇。」
『よろしく・・・。
ところで・・・貴女、“魔術師”よね?』
「・・・?そうですけど・・・。」
しばらくの会話の後、女教皇は何かを思い出そうとするような
しぐさを見せた。
『・・・実はね、貴女にそっくりな子を見かけたのよ。
瓜二つって感じの。』
「え?」
『でもね、感じた気配が魔術師ではなかったから、
おかしいなーと思ってね。それだけ。』
「・・・・・・・・・。」
都和も黙り込んだ。
なにか思い当たる節があるのだろうか?
これが、とある事件の始まりだということを知るのは、
もっともっと、時間がかかってからになる。
- Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.73 )
- 日時: 2011/07/22 19:08
- 名前: 奏 (ID: QwdVpVQe)
- 参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_m/view.html?676949
怜菜描きなおしました^^;
本当は合成後も描きたかったのですが
まだその姿が出てないキャラもいるので
自重しましたww
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