複雑・ファジー小説

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*Tarot-Labyrinth*  コメ募集中><
日時: 2011/10/15 15:23
名前: 奏 (ID: mtBKxXTx)

はじめましての方ははじめまして。
二次小説で「悪ノ物語」というものを書かせていただいていた奏(かなで)です^^
そっちが完結したので、今度はオリジナルで書かせていただきます。

ちなみに、複雑・ファジーということなのですが、
80%がコメディ・ライトです。
あまり重い話はないですので、ご安心を´ω`*

■読む前に注意■
・奏のことが嫌いな方は回れ右
・荒らし、中傷目的の方も回れ右
・複雑・ファジーなのに重い展開少ねぇじゃん!ヤダ!って人も回れ右
・更新が休日だけだったりとかが嫌なかたは回れ右
・厨二的なものが受け入れられない方は回れ右
 (↑実は一番重要)


基本金曜・土曜・日曜のいずれかの更新になるかもですが、
気長に待っていただけると嬉しいです。


キャラは多いのでここには書きません^^;

>>1 【主人公級キャラ】
>>2 【敵級キャラ】
>>3 【その他キャラ】

>>6 【用語説明】

Re: *Tarot-Labyrinth*  コメ募集中>< ( No.105 )
日時: 2011/09/22 22:39
名前: 奏 (ID: ZEtdBFlK)
参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_m/view.html?708887


璃雨(近枝瑠璃)キャラ絵。

もうちょっと小柄にしたかったんだけど
技術的に無理でした←


ていうかなんで敵キャラから描いていってるんだろうか・・・。

あれですよ、
結構敵キャラもお気に入り多いんですよ、禾音とか。

Re: *Tarot-Labyrinth*  コメ募集中>< ( No.106 )
日時: 2011/09/24 14:01
名前: 奏 (ID: ZEtdBFlK)

第56話 戦車

* 怜菜side

「・・・あ・・・。」

「怜菜?どうかしたの?」

大和くんの背中を触ったまま固まっている私に、蘭が声をかけた。

私は後ろから大和くんの顔を覗きこむ。

「ねぇ、大和くん。」

「何?」

「・・・君、タロットカードとか持ってる?」

タロットカード、と聞いて、大和くんは私から目を逸らした。

「な、なんで・・・。」

「気配がするんだよ、もし何か知ってるなら、教えてほしいんだけど・・・。」

「・・・嫌だ。」

「どうして?」

「・・・・・・柏葉が言ってた。誰にもこのことを話すなって・・・。」

今言っちゃってるようなものだけどね。

きっと、都和がそう言ったのは真里亞たちに言わないようにだろう。

私のときもそうだったし。

私は、できるだけやわらかい口調で話した。

「大丈夫、私たちは都和と一緒だから。

 別にそのカードを奪ったりとかはしないから、ね?」

私はそう言ったが、何か違和感を感じた。

なぜ都和は、すぐに回収しなかったんだろう。

気づいていたなら、その場で「自分のものだ」と嘘をついてでも

回収できたはずなのに・・・。

「・・・分かった。・・・タロットカードは持ってる。」

「何の?もう使いにはなってるの?」

「・・・“戦車”・・・使いではある。」

戦車かぁ・・・なんか強いイメージ。

すると、蘭が横から話に加わってきた。

「なになに?大和くんも使いだったの?」

「そうみたいだね。」

「・・・あ、カードの力で、自分に自信を持ったり、勇気を持ったりとかはできないわけ?」

蘭がさも名案そうに言った。

まぁ、私も節制を持ち始めて、妙に集中力が高まったことはよくあるし。

もしかしたら・・・。

「よく分からない。俺、いつまでたっても柏葉との進展がないから、

 たぶん自信とか勇気とかはないと思う・・・。」

大和くんが俯いた。

地雷を踏んでしまったのだろうか。

「タロットカードのことをネタにして、都和と話せばいいんじゃないの?」

「・・・うーん・・・柏葉はタロットカードのこと話したくなさそうだけど。」

「そうなの?意外。」

まぁ、大和くん曰く休み時間1人でいる都和のことだ。

そもそも人と話さないんだろう。

ましてやタロットカードのことなんて。

「・・・って、今はタロットカードのことは無視していい・・・。

 俺、どうやって柏葉と話せばいい?」

大和くんは困ったような目で私に訴えてきた。

「うぅん・・・・・・・・・・ちょっと冬弥、考えてあげてる?」

「・・・・・・・ふん。」

冬弥は鼻を鳴らしてそっぽを向いた。

本当大人気ない・・・ていうか拗ねてるのかな?

よっぽど都和のことが気に入ってたんだね。

「・・・大和くん、合成できる?」

「・・・・・・え?・・・あぁ、まだやったことない。

 それに、そんな場面に出くわしたこともないし。」

「じゃあ、都和がピンチのときに助けに入って、自然と話せる流れを作って、

 さらに大和くんが大活躍すれば、都和も見直してくれるんじゃない?」

蘭が目を輝かせて提案した。

正直、都和は元々強いから助なんて必要ないかもしれないけど。

・・・でも、途中で倒れちゃうから・・・それを考えれば効果的なのかな。

「で、でも・・・俺・・・まともに力使ったこともないし・・・

 いきなり戦闘とかできないって・・・!!」

大和くんは小柄な体をいっぱいに伸ばして

一生懸命否定していた。

「・・・じゃあ、特訓・・・とか。」

「特訓?」

「そうそう、力の特訓すればいいんだよ。私も協力するし!

 ・・・あ、でも力の強さ的には怜菜のほうがいいのかな?」

「何で私?」

「だって、襲ってくるのは間違いなくマリア達じゃない?

 だったら、合成できる怜菜のほうが適任だと思うんだ。」

蘭がそういうと、大和くんは腕を組んでしばらく押し黙った。

やっぱりそれは無茶なんじゃないかな。

必ずしも真里亞たちが都和を狙うわけじゃない。

合成ができない使いを選ぶって事もあり得る。

・・・そのときのために、大和くんを鍛えておくのもいいとは思うけど、

そうならないために、さっさと回収しちゃうのが一番いい選択なんじゃないのかな。

しばらくして、大和くんは顔を上げた。

「俺、特訓したい!・・・柏葉のためにも、自分のためにも。

 お願いしますっ!!」

初めて大和くんから敬語が出た。

蘭がにやりと笑う。

「よっし!!じゃあやろうか!

 怜菜も冬弥も、協力してくれる?」

「うん、私は全然オッケーだよ。」

「・・・・・・・・・・・。」

「冬弥ー?」

よくよく考えれば、冬弥が力を使ってるところ見たことないな。

これを機に冬弥を鍛えるのもいいかもしれない。

冬弥は小さく頷いた。

それを私たちは了承と受け取る。

「じゃあ、とりあえず今からちょこっとだけやろうか。

 明日からは本格的にやれると思うし。」

「が、頑張るっ!!」

大和くんは戦車のカードを取り出した。




* ???side

タロットカードの気配がする。

それもいくつも。

戦ってるのかな?

・・・いや、そうじゃないみたいだ。

カードを使いこなせるように特訓でもしてるのかな。

・・・結構なことだけど、

正直、周りの目を気にしたり、建物や道路に被害を与えないって事には

注意を払ってほしいなぁ。

どうしよう。

・・・・・・まぁいいか、止めにいくのもめんどくさいし。

それに、私がどんな存在なのかってことも説明するのが面倒。

まぁ・・・

純粋にカードを回収したい者と、

自らの欲望のためにカードを回収する者、

どちらの味方でも敵でもないってことは事実だ。

私が彼らの前に姿を現すのは、もっとずっと後になるだろう。


・・・あ、まただ。

微かに能力を発動する気配と音を感じる。

しょうがない・・・ちょっと移動してもらおうかな。

でも何もない中移動させるのも可哀想だから、

ちょっとしたメッセージつきで。

「大久保ー、ちょっとこれコピーしてもらえるー?」

突然先輩の声が聞こえる。

「あ、はい、分かりましたー。」

私は席を立った。

まぁ・・・いいか。

何か起こったらそれはそのとき対処しよう。

タロットカードによって、そしてその使いによって、

関係のない人々や、自然、建物に害が与えられることもある。

それがないように監視する。



それが、私の仕事だ。

Re: *Tarot-Labyrinth*  コメ募集中>< ( No.107 )
日時: 2011/10/02 23:43
名前: 奏 (ID: ikrpTGuK)

続き

* 怜菜side

それから数日。

大和くんの能力も、大分安定してきた。

ちなみに、その能力は「大地」。

地面や岩なんかを操ることができるようだ。

その分、特訓の場所は選ばなくちゃいけなかったけど・・・。

「・・・う・・・ふ・・・ぬぁっ!!」

「おぉー!!すごいすごい!」

「・・・だっ、だろー!?俺も結構強くな・・・ったかな!?」

巨大な岩を、能力で頭の上まで持ち上げた大和くんは、嬉しそうに笑った。

「さて・・・じゃあそろそろ作戦開始と行こうか。」

蘭がそう言ってゆっくり立ち上がるのを見ながら、

大和くんは岩を降ろし、おずおずと口を開いた。

「でも、そんなに簡単に出くわすかな・・・その・・・戦闘に・・・。

 俺、柏葉の家も知らないから、偶然会わない限りそういうことにも発展しないし・・・。」

そういえば、私たちも都和の家を知らない。

今までに知りたいと思うことはあったけれど、

都和はいつも笑顔でお茶を濁すばかりで、誰もがそれを諦めていた。

「大丈夫じゃないかな・・・大和くんも、気が分かるんでしょう?

 それに、最近はマリアたちもよく現れるから、

 なんだかんだで戦闘に出くわせるんじゃないかな。」

「・・・気は・・・まぁ、それなりに。

 ていうかその・・・“マリア”って?」

「簡単に言えば敵かな。見た目はちっこい子供ばっかりなんだけどね。

 でも・・・都和でもちょっと手強いときもあるし、

 油断しちゃいけない相手・・・・・・だね。」

蘭が次々に説明を繰り広げていた。

大和くんは口を挟むこともなく、熱心にそれを聞いて頷いていた。

「・・・わかった・・・じゃあ極力、気を感じればそっちにいけばいいんだな。」

「そうだね、できるだけ急いで。

 私はまだはっきりと気を感じれないから、行けないかもしれないけど。」

「うん。やってみるよ。」

それから、真里亞たちが私たちの思惑通りに

こっちにやってくるのに、それほど時間はかからなかった。




* 都和side

「・・・さて・・・どうしたものか。」

夕食用の野菜を切る手を止めた。

独り言のつもりでそう呟いたけど、“ソイツ”は足音も立てずに

私の後ろに姿を現した。

「・・・私が認識しているカードは何枚かある・・・。

 ただ、安易に“回収したいからちょうだい”なんて言ってもね・・・。」

ソイツも、私に合わせて喋り始めた。

「・・・・・・違う、別に信用してないとか、そういうことじゃないの。

 ただ、私が預かっても・・・今の私の状態なら、いつ奪われるか分からない。

 ・・・責任が持てない事だってあるのよ。」

ソイツは首を傾げた。

「私、最近突然体を壊すことがあるじゃない?

 意識が朦朧とするほどに。

 あれのせいで・・・集めたカードを奪われちゃたまったもんじゃないわよ。」

後ろで、床に付くほど長い髪を揺らしているソイツは、

納得したというように頷いたかと、心配そうな目を向けてきた。

「・・・・・・大丈夫・・・じゃないときも正直あるけど・・・

 まぁしょうがないんじゃないかしらね。

 ・・・医者?医者も嫌。何故だか分からないけど、これは病気とかじゃないと思うの。」

私は再び右手に包丁を握り、

野菜を刻むことに意識を向けた。

大和のカードも・・・いずれ回収しなくちゃ。

いつ奪われるか分からなくてヒヤヒヤする。

・・・そんなことを考えながら。

隣に移動したソイツが、鍋のふたを開けてにおいを嗅いでは

空腹を知らせる腹の虫を鳴かせている。

・・・でもこいつ、確か人間としての感覚はなかったはずなんだけど・・・。

兎にも角にも、こんな平和な時間が、

いつまでも続いてほしい。

切実にそう願った。



でも、その2日後。

私は再び、急激に体調を崩した。

それも学校でだ。

5時間目の途中。

授業が終わってからさっさと帰ればいいと思って、

保健室に行く気も全く起きなかった。

・・・でも、今日の私はどうやら不運らしい。

それともこいつらが何か仕組んでいるのか・・・。

正直どっちでもよかった。

私はただ目の前の状況を・・・

真里亞が私の前に立ちはだかる今この状況を、どうにかしたかった。

「・・・御機嫌よう、柏葉都和。」

「・・・相変わらずしつこさは天下一品ですね、マリア。」

「ふふっ・・・リーダーも同じ事を私に言いましたわ。

 あまりいい気分はしませんが、自分でもその通りだと思ってますの。」

「・・・で、今日もカードを奪いに?」

「それ以外に、貴女に会いにくる理由なんてありませんわ。

 それに、今日はどうやら気分が優れないようですしね。

 ・・・【隠者】のときのように。」

真里亞が八重歯を見せ、にやりと怪しく笑った。

そういえば、隠者を回収したときも体調が崩れたんだっけ。

ということは、私がまともに戦えないことも、真里亞は把握してるのか。

厄介だな・・・。

私がそんな考えを巡らせていると、真里亞は悪魔の姿へ変わり、

フォークを私に向けて振り下ろしてきた。

「・・・・・・・ッ!!!」

「避けるので精一杯・・・って感じですわね。」

「そんなこと・・・!」

鞄の外ポケットからカードを取り出し、

魔術師の分厚い本を構える。

「そうでなくっちゃ・・・面白くありませんわ。」

「・・・・・・・・・。」

私は右手の人差し指をピンと伸ばし、

念じながら空中に円を描く。

そのままそれを右手で支え、足を前に踏み出した。

「・・・・・・・!!!」

辺りが黄色い光で見えなくなる。

それは、私の攻撃だ。真里亞がどうなっているのかすら、よく見えない。

腕をだらんと降ろした。

「・・・く・・・っそー・・・。」

自分の体が言うこと聞かないのが腹立たしい。

真里亞は、ほとんど無傷だった。

「体がそんな状態じゃ、能力もいつもより弱いですわね。」

私は地面に倒れこんだ。

人通りの少ないところでよかったと思う。

戦闘シーンを見られるのも、意外と恥ずかしいものなのだ。

「・・・っ・・・。」

もう、まぶたを開けるのが精一杯なようだ。

真里亞が私のほうへ、白い腕を伸ばしてくる。

そのとき——・・・

教室の中でいつも聞こえる、元気な声が響いた。

「待て!!」

微かに目を開く。

肩をせわしなく動かしながら、疲れたように息をする少年。

それでもその目は、まっすぐ真里亞に向けられている。

その見慣れた少年は、

滝沢大和だった。



Re: *Tarot-Labyrinth*  コメ募集中>< ( No.108 )
日時: 2011/10/09 17:50
名前: 奏 (ID: HR/cSb0.)

第57話 大和の想い

* 都和side

「・・・大和・・・どうしてここに・・・?」

大和はチラッとこっちを見ると、すぐに顔を背けて言った。

「・・・お前相当具合悪そうにしてたから・・・心配になって・・・。」

どことなく顔が赤くなってるように見えたのは、

きっと私の気のせいだろう。

それにしても、私の意識も途絶え気味だ。

「ありがとう、大和。」

そう呟きながら、私は地面に膝を付き、ぺたりと座り込んだ。

「・・・おい、柏葉?大丈夫か?」

「・・・・・・う・・・。」

大和の心配そうな声にすら、応えることができなかった。

まともに話すことすらできなさそうだ。

「・・・はぁ・・・全く、折角上手くいきそうでしたのに・・・。

 まぁいいですわ、所詮素人が増えただけですものね。」

真里亞が巨大フォークを大和に向ける。

私だけじゃなく、大和のカードも奪うつもりなんだ。

怜菜たちは・・・中等部だし・・・帰れる時間にはまだ早い。

救援なんてきっと来ないだろう。

大和は、そのフォークを見ると、驚いた様子も怯える様子も見せずに
 
ただ私に向き直り

「大丈夫だから、俺に任せて。

 柏葉は、ここにいて。」

とだけ言い、ゆっくり立ち上がると真里亞の前に立った。

「ふん・・・いい度胸ですわね、そこだけは褒めてあげますわ。」

「・・・俺は確かに素人だし、柏葉より全然弱いかもしれない。

 でも、前よりずっと強くなったはずだ。」

「・・・・・・戦ってみれば、それも分かりますわよ。」

真里亞はフォークを真横に振り切った。

「やま・・・っ!!」

私は小さくそう叫ぶ。

気づいたときには、砕けた岩が大和の周りで降っていた。

「へぇ、上手くかわしましたわね。」

「・・・今度はこっちから・・・!!」

大和が地面に手をつくと、砂が一箇所に集まり、

真里亞めがけて襲い掛かっていった。

「!!?」

「Sand Charge」

それを真里亞が受けるかどうかのギリギリのところで

私の意識は途絶えた。





「う・・・ぅ・・・。」

「都和、大丈夫?」

「・・・・・・ん?・・・あれ、怜菜・・・?」

目を開けると、そこにいたのは怜菜だった。

「ここは・・・怜菜の家・・・?」

「そうだよ、大和くんが教えてくれたから、運んできたんだ。」

そうだ・・・たしかあの時は大和と真里亞が・・・・。

そういえば、結局どうなったんだろう。

「あの・・・大和は・・・?」

「あぁ、大和くんなら——。」

そのとき、部屋のドアがギギっと音を立てた。

顔を覗かせたのは、手に洗面器を持った大和だった。

「ありがとう、都和が起きたよ。」

「え・・・あぁ、よかった・・・。」

大和が私が寝かされているベッドの横に座った。

と、同時に怜菜が立ち上がり、部屋を出て行こうとした。

「怜菜?」

「・・・あ、あははっ、ごめんね、ちょっと用事があって。

 大和くん、あとはお願いね。」

「う、うん。」

怜菜は扉の近くに立つと、意味深なウィンクをして

部屋を出て行った。



「も、もう具合はいいのか?」

「え、あぁ、もう大丈夫なのですよ。」

不思議と、さっきまでの具合悪さはどこかへ行っていた。

「そっか、安心した・・・。」

「あの後、真里亞はどうなったのですか?」

「あぁ、傷はあんまり負わせられなかったみたいだけど、

 一応は追い払えたし、俺のカードも無事だよ。」

その言葉に目を丸くする。

今まで戦闘したことのない大和が、

真里亞を追い払えるくらいの力を持っているなんて・・・。

意外と侮れないのかもしれないな。

「・・・大和。」

「ん?」

「助けに来てくれて、本当にありがとう。」

私はそう言って笑った。

大和は、一瞬だけ肩を震わせると、

すぐさまいつものようにそっぽを向いた。

「べ、別に・・・その・・・

 たまたま出くわしただけだし。」

「だって、ボクが具合悪そうにしてたから、

 わざわざついてきてくれたんですよね?」

「・・・そ、そう・・・だけどさ・・・。」

大和は真っ赤になっていた。

今度はきっと、見間違いなんかじゃないんじゃないかな。



Re: *Tarot-Labyrinth*  コメ募集中>< ( No.109 )
日時: 2011/10/10 15:37
名前: 木塚 (ID: lVgLIAaO)

初コメですw木塚きづかと言います。
タイトルに興味があったのでやってきました。

絵もすごくうまいんですね!!憧れます。
やはり話が長いだけあっておもしろく読みごたえがあります。
頑張ってくださいね!

良かったら遊びに来てくださいw


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