複雑・ファジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

*Tarot-Labyrinth*  コメ募集中><
日時: 2011/10/15 15:23
名前: 奏 (ID: mtBKxXTx)

はじめましての方ははじめまして。
二次小説で「悪ノ物語」というものを書かせていただいていた奏(かなで)です^^
そっちが完結したので、今度はオリジナルで書かせていただきます。

ちなみに、複雑・ファジーということなのですが、
80%がコメディ・ライトです。
あまり重い話はないですので、ご安心を´ω`*

■読む前に注意■
・奏のことが嫌いな方は回れ右
・荒らし、中傷目的の方も回れ右
・複雑・ファジーなのに重い展開少ねぇじゃん!ヤダ!って人も回れ右
・更新が休日だけだったりとかが嫌なかたは回れ右
・厨二的なものが受け入れられない方は回れ右
 (↑実は一番重要)


基本金曜・土曜・日曜のいずれかの更新になるかもですが、
気長に待っていただけると嬉しいです。


キャラは多いのでここには書きません^^;

>>1 【主人公級キャラ】
>>2 【敵級キャラ】
>>3 【その他キャラ】

>>6 【用語説明】

Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.34 )
日時: 2011/05/18 21:40
名前: 夏茱萸 (ID: 2qC9xcD7)

名前以外はほぼ不明なんですよね><

ミステリアスというか…まぁまとめて言うと『かっこいい!』ってことですね♪

実際は年齢も性別も謎なので
かっこいいって言っていいのかどうかなのですが;

都和ちゃんがすごくキャラいいですね☆
でてくる人みんな大好きです!

頑張ってください♪

Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.35 )
日時: 2011/05/18 22:22
名前: 奏 (ID: dwViS6JR)

>>34 夏茱萸 s

そうですね、今の所は・・・。
ネタバレではありますが、禾音やその他のキャラの
謎な部分は、大体後になってから全部明かされますので、
気長に待ってください^^

都和は言ってしまえば二重人格キャラですねw

お、そう言っていただけると嬉しいですww

Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.36 )
日時: 2011/05/18 22:55
名前: 奏 (ID: dwViS6JR)


第19話 忠告


* 禾音side

倒れた翌日、早朝。

僕はなぜか、楓藍学園へ通う学生の通学路・・・

その脇にある狭い路地にいた。

あくびが止まらない。

朝からタロット探すための見回りを命じられたが・・・

あいつ・・・いや、リーダー、人使いが荒すぎる。

僕が夜型で、朝は苦手だということ、知っているはずだ。

それになにより、年下のくせに生意気。

・・・・・・見た目真里亞と一緒の僕が言っても説得力はないか。

これについては、あとで語ることにしよう。

そのとき、

建物の裏口の、開きかかった扉で身を隠していた僕の目に、

“あの子たち”が映った。


* 都和side

幼馴染で固まって登校する、というのも、

今となってはあまりノリ気じゃない。

1人よりはいいのかもしれないけれど、

肩の重さには何も敵わないだろう。

流石に、コレだけの人数、しかも全員が使いであるなら、

その気はとてつもなく重い。

心の片隅で、早く初等部に行きたいと願っていた。

そんなとき、

気がさらに増えた。

辺りを見回すと、

狭い路地の向こう側に、昨日の「死神」らしき人物がいた。

その人物は、慌てるような素振りは少しも見せず、

ただただ私をまっすぐ見ていた。

その人物をまじまじと見て、確信した。

真里亞の仲間だ。

帽子に、逆向きの十字架のブローチが付いている。

真里亞の髪留めにも、この逆十字架がデザインされている。

私が足を止め、一点を見ていることが気になったのか、

蘭が私の元へ駆け寄ってきた。

「都和、どうしたの?」

「・・・・・・いや、なんでもないですよ、行きましょう。」

今見せる必要もないだろう。

あとで説明すればそれでいい。

だが蘭は、私が蘭の腕を引くその前に、

ソイツがいた路地へと視線を移した。

「あっ!!」

あからさまに驚きの表情を浮かべ、声を上げる。

「カノン君!!」

「・・・・・・カノン・・・?」

私が再び路地へ視線を移したとき、

私をじっと見ていた人物は、姿を消していた。

蘭が言うには、名前を呼ぶ寸前、走り去ってしまったのだと言う。

それより、私は今、蘭と話をしなくてはならないようだ。

「蘭、今の子と、知り合いですか?」

「・・・ううん、ちょっと落し物拾ってあげただけだよ。」

「カノン、というのですか?」

「・・・え、う、うん。禾音。性別は教えてくれなかったから、

 一人称で判断して『カノン君』って言ってるけど・・・。」

・・・なるほど。

蘭の様子からすると、蘭はあいつに心を許しているようだ。

マズいことにならなければいいけど・・・。

「・・・蘭、あの子・・・カノンに近づかないよう、お願いします。」

「・・・?・・・なんで?」

「あの子は使いです。しかも、力は半端じゃないと思います。」

蘭は戸惑いの表情だけを浮かべていた。

これで分かってくれるといいが、きっと無理だろうな・・・。


それにしても、カノンと呼ばれたあいつ。

気になる・・・。

それに、死神の使いって・・・私の知る限りでは・・・



『代償』が必要なんじゃなかっただろうか。



Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.37 )
日時: 2011/05/19 21:19
名前: 奏 (ID: dwViS6JR)

第20話 委員長


* 怜菜side

昼休みの廊下。

トイレから教室へ戻る途中の私に、後ろから声をかける人物がいた。

「水名月さん。」

振り返ると、軽くウェーブのかかった綺麗な黒髪を

両耳の後ろで束ねている女子がいた。

その人物は、

「委員長。」

そう、私とちとせのクラスの委員長。

真面目で勉強も運動もできる。

ちょっと近寄りがたい雰囲気はあるが、ちとせとの仲はいいらしい。

委員長を決めるとき、ちとせと一緒に推薦されていたのを覚えてる。

ちとせは、「面倒」という理由だけで辞退していたけど。

「どうかしたの?」

「・・・これ、先生が水名月さんにって。」

そう言いながら、私に茶封筒を渡してきた。

あ、集金のおつりかな。

「ありがとう委員長。」

「どういたしまして。」

委員長はそれだけ言うと、私の横を歩いていった。

やっぱかっこいいなー・・・。

茶封筒を握りながら見とれていると、

ちとせが教室から出てきてキョロキョロしていた。

「あれ?ちとせ、何かあったの?」

「南由、見なかった?」

南由というのは、委員長の名前。

本名は『本郷 南由』だが、大体の子は委員長って呼んでる。

「今話してたよ。でも、もうあっちに行った。」

私がそう言うと、ちとせは深い深いため息をつき、

「どーしよっかなぁ・・・。」

と呟いた。

「・・・?」

「さっき、要が言ってたんだけどね。」

「何て?」

「南由から、カードの気配を感じるって。」

全然気づかなかった。

使いなりたてだから、ってこともあるだろう。

都和くらいになるには、どのくらいの年月が必要なのだろう。

・・・今考えることじゃないか。

「要の言うことを信じるの〜?」

私が疑うようにそう言うと、

ちとせは不思議そうな顔をし、クスっと笑った。

「ほんっと、要には厳しいね、なんでなの?」

「・・・・・・べーっつにー。」

「ま、要の方が経験はあるんだから、

 こういうときは信じておいたほうがいいと思うなー・・・。」

「・・・都和は、知ってるの?」

「どうだろう。中等部には来ないから、分かってないと思うな。」

私は放課後、都和に相談してみることにした。



* 都和side

放課後。

現在の場所は中等部。

いくら同じ学園内だからといって、あまり中等部には来たくない。

なぜここにいるかというと、

こっちからカードの気配がしたからだ。

気配のするほうに向かって、ゆっくり歩く。

こんなこと考えてはいけないだろうけど、

こういうとき、あまり怜菜たちには来て欲しくない。

気が重いから。

というか、今現在具合が悪いので、これに気も合わさると、

動けなくなってしまうような気がする。

具合が悪いと言うのは、風邪ではない。

原因は、不明。

そんなこんなで色々しているうち、

私の望みは叶わなくなった。

「とーーわー!!」

思いっきり名前を呼ばれる。

同時に、とてつもなく重い気がのしかかる。

仕方なく私は、怜菜たちの方を振り向いた。



* 要side

都和はあからさまにどんよりとした表情を浮かべる。

無理もないか・・・。

気持ちは分かるぜ、都和。

「・・・あ、あの、あまり大きい声出さないでいただけますか・・・?」

「えー?なんでー?」

怜菜が能天気な声をあげる。

俺が説明してやれればいいのだろうが、

こいつは、なぜか俺の言うことを信じない。

話しても無駄であろう。

その瞬間、

とてつもなく大きい気が感じられた。

「都和!!」

反動的に都和の名を呼んだ。

都和は俺を見ると、

「分かってます!」

と叫んで、俺と同時に走り出した。

怜菜たちはどうせあとでついてくるだろう。

走れば走るほど、その気は大きくなる。

ふと、隣で走る小柄なソイツを見た。

普通に走ってはいるが、

なんだか苦しそうに見える。

「・・・・・・都和・・・?」

呼んでみるが、返事はない。

カードのことで、頭がいっぱいになっているのだろう。

気がピークに達したとき、

たくさんの木の間に立つ「ソレ」を見ることが出来た。

黒いフードをかぶった人影。

頭の上に手を伸ばして、

なにやら黄色い光の球のようなものを浮かばせている。

いや、浮かんでいるというか、

周りから何かを吸い取っているようにも見えた。

そいつが俺たちに気づくのと同時に、怜菜たちがやってきた。

そしてそいつは、

顔も見せないまま、

俺たちに向かって攻撃を仕掛けた。


Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.38 )
日時: 2011/05/21 00:14
名前: 奏 (ID: dwViS6JR)


第21話 隠者


* 怜菜side

黒いフードのその人物は、

鼻から下だけを覗かせながら、私たちめがけて手を伸ばし、

電気のような、光るなにかを発射させた。

「Practice!!」

都和と要の声が重なる。

2人は動揺したりすることなく、護りに徹した。

要は青い小さな2つの球を操り、フードのその子の周りだけ空間を歪ませ、

余計な動きがとれないようにし、

都和は、私たちに飛んでくる光を、魔方陣を片手で支えながら防いでいた。

しばらくたつと、フードの子が何かに気づいたようで

攻撃の手を止めた。

それと同時に、都和も要も、防御を止める。

フードの子は、鼻まで被さっているフードを捲り、

その顔を現した。

「い・・・委員長!?」

思わず叫んでしまう。

それは、私のよく知る委員長、本郷南由だった。

「・・・み、水名月さん、それにちとせも・・・。」

委員長は、滅多に見せない、戸惑いの表情を浮かべていた。

「南由、使いだったの・・・?」

「・・・え、えぇ・・・って、タロットカードのこと、みんな知ってるの?」

「まぁね。」

「・・・ごめんなさい、反射的に攻撃しちゃって・・・。」

ちとせと会話を続ける委員長は、

申し訳なさそうにそう言うと、深々と頭を下げた。

「いいよ、別に。」

ちとせに代わり要がそう言う。

ま、防御したのは要と都和だから、このセリフを言うのはこの2人でいいだろう。

「・・・南由は、何のカードなの?」

ちとせが委員長に尋ね、

委員長がそれに答えようと口を開きかけたとき、

要の隣に立っていた小柄な人物——・・・都和は、

膝から崩れ落ちていた。


* 真里亞side

「・・・なかなか早く見つかったものですわね。」

たくさんの木々に身を隠しながら、小声で禾音に話しかける。

「・・・・・・そうですね。」

「あれ、隠者ですわよね?都和たちの知り合いかしら。」

「・・・たぶん・・・。どうします・・・?行きますか?」

私と禾音の目には、隠者らしき人物と、憎き柏葉都和たちがいる。

横で禾音が続けた。

「でも・・・あの人数を僕らでどうにかするのは難しいでしょうか・・・。」

「・・・・・・ですけれど・・・よくごらんなさい。

 隠者と、1人は実行のみ、1人は合成可能でも使い成りたて、

 他3人もド素人、そして柏葉都和・・・。」

「・・・何か様子がおかしいですね。」

そう、おかしい。

柏葉都和がぐったりしている。

あの程度、防御したくらいで倒れる子ではなかったはずだ。

今は関係のない話だが、気になることがあるので話しかける。

「・・・あの子と都和、本当に似てますわよね。」

禾音が首だけでうなずく。

「・・・そういえばあの子、まだ具合悪いんですの?」

「今朝は調子よかったみたいで、普通に外にも出てましたけど・・・。」

「そう・・・柏葉都和とは真逆なんですのね。」

都和は、本当に具合が悪そうだ。

周りの使いたちに抱えられ、木の根に座らせられている。

・・・これは、チャンスかもしれない。

都和さえいなければ、

2人覗いて全て素人であろう。

「・・・カノン、もしも攻撃を仕掛けるなら、協力してくださいますか?」

「・・・・・・えぇ、構いませんよ。」

「体の方は?」

「・・・どちみち合成は出来ないでしょうけど・・・実行でも十分ですよね?」

私は思わずくすっと笑った。

たしかに、この子なら、実行だけでも十分だろう。

私は、少しだけ行方を見守ることにした。



* 都和side

おかしい。

なぜだ?

なぜこんなに具合が悪い。

風邪?

そんなわけない。

これは、風邪の感覚と違うし、

それに、いきなり襲ってくることなんてない。

いつもの気絶の感覚?

それも違う。

あんな軽い防御くらいでここまで体力消耗しない。

私の体で、何かが起きているというのか・・・?

「ごめんなさい。私のせいで・・・」

委員長と呼ばれた『隠者』は、私に頭を下げた。

「・・・いえ・・・違います、これは・・・。」

まともに喋ることすらできない。

いつもならカードの気のせいで、肩がありえないほど重くなるのに、

今はそれがない。

一見いいことのように感じるけど、逆だ。

カードの気が感じられないと言うのは、一大事である。

「・・・とにかく・・・大丈夫、ですから。」

そうは言ったものの、この調子じゃカードの力すら使えないだろうな。

こんなとき、真里亞たちが出てくれば、

要とこの隠者、できたら怜菜の3人で対処することになる。

大丈夫ではあると思うけれど・・・

前の死神、あいつも来ればやっかいなことになりそうだ。

ちとせが、隠者に向き直る。

「・・・で、南由は、こんなところで何をしてたの?」

「・・・あ、それは・・・。」

隠者は、先ほどまで浮かばせていた黄色い球を取り出した。

周りに電撃のようなものが走っているように見える。

突然、




ガラスが割れるような音をたて、その球は割れた。

しかも粉々に。


木の陰から、出てきた人物。

それは決して、出会いたくない者だった。

それは、生意気な悪魔少女、真里亞だった。




Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29