複雑・ファジー小説
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- *Tarot-Labyrinth* コメ募集中><
- 日時: 2011/10/15 15:23
- 名前: 奏 (ID: mtBKxXTx)
はじめましての方ははじめまして。
二次小説で「悪ノ物語」というものを書かせていただいていた奏(かなで)です^^
そっちが完結したので、今度はオリジナルで書かせていただきます。
ちなみに、複雑・ファジーということなのですが、
80%がコメディ・ライトです。
あまり重い話はないですので、ご安心を´ω`*
■読む前に注意■
・奏のことが嫌いな方は回れ右
・荒らし、中傷目的の方も回れ右
・複雑・ファジーなのに重い展開少ねぇじゃん!ヤダ!って人も回れ右
・更新が休日だけだったりとかが嫌なかたは回れ右
・厨二的なものが受け入れられない方は回れ右
(↑実は一番重要)
基本金曜・土曜・日曜のいずれかの更新になるかもですが、
気長に待っていただけると嬉しいです。
キャラは多いのでここには書きません^^;
>>1 【主人公級キャラ】
>>2 【敵級キャラ】
>>3 【その他キャラ】
>>6 【用語説明】
- Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.24 )
- 日時: 2011/05/05 14:15
- 名前: 奏 (ID: yAL.k7HO)
第12話 黒い部屋
* 真里亞side
ここは、薄暗い部屋。
私の・・・いや、私たちの大事な大事な家。
ここしか、帰るべき場所はない。
机に頬づえをつきながらため息を吐く。
「ったく・・・柏葉都和だけでも厄介ですのに・・・
節制まで現れるなんて・・・ややこしいにもほどがありますわね。」
私の愚痴をすぐ隣で聞いていた少年、通称「リーダー」が答える。
「・・・ま、そのほうがやりがいあっていいじゃねえか。
お前も思い切り暴れられるだろ?」
「そうですけれど・・・できればあまり戦闘はしたくありませんわ。
これでも結構疲れますからね。」
それを聞いたリーダーは苦笑していた。
ふと、ドアがギィッっと音を立てて開き、
薄暗い部屋に光が差し込んできた。
入ってきたのは、小柄な黒尽くめの人物。
帽子を被り、さらに俯いているせいでその表情は見えない。
「おかえりなさいませ。探し物は見つかりましたの?」
「まぁ・・・一応は・・・。」
その人物は俯いたまま答え、ドアを閉めた。
また、もとの薄暗い部屋へと元通りになる。
「ところで、探し物ってなんだったんだ?」
「・・・別に、リーダーには関係ないことですよ。」
これは、この子の口癖だ。
あくまで自分にしか関係のないことで、他人には首を突っ込んで欲しくない。
そんなところでしょう。
「あ、それから・・・。」
その子は顔を上げ、リーダーの顔を見た。
それでもその表情はあまり見えない。
「・・・年上にタメ口はやめてください。」
「あ、あぁ・・・はは・・・そうだったな・・・。
悪ぃ・・・見た目じゃどうも分かりづらくって・・・。」
リーダーは少々あせりながら誤魔化すように笑っていた。
この、タメ口禁止発言も、この子の口癖だ。
ま、何も知らない人から見れば、どう見ても14歳のリーダーの方が年上なんですけれど。
「・・・そうそう、ついでに、正義の使いも発見しました。」
「「正義?」」
私とリーダーの声が重なる。
「ええ・・・使いになる瞬間を目撃したわけではありませんが、
離れたところから見ていた限り、間違ってはいないと思います。
・・・・・・・・ただ・・・。」
その子は、淡々とした口調を崩さないまま続けた。
「ただ?」
「・・・ただ、柏葉都和の友人のように見えました。
知り合いであることにも間違いはないかと。」
それを聴いた瞬間、目の前のリーダーが、
「げぇ・・・」
っと舌を出し、あからさまに嫌そうな顔をした。
「ほんっと、ややこしいことになりそうですわね。」
椅子の背もたれに寄りかかり、ぐいーっと腕を伸ばす。
「あの・・・リーダー・・・。」
「ん?」
その子は、外に羽織っているぶかぶかの服のリボンをときながら答えた。
「その、正義のこと、僕に任せてもらっても大丈夫ですか?」
続いてその服を近くにあったコート掛けへぶら下げる。
「・・・俺は・・・べつに構わないけど・・・
お前、体のほうは大丈夫なのか?最近は合成してないっぽいけど。」
「ええ、今はまだ平気です。
それに、本当に危なくなったらマリアにも手伝ってもらいますから。
・・・いいですか?マリア。」
頭に乗ってる帽子に手をかけながら、こちらを向いた。
「きしっ・・・もちろん、任せておきなさいですわ!
カノンのためなら、いつでも手伝いますからね。」
そう・・・この子はカノン。
私もリーダーも、他の子も、この子については名前しか知らない。
自分のことは何も明かさない。
だから、ずっと一緒にいようと、年齢も、性別も、出生も、何もかもを
言い出そうとしなかった。
そして、いつからかそれに慣れてしまい、
私たちもカノンを呼ぶとき、男とも女とも認識せず、ただ「禾音」とだけ認識した。
カノンが帽子を脱ぐ。
真っ白な髪の毛が、薄暗い部屋の中でわずかに光る。
カノンがこんな髪色になった理由・・・それも知らない。
ただ、カノンと始めて会ったとき、カノンの髪が黒かったのは覚えてる。
「・・・ま、正直言って、能力を使うことが出来たなら、
体がどんなことになっても別に構わないんですけれどね・・・。」
目の前の謎のその子は、ぼそりとそう呟いた。
* 要side
バスケ部に顔出しし、帰り道を一人で歩いていた。
俺は正式部員じゃない。
というか、楓藍は部活にあまり力を入れていない。
で、何故俺が正式部員じゃないかというと・・・早く帰らなくちゃいけない理由があるから。
え、じゃあ顔出しすんなって?
でも、バスケをどうしてもやりたいから。
“とある奴”との約束だから。
あいつが楓藍に来ていたなら、今頃一緒にバスケしてんのかなーとか思う。
・・・ま、来させなくしちまったのは俺なんだけどな・・・。
そんなこんな考えていると、向こう側から都和が歩いてきた。
「・・・あ、要。今帰りですか?」
「まぁな。・・・そういや都和、さっき気配しなかったか?」
都和は一呼吸置き、言った。
「・・・それなら蘭ですよ。正義のカードでした。」
「え、蘭が!?」
「・・・そんなに驚くことなのでしょうか・・・?」
むしろなぜこいつがこんなに冷静なのかが気になるところだ。
「だって、昨日は怜菜で今日は蘭だぜ?
こんなに立て続けに、それに俺らの周りのやつばっか・・・。」
「・・・たしかに、ボクも不思議です。
でも、ボクらの周りの方々なら、こちらの味方についてくれますから、
好都合ですけどね・・・。」
「同時に、巻き込むことにもなるけどな。」
しばらくの沈黙が続く。
が、それを破るように、そして何かを思い出したように、
都和が声を上げた。
「・・・あの、要って合成できましたっけ?」
いきなりの質問すぎてビビる。
そして、どんな答えを期待しているのだろうか。
「い、いや・・・まだ実行だけだけど・・・。」
都和が若干冷ややかな目を向けてきた。
「んな・・・なんだよその目・・・。」
「・・・いえ、別に・・・。」
「そういうお前は?合成できたっけ?」
都和は一瞬目尻を震わせると、そっぽを向いて言った。
「・・・どうでしょうね。どちみち使えば即倒れるでしょうけど。」
失言だったかな・・・。
肩に重いものがのしかかる。
これは・・・。
「・・・要、分かりますですか・・・?」
「・・・あぁ、やっぱりか・・・。わかる、分かるよ。」
これは、節制でも魔術師でも正義でも法王でも・・・
そして、マリアたちのものでもない、
新しいカードの気配だった。
- Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.25 )
- 日時: 2011/05/08 01:06
- 名前: 奏 (ID: yAL.k7HO)
第13話 続出
* 都和side
また、何も変わらない朝が来た。
何も変わらない通学路。何も変わらない幼馴染たち。
ただ1つだけ、変わっていることと言えば・・・・・・。
「都和。」
後ろから小声で名前を呼ばれる。
振り返ると、それは要だった。
「・・・カード、まだ見つかってないか?」
そう、変わっているのはソレだ。
いつもなら、カードのある場所も比較的すぐ見つかるのだが、
今回のははっきり分かっていない。
「・・・えぇ、まだちゃんとは分かってないですね。
使いが決まってないらしく、あちこち飛び回ってるようですので。」
「・・・そっか・・・。何のカードかは分かったか?」
「・・・・・・なんとなくですが、分かったような気はします。
ですが・・・今回は2枚同時なのですよ。」
要が嫌そうな顔をした。
それもそうかな、私だって嫌だし・・・。
2枚同時なんて、回収の面倒さはいつもの倍、
それに、カードの気配による肩の重さもいつもの倍。
要も一緒だろうけど。
「・・・マリアたちに見つかる前に回収できたらいいんだけどな・・・。」
隣の要が、腕を頭の後ろまで伸ばしてそう言った。
「・・・そう・・・ですね。」
私はこの時点で嫌な予感しかしなかった。
また、怜菜や蘭のように、身近な人物を巻き込んでしまうような気がして・・・。
こんなときの私の予感は、
嫌でも当たってしまうものってことは、私自身が1番よく知っている。
* 怜菜side
何時間も経ち、6時間目の眠気に耐え切った後、
私は、蘭と冬弥、要と一緒に帰り道を帰っていた。
ちなみに、ちとせは一足先に帰宅、都和もバイトのため先に帰宅した。
4人で談笑しながら歩き、
とある少々狭い路地で
「じゃ、俺らはここで。」
と、軽く手を挙げながら冬弥が言い、その後に要も続いた。
「冬弥は帰り道こっちだから分かるけど・・・なんで要もそっち行くの?」
「ん?・・・あぁ、ちょっと冬弥からCD借りる約束してたからさ、
冬弥の家に寄ってから帰る。」
「へぇー・・・珍しいね。じゃ、2人ともばいばーい。」
私と蘭は軽く手を振り返して、2人と別れた。
不意に蘭が口を開く。
「ねぇ怜菜。」
「んー?」
「・・・早く帰らなくていいの?
今日、帰ったらちとせと勉強するって約束したとか言ってなかった?」
それを聞いた瞬間、私は、自分の顔が青ざめるのを感じた。
「しまった、忘れてた・・・。」
「ちとせ、怒ってるんじゃない?」
「あぁぁ〜、不安になるようなこと言わないでよ!
ごめん蘭!私先帰るね!」
蘭はクスクス笑いながら、慌てふためく私に手を振った。
「はいはい、じゃあね、勉強頑張って。」
私は自宅にダッシュで向かった。
ものの5分で着いたわけなんだけど。
脱いだ靴を揃えないままリビングの戸を開け、
それと同時に
「ちとせ、ごめん待った!?」
と半ば叫んだ。
案の定、中にいたちとせはびくっと肩を震わせ、
目を丸くしてこっちを見た。
いつも冷静なちとせにしてはめずらしい表情だった。
「・・・あ、あぁ・・・なんだ、怜菜か・・・。」
「なんだってどういうことー?
あ、それより、ごめんね、勉強する時間減っちゃったね。」
ちとせは一瞬不思議そうな顔をした。
「・・・勉強?・・・あぁ、そっか・・・そうだったね。」
未だ動揺しているようだ。
そんなに私の声に驚いたのかな?
それとも・・・
「ちとせ?具合悪いの?大丈夫?」
「・・・あ、あぁ・・・大丈夫・・・。
怜菜、悪いけど勉強は明日でもいい?」
今日のちとせはなんだかおかしい。
いつものちとせならこんなこと言わないはずなんだけどな。
「・・・?・・・いいよ。具合悪いなら休んでね。」
「ううん。具合が悪いわけじゃないから、平気。
ちょっと出かけてくるね。」
そう言ってちとせは、リビングから出て行った。
* 都和side
「都和ちゃん、いつもありがとうね。
おかずとかご飯とか欲しいときはいつでも言ってね、
都和ちゃんは私たちの娘みたいな存在なんだから。」
神主さんの奥さんは、私にそう言って微笑みかけた。
私はそれに答えるように微笑み、立て掛けてあった竹箒を手に取り、階段付近へ駆けて行った。
私のバイト、
まぁ、簡単に言ってしまえば『巫女』。
1年中バイトがあるわけじゃないけれど、神聖な場所のため、掃除やなんかは手伝う。
私の生活費はこれだけだ。
ご飯とかは神主さんたちに助けてもらってたりするけど。
急に、階段を上ってくる人影が見えた。
見慣れたショートヘアと黒縁メガネ・・・
あれは・・・
「都和!」
「・・・・・・どうか、したんですか?」
どうも、嫌な予感ばかりが募って仕方ない。
私は、ゆっくりではあるが竹箒を動かし続けながら答えた。
同時に私は気づいてしまう。
あの気配の一部が、彼女から感じられる。
「・・・これ・・・。」
彼女が私に見せたものは、
1枚の、カード。
しかも、なぜだかは分からないが、既に『使い契約』済み。
目の前のショートヘアの彼女は、
ちとせは、
『女教皇』の使いになっていた。
- Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.26 )
- 日時: 2011/05/08 14:33
- 名前: 奏 (ID: X79pDgJG)
第14話 溜息
* 都和side
「・・・あの、これは一体・・・。
何故既に使いになってるのですか?契約の言葉はどうやって?」
私の質問に、目の前のちとせは一瞬戸惑いの表情を浮かべたが、
さすがちとせ、すぐにいつもの冷静な表情に一転した。
階段付近の掃き掃除を続けたまま、話を聞いてるのか聞いてないのかすら
よく分からない素振りの私に、彼女は丁寧に今日のことを話してくれた。
いきなり妖精みたいなのが現れて、
半ば強引に使いにさせられた。
契約時の言葉は、その妖精みたいなものが『繰り返して』と言った言葉を
ただただ言われるがままに繰り返していたら、契約となった。
・・・ということらしい。
なるほど、普通のカードならこんなことほとんどないけれど・・・
相手は『女教皇』だもんね。
私は、木の枝やなんかを吐くため、地面に視線を落としたまま答えた。
「それは、タロットカード・・・ちとせの場合は『女教皇』の精霊ですね。
女教皇の精霊は、頭はいいが勝気で少々強引というのを
『魔術師』の精霊から聞いた覚えがありますです。」
「・・・あ、あの、私どうしたら・・・。」
「どうしたもこうしたも、使いになってしまったのだからもう後戻りは出来ないでしょうね。
・・・とりあえず、そのカードを護ってくださいね。」
正直言ってしまえば、最終的な目的は『カード回収』だから、私に預けるという手もある。
・・・けど、私は力を使えばあんな感じに倒れるし。
倒れてしまえばまるごと奪われること間違いなしだと思う。
だから・・・できることなら最初は持っていてもらいたい。
ふとちとせを見ると、ちとせは未だ、カードを持ったまま立ち尽くしていた。
「・・・あの、ちとせ。」
はっと気づいたように私を見た。
「・・・ボクはまだここのバイトがありますので・・・今は詳しく説明できません。
・・・それと、怜菜にこのことを言いましたか?」
ちとせは不思議そうな顔をして、小さく首を横に振った。
「どうして、一番身近な人物に相談しないのですか?」
「・・・え、だ、だって、都和の方が詳しいし・・・。」
「確かにボクの方が詳しいかもしれませんけど・・・怜菜にも基本は教えましたし、
それに、ちとせのことをよく理解してるのは、ボクより怜菜だと思います。」
「・・・・・・」
ちとせは黙ってしまい、それにあわせるよう、私の口も開かなくなった。
その沈黙を破るように、
神主さんの奥さんの声が響く。
「都和ちゃーん、電話よー!清野君って子からー!」
清野・・・?
要が私に用ってことは・・・まぁ、カード関連以外に思い当たる節はない。
「今行きまーす!・・・じゃあちとせ、後でちゃんと説明はします。
それと、怜菜も心配してるでしょうから、早く帰ったほうがいいですよ。」
私がそう言うと、ちとせはお礼とさよならを告げると、振り返って階段を下りていった。
黒電話のすぐ脇に置いてあった受話器を取る。
「・・・もしもし、都和ですけど。」
電話の向こうからは、焦ったような口調の要の声が聞こえた。
『もしもし?俺だけど・・・。』
「どうかしましたか?」
『実は・・・今冬弥と一緒にいるんだけど、
ちょっと俺が席を外してたら・・・アイツ・・・。』
あー・・・なんかもう、何があっても驚かない自信が出てきた。
無意識のうちに深い深い溜息がもれる。
「・・・あの・・・ボクの予感が外れていればいいのですが・・・。」
『たぶん・・・当たってるだろうな・・・。
俺が戻ったとき・・・アイツ・・・カード持って立ってたんだ・・・。』
やっぱり、そうか・・・。
朝の嫌な予感は当たりまくっている。
全員が幼馴染で、どちらかと言えば味方であるっていうのが
不幸中の幸いってやつかもしれない。
要からすれば「巻き込んだ」ってことになるけど。
「そのカード、もしかして『皇帝』ですか?」
『・・・えーっと・・・・・・あぁ、そうみたいだな・・・。
しかも、知らないうちに使いになってる。』
ちとせと全く同じパターン・・・。
そうか、たしか『皇帝』もほんの少し強引なところがあるとか言ってたっけ。
これは、1人1人に長ったらしく説明する手間が省けた。
「要と冬弥、このあと・・・ていうか、1時間後、時間ありますか?」
『俺はある。・・・・・・・・・冬弥もあるってさ。』
「では、1時間後、冬弥の家でみんなにちゃんと説明したいのですが、よろしいですか?」
ここで冬弥の家を選んだ理由は単純なものだ。
ただ単に、広いから。
私や怜菜たちが押しかけても大丈夫だろう。
『冬弥が、いいって。』
「わかりました、ありがとうございます。
・・・それと、怜菜、ちとせ、蘭にも連絡お願いできますか?
しばらくバイトで手が離せませんので。」
分かった、という返事をもらい、私は受話器を元に戻した。
なぜこんなに1度にカードが出現するのか、
そして、なぜこんな身近な人物たちばかりが使いになるのか。
それが不思議でたまらなかったけど、
今の私には、難しく考えられるほどの余裕がなかった。
- Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.27 )
- 日時: 2011/05/09 22:45
- 名前: 奏 (ID: 7uqXWVar)
第15話 会議
* 要side
現在、俺がいる場所は、無駄にデカい・・・冬弥曰く、『書斎』。
そう、ここは冬弥の家。
家っていうか・・・豪邸というか・・・。
「・・・人が住むようなとこじゃねぇ。」
俺の口からポロっと出たのはそんな言葉だった。
「俺が作ったわけじゃねぇからよく分からないがな。」
カードを得た時のパニックがどこかへ吹き飛んだらしい冬弥は、
棚から本を出したり入れたりしながらそう言った。
「・・・すげぇよなー・・・金持ちって・・・跡取り息子ってさ・・・。」
「お前も一応そうだろ?」
冬弥のつっこみは、尤もだが・・・
俺にはこんな豪邸はないし、両親には見放されたも同然、
有花と桜とだけ生活している始末だ。
俺と冬弥は、超低反発のソファに腰掛けながら、
都和たちを待つことにした。
数十分後
「冬弥様、お友達がいらしております。」
執事っぽい服装の爺さ・・・ナイスガイな男性が、書斎に入りそう言った。
「あぁ、ここに入れて。」
冬弥がそう言うと、都和がひょっこり顔を出した。
「すいません、遅くなりましたです。」
それを合図にしていたかのように、怜菜たちが書斎に入ってきた。
* 都和side
私たちはそれぞれソファに座り、
それぞれがテーブルの上にカードを広げた。
「・・・女教皇ってちとせだったのか・・・?」
周りに聞こえないくらいの小声で、要が話しかけてくる。
・・・私は正直、人をからかうのが好きだ。
というか、面白い。特にイジリ甲斐のある要や“アイツ”なんかは。
「ええ、そうですよ。・・・よかったですね、要。」
一瞬困ったような表情を浮かべた要は、すぐに私から顔を背けた。
でも、顔が赤くなってるように見える。
やはり・・・これは面白いな・・・。
それはさておき、
私は、怜菜に話した内容を、そのまま蘭、ちとせ、冬弥に向けて話した。
中断。
- Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.28 )
- 日時: 2011/05/10 23:11
- 名前: 奏 (ID: rRIugyj2)
■奏の戯言■
都和の、話している時の口調と、
sideのときの心情の口調が異なっているのは仕様です。
どちらかと言えば、
sideの心情の時の口調が、
本来の都和の口調だと思っていただければいいかと思います。
また、これからの話の中でいずれ明かされますが、
要の言う「とある奴」と都和の言う「アイツ」は別人です。
どうでもいい情報ですが、
まぁ、一応ね、うん^^;
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