複雑・ファジー小説

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*Tarot-Labyrinth*  コメ募集中><
日時: 2011/10/15 15:23
名前: 奏 (ID: mtBKxXTx)

はじめましての方ははじめまして。
二次小説で「悪ノ物語」というものを書かせていただいていた奏(かなで)です^^
そっちが完結したので、今度はオリジナルで書かせていただきます。

ちなみに、複雑・ファジーということなのですが、
80%がコメディ・ライトです。
あまり重い話はないですので、ご安心を´ω`*

■読む前に注意■
・奏のことが嫌いな方は回れ右
・荒らし、中傷目的の方も回れ右
・複雑・ファジーなのに重い展開少ねぇじゃん!ヤダ!って人も回れ右
・更新が休日だけだったりとかが嫌なかたは回れ右
・厨二的なものが受け入れられない方は回れ右
 (↑実は一番重要)


基本金曜・土曜・日曜のいずれかの更新になるかもですが、
気長に待っていただけると嬉しいです。


キャラは多いのでここには書きません^^;

>>1 【主人公級キャラ】
>>2 【敵級キャラ】
>>3 【その他キャラ】

>>6 【用語説明】

Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.44 )
日時: 2011/05/29 10:15
名前: 奏 (ID: VGd2drbW)

第27話 入隊


* 真里亞side

「瑠璃・・・いい名前ですわね。」

私がそう言うと、目の前の小さな傷だらけの少女は、

首を横にカクンと傾けた。

伸びきったボサボサの髪が、彼女の片目を隠している。

口元には擦傷、額からは血が流れた痕があり、両足には痣や切り傷が絶えない。

これ、どうにかしてあげたいんだけど・・・。

「なぁマリア、起きたばっかで悪いけど、頼んでもいいか?」

「なんですの?」

「こいつを風呂に案内して・・・あと、服貸してやってくれ。

 あとは・・・えーっと・・・そう、傷の手当ても。

 手当てはカノンも手伝ってくれ。」

「えぇ、分かりましたわ。」

禾音も無言のまま小さく頷いた。



瑠璃という少女をお風呂まで案内し、

数十分後、お風呂からあがった瑠璃に、自分のワンピースを着せた。

ちょうどいい、昔のお気に入りだったけど小さくなってしまって処分に困っていたところだ。

そして瑠璃をソファに座らせ、手当てを開始する。

「・・・マリア、絆創膏これで足りますか・・・?」

禾音が特大の絆創膏が入れてある小箱を持ってきた。

「えぇ、十分ですわよ。」

瑠璃の足の傷に、消毒液を含んだ綿を当てたあと、ガーゼと包帯を巻きつけた。

しかし、これだけ傷を負っているなら、お風呂に入ったときも相当沁みただろう。

よく我慢したものだ。

包帯を巻きつけ終え、額の傷も消毒し、ガーゼをはる。

瑠璃は黙ったままだった。

「どうやったらこれだけ傷だらけになるんでしょうね。」

「・・・ですわねー・・・。でも、さっきよりは数倍可愛くなったでしょう?」

そう、本当にびっくりした。

お風呂に入って、服を着替えて、髪はほんのちょっと切りそろえてあげた。

それだけであのボロボロだった少女は、信じられないくらいに可愛らしい子となった。

「元はこんなに綺麗な顔ですのに・・・

 一体何があったというのでしょうね・・・。」

頬に絆創膏を貼りながら、私はそう呟いた。

救急箱を閉じる。

「さ、これで終わりましたわね。

 ところで瑠璃、貴女、なぜ道端で倒れていたんですの?」

「・・・え・・・?」

瑠璃が口を開く。

若干の沈黙の後、戸惑うように言った。

「それは・・・瑠璃が・・・。」

突然、ぐううううという音が響く。

「・・・あ。」

どうやら瑠璃のお腹の音だったらしい。

何も食べてないといった感じだ。

後ろから、お盆にご飯、味噌汁、おかずの皿を乗せた人物が歩いてきた。

「ま、話は後からにしようぜ。

 マリアとカノンの分もあるから、とりあえずは一緒に食おうぜ。

 な?瑠璃。」

その人物は瑠璃に微笑みかけた。

無邪気な笑顔で。

瑠璃は、少しだけキョトンとすると、

俯き加減で、照れたように笑い、そして言った。

「あ・・・ありがとう・・・なの。」




* 都和side

家の床に寝そべる私。

見えるものは天井だけ。

あまりにもだらしない格好だが・・・別にいいか。

具合の悪さは、ほんの少しだけ治まったが、まだダルさは残る。

「・・・・・・あんた・・・何か知ってるんじゃないでしょうね。」

視線を天井に向けたまま、呟いた。

というか・・・私の横に立っている『ソイツ』に言った。

ソイツはあわあわしながら「知らない」と答える。

私はそいつをちらっと見ると、起き上がり、セーターを脱いだ。

そろそろバイトの時間だ。

「そうよね、あんたが何か知っていて、それを私に言っていないのだとしたら・・・

 私はここであんたをボッコボコにしてやるんだから。」

ソイツはうしろで慌てふためいている。

こんなやつが、精神的に立派な大人だとは信じられない。

制服のまま、神社に向かうため玄関へ近づく。

というか、私服をほとんど持ってないんだけど。

肩が重くなる。

気配か・・・?

目を閉じて考える。

あぁ、なるほど、分かってきた。

ソイツは私に「どうしたの」と尋ねてきた。

振り向きながら答える。

「新しいカードが、何のカードなのか分かったわ。」

ソイツはすこしだけ驚いた。

私は続ける。

「・・・このカードの気配は・・・道化・・・。

 未来の見えない、先の見えない『道化』のカードよ。」




Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.45 )
日時: 2011/06/04 13:48
名前: 奏 (ID: wJzAqpnE)


第28話 璃雨/リゥ


* 真里亞side

瑠璃がやってきて数日後。

瑠璃はいつの間にやら使いになっていた。

傷も大方癒え、やってきた当初の

大人しくて引っ込み思案な感じの瑠璃ではなくなった。

で、目の前にいるのは、私のお下がりなんかではなく、

新品の立派なワンピースを着て座っている瑠璃。

長めで、少々毛先のほうでうねっている髪は、横で1つにまとめた。

瑠璃曰く、くせっ毛らしい。

禾音は、横の階段の手すりの向こう側から、

無言でこちらを眺めていた。

「よろしいんですの?本当に。」

「うー・・・。だって、瑠璃にも叶えたいことあるもん。」

ちなみに今は、私たちの仲間になるのかどうなのか、ということについて話していた。

今日、リーダーは不在。

そうそう、リーダーっていうのは、瑠璃が来たときにご飯作ってくれたりしたあの人ね。

まぁ、瑠璃のことはリーダーも知ってるから、問題ないか。

「じゃ、ちゃっちゃと契約も済ませちゃいますか。」

私は一枚の紙を取り出した。

「契約?」

「えぇ、念のため必要らしいですわ。」

瑠璃は軽くふーんといい、私はその紙を読み上げた。

「えーっと・・・『道化の使い、近枝瑠璃は、自らの名を放棄し、

 “璃雨”として此処で生活すること、カード収集に協力することを誓う。」

「璃雨って?」

瑠璃が不思議そうな顔でこちらを見た。

階段に座り、無言でいた禾音が口を挟む。

「・・・僕らは皆、昔の自分を捨てているので、本当の名前なんか使ってないんですよ。」

「ふーん・・・なの。」

どうやらこの『なの』は口癖のようだ。

瑠璃は私の手から紙を取り上げ、ペンで「近枝るり」と書き込んだ。

「契約するの!」

随分とあっさりしている・・・。

名前を書いたその紙を、彼女は笑顔で手渡して来た。

「・・・じゃあ、改めてよろしくお願いしますわね、リゥ。」

「なのっ!!」

「あ、この紙、リーダーの部屋に置いてきてもらってよろしいですか?」

「う?うん、行ってくるのー。」

璃雨は紙を再び取り上げ、小走りで去った。

璃雨の姿が見えなくなったのを確認すると、

禾音は階段の手すりから飛び降りながら言った。

「マリア、なんだか嬉しそうですね。」

「え?」

「リゥが来てから、ずっと。」

そんなつもりはなかったけど、そう見えていたのかもしれない。

「・・・ここに来たばかりのあの子、生きた感じのしない表情をしてましたでしょ?

 そんな感じの子を、何人も見てきましたから・・・

 リゥがあんなに元気になって、ちょっぴり嬉しいだけですわよ。」

「・・・なるほど。」

「置いてきたのー。」

早々とリゥが戻ってきた。

そういえば、今日はリーダー戻らないんだっけ・・・。

あの子は今日も寝ているし・・・

そうだ。

「リゥ、貴女、合成できましたわよね?」

隣の禾音が私を向く。

「・・・マリア・・・まさかとは思いますけど・・・。」

「その、まさかですわよ、カノン。」

リゥは不思議そうな顔をしたままだ。

「道化のお手並み拝見ですわ!!」






Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.46 )
日時: 2011/06/05 21:36
名前: 奏 (ID: 0Flu7nov)


第29話 

* 怜菜side

「で、話っていうのは?」

私たちは、学年問わず交流の出来る「憩いの場」という、

東屋のようなところに呼び出されていた。

もちろん、都和に。

「・・・道化が、現れました。」

呼び出した張本人は、私たちの前に立つと、無表情のままそう告げた。

「道化?・・・それが、新しいカード?」

「はい。既に契約・・・いや、使いがいます。」

「じゃ、じゃあ早くその人の所に行かないと・・・」

私の隣の蘭が焦るように言った。

都和は、コクンと頷くと、か細い声で呟いた。

「それは、無理、なのですよ。」

かと思うと、再び私たちに顔を向けた。

その目は、澄んでいながらも、

小さな少女には不釣合いな、様々な心情が潜んでいた。

「・・・たまに道化の気配を感じることがあります・・・が、

 それは必ず『悪魔』や『死神』の近くなのです。」

「え・・・ってことはそれって・・・

 マリアや、カノンっていう子の近くにいるってこと?」

都和は小さく頷く。

「そうです。つまり、どういうことか分かりますですか?」

それに対し、冬弥が口を開いた。

「つまり・・・あっちの仲間になってしまったと・・・?」

都和は黙ったままだった。

・・・でも、それを私たちは肯定と受け取った。

「・・・・・・もしかしたら、すぐにでも攻撃を仕掛けてくるかもしれませんから・・・

 みんな、十分気をつけるようお願いしますね。

 それから・・・・・・。」

「それから?」

「もし本当に、誰かの元へ攻撃に行くようなことがあったなら、

 ・・・ボクからは連絡しませんから、自分たちで気をたどって来てください。」

都和はそう告げたきり、黙りこくってしまった。

まだ何か用があるのだろうか。

沈黙に耐えられなくなったらしく、蘭がおずおずと口を開いた。

「あ・・・あの、都和、ごめんね、この間は・・・。」

「え?」

「私たちが止めちゃって、道化はあっちに渡っちゃったわけだし・・・。」

都和は、一瞬だけ歯を食いしばり、手を握り締めた。

やはりまだ、悔しい思いはあるのだろう。

「・・・別に・・・いいです。

 あのときは、あのまま行っても回収は出来なかったと思いますし・・・。

 ・・・ただ今後、邪魔しないでくださいね。」

その言葉は、いつもの都和の言葉ではあったが、

どことなく冷たかった。

「とーわーちゃーん。」

離れたところから、都和の同級生らしい少女たちが顔を出した。

それを確認すると、都和はこちらに顔を向けないまま、

「・・・じゃあ、お願いしますね。」

と呟いて、駆けて行った。


都和の姿が見えなくなった後、

要がぼそりと呟く。

「あいつ・・・俺ら全員が使いになってから、冷たくなったよな・・・。」

「要だけが使いだったときは?」

「・・・まだ、普通だったと思うよ。」

確かに、私たちが一気に使いになってから、

都和はあまり笑顔を見せなくなってしまった。

それに、言葉もどことなく冷たく、暗いものになってしまった。

今度はちとせが呟く。

「・・・なんで都和は、あんなに必死になるんだろうね。」

確かに・・・

考えられる理由はいくつかある。

1つは、ただ真里亞たちにカードを渡したくない。

   真里亞たちの願いを叶え、世界を思い通りにさせたくない。

2つ目は、都和によっぽど叶えたい願いがある。

2つ目・・・正直言って微妙なところだ。

都和がカードを使ってまで叶えたい願いがあるとは思えない。

それに、

都和ならば、自分のために集めようとは思わない・・・はずだ。

それにしても、道化ってのが気になるなぁ・・・。

道化って・・・ピエロってことだよね?

悪そうなイメージはないんだけど・・・。

1度、会ってみる必要があるのかな・・・。


でも、その機会はすぐに訪れた。

いや、訪れてしまった。

Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.47 )
日時: 2011/06/06 17:11
名前: 夏茱萸 (ID: ncyYlurw)

お久しぶりです!
最近来れなくてごめんなさい;

うは〜、さっそく続き気になっちゃってます><

そして脳内で妄想中ww


更新頑張ってください!
応援してますよ〜♪

でゎまた来ます☆

Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.48 )
日時: 2011/06/06 19:49
名前: 奏 (ID: 0Flu7nov)


>>47 夏茱萸 s

いえいえ、
この小説は奏が自己満足として始めたものなので、
見に来てくださるだけでも嬉しいですよw

実はこの小説、二次と同様ぶっつけです←

妄想!?
こ、この小説で一体何を妄想するとry

はい、ありがとうございます!!
頑張ります><*



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