複雑・ファジー小説
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- *Tarot-Labyrinth* コメ募集中><
- 日時: 2011/10/15 15:23
- 名前: 奏 (ID: mtBKxXTx)
はじめましての方ははじめまして。
二次小説で「悪ノ物語」というものを書かせていただいていた奏(かなで)です^^
そっちが完結したので、今度はオリジナルで書かせていただきます。
ちなみに、複雑・ファジーということなのですが、
80%がコメディ・ライトです。
あまり重い話はないですので、ご安心を´ω`*
■読む前に注意■
・奏のことが嫌いな方は回れ右
・荒らし、中傷目的の方も回れ右
・複雑・ファジーなのに重い展開少ねぇじゃん!ヤダ!って人も回れ右
・更新が休日だけだったりとかが嫌なかたは回れ右
・厨二的なものが受け入れられない方は回れ右
(↑実は一番重要)
基本金曜・土曜・日曜のいずれかの更新になるかもですが、
気長に待っていただけると嬉しいです。
キャラは多いのでここには書きません^^;
>>1 【主人公級キャラ】
>>2 【敵級キャラ】
>>3 【その他キャラ】
>>6 【用語説明】
- Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.54 )
- 日時: 2011/06/11 08:29
- 名前: 奏 (ID: wcxZaOmk)
- 参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_m/view.html?657397
蘭キャラ絵。
またも10分クオリティ。
- Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.55 )
- 日時: 2011/06/11 08:41
- 名前: 奏 (ID: wcxZaOmk)
- 参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_m/view.html?657399
ちとせキャラ絵。
カキカキけいじばんに載せてますが、
キャラ絵自体はカキカキけいじばんで描いたものではありません。
すいません・・・
どうしてもカキカキけいじばんだと線がガタガタになりまして・・・
そしてよくバグってしまいまして・・・
- Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.56 )
- 日時: 2011/06/11 09:43
- 名前: 奏 (ID: GSdZuDdd)
第32話 道化の叫び
* 真里亞side
「うあぁああぁぁぁぁぁああぁあッ!!!」
璃雨は叫び続けた。
大粒の涙を流して。
我を忘れ、苦しそうに頭を抑えながら。
隣の家が離れたところにあって幸運だと思う。
璃雨は、叫ぶだけでなく、ベランダの床に膝をつけながら、
今度は謝りだした。
「ごめんなさい!!ごめんなさい!!
いい子にしてるから、一人で静かに待ってるから・・・
我儘も言わないから・・・だから・・・・!!!
だからもう・・・痛いことしないでッッ!!!」
それを吐き捨てると、
力なく腕をだらんと垂らし、首もカクンと傾けた。
「り・・・・・・リゥ・・・?」
「・・・うー・・・」
璃雨は、ゆっくりと立ち上がった。
だが、まだ我を忘れているようだ。
さっきまでと目つきがまるで違う。
憎悪にまみれた、闇色の瞳。
その瞳で、柏葉都和を眺め、
カラフルな道化のボールを2,3発一気に放った。
* 都和side
寸でのところでかわす。
地面が爆破される音が耳に突き刺さる。
うるさいのは苦手だ。
・・・それにしても・・・。
さっきと比べて威力が倍になっている気がする。
どういうことだ・・・?
素人使いがこれほどの力を発揮できるとも思えない。
私はまだ立っている。
でもこの場を収めるにはもう1,2回魔方陣を作らなくてはいけないようだ。
そうしたら確実に意識を失うだろうけど・・・仕方ない。
私は再び、空に魔方陣を書き出した。
そして、道化めがけて放つ。
反動で私も押されてしまうが、ここで負けてしまっては元も子もない。
意識が遠のく。
「・・・・・・!!?」
私が最後に見たものは、
私の、けして手を抜いたわけじゃない、その攻撃を、
小さな道化が弾き飛ばす光景だった。
* 要side
「蘭!」
「ふぇ!?・・・あ、要!!」
「お前、もう動けるだろ?カード取って早く来い!」
どうやら蘭は、自分が動けることに気づかなかったようだ。
蘭が自分のカードを手に取り、部屋を出ようとした時、
真里亞がこちらに気づいた。
「・・・ッ!!だったら、もう一度——・・・!」
そう言い、フォークを構えたとき、その横を何かが通った。
・・・かと思うと、蘭が足を押さえ、倒れこんでいた。
今のは・・・真里亞じゃない。
真里亞自身も驚いた顔をしている。
「・・・うー・・・逃ガサなイ、許さナいの。」
それは、道化だった。
道化は、自分の周りをカラフルなボールやリングで囲んだ。
攻撃はいつだってできる、ということか。
「リゥ・・・!?どうしたんですの、落ち着きなさいませ!」
道化は、必死に宥めようとする真里亞に顔を向けた。
「ウルさイ。」
道化は、真里亞に向かって右手を伸ばした。
「・・・!?」
仲間にも攻撃する気か・・・?
一瞬の間を置いたとき、
真里亞は攻撃を受けてはいなかった。
道化も、姿が見えない。
いや、
あの死神・・・禾音に担がれていた。
「・・・カノン・・・?」
「・・・大丈夫。ちょっと気絶させただけですから。
・・・・・・帰りましょう、マリア。」
「・・・え、えぇ・・・。」
2人と、担がれている1人は、
あっという間に夜の闇に消えた。
- Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.57 )
- 日時: 2011/06/12 13:48
- 名前: 奏 (ID: JYHezvC8)
第33話 沈黙
* 蘭side
「蘭!!」
外から声が聞こえる。
痛む足を引きずりながら外を見ると、
そこには、息を切らしている怜菜がいた。
「ごめん・・・気がどこからなのか・・・よく分からなくて・・・・。」
「大丈夫だよ、要も都和も来てくれたし。
・・・・・・・・・あれ・・・都和は?」
怜菜は目を逸らしつつ、ボソリと言った。
「それが———・・・・・・。」
「やっぱ倒れたか・・・無理ないな、あんだけ打ったんだし。」
要が呟く。
私の家のソファに運び込まれた都和は、寝息もほとんど立てず、眠っていた。
「蘭、傷大丈夫?」
怜菜が心配してくる。
「大丈夫だよ。これくらいならすぐ治ると思う。」
私は、さっき暴走した小さな子のことが気がかりだった。
いくら敵でも・・・いきなりあんな風になるなんて。
そして、禾音くん・・・。
あのとき止めたのは、けして、私のことを助けてくれたわけではないだろう・・・
が、少しだけ嬉しかった。
* 真里亞side
とても、とても静かな空間だった。
帰ってきた私たちは、それぞれがソファや椅子に体を預け、
みんな、黙りこくっていた。
「・・・カノン、大丈夫ですの・・・?」
「・・・え?」
「リゥを気絶させたとき、力使ったんでしょう?
その上、あそこから此処まで背負ってくるなんて・・・。」
「・・・大丈夫ですよ、まだ。
それよりも・・・。」
禾音はチラっと璃雨を見た。
璃雨は、ソファにもたれかかり、目を閉じている。
そろそろ目を覚ますころだ、と禾音は言う。
目を覚ましたら暴走を再開しそうな気もしてしまうが、まぁ、考えるのはよそう。
璃雨の切られた髪を、少しではあるが切りそろえてみる。
結んでいたところが大体切られたため、結構短くなってしまっていた。
肘あたりまであったソレは、今では肩に付くくらいだ。
璃雨が、目を覚ます。
「・・・うー・・・?」
「リゥ?・・・気分はいかがですか?」
璃雨は、しばらくぼーっとした後、目を擦りながら辺りを見回した。
「・・・リゥ・・・何してたの?」
彼女は寝ぼけたような声でそう言った。
璃雨は自分のことを名前で呼ぶ。
可愛いものだ。
「覚えてないんですの?」
「・・・・・・ちょっとしか覚えてないの。
・・・髪の毛・・・切られたところ・・・まで。」
つまり、叫ぶ直前までは理性があったということだ。
ここは、素直に何があったか話しておくべきだろう。
私は璃雨に、璃雨が泣き出し、叫び、攻撃し、暴走したことをまとめて話した。
しばらくの沈黙のあと、璃雨が口を開く。
「・・・髪、切られたときね、昔のこと、思い出したの。」
「昔のこと?」
「・・・なの。」
「昔のことを思い出すと・・・暴走するんですの?」
「・・・わかんないけど・・・前にも似たようなことがあって、
リゥの知らないうちに、人を殴ったり蹴ったりしてたの。」
見た目に合わないことをするものだな。
続けて璃雨は口を開いた。
「・・・それ決まって昔のこと・・・思い出したときだから。」
「・・・・・・昔、何があったのか、教えていただけますか?」
璃雨は、一瞬きょとんとした表情を浮かべ、
ゆっくり頷くと、
自分の過去を語り始めた。
- Re: *Tarot-Labyrinth* ( No.58 )
- 日時: 2011/06/15 23:35
- 名前: 奏 (ID: 0ymtCtKT)
第34話 道化の過去
* 璃雨side
璃雨がまだ「近枝瑠璃」だったあの頃。
パパとママは、いつもいつも喧嘩ばかりしていて、
家の中はすごくうるさかった。
そして璃雨は、そんな2人にとって邪魔者でしかなかった。
2人の機嫌が悪いとき、
なにも分からなかった小さな璃雨は、2人に話しかけてしまった。
その度、殴られ、蹴られ、暴言を吐かれた。
ついには、ニコニコ笑っているときに話しかけても、
除け者にされるという始末だった。
家からも出してもらえることはほとんどなく、
部屋に鍵を掛けられ、1日中閉じ込められていることも少なくなかった。
そんなことが繰り返されるうちに、
パパは家に戻らなくなった。
それから、ママも朝になるまで帰ってこなくて、
帰ってきても、すごくお酒のにおいがして、機嫌も悪いままだった。
話しかけたり、ちょっとぶつかったりするだけで、
突き飛ばされたり、頭を掴まれて壁に叩き付けられたり、
髪の毛を引っ張られたりした。
髪の毛をバッサリ切られることだってたくさんあった。
謝っても謝っても、
許してなんてくれなかった。
でも、ママは突然死んでしまった。
お酒を大量に飲んで帰ろうとして
酔って意識が朦朧としている中、事故にあった。
不思議だったけれど、悲しくなかった。
ただ、親戚もいなくて孤児となった璃雨は、
とある施設に入れられることになってしまった。
その頃から、
璃雨は「変な子」としてしか見られなくなった。
だから、
施設でも同じ扱いを受けた。
大人からじゃない。
たくさんの、子供から。
いろんなものをぶつけられ、叩かれ、
ママと同じように髪の毛を切ってくる子もいた。
つらくて、つらくて
何度も施設の大人に助けを求めようとした。
ただ、それさえも叶えることは許されなかった。
誰もがソレを邪魔してきた。
体力的にも、精神的にも、小さな璃雨には耐え難いもので、
いつも隠れて泣いていた。
口癖は「ごめんなさい」になっていた。
ある日の昼休み、
ちょっとしたことがきっかけで、
璃雨は頭を椅子で殴られた。
生まれてきてから、痛い思いは数え切れないほどしてきたが、
頭から、温かい血を流したのはこれが初めてだった。
それと同時に、璃雨は決意した。
『この施設から脱走しよう』と。
元々、この施設から出ることは禁止されていた。
見つかったら何が起こるか分からなかったけど、
そんなこと考えてられなかった。
気づいたら、持っていたヘアピンで
ママがいた頃に覚えてしまっていた「錠破り」をして、
真夜中に薄着のまま、
雨の降る外の世界へ飛び出した。
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