複雑・ファジー小説
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- コドクビワ、キミイゾン。【完結】
- 日時: 2013/01/06 17:00
- 名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: w1J4g9Hd)
+目次+
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参照100記念>>27 あ コメント100記念>>100
参照200記念>>40 り あとがき>>137
参照300記念>>52 が 桐への愛情度:低>>139
参照400記念>>62 と 孤独への愛情度:低>>141
参照500記念>>71 う 卓巳への愛情度:高>>142
参照600記念>>77 !
参照700記念>>88
参照800記念>>103
参照900記念>>113
参照1000記念>>126
参照1100記念>>131
参照1200記念>>138
参照1300記念>>140
- Re: コドクビワ、キミイゾン。 ( No.68 )
- 日時: 2012/07/18 17:25
- 名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: 5VUvCs/q)
+40+
孤独が再び眠るのを見届けて、立ち上がった。
ごめんね、孤独。本当に、ごめん。
お姉ちゃんが、孤独のことを、守らないといけないのに。お姉ちゃんが、孤独を幸せにしてあげなきゃ、いけないのに。こんなんじゃ、お姉ちゃん失格だね。
でもね、私は、孤独が好きなんだよ。大切なんだよ。だから、お姉ちゃんは、孤独のためだったら、何でもできちゃうんだよ。好きで、大切な人のためなら、なんだって出来ちゃうんだよ。自分のことだって、傷つけちゃうんだよ。それで、孤独が幸せになるなら。
今、孤独が泣いているのは、私のせいなの。忌屋の機嫌を、損ねたから。
もう良いよ、ボク、桐と会っちゃお。どうなるかなぁ。楽しみだよ。
そんなことを言う忌屋を、私が止められなかったから。
私のせいだ。ごめんね。
私は、孤独の髪を撫でてから、忌屋の家を目指して、歩き出した。
お姉ちゃん、何でもできちゃうよ。
できちゃうだけで、したいわけでは、無いんだよ。
- Re: コドクビワ、キミイゾン。 ( No.69 )
- 日時: 2012/07/20 20:15
- 名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: 5VUvCs/q)
+41+
意外にも、店長の料理はおいしかった。
色々考えていたせいか、のろのろと食べている私を、店長はせかすことは無く、優しい目で私を見ていてくれた。
さっき、孤独との件が無かったら、店長が変態に見えていたかもしれない。
「ごちそうさま」
手を合わせてお辞儀をすると、店長が軽く笑う。
だから、好きだなぁ。店長の笑顔。なんでそんなに柔らかく笑えるのかな。
「はい、お粗末さまでした。……ねぇ、桐」
机の上に肘をついて、私を真剣な瞳で見つめる。
こんなに真剣な店長は初めてだ。
今日は何だか、店長の深部を、垣間見たような気がする。
「後悔、しないでよ。お願い。桐」
最後に私の名前を呼んで、店長は悲しそうに目を伏せた。
私は、まるで、俺の様にならないでくれよ、なんて言っているかのような店長に、不快感がして、たまらなかった。
- Re: コドクビワ、キミイゾン。 ( No.70 )
- 日時: 2012/07/20 16:21
- 名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: 5VUvCs/q)
+42+
「きず、き?」
大学帰りの電車の中で、築の頭が俺の肩の上に乗った。
そんなことは初めてで。側から見れば、恋人と映るのだろうな。そんなんじゃないんだけど。
俺が築の名前を呼ぶと、手を重ねてきた。
なんだよ。意味分からない。そういえば、最近、築の様子がおかしい。それは些細なことだけど。
「……眠いのか?」
それしか考えられない。
築は最近、よく俺に触ってくる。自分の熱を、俺に押し当ててくる。意味が分からない。甘えているのかと考えると、ちょっとかわいい。築自身は何も思っていないだろうけど。でも、俺の心を乱すのには、十分すぎる。
「……ン〜、辰臣〜、明日は、一緒に帰れないんだー」
「……え?」
初めてだった。築と一緒に帰らないなんて、もう何時振りだろう。
ふと重なった手に目線を落とすと、築の白い掌に、何かで切ったような傷があった。
それを見て、俺は何も考えずに、目を閉じた。
これが、築と俺の距離が少し開いた日の話。
- Re: コドクビワ、キミイゾン。 ( No.71 )
- 日時: 2012/07/21 11:31
- 名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: 5VUvCs/q)
+参照500+
「孤独、シようか」
帰った時に、声をかければ孤独はとても驚いたようにして、また困ったように笑う。
「え、先輩、な、何言ってるんですか」
なんだ。こういえば喜ぶと思ったのに。
仕方ないから、動かない孤独に近づく。
私に怯えたように下がる孤独の肩を掴んで、ゆっくりと押し倒した。
おどおどする孤独の下半身に右手を這わせる。
「せんぱ、」
まだ決心がつかないのかな。童貞じゃないよね。まさか。
淡く熱を持つ孤独のそれを、ズボンの上から摩る。
ゆるく主張し始めるのを感じて、私は舌なめずりをして見せた。
「ちょっ」
焦りながらも、絶対的な拒絶を見せない孤独。ちょっと乗ってきた。
ついにズボンを下げて、それを外に出した。
見るのは初めてじゃないので、遠慮なく触れる。
「っ、あ」
滑った液体が滲んでくる孤独の物を、激しく抜く。
孤独の両手に力が篭り、全身が震え始めた。感じてるな。
私はこういうのは得意じゃないし、それほど好きじゃないけど、やっぱり相手が喜んでくれるのはちょっと嬉しいな。
「ん、っ、せんぱ、は、」
涙がにじんで、なんだか子供っぽい。いや、年下なんだけど。
こう見ると、可愛いもんだな。でも全然濡れてこない。
「ゃ、ぁ、ぁああ、」
ラストスパートをかけるようにスピードを速めれば、どんどん硬度が増していく。
びくびく震える孤独の耳を甘噛みすれば、一気に先走りが溢れ出した。
左手で手を握ってやると、握り返して来る。
「せんぱ、んっ、せんぱ」
耳元でイっていいよ、と呟けば、孤独は私の名前を呼びながら白濁を吐き出した。
手についた白濁を眺めて、孤独の口に突っ込む。
孤独は嫌そうにしながらも、必死にそれを舐めた。
「ほら、満足でしょ」
結局私は、自分は孤独を満足させたって、思いたかっただけ。
+おわり+
ごめんなさい(ゴミ箱に入りながら
25話あたりの没原稿です、いや、それをちょっと修正。
書いた後、これは載せちゃダメだろ—と思いお蔵入りにしたんですけど、どうせなら記念企画でと思ってしまいました。死にます。
心情とかなんとか減ったくれもなく、ただのエロですね、はい
本当にごめんなさい。
喘ぎ声はちゃんと減らしまs((
次回はもっとちゃんとしたのを、書きます。ごめんなさい。
ちなみにこの後孤独が泣くっていうのは、私の頭の中では変わりませんでした。
- Re: コドクビワ、キミイゾン。 ( No.72 )
- 日時: 2012/07/22 19:43
- 名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: 5VUvCs/q)
+43+
「忌屋」
鍵がかかっていなかったので、部屋に入る。電気が付いていなくて、薄暗かった。電気のスイッチを押して、部屋に明かりを灯す。
部屋の真ん中に、忌屋は蹲っていた。
「ごめんね、忌屋」
何に対しての、ごめんなのか、私自身分かっていない。
だって、忌屋が言う方だもん。忌屋が、私に、私たちにごめんしなきゃいけないのに。
このガキはそのことを何も分かっていない。
「……何しに来たの」
膝から顔を少しだけ上げて、目だけを私に向ける忌屋。
髪は乱れていて、壁には何かで引っ掻いたような跡。割られた食器。引き裂かれた寝具。
相当荒れたようだ。全く、駄々をこねる子供のよう。
「謝りにだよ、忌屋」
とりあえず、食器の破片を拾う。
掃除してあげなくちゃ。私は忌屋の彼女なのだから。忌屋の中では別れたことになっているようだけど、私は忌屋を離すつもりはない。
違うな。
解放するつもりは、無い。
「……ふざけんなよ、ほんと、気に入らないんだけど」
視界の端の忌屋が立ち上がる。なんだ、動けるんだ。
なんて、呑気なことを考えていると、忌屋は私の近くのコップの大きな破片を拾い上げて、握りしめる。忌屋の皮膚が裂けた。
「いみ、」
「もう喋んなくていーよ」
いやいやいや。コップは食べる物じゃないから。
口の中に突っ込まれたガラスの破片が、舌を切り、歯茎の間に割って入る。
吐きだそうにも、忌屋の赤い手が、それを許さない。
「ボクのお気に入りであるように、頑張りなよ」
今日も、私の忌屋の血は、鉄の味がする。
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