複雑・ファジー小説

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コドクビワ、キミイゾン。【完結】
日時: 2013/01/06 17:00
名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: w1J4g9Hd)

+目次+
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参照100記念>>27  あ  コメント100記念>>100
参照200記念>>40  り  あとがき>>137
参照300記念>>52  が  桐への愛情度:低>>139
参照400記念>>62  と  孤独への愛情度:低>>141
参照500記念>>71  う  卓巳への愛情度:高>>142
参照600記念>>77  !
参照700記念>>88  
参照800記念>>103  
参照900記念>>113
参照1000記念>>126
参照1100記念>>131
参照1200記念>>138
参照1300記念>>140

Re: 思案中・つまり題名が決まっていないんだよな…ちらちら ( No.8 )
日時: 2012/06/04 21:27
名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: ae8EVJ5z)



+7+


「先輩、まだ俺のつけた歯形、残ってます?」

家に来るなり孤独は私のTシャツを捲り、わき腹を眺めた。昨日のことだし、残っているのは当然なんだが。
昨日はお風呂に入るのが億劫になるほど、傷は意外にも深かった。
薄く、かさぶたが張っている程度で、完治はしていない。

「残ってますね! よかった!」

「何が」

満足そうに笑う孤独。
だが私は納得いかない。舐めるだけだと約束したのに、この嘘吐きめ。
そのうち泥棒を働くことになるだろう。もしかしたら私の部屋の物を、何個か持ち帰っているかもしれない。孤独なら、やりかねない。

「消えたらもう一回つけてあげます」

いやらしく舌なめずりをする孤独の頭を、軽く小突く。

「何言ってんの。別にいいから」

頻繁に噛まれるのを好むなんて趣味、私にはない。
そんな私の気持ちなんて分からないのか、孤独は顔をしかませた。
まぁ、分からない当然か。
……あれ。どうして、当然だって思ったんだろ。孤独のこと、私どんだけバカにしてるのかな。どれだけ、異常だと思ってる?
どうして、どこが、異常?

「……なんで? どうして? 俺の先輩なのに。俺の先輩。先輩、欲しくないの? 俺の、俺の」

あ。混乱しちゃった。めんどくさいな。
時々ある、混乱。まだ分からないけど、私がネガティブになるのと似ているみたいで、私に否定されたりすると、なってしまうみたいだ。
意味分からないな。孤独は私に、何を期待しているのだろう。

「ごめんね。でも、いらないから、本当に」

Re: 思案中・つまり題名が決まっていないんだよな…ちらちら ( No.9 )
日時: 2012/06/04 22:23
名前: いりこの頭の部分 ◆l9KMyKcLrg (ID: in0tr.0M)

久しぶりにカキコ覗いたら揶揄菟唖さんの小説があって。
わくわくしてたら勝手に僕のマウスが動きました。

元、ほろです。
覚えておられないことは承知の上ですので、あえて言いましょう。初めまして!

孤独くんが好み過ぎて泣きそうです。どうしてくれよう。
歯形が好きなんですよええ歯形が。そうです変態なんです僕。
黒の首輪に懐きまくった犬のような雰囲気。たまに起こす混乱がなんとも美味しいですストラーイク!


また貴方の作品が読めると思うと嬉しくて嬉しくて、
さっきから鼻水が止まりません。…いや、これはただの風邪の症状か。
またこっそり覗きに来るかもしれませんがどうかぶたないで下さいどうか…!


失礼しました。
更新頑張ってください。応援してます。

Re: 思案中・つまり題名が決まっていないんだよな…ちらちら ( No.10 )
日時: 2012/06/04 22:52
名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: ae8EVJ5z)


ほろさんやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

憶えてますとも!きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!

おひさしぶりでございます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!

コメントありがとうございますううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
うれしいです!こんなんほめていただいて!今回は短くつらつら行きます!

お体に気を付けてください!
応援ありがとうございます!
うぇええええええええええええええええええい!!!!!!!!!!

年下男子もぐもぐ!!
ちょっとエロいれますよ!ぐへへ!
アドバイスとかも下さると歓喜死しますよ!

Re: 思案中・つまり題名が決まっていないんだよな…ちらちら ( No.11 )
日時: 2012/06/05 23:35
名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: ae8EVJ5z)



+8+


「いら、ない……?」

私の言葉の一部分だけを復唱する、孤独。眼球が揺れて、相当焦っているようだ。
別に、孤独がいらないって言ったわけじゃない。決してないとは言いきれないが。だって私は生きていける。1人で。でも、孤独は違う。私と一緒に居たいって言う。私が居ないと生きていけない、みたいな。
そんなはずないでしょ。私と同じで、孤独も1人で生きていけるよ。だって、私と同じ人間なんだから。ずっと1人でいなくちゃ、いけないんだから。
前はこんなこと、思わなかった。私には誰かが必要なんだって、私は誰かに必要なんだって、そう思って、疑わなかった。でも違うんだよ。孤独も分かるよ。孤独は誰にも必要とされないよ。仕方ないことで。それは、変わらないこと。
気づいてね、早く。私、短気だからさ。早く気が付かないと、捨てちゃうよ?

「っ! 先輩! ごめん! 調子に乗らないから! 噛まないから! 言うこと聞くから! だからっ!」

孤独の比較的大きな瞳が、濡れていく。水が粒を作って、頬を垂れる。
綺麗だな。雨みたいだ。
息を荒くしながら、私の足にしがみつく。体を震わせて、まるで捨てられた子猫みたい。確かに今の孤独は捨てられそうな子猫だね。飼い主である私に。

「いらないとか……っ! 言わないでっ……っ」

涙は止まらない。カーペットに染みを作っていく。
ねぇ、私の部屋だってこと、意識してるかな。流石にイラッとするよ。呆れるな。

「孤独」

名前を呼ばれたことが嬉しいのか、孤独は表情を明るくさせて、無理に笑おうとする。

そんな孤独の白い首筋に、私は噛み付いた。
こういうときばかりは、首輪が邪魔だな。
口内に鉄の味がしてきたところで、口を離す。

孤独の赤を見て、私は口角を上げて見せた。

「おあいこ」

Re: 思案中・つまり題名が決まっていないんだよな…ちらちら ( No.12 )
日時: 2012/06/06 17:48
名前: 揶揄菟唖 ◆bTJCy2BVLc (ID: ae8EVJ5z)



+9+


「これでいいよね」

少し満足したので孤独の頭を撫でてあげる。
孤独は驚いて瞳を見開き、首筋を撫でた。細い指を赤が濡らす。

「ぁ……」

私の顔とその赤を見比べてから、嬉しそうに、無邪気に笑った。本当に、子供みたい。流石年下だな。こんなことで喜ぶなんてさ。

「うん! おあいこで許してくれるんすか?」

涙は乾き始めている。私はその跡を眺めた。拭いてやることはしない。今日は優しすぎたんだ。このままじゃあ孤独が調子に乗るから、ほどほどにしないといけない。加減が難しいのだ。飴と鞭の使い方が下手なんだろうか。

「うん。今日だけね」

だけ、という部分を強調すると、孤独は悲しそうに目を伏せる。
私に捨てられるのがそんなに怖いか。私じゃないと、本当にダメなのかな。変わりなんて、いっぱい居るんじゃ無いかな。孤独は可愛いから、大切にしてくれる人なんて、いっぱい居ると思う。店長だって、結構孤独のこと気に入ってるんだよ。私に懐きすぎているのはいけない、とか言ってるけど。

「気を付けます……」

反省しているのを態度に出そうとしているのか、孤独は正座をしながら私を見上げている。私はお風呂に入ろうと思って、タオルを持ってバスルームに向かう。
今日は一緒に入ってやらない。だって甘やかしすぎた。
時々は一緒に入ってやる。そのときの孤独は大変だ。うるさいし、テンション高い。でも
「もう一緒に入ってやらないよ」
って言えば大抵は黙る。

孤独は私に懐いている。懐きすぎている。懐きすぎて、怖い。なんで私なんだろう。何にも取り柄なんてない。決して美人じゃない。性格も良くない。どうして、そんな私に孤独は構うのかな。

構われなくなった時、私はどうするかな。



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