複雑・ファジー小説

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『受拳戦争』
日時: 2020/06/10 10:58
名前: 四季彩 (ID: EZ3wiCAd)

彩都さんと四季の合作です。

合作といっても、企画や世界観・キャラクターの名前や原形、プロットなどは、彩都さんです。
四季はキャラクターの口調を考えたくらいだけのもので、執筆係です。

よろしくお願いします。

スレ立て 2017.11.19
投稿開始 2017.11.20

プロット停止のため連載停止 2020.3.17~2020.3.23 2020.6.11~

Re: 『受拳戦争』 ( No.143 )
日時: 2020/05/11 03:57
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: a4Z8mItP)

 中学校の卒業式から数日、三殊たち3年1組メンバーは再び『文武学園』へと向かう。
 今日そこへ行くのは、試験のためでも試練を乗り越えるためでもない。入学手続きのため、である。そのため、ほとんどの生徒が、保護者と共に学園へ行くのだ。三殊も親と一緒に行った。

 入学手続き中、特に大きな問題は発生しなかった。
 すべてが順調に進む。

 そうして、四月の頭。
 三殊はふと「もうすぐあそこへ通うんだ」と、ふと思う。

 3年1組メンバーたちと共に少しでも学生生活を送れることは不幸なことではない。ただ、純粋に喜ぶことはできないという一面もあった。というのも、「また、嫌な奴、伊良部の顔を見るとは……」という思いが心の端に存在しているのだ。その小さな嬉しくないことのせいで、若干心が折れそうである。けれども、三殊とて馬鹿者ではない。今さら入学を止める気はさらさらない。

 高校入学、それは、人生において幾度もはないであろうイベント。
 だからこそ「楽しまねば」という気持ちもある。

 この世の出来事なんて、大抵、楽しんでしまえばそれでいい。

Re: 『受拳戦争』 ( No.144 )
日時: 2020/05/18 02:06
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: SUkZz.Kh)

 四月に入り、新たな学校に入る者や新しい環境におかれる者などが世に溢れる。桜に彩られる季節。人々はどことなく浮かれたような顔で歩いている。当然春を嫌がっている者もいるわけだが、心地良く過ごしている者も決して少なくはない。

 そんな中、文武学園の入学式は開催される。

 式はシンプルなものだった。とはいえ、五分十分では終わらない。在校生によるお祝いコメントや伊良部のお祝いコメントを聞かねばならないからだ。そう言った者をきちんとした姿勢で聞いて、ようやく入学式から解放されるのである。

 そうだ、僕はもう文武学園の学生なんだ。

 三殊は改めてそれを実感する。
 まだ授業は始まっていないけれど、学内の空気を吸うだけで気分が変わった気がした。

 入学式の翌日から、授業は開始される。
 
 特別な学校だけあって、文武学園の学習内容は難しい。明らかに他校とは違う。圧倒的にハイレベルである。勉強も、運動も、中学時代とはまったくもって違っていた。それでも三殊は、その厳しさを楽しむことができた。前向きに、色々なことに挑戦できた。

Re: 『受拳戦争』 ( No.145 )
日時: 2020/05/26 04:05
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: UIQja7kt)

 文武学園に入学してからの一ヶ月は、それまでの暮らしとは大きく異なった暮らしをすることを強いられた。否、強制されたわけではない。ただ、カリキュラムの難易度がそれまでとは大違いで、必然的に振り回されてしまったのだ。

 それでも、皆、懸命に取り組んだ。

 一日一日を確実に乗り越えた。

 そして、やがて五月がやって来る。
 やっと入学一ヶ月を迎えた矢先、伊良部の逮捕の噂が学園内に広がった。

 驚いている生徒も多かったが、三殊は驚かなかった。
 伊良部がしてきたことを知っているから。
 彼は悪人だ。しかも、タチの悪いタイプ。それゆえ、裁かれるのは当然のこと。逆に、これまで裁かれずに生きてきていたことが不思議なくらいの、根っからの悪人である。

 三殊は「これで死刑になれば多々良君も喜ぶなぁ」などと思いつつ、さらなる情報を待った。

Re: 『受拳戦争』 ( No.146 )
日時: 2020/06/01 00:19
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: 3KWbYKzL)

 伊良部に下される判決を待っていると、やがて連絡が来た。
 多くの学生が驚愕するような内容だった。

 何でも、『文武学園解体』なのだそうだ。

 三殊は元から在校生だったわけではないので、いずれそうなるだろうとは少し思っていた。伊良部の罪も知っているから、仕方ないことだと思った。だが、多くの学生は、文武学園が解体されるということを理解できなかった。しかも、六月末までには解体されるというから、なおさらである。学園に、驚きと戸惑いが一気に広がった。

 在校生は六月末以内にその他の学校に編入される事が決まった。

 三殊は解体されるということを受け入れつつ、残り少ない『文武学園』での生活を謳歌する。

 そして、教師や両親が選んだ学校へ編入することとなった。

Re: 『受拳戦争』 ( No.147 )
日時: 2020/06/10 10:57
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: EZ3wiCAd)

 本当は三年間この学校で過ごしたかった。
 青春の一番晴れやかな時代を、共に歩んできた仲間たちと共に謳歌したかった。

 三殊はそう思っていたし、皆も同じように思っていただろう。

 けれども、残念ながら、それは叶わなかった。他のどこかから来た人物が学園長になってくれる可能性もゼロではなかったのだろうが、現実は代わりが来ることもなく、学園自体が終わりへと向かっていってしまった。

 3年1組の皆とも、これでお別れになってしまう。

 それはあまりに辛い。

 でも、ただの高校生が騒いだところで、大人たちが決めたことに逆らえるわけがない。何もかもすべて、大人の事情というやつなのだから。抵抗なんてできない。どんなに残念でも、今は、運命をただ受け入れるしかないのだ。

 頑張って3年1組のメンバーで入学したのに……。少し悲しいな。

 そう思いつつも、三殊は六月末で文武学園から出ていくことになった。
 その後は、編入先の学校で過ごした。


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