二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜   
日時: 2016/05/10 22:19
名前: ウルワルス (ID: LF8j4K3p)

〜第一部〜  目次

主要登場人物紹介 >>01

第1章  初めての友達 >>02 >>03 >>04

第2章  組分け >>05 >>06 >>07 >>08 >>09

第3章  魔法史と いも虫 >>10 >>11

第4章  ハグリッドの小屋にて >>12 >>13

第5章  飛翔 >>15 >>16 >>18

第6章  クィディッチ >>19 >>20 >>21

第7章  クリスマス休暇 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29

第8章  蛇と蠍 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34

第9章  禁じられた森 >>35 >>36 >>37

第10章  序曲終了 >>38

あとがき >>39


第二部 >>40


第三部 >>153


訂正>>132 >>135 >>136 >>145

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Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.157 )
日時: 2020/06/20 17:38
名前: ウルワルス (ID: 3Mpht8EV)

スコーピウスが黒髪だという設定に変更します。アステリアから黒髪を受け継いだ、という設定です。



訂正の訂正
 スコーピウスの髪の色は、やはりプラチナブロンドだという設定に戻します。

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.158 )
日時: 2017/10/22 14:30
名前: ウルワルス (ID: h9rhVioE)

第2章





 9月1日、スコーピウス・マルフォイはキングズ・クロス駅のプラットフォームに向かっていた。
 前方に栗色の髪をした少女の姿が見えた時、スクの胸は高鳴った。
「やあ、ローズ!」
 スクの声に、少女・ローズ・ウィーズリーとその家族が振り返った。
 スクの父・ドラコが、ローズの母・ハーマイオニーの方に歩み寄った。
「ニュースで聞いたけど、腕の怪我は大丈夫かね?」
「ええ。痛みとかはないわ。」
 とはいえ、ハーマイオニー・ウィーズリー女史を襲った爆弾には闇の魔術がかけられていたらしく、爆発に巻き込まれた左手は再生できなかった。
「ロナルドさんがいないね。どうしたの?」
 マルフォイ一家とウィーズリー一家が連れだって歩き出してから、スクはローズに尋ねた。
「昨日から、闇祓いとしての任務に出かけてるの。」 ローズが答えた。
「スコットランドのサウスラナークシャーでディメンターが出没しているから、他の闇祓い* と一緒に退治に出かけたわ。」
「あの新しい呪文が、さっそく効果を発揮することになるのかな。」 スクは言った。
 イギリス魔法研究会は昨年夏、ディメンターに対抗するための新しい魔法を開発したと発表した。闇祓い達はこの1年間、新呪文の習得に努めてきた。

 会話しながら歩くうち、一行はプラットフォームにたどり着いた。時計を見ると、ホグワーツ特急の発車までにはあと少ししか時間が無い。9と4分の3番線に行くために一行は列をつくり、スクとローズは最後尾に付いた。




* 闇祓いとは元々 闇の魔法使いを相手とする職業だったが、ディメンターが魔法省の統制を離れて イギリス各地を跳梁するようになると、ディメンターをも相手とすることとなった。   

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.159 )
日時: 2017/11/04 11:32
名前: ウルワルス (ID: h9rhVioE)

 スクは9と4分の3番線に入ろうと、足を踏み出した。
 
ガタン!
 カートが柱にぶつかった。
「あれっ?」
 スクは首をかしげた。柱を通り抜けることができないのだ。
「どうしたの?」 スクの後ろでローズが言った。
「困ったな。柱を通り抜けることができないんだ。」
「そんな! あと少ししか時間が無いのに!」 ローズが言った。
「どうすればいいだろう?」 スクは言った。せっぱ詰(つま)って、何も考えることができなかった。
 ローズはしばらく考え込んだ。そうするうちにも、時計の針はホグワーツ特急発車時刻である11時を過ぎた。
「箒(ほうき)でホグワーツまで飛べばいいんじゃない?」 ローズが言った。「目くらまし術をかければ、誰にも見られずにすむわ。」
「荷物はどうするの?」 スクは尋ねた。
「縮小呪文をかければ何とかなると思うわ。」
 ローズは辺りを見回した。
「ここで魔法を使うわけにはいかないわね。通行人に見られるから。」
「トイレに行こう!」 スクは言った。

 スクとローズは誰にも見られずに魔法を使うため、プラットフォームから出て、駅の中にある公衆トイレに入った。スクはクィディッチ用飛行箒であるミラージュスウィフトを荷物から取り出し、自分の荷物に縮小呪文をかけ、ポケットに入れた。
 スクは個室から出て、ローズが入っている個室のドアをノックした。ローズはスクが中に入ると、自分とスク、それにミラージュスウィフトに目くらまし術をかけた。
「早く駅から出て飛び立たないと。さあ、行きましょう!」
 ローズが個室の鍵を開(あ)け、走り出そうとした。
「待って!」
 スクはローズの腕をとり、引き止めた。
「目くらまし術がかかっているから、このままだと互いを識別できなくなり、離ればなれになるかもしれない。手をつなごう。」
 スクとローズは手をつないでキングズ・クロス駅から出た。2人はスクの箒(ほうき)・ミラージュスウィフトに乗り、ローズはスクの胴に腕を回(まわ)した。
「さあ、行くよ。」 スクはローズに合図し、地面を蹴って飛び立った。
 ホグワーツは北にある。スクは太陽の位置を手がかりに方角を見つけ出すと、一気に加速した。
 ホグワーツ特急にはじきに追いつくことができた。ミラージュスウィフトは、8秒間で240キロまで加速できるのだ。

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.160 )
日時: 2018/04/17 22:10
名前: ウルワルス (ID: .Hx7EboP)

Side:ローズ





 ローズとスクはホグワーツ特急に合わせて飛び続けた。日が高く昇り、次いでだんだんと傾いていくにつれて、ローズは腹が減ってくるのを感じていた。
 突如、ローズとスクの前方に黒い点が3つ現れ、どんどん大きくなっていった。スクが箒を止(と)めた。3つの物体はなおも2人に接近し、人の形をしているのが分かるようになった。それとほぼ同時に、ローズは寒気(さむけ)に襲われた。スクが小さくうめくのが聞こえた。「ディメンターだ…」
 ローズは杖を抜いた。







Side:スク





 スクは非常な寒気に襲われていた。おまけに、体を動かすことができない。ディメンター達が近づいてくると、ガラガラという音が聞こえてきた。ディメンターの呼吸音だろう。
 突然、スクの脳裏に映像が浮かんだ。ぶつかり合う戦士達の集団、飛び交う閃光、飛び散る血潮…。
 そして、スクは何も分からなくなった。







Side:ローズ





 スクの体が傾き、箒(ほうき)から落ちそうになった。ローズは慌てて杖を持っていない左腕でスクの体を支えた。
「ちょっと、スク! どうしたの!?」
 スクは何も答えない。さらに、箒が落下を始めた。ローズは必死で箒の柄(え)の先端に左腕を伸ばし、つかんだ。箒の落下は止まったが、ディメンターのうち2体がローズとスクの両側方に移動し、2人を包囲する形となった。
 スクは気絶しているようだ。頼れるのは自分だけ。ローズは前方のディメンターに杖を向けた。
ディメンター相手には、「守護霊の呪文」が有効だ。或いは、昨年の夏に発明が公表された新呪文か。新呪文の理論は、ローズにはよく理解できなかった。一方、「守護霊の呪文」の使用法は知っていた。楽しい思い出や幸せな思い出を思い浮かべながら、呪文を唱えればいい。

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.161 )
日時: 2018/08/08 16:38
名前: ウルワルス (ID: DqYpyOBj)

 ローズは、幸せな記憶を思い出した。
 先学期ローズは、ヌンドゥという怪物に取り憑(つ)かれ、生死の境をさまよっていた。そのヌンドゥと闘い、ヌンドゥを操(あやつ)っていた魔法を打ち破って 憑(つ)きを解除し、ローズを救ってくれたのがスクだった。その事実を家族から教えられた時の喜びを思い出したのだ。
「エクスペクト・パトローナム(守護霊よ、来たれ)!」
 ローズは呪文を唱えた。杖先から銀色の闘蛇(とうだ)が飛び出し、前方から迫るディメンターへと突進した。闘蛇とは、トカゲを大きくしたような姿をした、日本に生息する魔法生物だ。スクがペットにしている。
 ディメンターは背を向けてローズから離れようとした。両側面から迫っていた2体のディメンターも、逃げ出そうとした。その時だった。

「「「キルブラディクト・パトローナム!」」」

 聞き覚えのある、3種類の声が聞こえた。そして銀色の牡鹿・テリア・狼が姿を現し、逃げようとするディメンター達に襲いかかった。
 ローズの目の前で、牡鹿が角でディメンターを串刺しにした。串刺しにされたディメンターは3秒ほど全身を痙攣(けいれん)させた後、黒い破片となって消滅した。牡鹿が脇によけると、箒に乗ったローズの叔父・ハリー・ポッターの姿が現れた。
 
 ハリーが辺りを見回した。ローズもつられて見回すと、左方(さほう)ではローズの父・ロナルドがテリアでディメンターを攻撃しており、右方ではテディ・ルーピンが狼にディメンターを襲わせていた。
 そういえば、ローズとスクには目くらまし術がかかっていたのだった。ローズは急いで目くらまし術を解いた。
「ローズとスクじゃないか!」 ハリーが仰天した。
「一体どうしたんだ!? なんでこんな所にいるんだい?」
「それは、パパとテディの仕事がすんでから話すわ。」
「分かった。それじゃあ地面に降りよう。スクの手当てもしないと。」
 ローズとハリーは箒を下降させた。ハリーがスクを地面に横たえ、ディメンターを退治した父とテディが降りてくると、ローズは質問に答えた。


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