二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜
- 日時: 2016/05/10 22:19
- 名前: ウルワルス (ID: LF8j4K3p)
〜第一部〜 目次
主要登場人物紹介 >>01
第1章 初めての友達 >>02 >>03 >>04
第2章 組分け >>05 >>06 >>07 >>08 >>09
第3章 魔法史と いも虫 >>10 >>11
第4章 ハグリッドの小屋にて >>12 >>13
第5章 飛翔 >>15 >>16 >>18
第6章 クィディッチ >>19 >>20 >>21
第7章 クリスマス休暇 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29
第8章 蛇と蠍 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34
第9章 禁じられた森 >>35 >>36 >>37
第10章 序曲終了 >>38
あとがき >>39
第二部 >>40
第三部 >>153
訂正>>132 >>135 >>136 >>145
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- Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.47 )
- 日時: 2014/03/23 15:03
- 名前: ウルワルス (ID: K.HEaMnc)
スコープは驚いて石碑から手を離した。
「今、誰かが何か言わなかったか!?」
ローズとアルバスは呆気にとられた。
「さっき、アルが『何でもない』と言ったきりよ。」
「今朝は早起きだったからね。きっと君は眠いんだよ。」
「いや、そんなことはない・・」
「そういえば、箒とクアッフルを持ってきているかい? 眠気を覚ますには、クィディッチの練習をするのが一番だよ。」
「今夜はゆっくり休んでね・・」
先程の声を聞いたのは、スコープだけのようだった。
塚山を下りた後、スコープはアルバスとクィディッチの練習をした。2人は才能を見込まれて、1年次で既にグリフィンドール・クィディッチチームのチェイサーに内定しており、これまでチェイサーを務めていたビクトワール・ウィーズリーとリヴ・キャステランが先学期で卒業したため、今学期から正選手として起用されることがほぼ確定していた。一応選抜テストを受けることになってはいたが、先学期から正選手と共に練習を積んできたスコープとアルバスがパスすることは間違いなかった。
- Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.48 )
- 日時: 2014/03/23 15:10
- 名前: ウルワルス (ID: K.HEaMnc)
約2時間後、クィディッチの練習を終えたスコープとアルバスを、ローズとナターシャが迎えた。スコープの両親は少し離れたところで、同じく休暇で来ていた魔法省の同僚夫妻と話し込んでいた。
「スコープ、これ・・」
ローズは遠慮がちに、色とりどりの花冠を差し出した。
「ナターシャに教えてもらって、作ったの。あなたの髪の色に、よく映えるんじゃないかと思って・・」
「すごいな。魔法を使わずに、自分の手で作ったのか?」
スコープは感心して言った。
「ええ。だけど、ナターシャが手伝ってくれなかったら・・」
「僕にはくれないの? スコープのためだけに作ったのかい?」
アルバスが にやにや しながら言うと、ローズは赤くなった。
「あの、アルバスさん。」
ナターシャが言った。
「もしよろしければ、私が作ったものをどうぞ。」
「え、あ、ありがとう。ナターシャ・・」
今度はアルバスが赤くなり、しどもどになりながら礼を言った。
友人達の赤面の理由は、スコープにはさっぱり分からなかった。
「そう言えば、ローズ。君は、『蛇生成・消失術』* を習得したいんだったね?」
スコープは言った。
「蛇生成・消失術」とは、父ドラコによればマルフォイ家に伝わる秘術だそうで、他家の魔法使いにとってはとても難しい魔法らしい。現に、名門校ホグワーツで学年トップの成績をとるほどの優秀な魔女であるローズでさえ、習得に苦労していた。ミミズを生成・消失させる程には上達していたが。
「この機会に、父上に直接教えてもらってはどうかな。」
「そうね。お戻りになったら、お願いしてみるわ。」
父は快く指導を引き受け、ローズは2時間程練習を続けた。スコープも、術に磨きをかけるべく練習した。
帰る頃には、ローズは遂に60センチ程の白い蛇を生成・消失させることができるようになった。スコープは、それまではヨーロッパヤマカガシやシマヘビ級の蛇しか出せなかったが、練習の結果全長約4メートルのキングコブラの生成・消失に成功した。
マルフォイ一家とアルバス、ローズは、午後5時過ぎには屋敷に戻った。出発時にはまだ寝ていたウィーズリー氏は、留守番をしていたレヴァルによれば、10時頃に目を覚まし、レヴァルが作った簡単な朝食を済ますと(ローズはレヴァルに陳謝し、レヴァルは大いに恐縮した)、フルーパウダーを使って帰宅したとのことだった。
「そう言えば、アル。君の父上は何故、帰宅時にフルーパウダーを使おうとしなかったのかな?」
父がアルバスに尋ねた。
「父は、フルーパウダーを使った移動が嫌いなんです。」
アルバスが答えた。
「学生時代に、ダイアゴン横丁に行くつもりがノクターン横丁にとばされてしまって、そのトラウマだそうですよ。」
「偉大なハリー・ポッターでも、学生時代にはそういうミスを犯すことがあったんだね。」
スコープは感慨深げに言った。
その夜、スコープはなかなか眠れなかった。カムランの塚山の頂上で聞いた声について、考えていたからだ。
『己が何者であるかを思い出せ、スコーピウス・ヒュペリオン・マルフォイ・・我らの犠牲を忘れるな・・』
「犠牲」というのは、538年のカムランの戦いで数多の戦死者が出たことを指すのだろう(カムランの戦いにより、魔法族の人口は半減したとさえ言われている)。だとすれば、「我ら」とは戦死者のゴーストだということになる。「我らの犠牲を忘れるな」とは、「我ら」が「犠牲」を払って純血主義者のモルドレッドと配下の軍勢を打倒した結果、マグルやマグル生まれの魔法使いが虐げられることのない今の世界があるのだということを忘れるな、という意味なのだろう。
* >>30 >>31
- Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.49 )
- 日時: 2012/12/21 14:27
- 名前: ウルワルス (ID: e22GBZXR)
>>46 を追加修正しました。今後の展開のために、読み直しておくべきかと存じます。
- Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.50 )
- 日時: 2012/12/21 15:06
- 名前: ウルワルス (ID: e22GBZXR)
だが、「己が何者であるかを思い出せ」とはどういう意味なのか。そもそも、何故あの声は自分にしか聞こえなかったのか。自分は純血であるから、「我らの犠牲を忘れるな」という言葉にせよ、むしろマグルの血を引くローズやアルバス(ローズは半分、アルバスは4分の1)が聞くべき言葉ではないのか。分からないことだらけだった。
- Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.51 )
- 日時: 2012/12/23 11:25
- 名前: ウルワルス (ID: e22GBZXR)
それから1週間、スコープは「声」について考えるのをやめ、友人や家族と共に楽しく過ごした。日中は、屋敷の庭の池で魚釣りをしたり、ペットの闘蛇* ジェレイントと父が魔法で作り出した錦蛇を戦わせたり(結果はジェレイントの圧勝で、錦蛇はずたずたに引き裂かれた。なお、ローズ、ナターシャはともかくアルバスまでがこの遊びに嫌悪感を示したので、1回でとりやめにした)、アルバス、ローズと2対1でクィディッチをしたりした(ローズはお世辞にも上手いとはいえず、常にスコープ、アルバスのいずれかと組んだ)。
スコープとアルバスは宿題がまだ少し残っていたが、ローズの手伝いもあって程なく全て終えた。スコープはローズに頼まれ、彼女の魔法史のレポートに目を通した。もっとも、直すべき箇所は1つも無かった。
夕食後のひとときには、魔法省から帰宅した父も含めて、6人で魔法チェスのトーナメントを行ったりした。優勝するのは常にローズで、一番勝率が低いのはアルバスだった。ちなみに、アルバスの腰から生えたクジャクの羽根は、4日目の朝には全て抜け落ちた。
アルバスとローズが来てから1週間後の土曜日に、スコープ達は新学期に備えて買い物をするため、フルーパウダーを使ってダイアゴン横丁への入り口があるパブ・「漏れ鍋」に行くことになっていた。漏れ鍋は、グリフィンドールの同級生フランク・ロングボトムの母親によって経営されており、アルバスとローズはここで家族と落ち合う予定だった。
土曜日になった。両親とナターシャはまだ出かける準備を終えていなかったが、スコープはアルバス、ローズと共にいち早く漏れ鍋に向かった。
漏れ鍋の暖炉から出たスコープの目に真っ先に飛び込んできたのは、カウンターの真上の天井に取り付けられた、大きな板状の物体だった。その物体の表面では、プロクィディッチ選手達が飛び交っていた。最初は特大の写真が貼り付けられているのかと思ったが、写真上の人物は一定の動きを繰り返すだけであるのに対し、その物体上のクィディッチ選手達の動きに規則性は無かった。まるで実際のクィディッチ試合を見ているかのようだった。それに、実況の声まで聞こえた。
「どうしたの、スコープ? 後ろがつかえてるわよ。」
自分の後から漏れ鍋の暖炉に姿を現したローズに言われ、不思議な板に見入っていたスコープは我に帰り、慌てて道を空けた。ローズの後からはアルバスが姿を現した。
「久しぶりだね。アル、ローズ、それにスコープ。」
エプロンを着けた学友のフランク・ロングボトムが声をかけてきた。
「今年から、休暇中はここで働くことになったんだ。母1人じゃ大変らしいから。」
「お母様のお手伝いなんて、立派ね。」
ローズが言った。
「とうとうTVを取り付けたんだね。」
アルバスが言った。
「TV?」
スコープにとっては初めて耳にする単語だった。
「あれのことだよ。」
フランクが例の物体を指し示した。
「電波を利用して、遠隔地での出来事もリアルタイムで画面上に映し出すことが出来るんだ。例えばこのクィディッチ試合にしても、過去のものではなく、今まさにスコットランドの荒れ地で行われている試合と同一のものなんだよ。
元はマグルが発明した物で、最近はマグルの血を引く魔法族の間で需要が高まってる。この『漏れ鍋』にも取り付けた方がお客様にとってより良いサービスになると考えて、母は購入を決めたんだ・・」
「くだらない。所詮『穢れた血』の玩具じゃないか。」
暖炉の傍で話していた4人の背後から、気取った声が割り込んだ。声の主は、4人と同学年のスリザリン生で、金髪に青白い顔をした少年、サウロス・マルフォイだった。スコープの祖父ルシウスの弟の孫息子であり、つまりスコープにとっては又従兄弟に当たる。同じマルフォイ家に属するとはいえ、サウロスの一家は純血主義を信奉しており、スコープの一家とは対立関係にあった。
先程暖炉から現れ、フランクがTVについて説明するのを聞いていたのだろう。
「それにしても、ロングボトム。君のその格好は何だい? うちの屋敷僕妖精とそう変わらないじゃないか。」
「とっととここから出て行け、マルフォイ! お前がいたら、この場が穢れるんだよ。」
フランクが言った。
「この『混血』と比べてもかい?」
サウロスは、ローズの方に顎をしゃくった。
「ロングボトム家も落ちぶれたものだな。『穢れた血』の玩具を嬉しげに展示するとはね。闇の帝王がお戻りになった暁には、相応の罰をお与えになるだろうよ。」
* >>4
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