二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜   
日時: 2016/05/10 22:19
名前: ウルワルス (ID: LF8j4K3p)

〜第一部〜  目次

主要登場人物紹介 >>01

第1章  初めての友達 >>02 >>03 >>04

第2章  組分け >>05 >>06 >>07 >>08 >>09

第3章  魔法史と いも虫 >>10 >>11

第4章  ハグリッドの小屋にて >>12 >>13

第5章  飛翔 >>15 >>16 >>18

第6章  クィディッチ >>19 >>20 >>21

第7章  クリスマス休暇 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29

第8章  蛇と蠍 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34

第9章  禁じられた森 >>35 >>36 >>37

第10章  序曲終了 >>38

あとがき >>39


第二部 >>40


第三部 >>153


訂正>>132 >>135 >>136 >>145

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Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜   第一部 ( No.37 )
日時: 2012/11/18 16:31
名前: ウルワルス (ID: e22GBZXR)

「アンタレスという名は、『火星に対抗するもの』を意味します。」
 フィレンツェが言った。
「火星は戦争を表しますから、火星に続いてアンタレスが明るく輝き始めるということは、大きな戦いの後で長い平和が続くことを示しているのかもしれません。」
 フィレンツェが話すのを聞きながら、スコープは考えていた。自分が生まれた夜は、アンタレスがそれまでよりも一際明るく輝いていたらしい。もし、アンタレスが明るく輝き始めたのが自分が生まれた夜からだったとすれば、大戦の後に続く平和をもたらすのは、自分だということになるのだろうか。いや、そんなはずはない。自分は、歴史と飛行が得意なだけの、平凡な人間じゃないか・・

「長く話しすぎてしまいましたね。」
 フィレンツェがそう言い、スコープは我に帰った。
「罰則としてであっても、今の時期にヒトの『子馬』がこの森に入るべきではありません。ただでさえこの森はヒトにとって危険ですが、今年になってから一層危険さを増したように思えます。ユニコーンが殺されただけではありません。森全体の雰囲気がおかしい。それに、ずたずたに引き裂かれたアクロマンチュラの死体が森の奥で発見されたり、我々の『子馬』達の半数近くが原因不明の病に苦しんだりしているのです。
 さあ、早くハグリッドをお呼びなさい。そして、急いで森から出ることです・・」
 そう言うと、フィレンツェは仲間達と共に去っていった。










補足 

・モルガン・ル・フェイ
 アーサー・ペンドラゴンの異父姉。史上最強の闇の魔女。
 純血主義者であり、アーサー王と対立した。アイルランドや北欧から支持者を集め、一時はアーサーを打倒寸前にまで追い詰めるが、アーサーの臣下である「聖杯の戦士」ギャラハッドによって討たれる。以後ブリテンには、「カムランの戦い」が勃発するまでの間、しばしの平和がもたらされた。

・カムランの戦い >>10 

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜   第一部 ( No.38 )
日時: 2012/11/18 18:48
名前: ウルワルス (ID: e22GBZXR)

 翌日は金曜日で、午後は授業がなかった。スコープとローズは、禁じられた森での出来事を、談話室でアルバスに話した。

「どうしてケンタウルスは、火星が戦いに関係があるという話を君達に聞かせたんだろう? ユニコーンが殺されたことと関係があるのかな?」
 アルバスが言った。
「前回ユニコーンを殺していたのが『例のあの人』で、その数年後に『あの人』が魔法戦争を引き起こしたからじゃない?」
 ローズが言った。
「当時も、火星が明るく輝いていたんだと思うわ。だから、今回ユニコーンを殺した何者かが、これから起こるであろう大きな戦いと関係があるんじゃないかと思ったんでしょうね。」
「だけど、ヴォルデモートは父さんが倒した。デスイーターの残党が残っているかもしれないけど、やつらだけでは何もできないだろう。今の平和を破る大戦を引き起こせる程の闇の魔法使いが、魔法界にいるのかな?」
 アルバスが言った。
「そもそも、私はケンタウルスの言葉を信じてはいないわ。」
 ローズが言った。
「あのケンタウルスは、『火星が明るく輝くのは大きな戦いの前触れ』だと言ってたけど、私には占いみたいなものに思えるわ。ママが言ってたけど、占いは魔法の中でも最も不正確な分野だそうよ。」
「だけど、『カムランの戦い』の直前の時期に火星が明るく輝いていたのは、事実だよ。」
 スコープは反論した。
「現に、森では色々と異変が生じているそうじゃないか。ケンタウルスの言葉を全否定するのは、性急ではないかな。」





            *





 それからしばらくの間、3人はこれらのことだけを考えているわけにはいかなくなった。立て続けに学年末の行事が行われたからだ。

 学年末試験は、変身術の実技試験で鼠を かぎ煙草入れに変える際、ひげを何本か消し損ねたことを除けば概ね上手くいった。ローズは、魔法史の第一問が分からなかったと言って、残念がっていた。

 試験が終わると、寮対抗クィディッチ杯の最終戦・グリフィンドールvsレイブンクロー戦が行われた。スコープとローズが2人で200点減点されていたので、グリフィンドールはレイブンクローに首位を奪われていたが、この試合でグリフィンドールは圧勝し、首位に返り咲いた。

 学年末パーティーでは、グリフィンドールに寮杯が授与された。サウロス、ヴァレンティン、マヌイルの3人が真夜中に出歩いていたことについて、ロングボトム先生とハグリッドの働きかけによりスリザリンは150点減点されていたので、もちろんダントツの最下位だった。

 1年次をホグワーツで過ごす最後の日、試験の結果が発表された。スコープもアルバスも良い成績だったし、ローズは総合成績で学年トップだった。個々の科目で見ると、スコープは魔法史で学年トップを取った。

「魔法史の第一問は、あんまりだと思うわ。」
 ローズはそう言った。
「『何のために歴史を学ぶのか』なんて、教わってないのに・・」


 翌日、生徒達はホグワーツ特急に乗り込んだ。スコープ、アルバス、ローズは、3人で1つのコンパートメントを独占した。そして、ケンタウルスの言葉について、久々に話し合った。
「結局、ユニコーンを殺した犯人は捕まらなかったね。」
 アルバスが言った。
「ケンタウルスの子供達の病気も、まだ治っていないそうね。」
 ローズが言った。カムランの戦いの直前に火星が明るく輝いていたということを本で確認してからは、ローズもケンタウルスの言葉を気にするようになっていた。
「ホグワーツは、これからどうなるのかしら。2年次からも、平和な毎日が続けばいいけど・・」
「それを今から心配したって仕方がないだろう?」
 スコープは言った。
「来るものは来る。その時に受けて立てばいいんだ。
 ところで君達、夏休みに僕の家に遊びに来ないかい? 家族に君達を紹介したいんだ。」
「喜んで伺わせてもらうわ。」
 ローズは言った。
「あなたのお家って、きっと大きくて綺麗なんでしょうね・・」
「僕も、必ず行くよ。君の妹さんにもお会いしたいしね。」
 アルバスも言った。
「君達が来てくれたら、妹はきっと喜ぶよ・・」
 そう言いながら、スコープは思った。
 ホグワーツでの生活はまだ始まったばかりだ。将来起こるかもしれない大戦争についてあれこれ心配するよりも、「今」という時を大切にして、生きていこう・・・

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜   第一部 ( No.39 )
日時: 2012/12/03 13:10
名前: ウルワルス (ID: e22GBZXR)

 第一部は、これにて終了です。このような駄作を辛抱強く読んでいたただき、恐悦至極に存じます。
 この二次小説を書こうと思い立った動機は、原作第7巻最終章の、ロンがドラコの息子スコーピウスを指して娘ローズに対して言った台詞(あいつとはあんまり親しくなるなよ云々)にあります。あの部分を読んで、スコーピウスとローズが友人になるという筋書きを持った二次小説を書いてみようと、思い立った次第です。
 この二次小説は、「ドラコが改心し、純血主義から脱却した」という前提の上に成り立っているため、ドラコ嫌いな方にとっては、このような前提を用意する時点で「駄作」だと思われたことでしょう。しかし僕としては、>>28 >>29 でハーマイオニーの台詞として書いたように、ドラコが根っからの悪人であるとは思いません。彼には友人思いな一面がありますし、殺人を厭うという一面もあります。殺人を厭うことについては、デスイーター達の台詞にあるように、単に臆病で意気地なしだからだとお思いになる方もいるでしょう。もちろんそれはそれで間違いではないのでしょうが、殺人を厭うのは、第7巻のダンブルドアの台詞にあるように彼の心に純粋な部分があるからだと、僕は解釈しています。
 映画の最終作の序盤で、オリバンダーがベラトリックスとドラコの杖を比較して、ベラトリックスの杖はおそろしく頑固だが、ドラコの杖はある程度柔軟性があると評する場面がありますが、あの表現は杖の持ち主の性質をも表しているように僕には思えます。


 小説の内容について、感想(まともな感想など抱きようもない駄作であることは百も承知ですが)・質問等があれば、>>14 >>17 の方のように、書き込んでくださってかまいませんよ。

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.40 )
日時: 2016/04/20 23:18
名前: ウルワルス (ID: 5cM7.Mt8)

〜第二部〜  目次

第1章  マルフォイの館 >>41 >>42 >>43 >>44

第2章  カムラン >>45 >>46 >>47 >>48 >>49 >>50

第3章  TV論争 >>51 >>52

第4章  数々の出会い >>53 >>54

第5章  蜃楼の雨燕 >>55

第6章  憂鬱な新学期 >>56 >>57

第7章  病気と箒 >>58 >>59

第8章  闇の王子 >>60 >>61 >>62 >>63 >>64

第9章  ネビルの決断 >>65

第10章  親の七光りと 王の威光 >>66 >>67

第11章  決闘クラブ >>68 >>69 >>70

第12章 >>71 >>72 >>73 >>74

第13章  ブラック家の末裔達 >>75 >>76 >>77 >>78

第14章  それぞれの思い >>79 >>80 >>81

第15章  ボーバトン魔法アカデミー >>82 >>83 >>84 >>85 >>86 >>87 >>88

第16章  アマリエ・グローメル >>89 >>90 >>91

第17章  ホグワーツでは >>92 >>93 >>94 >>95 >>96 >>97 >>98

第18章  シャルル・ドランペルージ >>99 >>100 >>101 >>102 >>103 >>104 >>105 >>106 >>107

第19章  災禍と再会 >>108 >>109 >>110 >>115 >>118 >>119

第20章  温故知新 >>122 >>125 >>126 >>129 >>130 >>133

第21章 >>134 >>137 >>138 >>139 >>142 >>143

第22章 >>147 >>148 >>149 >>150 >>151

Intermezzo >>152

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.41 )
日時: 2012/11/30 16:34
名前: ウルワルス (ID: e22GBZXR)

西暦2018年8月18日−−−

「もう準備はできたよ、父さん。」
 家の3階にある自室で荷物をまとめたアルバス・ポッターは、1階のリビングに下りて言った。今日から1週間、アルバスは従姉妹のローズ・ウィーズリーと共に、ホグワーツ魔法魔術学校の学友スコーピウス・マルフォイ、愛称スコープの家に世話になることになっていた。アルバス、ローズ、スコープは、同じグリフィンドール寮に属している。
「じゃあ、そろそろ行くとするか。」 父・ハリーはそう言うと、自室に準備をしに行った。
 ホグワーツに入学するまで、スコープは父のことをどこの家庭にもいるごく普通の父親だと思っていた。しかしホグワーツに入学して、魔法界の誰もが父を「近現代最強の闇の魔法使い・ヴォルデモートを倒した英雄」と讃えていることを知った。
 同級生達は、当初は「英雄の息子」であるアルバスを特別扱いして親しく接しようとはせず、話がある時は馬鹿丁寧な物言いをした。グリフィンドール生と仲が悪いスリザリン生、特にその中心人物であるサウロス・マルフォイ、ヴァレンティン・レストレンジ、マヌイル・ノットにしても、アルバスに喧嘩をふっかけることは決して無かった。
 当初からアルバスと対等に接してくれたのは、従姉妹のローズと幼馴染みのフランク・ロングボトムを除けば、スコープだけだった。彼も、当初は周囲から孤立していた。スコープもその一員であるマルフォイ家は、数百年来スリザリン生を輩出していた。グリフィンドール生の多くはスコープが自寮に相応しい資質を有するのか疑わしく思い、また、彼の少々キザな話し方もあってか、あまり親しくしようとはしなかった。
 しかし、スコープがグリフィンドール生としての資質を示すのには入学後2週間もかからなかった。最初の飛行訓練の授業で、レストレンジらに箒から落とされ、15メートルの高さから地面に叩きつけられるところだったローズを、スコープは自分の身の危険も顧みずに救った。これ以降、規則を軽視する傾向があるスコープを嫌っていたローズも含めて、グリフィンドール生は彼と親しく接するようになった。


「マルフォイさんのお家は、ウィルトシャーのソールズベリー近郊にあるんでしょう?」
 キッチンから、母・ジネブラが言った。
「箒で行くなら結構時間がかかるだろうから、お腹が空くことでしょう。アル、これを食べて行きなさい。」
 母は、テーブルの上の、一切れのクリームケーキを示した。
「ありがとう、母さん。いただきます・・」
 しかし、ケーキを食べるにつれ、アルバスは腰の辺りがむずむずするような感覚に襲われ、それが強まっていくのを感じた。最後の一口を食べ終えた時、妹のリリーが悲鳴を上げた。
「アル兄さん、その羽根どうしたの!?」
「羽根だって!?」
 いきなり意味不明な質問をされ、アルバスは面食らった。
「あーあ、失敗か・・」
 新学期からホグワーツの3年生になる兄のジェームズが言ったが、何故か顔がにやけていた。
「失敗って、何が? 2人とも何が言いたいんだい?」
「自分がどんな格好をしているか、鏡で見てみろよ。」
 アルバスが洗面台に行って鏡を見ると、腰から背中にかけてクジャクの羽根が生えていた。アルバスは、クリームケーキを食べている時、腰に違和感を感じたことを思い出した。ジェームズが母の目を盗んで、ケーキに何か変な物を混ぜたに違いない。
「僕の新発明品『ピーコックリーム』の感想は、どうだい?」
 血相を変えて戻ってきたアルバスを見て、ジェームズは言った。
「さっきのは試作品だから失敗したけど、完成品を使えばクジャクに変身することになる。WWWの商品として提供すれば、ジョージ伯父さんはボーナスをくれるだろうな。」
「そんなことどうでもいいから、早く取ってくれよ!」
「ジェームズ、あなたはまた たちの悪い悪戯をして!」
 キッチンから母がとんできた。
「さっさと取ってあげなさい! アルはこれからお友達のところにお邪魔するんですからね!」
「アルにクジャクの羽根が生えていようが、スコープはそんなこと気にしやしないさ。」
 ジェームズは落ち着き払って答えた。ちなみにスコープは、ジェームズにとってはクィディッチ・チームの後輩にあたる。
「僕が会うのはスコープだけじゃない! 御両親にも妹さんにもお会いするんだから、このままだと困るんだよ!」
 アルバスは言った。
「へえ。お前、スコープの妹を狙ってるのか? 将来の恋人に、無様な姿は見せたくないと?」
「友達の妹とカップルになるって、素敵だと思うわ。」
 リリーまでが、調子に乗り始めた。
「パパとママもそうだったのよね?」
「僕はそんな下心なんて抱いていない! それより、早くこの羽根を取れよ!」
「何の騒ぎだ?」
 父がリビングに戻ってきた。


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