二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜   
日時: 2016/05/10 22:19
名前: ウルワルス (ID: LF8j4K3p)

〜第一部〜  目次

主要登場人物紹介 >>01

第1章  初めての友達 >>02 >>03 >>04

第2章  組分け >>05 >>06 >>07 >>08 >>09

第3章  魔法史と いも虫 >>10 >>11

第4章  ハグリッドの小屋にて >>12 >>13

第5章  飛翔 >>15 >>16 >>18

第6章  クィディッチ >>19 >>20 >>21

第7章  クリスマス休暇 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29

第8章  蛇と蠍 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34

第9章  禁じられた森 >>35 >>36 >>37

第10章  序曲終了 >>38

あとがき >>39


第二部 >>40


第三部 >>153


訂正>>132 >>135 >>136 >>145

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Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜   第一部 ( No.22 )
日時: 2012/09/30 18:56
名前: ウルワルス (ID: AzyLAkTK)

 12月24日から、クリスマス休暇が始まる。スコープもアルバスもローズも、クリスマス休暇には家に戻る予定だった。

 23日の朝、3人は大多数の生徒と共にホグワーツ特急に乗り込んだ。
「魔法チェスをやらない?」 
 昼食を食べ終わったところで、ローズが提案した。
「いいね。やろう。」 スコープは言った。「アルもやるよね?」
「僕、ローズとはやりたくない。」 何故かアルバスはそう言った。
「いいわ。じゃあ、まずはスコープとアルが対戦して。私は勝ったほうと対戦するから。」

「やった、僕の勝ちだね!」 
 スコープは、アルバスのキングにチェックメイトをかけて言った。
「次は私の番ね。」
 ローズが自信たっぷりの笑みを浮かべて言った。

 程なくしてスコープは、なぜアルバスがローズとの対戦を嫌がったのかを思い知らされた。ローズはおそろしくチェスが上手く、理想的なチェスの指し方を表す格言* そのままに、序盤では確立された定跡に従い、中盤では記憶だけに頼ることなくその場に応じた戦術を臨機応変に繰り出し、終盤では機械的に深く状況を読むことで、スコープに圧勝した。



*「序盤は本のように、中盤は奇術師のように、終盤は機械のように指せ。」

『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜   第一部 ( No.23 )
日時: 2016/06/29 01:09
名前: ウルワルス (ID: LF8j4K3p)

 ホグワーツ特急は、夕方にはロンドン、キングズ・クロス駅の9と4分の3番線に到着した。
「新年に、また会おう。」
 スコープは列車から降りてアルバスとローズにしばしの別れを告げると、家族の姿を探し始めた。





            *




 ドラコ・マルフォイは、妻のアステリアと共に、息子がホグワーツ特急から降りてくるのを待っていた。自分と同じプラチナブロンドの髪をした息子は、大勢の人の中に紛れていても、目につきやすい。程なくして、息子スコーピウスがこちらに近付いてくるのが見えた。
「父上、母上。お久しぶりです。」 
「元気だったか?」 ドラコは言った。
「何事もなかったようで、安心したわ。サウロス達との間で問題を起こさないかと、心配で・・」 アステリアが言った。
「あんな下等な連中を、僕が相手にするわけないじゃないか。
 それより、ナターシャは? また体調を崩してるの?」
 スコープは、妹の姿がないのを気にしている。
「今朝から、熱が出てね。」 ドラコは答えた。
「レヴァルが看護している。『お兄様のお迎えにはぜひ行きたい。お兄様の友達にも会えるかもしれない』と言って、楽しみにしていたのだが。」
 ちなみにレヴァルとは、マルフォイ家に仕える屋敷しもべ妖精である。

「グリフィンドールに配属されたそうね。」 親子3人で駅の出口に向かう途中で、アステリアが言った。「友達はできた?」
「うん。グリフィンドールの1年生とは、大体仲良くなったよ。中でも一番の親友は、アルバス・ポッターとローズ・ウィーズリーかな。」
 ドラコは驚いて、妻と顔を見合わせた。
 アルバス・ポッターとローズ・ウィーズリーが、良くも悪くも忘れようがないかつての「宿敵」達の子であることを、ドラコは知っていた。魔法省に勤めるドラコは、廊下やエレベーターの中で偶然彼らに出会すことが時々あったからだ。
 ハリー・ポッター、ロナルド・ウィーズリーとは、互いに会釈する程度で会話したことはなかったが、ハーマイオニー・グレンジャー(現在の姓はウィーズリー)とは、互いの職務や家庭について話すことが何度かあった。ドラコは、12年前のハーマイオニーとの会話を思い出した。


           *


「あら、ドラコ。しばらくだったわね。」 
 12月上旬のある日、休憩時間中に廊下で会った時、ハーマイオニーはそう言った。ハーマイオニーとは、それまでの数ヶ月間会っていなかった。そのせいか、ドラコはすぐに彼女の変化に気付いた。
「『おめでた』かい?」 いささか不躾な質問だとは思ったが、そう尋ねた。
「ええ。見ての通り。でなきゃ、マグルの言う、いわゆる『メタボリック・シンドローム』ということになるわ。」 
「何ヶ月になる?」
「今月で満6ヶ月になるわ。そろそろ産休をとるつもり。」
「そうか。実は・・」 言いかけて、ドラコは口をつぐんだ。これを言うのは、何だか気恥ずかしい。
「『私の家内も妊娠している』とでも言いたいの?」 ハーマイオニーは、悪戯っぽく微笑みながら言った。
「・・ああ。まだ3ヶ月だが。
 ところで、6ヶ月ということは、そろそろ性別が分かる頃だろう? 調べてもらったかい?」
「女の子だそうよ。」 ハーマイオニーは、愛おしそうに腹部に手を当てた。「ロンは男の子が欲しかったみたいだけど。」
「2人とも若いんだから、まだまだチャンスはあるさ。名前は決めてるのか?」
「『ローズ』にするつもり。」
「『薔薇』か・・」
「私、こう見えても薔薇の花が好きなの。
 ところで、気が早いようだけど、子供が11歳になったらどこの学校に入れるつもり? まさかダームストラングに入れたりしないわよね? もちろん、ダームストラング生や教師のすべてが悪い人ではないことは分かってるけど・・」
「ダームストラングには入れない。」 ドラコはきっぱりと答えた。
「生まれてくる子がスクイブでない限り、ホグワーツに入れるつもりだ。」
 それを聞いて、ハーマイオニーは微笑んだ。
「もしかしたら、私達の娘とあなたの子供はホグワーツで知り合って、友達になるかもしれないわね。そう言えば、ハリーとジニーに2番目の子供ができたそうよ。昔の私とロンとハリーみたいに、3人で一緒に行動することになるかもね・・」


            *


『彼女の言葉が本当になるとはな・・』
「父上?」 スコープの言葉で、ドラコは我に返った。
「そんなに驚きましたか? まあ、無理もないですね。僕自身、まさかハリー・ポッターの御子息と友達になるなんて思っていなかったから。
 ところで、僕は彼らにクリスマスプレゼントを贈ろうと思うんだけど、明日ダイアゴン横丁に買い物に行ってもいいですか?」
「・・ああ。もちろんだ。」 ドラコは答えた。








補足
・ハーマイオニーは、妊娠 満10ヵ月で出産した。
・スコーピウスの誕生月は7月、ローズの誕生月は4月
 


Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜   第一部 ( No.24 )
日時: 2012/10/08 17:10
名前: ウルワルス (ID: visZl1mw)

補足 〜「第二世代」のホグワーツ卒業後の進路〜

・ハリー・ポッター
 魔法省魔法法執行部闇祓い局に就職。現在は闇祓い局局長。

・ロナルド・ウィーズリー
 闇祓い局に就職。

・ハーマイオニー・グレンジャー
 魔法省魔法生物規制管理部に就職し、屋敷しもべ妖精の地位向上に尽力する。のちに魔法法執行部に異動。

・ジネブラ・ウィーズリー(ジニーは愛称)
 プロクィディッチチーム「ホリヘッド・ハーピーズ」に入団。ハリーと結婚後、引退して日刊予言者新聞のクィディッチ担当記者となる。

・ルーナ・ラブグッド
 魔法生物学者となり、同じく魔法生物学者であるロルフ・スキャマンダーと結婚する。父親の悲願でもあった「しわしわ角スノーカック」の発見に成功した。

・ハンナ・アボット
 ネビル・ロングボトムと結婚し、パブ・「漏れ鍋」の女将となる。

・チョウ・チャン
 プロクィディッチチーム「タッツヒル・トルネードーズ」に入団。マグルのエドワード・バーンスタインと結婚後、引退。エドワードとの間に娘エレインを授かる。
 エレインは第四部以降、本二次小説に登場する予定。

・コーマック・マクラーゲン
 コネにより魔法省に入省。どういうわけか、キングズリー・シャックルボルトの跡を継いで史上最年少の魔法省大臣となることに成功する(笑)。

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜   第一部 ( No.25 )
日時: 2012/12/03 13:05
名前: ウルワルス (ID: e22GBZXR)

 スコープは両親と共に駅から出た。しばらく歩き、人通りが少ない地点まで来ると、父に家まで「付き添い姿現し」をしてもらった。

「お帰りなさいまし、御主人様、奥様。
 お久しぶりでございます、スコープぼっちゃま。お元気そうで何よりでございます。」
 屋敷僕妖精のレヴァルが玄関まで出迎えに来た。
「ただいま、レヴァル。早速だけど、ナターシャは?」
「お嬢様のお熱は、だいぶお引きになりました。お話ししても大丈夫だと存じます。」
 スコープはナターシャの部屋に向かった。

 スコープは、まず部屋のドアをノックした。いくら妹とはいえ、女性の部屋にノックもせずに入るのは不躾だろう。
「ナターシャ、僕だ。入っていいかい?」
「お兄様。」 ナターシャの嬉しそうな声が聞こえた。「どうぞ、お入りになって。」
 ナターシャは、ベッドの上で上半身を起こしていた。背中の中程まで届く髪は父兄と同じプラチナブロンドで、目は明るいブルーだ。
「発熱したと聞いたけど、思ったより元気そうでよかった。」
「お兄様のお迎えに行けなくて、残念です。お兄様のお友達にも、お会いしたかったのに。」
「どのみち、会えるさ。お前も2年後には、ホグワーツに入学するんだからね。」
 だが、スコープの言葉を聞いてナターシャの表情は暗くなった。
「私には、無理です・・」
「どうして?」
「私は病弱でしょっちゅう熱を出すし、そもそも歩くことさえできません。」 ナターシャは、ベッドの横に置いてある車椅子に目をやった。−−ちなみに、この車椅子には魔法がかけられていて、乗り手の意思に従って自動で動く。段差のあるところでは、浮遊させることも可能。−−
「学校に行けなくても、構いません。お母様やレヴァルがそばにいてくれますから。それに、お父様もお兄様も、お仕事や学校がないときは、こうしてそばにいてくださる。私はこれ以上高望みはしません。」
 ナターシャはその体のせいか、随分と悲観的な少女だった。
「・・大丈夫だ。サウロスやヴァレンティンみたいに、お前にひどいことを言ったり危害を加えたりするようなやつがいれば、僕や友人達がそいつに呪いをかけてやるから・・」
「お気持ちは嬉しいです。だけど、私のせいでお兄様や友人方が誰かを傷つけることになったら、それこそ耐えられません・・」
 スコープはため息をついた。
「2年後には、きっとお前の気持ちも変わってるさ・・」
 その時、レヴァルが体調の悪いナターシャのために、食べやすい食事を持ってきた。 「お夕食でございます、お嬢様。」
 それから、レヴァルはスコープに対して言った。
「ぼっちゃまにも、お夕食の準備ができました。御主人様と奥様は既に着席なさっています。ジェレイントには新鮮なお魚を与えました・・」
「分かった、今行くよ・・」


            *


 翌日、父からガリオン金貨の袋を渡されたスコープは、フルーパウダーを使ってダイアゴン横丁に向かった。スコープはまず「高級クィディッチ用品店」に向かった。アルバスへのプレゼントを買うためだ。
 来年度に備えて競技用箒を贈ろうかとも思ったが、やめておいた。さすがに子供の一存で買うのはどうかと思ったし、来年度のクィディッチシーズンまでに新型が出るかもしれないからだった。結局、ドラゴンの皮でできた特別丈夫な練習用クアッフルを買うことにした。

 次にスコープは、フローリシュ・アンド・ブロッツ書店に向かった。読書が趣味だと言っていた、ローズへのプレゼントを買うためだ。スコープは、歴史書『アーサー・ペンドラゴンとその時代』を購入した。

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜   第一部 ( No.26 )
日時: 2012/10/13 15:45
名前: ウルワルス (ID: visZl1mw)

 友人へのクリスマスプレゼントを買うというさしあたっての目的は果たしたが、金はまだたくさん残っていた。スコープはショッピングを続け、菓子屋では「蛙チョコレート」一箱と「百味ビーンズ」を購入した。
 スコープはふと、ある店の前で足を止めた。店の看板には「リトス宝石・装身具専門店」とある。ショウウインドウには、指輪、ネックレス、ブレスレットなどが展示してある。それらを装飾する宝石は、1つ1つが様々な色に輝いていた。スコープは、説明書きに目をやった。

−−本店で扱う宝石には変身術がかけられており、持ち主の服装に合わせてもっとも理想的な色にその都度変化します−−

『ローズも女の子だから、案外こういうのが好きかもしれないな。』
 そんな思いつきが、スコープの脳裏をよぎった。それに、クリスマスに歴史の本を贈るというのは、あまり気の利いたことではないのかもしれない。
 スコープは、赤く輝く宝石が金で縁取りされたブローチに目を留めた。数秒後、宝石は緑に、縁取りは銀色に変わり、さらにその後、宝石はブルーに、縁取りは赤銅色に変化した。値札には「20ガリオン」と書かれている。今日既に買った物の合計金額より高い。
『少し高いけど、まあいいか。』 
 結局、スコープはそのブローチを購入した。応対した店員は、10代前半の子供が20ガリオンもの大金を平然と支払ったことに、随分と驚いていたが。

 袋の中には3分の1ほど金貨が残っていたがスコープはそろそろ帰ることにし、フルーパウダーを使って帰宅するため、暖炉があるパブ・「漏れ鍋」に向かって歩き始めた。
 だがいくらも進まないうちに、突然視界が真っ暗になった。じきに方向感覚も無くなってしまい、スコープは暗闇から逃れようと手探りしながら必死で動き回った。
「どうだ!? 最新版インスタント煙幕『ダークネス』の威力は!」
 スコープの耳に、馴染みのある声が聞こえてきた。
「初回販売と言うことで、今なら特別に半額で手に入るぞ! さあ、買った買った!」
「僕、買うよ!」
「僕も買う!」
 口々にそれに答える声がした。声の調子からすると、スコープよりも年下のようだ。せいぜい7、8歳くらいだろうか。
「フレッド。商売熱心なのは結構だけど、まずはこの煙幕を消した方がいいんじゃないの?」 
 やはり聞き覚えのある声がしたと思うと、唐突に視界が晴れた。
「スコープじゃないか!」
 グリフィンドール・クィディッチチームの先輩、フレッド・ウィーズリーが言った。フレッドの傍にはジェームズ・ポッターとルイス・ウィーズリーもおり、3人の周りを7、8歳くらいの子供達が取り巻いていた。
「先輩達、通りの真ん中で一体何をしてるんですか?」
 スコープは、幾分非難の意も込めて尋ねた。
「親父の店の新商品の宣伝さ。」 
 フレッドが答えた。彼の父親は、このダイアゴン横丁で「ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ」という悪戯グッズ専門店を経営している。
「僕とルイスはアルバイトだ。」 ジェームズが言った。
「来年度は、最新型の箒でクィディッチをプレイしたいからね。お金を貯めてるんだ。」
「ジェームズときたら、今年度のシーズンもまだ終わってないのにこんなことを言うんだよ。」
 ルイスが言った。ちなみに、彼はクィディッチチームのメンバーではない。ジェームズに付き合っているだけなのだろう。
「君の姉さん・ビクトワールがいる以上、グリフィンドールの優勝は決まってるようなものさ。彼女がチームに入ってから、グリフィンドールは連年クィディッチ杯を獲得してるんだろ?」 ジェームズが言った。
「姉さんは天才だからね。現時点で、『ホリヘッド・ハーピーズ』にスカウトされるくらいだから。」 ルイスが言った。「そう言えば、ジニー叔母さんも結婚する前はハーピーズの選手だったんだよな?」
「今の体型からは少し信じられないけどね。」 ジェームズが言った。
「とにかく、スコープ。グリフィンドール・クィディッチチームは過去5年間不敗を誇ってきた。僕という優秀なシーカーも入ったことだし、今年度もそうなるだろう。だからこそ君とアルには、来年度無様なプレイをすることは許されないぞ。」 
 ジェームズの口調は、このようにある程度真面目な台詞を発している時でさえ、どこかおどけた調子だったが、スコープは深刻に受け止めた。
「分かっています・・」
「そんなに深刻に受け止めるなよ。」 ルイスが笑いながら言った。
「姉も兄も、君達の上達の度合いは半端じゃないって言ってたぜ。」
「お前ら、バイトに来てるのならちゃんと仕事しろよ。親父に報告するぞ?」
 ジェームズとルイスが話している間に、「インスタント煙幕『ダークネス』」を完売したフレッドが言った。
 


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