二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜   
日時: 2016/05/10 22:19
名前: ウルワルス (ID: LF8j4K3p)

〜第一部〜  目次

主要登場人物紹介 >>01

第1章  初めての友達 >>02 >>03 >>04

第2章  組分け >>05 >>06 >>07 >>08 >>09

第3章  魔法史と いも虫 >>10 >>11

第4章  ハグリッドの小屋にて >>12 >>13

第5章  飛翔 >>15 >>16 >>18

第6章  クィディッチ >>19 >>20 >>21

第7章  クリスマス休暇 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29

第8章  蛇と蠍 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34

第9章  禁じられた森 >>35 >>36 >>37

第10章  序曲終了 >>38

あとがき >>39


第二部 >>40


第三部 >>153


訂正>>132 >>135 >>136 >>145

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『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.12 )
日時: 2014/04/01 14:37
名前: ウルワルス (ID: BgA0tTDI)

ホグワーツ教職員紹介

校長:フィリウス・フリットウィック

変身術担当:アンソニー・ゴールドスタイン(レイブンクロー寮監)

薬草学担当:ネビル・ロングボトム(グリフィンドール寮監)

呪文学担当:アーニー・マクミラン(ハッフルパフ寮監)

闇の魔術に対する防衛術担当:アダルベルト・ルーデンベルク

魔法薬学担当:セオドール・ノット(スリザリン寮監)

魔法生物飼育学担当:ルビウス・ハグリッド

飛行訓練担当:オリヴァー・ウッド

魔法史担当:カスバート・ビンズ 








 週の最後の授業である金曜日の3・4時限目は、スリザリンとの合同授業である魔法薬だった。
 ローズは、魔法薬の授業が好きではなかった。もちろん、授業が分からないからではない。魔法薬担当教師でスリザリン寮監のセオドール・ノットが、スリザリンを露骨にひいきするからだった。ノットが発問した際にローズが挙手しても、他に挙手がなくてもことごとく無視された。仕方がないので指名なしで発言すると、グリフィンドールから減点された。
 一方で、ノットの息子マヌイルやサウロス・マルフォイ、ヴァレンティン・レストレンジは優遇されていた。今日の授業でもノットは、レストレンジが角ナメクジを完璧に茹でたからみんな見るようにと言ったが、レストレンジのナメクジを見て、絶対自分の方が上手くできているとローズは思った。

 授業が終わり、ローズは昼食のため大広間に向かっていた。移動の際、大抵ローズは1人だった。アルバスとフランクは、あの馬鹿な「お子ちゃま」のスコーピウスと一緒に行動していた。

『ローズ、あいつとはあんまり親しくなるなよ。』
ローズは、キングズ・クロス駅の9と4分の3番線のプラットフォームで、父ロナルドがスコーピウスを指して言った言葉を思い出した。
『純血なんかと結婚したら・・・』

『まさか。』ローズは心の中で独り言ちた。『私があんな子と・・』
「ちょっといいかな? ミス・ウィーズリー。」 不意に、ローズは後ろから声をかけられた。振り向くと、ヴァレンティン・レストレンジがこちらに近付いてくるところだった。彼の他に、近くに人はいなかった。
「私に何か用?」
ローズは胡散臭そうに言った。スリザリン生に対しては、組分け直前の一件もあり、スコーピウスに対する以上に嫌悪感を抱いていた。
「君は男女交際に興味があるかい?」いきなりレストレンジが言った。
「ないわ。」 ローズはきっぱりと答えた。「会話するのも初めての相手にそういうことを訊くなんて、どういう神経してるの!?」
「そうか、興味ないのか。もったいないな、君は結構かわいい顔をしてるのに。」
 レストレンジは、ローズの言葉の後半が聞こえなかったように言った。
「それじゃあ、僕が男女交際の楽しさを教えてあげよう。」
 不意にレストレンジは、ローズの肩のあたりを掴んで壁に押しつけ、顔を近付けてきた。
「僕と付き合わないか・・?」あまりのことに、ローズはしばしの間動くことができなかった。しかしレストレンジは、ローズが動かないのは自分を受け入れたからだと思ったらしく、さらに接近してきた。互いの唇が、触れ合いそうになった・・・

 ガツッ!
 鈍い音と共に、レストレンジがよろめいた。ローズが、手に持っていた魔法薬の教科書で彼の側頭部を殴りつけたのだった。
「二度と私に近付かないで!」
 ローズはそう言い放つと、痛みと屈辱で顔を歪めたレストレンジを残して、さっさと歩き去った。

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜   第一部 ( No.13 )
日時: 2012/09/17 16:04
名前: ウルワルス (ID: AzyLAkTK)

「僕は3時頃からハグリッドの家にお茶をよばれに行くことになってるんだけど、君も来るかい?」
 昼食の席で、アルバスがスコープに尋ねた。
「そういえば、入学の日にも言ってたね。」スコープは少し考えてから言った。「では、僕もお邪魔させてもらおう。」

 2人は3時5分前に城を出て、校庭を横切った。ハグリッドの家(というより小屋)は、「禁じられた森」の端にあった。アルバスがノックすると、ハグリッドが現れた。
「おお、アル。よく来たな。・・・一緒にいるのは、スコーピウス・マルフォイだな?」
「そうだよ。僕の友達だ。」
 アルバスの言葉を聞いて、ハグリッドは明らかに驚いたようだった。
「お邪魔します・・」スコープは遠慮がちに挨拶した。
「ん、ああ。よろしくな、スコーピウス。
 さあ、2人とも入ってくれ。」
 家の中には、既に先客がいた。
「どうしてスコーピウスがいるの?」
 既に着席していたローズ・ウィーズリーが、不機嫌そうに言った。
「そう訊きたいのはこっちも同じだ。」スコープは言い返した。「アル。どうしてウィーズリーも来ると言ってくれなかったんだ? そのことを知っていたら来なかったのに。」
「スコーピウス。お前さんは2人の友達じゃないのか?」ハグリッドが言った。
「確かにアルとは友達だけど、こいつと友達になった覚えはありません。」 
「ローズが来ることを教えずに君を来させたのは、その・・君とローズが、このお茶会をきっかけに仲良くなってほしいと思ったからなんだ。」アルバスが言った。「君達は月曜日の変身術の授業から、一度も口を利いてないじゃないか。」
 スコープとローズは反駁しようとしたが、「アルの言うとおりだ。スコーピウス、ローズ、お前さん達は同じグリフィンドール生として仲良くせねばならんぞ。」と、ハグリッドが言った。「さあ。喧嘩はもうやめにして、お茶にしよう。」

「訊きたいことがあるんだけど、いいですか?」スコープは、歯が折れるくらい固いロックケーキを苦労して食べながら、尋ねた。
「なんだ?」
「どうして自己紹介もなしに僕の名前が分かったんですか?」
「お前さんは教職員の間でもかなり有名だからな。なにしろ、マルフォイ家からグリフィンドール生が出たんだから、無理もない。」
「ハグリッド、あなたもホグワーツの先生なのよね?」ローズが言った。
「そうとも。」ハグリッドは誇らしそうに答えた。
「じゃあ、先生としてのあなたに言うわ。
 スコーピウスは校則を破ってるの。学校に持ち込んではいけない生き物を持ってきてるのよ。」
 ローズがそう言ったとたん、ハグリッドの雰囲気が変わった。
「スコーピウス!」ハグリッドはスコープの方に身を乗り出した。スコープは、てっきり怒られるのだと思った。
『どうやって切り抜けよう? 部屋で持ち物検査でもされたらおしまいだ。検査が始まるまでにジェレイントを隠す時間があればいいけど、部屋までついて来られたら・・』
「お前さん、どんな生き物を持ってきてるんだ!?」
「闘蛇(とうだ)です・・」スコープは観念して答えた。「縮小呪文をかけて、ケースに入れて持ってきたんです。あいつとは3つの時からずっと一緒だったから、離れられなかったんです・・」
「そいつは素晴らしいことだ、スコーピウス!」ハグリッドが感激したように言った。スコープもローズもアルバスも、呆気にとられた。
「そこまでペットに、ひいては生き物に愛情を注げるもんは、そうそうおらん。俺はお前さんが気に入ったぞ。」
「そ、それはどうも。では、見逃してくださるのですか?」
「もちろんだ。俺も学生の頃は、いや、森番になってからでさえ、不法に生き物を持ち込み、飼育していたもんだ・・」
「なんてことを。」ローズが呆れたように言った。「それでよく先生になれたわね。」
「そう言うな、ローズ。世の中には規則なんかよりずっと大事なもんがあるんだからな。」
「先生であるハグリッドが認めるなら、しょうがないわね。私も、闘蛇を持ち込んだことを許してあげるわ。スコーピウス。」
「フン、偉そうに。」
 そう言いながらもスコープは、あの変身術の授業以来ローズに対して抱いていた憎しみが、少し和らいだのを感じた。
「ところで、スコーピウス。俺はまだ闘蛇を見たことがないんだ。今度ここに来てみせてくれるか?」ハグリッドが言った。
「ええ、喜んで。」
「それじゃお返しに、お前さんが見たことがないであろう生き物を見せてやろう。」
 お茶が済むと、ハグリッドは3人を小屋の裏に連れて行って、バックビークという名のかなり年取ったヒッポグリフを見せてくれた。





補足

・ハグリッドが、アルバスにスコーピウスと友達だと聞かされて驚いたのは、もちろん学生時代の親同士の対立を知っているからです。
・ハグリッドの飼い犬ファングは、既に老衰で死んでいるという設定です。犬だから当然ですよね?
 


 

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜   第一部 ( No.14 )
日時: 2012/09/17 16:20
名前: らーら (ID: AzyLAkTK)

>>13 の補足

 なんでハグリッドは、スコーピウスがドラコの息子だと分かったの?

『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.15 )
日時: 2014/04/10 15:34
名前: ウルワルス (ID: BgA0tTDI)

新登場人物紹介

・オリヴァー・ウッド
 ホグワーツ卒業後、プロクィディッチ・チームのパドルミア・ユナイテッドに入団。1年目は2軍だったが、2年目以降1軍に起用される。
 1998年のW杯ノルウェー大会、2002年の日本大会、2006年のペルー大会、2010年のロシア大会にイングランド・ナショナルチームのキーパーとして出場。2014年に引退。以後は母校ホグワーツで飛行訓練担当教師兼寮対抗クィディッチ杯審判を務める。







 入学から2週目の月曜日、スコープとアルバスはグリフィンドールの談話室に「お知らせ」が貼り出されていることに気付いた。

−−飛行訓練が木曜日から始まります。グリフィンドールとスリザリンの合同授業です−−

「やったな、とうとう始まるぞ。スリザリンとの合同授業ってのは気に入らないけど。」アルバスが言った。
 スコープもアルバスも、箒で飛ぶのは得意だった。2人とも、来年度からはクィディッチ・チームに入るつもりだった。
「兄のジェームズは、今年からクィディッチ・チームに入るつもりだって言ってた。」アルバスは言った。「シーカーを狙ってるらしい。あいつは本当に飛ぶのが上手いから、僕が来年シーカーに選ばれるのは無理だろうな。だから僕はチェイサーを狙ってみるよ。今のチェイサーのうち、ビクトワールとリヴは今年度で卒業するから、空きが2人分できる。来年は一緒にチェイサーをやらないかい?」
 スコープとしては、学生時代の父と同じくシーカーとしてプレイしたいと思っていたが、アルバスと一緒にチェイサーをやるのも面白そうだった。
「いいね。来年度が楽しみだ。」

 一方、「お知らせ」が貼り出されてからというもの、ローズは何だか元気がないようだった。
「ローズは、箒で飛ぶのが苦手なんだ。」アルバスはこっそりとスコープに教えた。「君にとっては、変身術での借りを返すチャンスでもあるわけだけど。」
 スコープは、ますます飛行訓練が待ち遠しくなった。





            *





 
 木曜日の午後3時半、ローズは憂鬱な気分で他のグリフィンドール生と共に城の裏手に広がる平坦な芝地に向かった。
「1年生の諸君、飛行訓練担当のオリヴァー・ウッドだ。」元プロクィディッチ選手であるウッド先生が自己紹介し、飛行の心得を話し始めた。
「飛行が苦手な者も、或いは一度も箒に乗ったことがない者もいることだろう。だが、怖がることはない。怖がらず、箒に全幅の信頼を寄せるのだ。さすれば、箒は必ず君達の思い描く通りに動いてくれるだろう。
 箒とは単なる道具ではない。これまでの人生で、私はこのように感じるようになった。そう、箒は『友達』なのだ!」
 幾人かの、熱狂的なクィディッチファンと思われる生徒達が、この名演説(ローズにはそう思えなかったが)に大きな拍手を送った。
「では、実際に飛んでみようか。
 まず、右手を箒の上に突き出して。」先生が言うと、皆そのようにした。
「そして、『上がれ!』と言う。」
 みんなが「上がれ!」と叫んだ。1回で箒が手に収まった生徒は少数だった。もちろん、ローズは少数の中に入れなかった。何度言っても、箒は地面の上でピクピク動くだけだった。
 ローズは誰かの視線を感じ、箒に向けていた目を上げた。箒を手に収めたスコーピウスが、こちらを見ていた。だがその顔には、あの変身術の授業でローズが彼に向けたような、嘲りの色はなかった。むしろ、哀れみの表情が浮かんでいた。
 ローズは、非常な羞恥を覚えた。箒を「上げる」こともできない今の自分も恥ずかしかったが、それ以上にスコーピウスを嘲ったあの時の自分が恥ずかしかった。このことは、一時的に箒で飛ぶことに対する恐怖心を忘れさせた。
「上がれ!」
 ローズの箒は勢いよく跳ね上がったが、勢い余って額にぶつかった。

「みんな箒を手に持ったようだな。では、飛べる者は思い思いに飛んでみなさい。
 怖い者は無理をしないように。私が基礎から教えてあげるから。」
 ローズは、スコーピウスとアルバスが軽々と空中高く浮かび上がるのを見た。あのスリザリンの3人組、サウロス・マルフォイ、レストレンジ、ノットも、待ってましたとばかりに飛び上がった。フランクやラウル・アンダーソンがそれに続いた。
 ローズは先生の言葉に反して、怖いのに無理をして空中に浮かび上がった。

 ローズは幼い頃、弟のヒューゴや いとこ のジェームズ、アルバス、リリーと一緒に「空中鬼ごっこ」をしていた際、誤って箒から落下し、首の骨を折ったことがあった。骨折はすぐに母が治してくれたが、骨折に伴う身体不随を治すには聖マンゴ病院に入院するしかなかった。
 それ以来、ローズは箒で空を飛ぶことに対して恐怖心を抱くようになった。

 

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜   第一部 ( No.16 )
日時: 2012/09/23 13:47
名前: ウルワルス (ID: AzyLAkTK)

 ローズは、乗り手の恐怖心を感じたのかとんでもない方向に飛んで行こうとする箒を必死で制御しながら、しばらく飛び続けた。
「地上が恋しいかい? ウィーズリー。」 先週殴ったことに対する腹いせなのか、レストレンジが近づいてきて嘲った。
「何だい、その顔は? 腹が立つなら、この前みたいに僕を殴ったらどうかな?」
 マルフォイとノットも近づいてきた。
「ヴァリー、可哀そうなことを言うんじゃない。」ノットが言った。「君を殴ろうとして片手だけでも放せば、この箒はウィーズリーを宇宙の彼方にまで運び去ってしまうだろうよ。」
「ウィーズリーが君を殴ったというのは本当なのか?」 マルフォイがレストレンジに言った。
「まあね。」 
 レストレンジは、「しまった」というような表情を浮かべて言った。あまり知られたくない事柄だったのだろう。
 だがもちろん、マルフォイの関心はレストレンジをからかうことには向けられなかった。
「穢らわしい『混血』のくせに、よくもそんな不遜な真似を。」 マルフォイが言った。
「そういえば、入学の日に脅迫された借りもまだ返してなかったな。」
 言うなりマルフォイはローズに体をぶつけてきた。ローズは危うく箒から落ちそうになった。
『地上に降りれば・・』
 ローズは降下しようとしたが、ノットが先回りしてマルフォイ同様体当たりしてきた。
「君もやれよ、ヴァリー。」 マルフォイが言った。「こいつを箒から落とす権利は、君のものだ。」
「そうだな・・」 
 あまり乗り気ではなさそうだったが、レストレンジも強く体をぶつけてきた。先程から不安定にぐらぐらするようになっていた箒が、一層激しく揺れた。体当たりの衝撃がこれに加わり、ローズは両手を箒から放してしまった。
 


 スコープはアルバスと一緒に飛行を楽しんでいた。どちらがより速く飛べるかや、どちらがより綺麗に方向転換できるかを競ったりした。2人の技量はほぼ拮抗していたが、強いて言えば、アルバスの方が少し飛ぶのが速く、スコープの方が少し方向転換やフェイントが上手かった。
「君達。」 ウッド先生が2人のところまで飛んできた。「素晴らしい飛びっぷりだ。君達には天性の才能がある。来年度からはぜひクィディッチ・チームに入るといい。
 特に、ポッター。君のお父さんは素晴らしいクィディッチ選手だった。闇祓いになったのが残念なくらいにな。」
「父をご存じなんですか?」 アルバスが言った。
「もちろんだ。−−というより、ハリー・ポッターを知らない者など魔法界にはいまい。−−君の父は、私が5年生の時からグリフィンドール・クィディッチチームのシーカーを務めていた・・・」
 アルバスとウッド先生が話し始めたので、スコープは他の生徒達が飛ぶ様子を眺めることにした。
 ローズが飛んでいるのが見えた。スコープから見ると、かなり危なっかしくてお粗末な飛び方に思えた。飛ぶことを怖がっているのは、傍目にも明らかだった。
 ローズをからかって変身術での借りを返してやろうという気にはならなかった。飛行訓練が始まるまではその気になっていたのだが、一生懸命に箒を「上げ」ようとする様子や、怖いのを我慢して健気に飛び続ける姿を見ていると、復讐心が薄れてくるのだった。
 ふと、3人の生徒がローズに近付くのが見えた。ヴァレンティン、マヌイル、サウロスだった。3人は口々にローズに言葉を浴びせているようだった。あの3人のことだから、良い内容であるはずがない。
 


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