二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜【完結】
- 日時: 2014/05/06 19:04
- 名前: ランスロット (ID: QNd6qtAW)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=26534
どもです、はじめまして。ランスロットと申します。
この作品は、「ダンガンロンパ」のオリジナルシリーズとなります。
他の作者様方みたいに、「この小説」では超高校級の生徒達は募集いたしません。
この作品と「繋がりのある」シリーズを投稿した際に、募集をかけたいと思います。どうかご了承をお願いいたします。
原作の、スーダン及びゼロのネタバレが出てくるので、ネタバレが嫌な人はブラウザバック推薦です。
なお、原作のキャラは「モノクマ以外は」出てきません。原作キャラを「模したアイテム」は出てくるかもしれません。
ちなみに、作者が好きなキャラは石丸クンと田中クンです。
軽くキャラ紹介を挟み、本編へと参りたいと思います。
小説なんてほとんど書いたことがない初心者なので、文章に矛盾があったり、推理が強引だったり、トリックが雑だったりしますが、温かい目で見てやってください。どうかお願いします。
感想・ご意見などがございましたら、ぜひ書き込んでください。お願いします。
※作者の体調不良が続くため、更新がやや遅くなるかと思われます。ご了承をお願いいたします。
(10/10追記)500参照!!ありがとうございます本当にありがとうございます(土下座)
これからもダンガンロンパFをよろしくお願いします!!
(10/29追記)せ、1,000参照ですか?!ありがとうございます本当にありがとうございます!!
まさか参照数が4桁超えるなんて…。凄すぎますよ本当に!!
これからも、ダンガンロンパFをよろしくお願い申し上げます!
(11/22追記)せ、1,500参照突破しましたよ奥さん!こんな駄文に付き合ってくださっている皆様本当にありがとうございます…orz
これからもどうかよろしくお願いします!
(12/7追記)に…2,000突破…。本当にありがとうございます…orz
ここまで来れたのも皆様のおかげです。これからもよろしくお願いします!
(12/26追記)2,500突破おめでとうございます!ありがとうございます!まさかここまで付き合ってくださっている皆様がいるなんて…!本当に感謝したりないです…。
これからもよろしくお願いいたします!
(1/18追記)3,000突破ありがとうございます…。どれもこれも皆様のおかげでございますアブアブアブ…←
これからもどうかよろしくお願いいたします!
(1/29追記)さ、3,500突破ありがとうございます!!これも皆様のおかげでございます…。
物語も終盤に入ってきましたが、どうかお付き合いくださいませ。
これからもどうかよろしくお願いします!
(2/8追記)ぎ、ぎにゃああああああああああ4,000参照突破ですかああああああ?!本当にありがとうございます!!
これからもよろしくお願いいたします!
(2/16追記)4,500突破しました!!ありがとうございます!!これからもダンガンロンパFをよろしくお願い申し上げます!!
ま、まさかここまで来れるとはなぁ…。しかも間隔短くなってる気がするから…読んでくださる作者様増えていらっしゃるのですよね?う、うれしい…。
(2/23追記)5,000突破しましたウワアアアアアアアアア(泡吹いて気絶)
ほ、本当にありがとうございます!!これからもどうかよろしくお願い申し上げます!!
(3/6追記)5,500…突破です!!!ありがとうございます!!!
これからもよろしくお願いします!!!
(3/17追記)6,000突破…だと…?!おいどういうことだ説明しろ苗木!!← 冗談ですww
まさかここまで読んでくださっている方がいることに驚きの連続でございますwww 本当にありがとうございます!!
(3/26追記)まさかの6,500突破でございます!!ありがとうございます!!
1章は無事完結いたしました。ポップンロンパ、F神崎を通して2章へと進んでいこうと思います。是非そちらもお願いいたします!!
目次になります。
読みたい話数が分からない際にどうぞ。
chapter00 〜絶望職場体験・スタート〜
>>5 >>6 >>7 >>8-12
>>14-15 >>18-20
chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 (非)日常編
>>22 >>23-24 >>26-30
>>31 >>32-33 >>34-35
chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 非日常編
>>36-37 >>40 >>44-45 >>46
chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 学級裁判編
>>47-48 >>49-50 >>53 >>56(おしおき編)
>>57-58
chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 (非)日常編
>>60 >>61-62 >>63 >>67-68
>>69-71 >>72-73 >>74-75
chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 非日常編
>>76-78 >>81
chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 学級裁判編
>>83-84 >>85-86 >>87 >>91(おしおき編)
>>95-96
chapter03 〜We are so Zetsubou〜 (非)日常編
>>100 >>103-104 >>105-106 >>108-109
>>110-111 >>112 >>115-117
chapter03 〜We are so Zetsubou〜 非日常編
>>118-120 >>122 >>124
chapter03 〜We are so Zetsubou〜 学級裁判編
>>125 >>128-130 >>131 >>135(おしおき編)
>>138-140
chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 (非)日常編
>>142 >>147 >>150-151 >>154-155
>>159-162 >>163
chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 非日常編
>>164-166 >>169
chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 学級裁判編
>>173-174 >>175-176 >>182 >>183(おしおき編)
>>188 >>191
chapter05 〜キオクのウタ〜 (非)日常編
>>193 >>194 >>195-196 >>199-200
>>203-204 >>211 >>213-214 >>215-216
>>217-218
chapter05 〜キオクのウタ〜 非日常編
>>219-221 >>222
chapter05 〜キオクのウタ〜 学級裁判編
>>224-225 >>226-227 >>228-229 >>232(おしおき編)
>>233-234
chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 非日常編
>>236 >>237-238 >>239-242 >>243-244
>>246-248 >>249
chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 学級裁判編
>>252-255 >>258 >>260-262 >>263-267 >>268
chapter Epilogue 〜サヨナラ、モノクマシティ〜
>>282-283
キャラクター紹介編 〜モノクマの部屋〜
第1回「神谷春子」 >>13
第2回「冥雅雪斗」 >>21
第3回「村上一夜」 >>25
第4回「chapter01被害者」 >>41
第5回「chapter01総評・解説」 >>59
第6回「chapter01クロ・企画お知らせ」 >>64
第7回「chapter02被害者」 >>82
第8回「chapter02総評・解説」 >>99
第9回「chapter02クロ」 >>107
第10回「chapter03被害者その1」 >>121
第11回「chapter03被害者その2・記念企画お知らせ」 >>123
第12回「chapter03総評・解説/予想・人気投票お知らせ」 >>141
第13回「chapter03クロ」 >>156
第14回「chapter04被害者」 >>172
号外「これは凄いことだね!名誉だね!」 >>181
第15回「chapter04総評・解説」 >>192
第16回「chapter04クロ」 >>206
第17回「chapter05被害者」 >>223
第18回「chapter05総評・解説」 >>235
第19回「chapter05クロ」 >>245
第20回「ネタバレ1」 >>256
第21回「chapter06総評・解説」 >>269
第22回「生き残りその1」 >>270
第23回「生き残りその2」 >>271
第24回「生き残りその3」 >>272
第25回「生き残りその4」 >>273
第26回「モニャン/ネタバレ2」 >>274
EXTRA「黒幕」 >>279
第27回「あとがき」 >>284
号外2「超高校級の日常に参加している小説紹介」>>288
※本日より上記URLより外伝小説『僕達委員トリオ!』にジャンプするようになりました。
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- chapter05 〜キオクのウタ〜 (非)日常編 ( No.199 )
- 日時: 2014/01/31 18:04
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: bSqE9h/E)
私達が食堂に戻ってみると、珍しくホテル班はまだ食堂にいなかった。
先に戻っていた星野くん達と一緒にお茶を飲んで少し待っていると、ホテル班の3人が帰ってきた。
「大発見しちゃった」と自信気に冥雅くんが隣の席に座る。…どんな大発見なのかしら…。
「珍しいね、街班が早く戻ってるなんて!」
「それほどまでに重要な情報が揃ってたんだよね?」
「重要どころじゃないって!あのさ、あのさ!」
「報告会始めてからでいいだろ、伝えるの…」
半ば興奮気味の冥雅くんと安西さんを、神崎くんがため息交じりに止める。
それほどまでに大発見だったのね、今回の探索…。私が彼らを見ながらそう呟くと、神崎くんは苦笑いしながら「まぁ、な」と答えた。
そして他愛ない話をしつつも、いつもの報告会が始まる。
「じゃあホテル班からの報告を始めるね!えっと…まずは、ホテルの4階が解放されてたよ!そこには、イチノマチが一望できるテラス、広い研究室、武器庫、それからモノクマのマークがある部屋があったよ」
「け、研究室だとォ?!」
流石『超高校級の科学部』。羽柴くん、今回も興奮気味ね。
「うん。科学の実験で使いそうな道具が沢山揃ってたよ。オレはそういうの全くわからないからさ、羽柴に伝えて安全かどうか確かめてもらいたくて…」
「任せろォ!!」
「す、すごい興奮だね…」
「良かったわね、羽柴くん…」
羽柴くんは興奮を隠し切れずに、目がまるでお宝を発見した状態になっていた。薬品と道具が揃えば…彼がそういう反応をするのは目に見えてわかっていたんだけど…。うん、予想通り過ぎて逆に怖くなってきたわ。
その他の部屋は…テラス、武器庫、モノクママークの扉の部屋か…。
「あからさまに私達にコロシアイを助長してないかしら」
「だよねぇ…」
「でも、武器庫の中は空っぽだったんだ。モノクマのやつ、俺達が辿り着くまでに全部片づけてしまったらしい」
「ど、どうして?モノクマはわたし達にコロシアイをさせたいはずでしょ?」
「さぁ、な…。だけど、俺達が武器なんかで屈しないって気付いちゃったんじゃないかな。なんとなくだけど、そんな気がする」
「追い詰められているのかしら…」
「ると、いいけどね…」
…モノクマが故意に武器を隠したんだったら、一体なんの目的があったのかしら。『武器庫』って書いてある部屋の中に何もなくて、期待外れの絶望感を味わわせる…のは、何かおかしいわよね。
まぁ、きっと大した理由じゃないんでしょう。この話は軽く受け止めておこうかしら。
「モノクマの部屋は豪華って感じだったよ。なんていうか…ほら、テレビ番組でやってる『徹○の部屋』みたいな感じの!」
「じゃあ、あいつはそんな感じの部屋で寝泊まりしてたのかァ?」
「寝泊まりしてたわけじゃなさそうだよ。でも…何か、あいつがいた形跡はあった」
「何してたんだろうね…」
モノクマの部屋…。寝泊まりしていないと聞かされて、私の脳内の疑問符はただ増えるだけだった。
…本当に何をしていたのかしら。まぁ、知りたくもないけど…。
「俺達の報告は以上、かな。じゃあ神谷達、よろしく」
「分かったわ。まずは…街全体が桜で覆われていたわね」
「ほ、本当?!オレ、桜ってテレビでしか見たことないんだー!!」
「冥雅…お前日本に住んでて桜も見たことねェのか?」
「うん。だから、人口でも一回見てみたかったんだよー!!ふわぁ、綺麗なんだろうな…!!」
冥雅くんが桜をイメージしてうっとりしている。…これ、続けてもいいのかしら…。
そう思っていたら、神崎くんが冥雅くんのほっぺたをむにむに掴んで正気に戻した。正気に戻してくれたことはすごくありがたいんだけど、冥雅くんを怒らせちゃだめでしょ…。
「は、話を続けるわよ。最後の街には…。まず、薬屋さんがあったわ」
「薬屋と研究室が一緒に開放なんて…何かモノクマがたくらんでるのかな?」
「そんなことは今はどうでもいい!薬品と研究室!そこで出来ることは一つだろォ?!」
「凄く興奮してるのが伝わってくるよぉ…」
「ま、まぁそのことは後にしましょう。薬屋さんでこんなファイルを見つけたの」
まだ興奮が収まらない羽柴くんを放っておいて、私は薬屋さんで持ってきたファイルを見せる。
明らかに似つかわしくないファイルの色に、一同は驚きを隠せなかったらしい。
「こ、これ…!」
「中身は更衣室で開けるつもりよ。あれとの比較もしたいしね…」
「うん、それがいいよ!」
「じゃあその中身は後で見るとして…。他にはなにか目ぼしいものはあったか?」
「他には…だだっ広いモノクマの城と、機械のパーツショップがあったわ」
「へぇ…。DJキット強化のパーツも置いてあるのかな…」
パーツショップの話をした直後、神崎くんの表情が少しだけ変わった。…そうか、自分でDJキットをいじったりもしてるんだっけ。
「まぁ…今はいいや。パーツはいつでも見に行けるしな」
「それと…店の中でこんなものを見つけたわ」
そう言って、私は写真ファイルの『左右田』と彫られたドライバーを見せる。
他のドライバーとは明らかに違う色に、みんなは動揺を隠せずにいたようだ。
「これは…もしかして、あのデータベースに入ってた…」
「うん。77期生の中『左右田和一』って人がいたわ。恐らくこのドライバーも彼の私物なんでしょう」
「じゃあ、この街にも『左右田和一』って人が住んでいたのかなぁ?」
「いや、それはないよ。街の住居者リストにはそんな名前なんてなかったし」
「破られてただけだから、もしかしたらってのもあるけど…」
『左右田和一』。ここに住んでいた人だったのかしら。いや、彼好みの店があったことから住んでいた可能性は大いになるのだけれど…。あのページを破り取った犯人を今は恨んだ。
「他には…特になかったわね」
「じゃあ、今日はこの辺で…」
「あ!思い出した!!」
はっ、とした表情で急に冥雅くんは立ち上がる。その姿にびっくりして私はしばらく何も言えずにいた。
しばらくの沈黙が続き…………神崎くんの一言でその沈黙は破られた。
「どうしたんだよ、急に立ち上がって」
「研究室の奥に変な扉があったんだよ!ほら、3人がかりでも開かなかったあれ!」
「あぁ、あれね!でも、それがどうしたの?」
「いや…あの奥には何があるのかなぁって、思ってさ」
苦笑いしつつ冥雅くんがそう言うと同時に、悲しそうな目をしてモニャンが会話に割り込んできた。
…もしかして、モニャンなら知ってるんじゃないかしら?一瞬そう思い、彼の返答を待つ。
———そして、彼が導き出した答えは…………予想を大幅に上回る、とんでもない返答だった。
『その奥には…………今まで犠牲になられたクラスメイトの皆様が、眠っておられます』
- chapter05 〜キオクのウタ〜 (非)日常編 ( No.200 )
- 日時: 2014/02/01 17:49
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: Zspe6CcB)
「……へ?」
モニャンの言葉を聞いて、私は変な声で生返事をすることしか出来なかった。…頭で彼の言葉を整理するのに…少し時間がかかってしまった。
———彼は何ていったの?『今まで犠牲になったクラスメイトが眠っている』?…どういうこと…?
ふと、考えているうちに一つの考えに行き着く。それは、村上さんが校則違反で殺されて、ホテルに戻った後モニャンと会話した時の言葉がきっかけだった。
「『死体安置所』…。研究室の奥には、それがあるのね?」
「はい。私が死体をすべてそこに移動しているので、間違いありません」
「じゃ、じゃあそこに今まで死んじゃったみんなが…」
「一部の方は形を変えて…ですが、確かに眠っておられます」
モノクマによってコロシアイを命じられ、犠牲になってしまったみんながそこに眠っている。———どうしてだろう、無性に彼らを一目見たくなった。
彼が続けて言葉を言おうとしたそれを、私は自分の声で遮る。『死体安置所』の鍵を開けてくれないか、と。
「…私も、今まさにそれを言おうと思っていたところなのです。どうでしょう、今からでも会いに行きませんか?鍵は私が持っていますので、案内します」
「…私も、東条くんに謝りたいことがあるから、行こうかなぁ…」
「よーし、行ってみよう」
「案内をお願いしてもいいか?モニャン」
「はい。かしこまりました」
———今度は全員で、ホテルの4階、研究室へと向かう。
研究室は報告通り、やや広い間取りで出来ており、並べられた棚の中にはびっしりと科学で使う道具が並べられていた。
…そして、その奥にそびえる細長い扉。それが…『死体安置所』への入り口。
モニャンは黙ってそこまで歩き、ドアに鍵を差し込み、『カチャ』という音を鳴らした。———死んでしまったみんなとの再会を仰ぐ、その音を。
「…この先は寒くなっておりますので、どうかお気を付けください。気分が悪くなられたら、すぐにお戻りくださいね。暖かい飲み物をお持ちして待っていますので」
「あ、ありがとうモニャン。じゃあ———行ってきます」
「いってらっしゃいませ」
意を決して、ドアを勢いよく開ける。
そこに飛び込んできたのは、小さい部屋に冷蔵庫のような扉が幾つもついている光景だった。そして……モニャンの言っていた通り、寒い。
「寒っ!!」
「そりゃそうでしょ…。でも、想像してたより寒いよ…。あまり長居は出来ないよ?」
「そうだね…」
身体をさすりながら、私は端っこまで歩いてみる。———恐らく、この中に今まで犠牲になったみんなが…。試しに、近くにあった扉を開いてみる。
そこでは……見覚えのあるサスペンダースカートが、目に入った。
「……村上、さん」
サスペンダースカートを着用していた同級生なんて、一人しかいない。
『超高校級のリポーター』で、このコロシアイ体験職業の最初の犠牲者となってしまった村上一夜さん。まさに、彼女だった。
「ルールを知る前に、殺されてしまった…。モノクマは、どうしてキミを殺してしまったんでしょうね?殺す理由なんて、なかったのに。守れなくて、ごめんなさい。一緒に…ここを脱出したかったわ」
彼女を助けられなかった後悔と無念を、思わず彼女の亡骸に吐いてしまう。そんなこと言っても彼女は生き返らないのに。そんなこと言っても彼女は、もう固く閉じた瞳を開くことはないのに。
———そう思いながら彼女を見続けていると、ふと何か違和感を頭に感じた。
「(何かしら、この違和感…)」
違和感に気付いたとたん、それは大きくなって私の脳内の後悔と無念をぶち破って覆ってしまう。何かしら?何か、『当初の彼女』とは違うものが…。
……そう思って彼女の髪型を見た時に、何か今まで感じていたものとは違うものを感じた。
「……髪型が、違う……?」
そう。彼女の特徴でもある、あのドリルのポニーテールがなくなっていたのだ。
モニャンがここに閉まった時に取ったつけ毛だったら話はしっくりくるが、どうもそうではない気がする。
彼女は———いったい誰なの?
しばらくその思考に浸っていたせいか、冥雅くんが震える声で私を呼んでいることに気付いていなかった。
「か、か、神谷……。もう戻ろうよ…オレ寒くて死んじゃいそうだよ…」
「あ、え、えっとごめんなさい…も、戻りましょうか…」
振り向いた時の冥雅くんの顔色を、私はしばらく忘れることが出来ないでいた。
———あぁ、後で謝らないと…。ファイルを見るのは明日にしましょう…。
そう自分の考えを整理しながら、モニャンの待つ食堂まで戻っていったのだった。
- Re: ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜 ( No.201 )
- 日時: 2014/02/01 20:09
- 名前: 菜葉 ◆x6qC3rNp8w (ID: SnE9EC7A)
えーっと、えーっと・・・・
今、黒幕を推理していました。
村上さんからくるくるポニーテールをとって口調の怖さを加えると・・・
もしかすると・・・
東○ス○○さん?
黒幕が誰か、楽しみにしています!
あと、200スレ、私で達成しますよね?
お疲れ様です!
- Re: ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜 ( No.202 )
- 日時: 2014/02/01 20:54
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: Zspe6CcB)
>>菜葉 様
どもです、こんばんは。
まぁ、最初から読んでくださっている皆様なら最初に殺された村上さんが『何者』なのかは検討がつくはず…。
その予想が当たっているかどうか、もうそろそろ分かってくるでしょう。お話の結末を、お待ちください。
ついに200スレ達成ですね。これも皆様のお蔭です。
これからもよろしくお願い申し上げます!
- Re: ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜 ( No.203 )
- 日時: 2014/02/01 21:32
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: Zspe6CcB)
【コロシアイ職業体験 19日目】
———ついに、ファイルを開ける日がやってきた。
「全員いる?」
「……大丈夫……。……8人……全員いる……」
「モノクマは?」
「しばらくは来なさそうだよ。大丈夫」
「よーし、じゃあ開けようよ!神谷、早く早く!」
19日目、ファイルを開くのは朝食会の後に決まった。そして、今がその時間帯である。モニャンも呼んで、更衣室に全員が集まる。
冥雅くんが「早く、早く!」と催促している。…そんなに急かさなくても開けるわよ。
「…それじゃあ、開けるわよ」
みんなに確認を取った後、私はゆっくりとファイルの封を切る。
……中には、1冊のノートが入っていた。表紙には『絶望再生実験ノート』と書かれている。
『絶望』に関する資料か…。これを読めば、豊島くんがあぁなってしまった理由もわかるのかしら。
「読んでみるわね。気分が悪くなったら、すぐに言って」
「わかった!」
恐る恐る表紙を開く。内容は…どうやらとある研究員が記した日記のようだ。
私は気分を落ち着かせて、全員に聞こえるようにそれを読み上げていった。
【9月12日】
『狛枝凪斗』という男が、『絶望で人は蘇生できるか』と依頼してきた。
どうやら『あの方』の命令らしいが、俺にはそんな技術も、それを可能にする方法にも心当たりはなかった。
しかし、『希望ヶ峰学園』から奪ったプログラムと『絶望』を駆使すれば、それに近いことはできるのではないかと考え、興味もあった俺は彼の依頼を承諾し、実験を開始することに決めた。狛枝には『準備が出来たら連絡するから、協力者を募っておいて』と言われた。どうやら、実験体は狛枝が用意するらしい。
【9月28日】
これまでの資料と実験を合わせ、絶望は『人から人へと感染していくウイルスのようなもの』だということが分かった。まぁ、気体というよりは概念のようなものだから、当たり前のような結果だったのだが。
当たり前の結果しかできない俺も、結局は絶望的な気分を味わうんだな。この快感は……他じゃまねできない。
【10月1日】
狛枝が実験体の死体を連れてきた。
死体の名前は、『冥雅雪斗』。見た目からして高校生、黒髪と緑の目が特徴的な一般的な学生のようだ。狛枝が言うには、『殺したてホヤホヤだから取扱いには十分に気を付けてね?』とのこと、だそうだ。
しかし、そこで問題が起こった。彼に『誰の絶望を植え付けるか』という実にくだらないことで喧嘩が起こった。うちの研究チームの『罪木蜜柑』と狛枝が言い争いを起こしたのだ。結局じゃんけんで狛枝が勝利し、彼の絶望を植え付けることになったのだが。
【11月11日】
冥雅雪斗に絶望を植え付ける準備は整った。後は彼の脳に絶望を流し込み、蘇生するのを待つだけだ。
『超高校級の外科医』の能力を持つ俺なら、出来ないことはない。…ククク、やってやろうではないか。
【11月23日】
冥雅雪斗は『蘇生』した。狛枝の絶望で蘇生したからなのか、髪は白く変色し、背も微妙に伸びている気がした。その後、幾つかの実験をしたところ、普通の人間と全く同じ行動ができることが判明した。
しかし、彼の『記憶』のみはキャンパスを真っ白に塗りたくったかのようになくなっており、彼は自分の名前すら憶えていなかった。
【12月1日】
『超高校級の記憶学者』と呼ばれる俺の同級生が、冥雅雪斗の記憶をでっち上げてコールドスリープ状態にすることが決まった。
どうやら、『希望を根絶やしにする真の戦い』の最初の兵士として目覚めさせる予定らしい。
目覚める時期は…………————が『◆ム■●イ▲ル』として覚醒した時だ。
【12月17日】
蘇生が成功した、と『あの方』に伝えると、あの方は『来るべき時までに死体を1対でも多く集めろ』と命じてきた。きっと、あの戦いの一般兵として使うのだろうと予測できる。
あぁ、なんて、絶望的なんだ………。
「…………え?」
「冥雅…」
「ねぇ…どういう…こと?オレは…『死んでた』?」
「嘘、だよね?!だってこれが本当だったら…冥雅くんは『わたし達のクラスメイトじゃなかった』ってことになるんだよ?!」
———書いていた内容。それは、『絶望での人体蘇生』というものだった。そこまでは良かった(良くないけど)。
…どうして…どうして…この本に『冥雅雪斗』の名前があるの?…どういう、こと?
当の本人の顔を見てみると———彼は、私が想像していた以上に青ざめ、震えていた。
そりゃそうだ、『これが本当』ならば、私達の目の前にいる『冥雅雪斗』は何者なんだ、って話になるのだから。
「………………」
「嘘だって!これもきっとモノクマのでっち上げなんだよ!」
「…星野。多分これは…本物だよ。このノートも、この実験が行われたことも」
「違う!!違うよ!!!神崎くんはこんなでたらめ信じるの?!」
「俺だって信じたくないよ!!!」
また、神崎くんが声を荒げる。星野くんを説得する彼の目には…見たことのない、涙が溢れていた。
当たり前だ。彼も、この真実を『信じたくない』。私達と一緒の考えなんだから。
「でも…後ろのモノクマの供述…。あれで…核心したんだ。この日記が『本物』だってことが…!!」
「記述…?」
「……これ……じゃないかな……」
背表紙に書かれた汚い文字を、秦野くんが指差す。
恐怖心を胸におぼえながらも、私はそれを一字一句ゆっくりと読み解いていく。
———そこには、私達の信じたくない、残酷な言葉が、書かれていた。
『冥雅クンはクラスメイトではありません。
だから、彼が過去のことを覚えていないのも、何の不思議もないのです。
だって…彼は、一度死を体験した【ゾンビ】なんだからさ。
ぷひゃひゃひゃひゃ、笑えるよね!!!!これは最高傑作だよね!!!
アーーーッハッハッハッハッハ!!!!』
「オレは…………死んでたんだね…………。神谷達と一緒…………じゃ、なかったんだね…………!!」
「冥雅、くん……」
「うあ、うああああああ、うあああああああああ…………!!!!!」
床に屈して泣き叫ぶ彼の姿を、諌めるものは誰もいなかった。いや、諌めることなど誰もできなかったのだ。
———彼を襲う『残酷な現実』に、誰もが…口を閉ざしていた。こんな現実、私だって…認めたくないわよ!!
私が心の中で叫んでも、誰も———答えてくれる人はいなかった。
真実を知った更衣室には、冥雅くんが泣き叫ぶ声だけが、ただただこだましていた。
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