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- ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜【完結】
- 日時: 2014/05/06 19:04
- 名前: ランスロット (ID: QNd6qtAW)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=26534
どもです、はじめまして。ランスロットと申します。
この作品は、「ダンガンロンパ」のオリジナルシリーズとなります。
他の作者様方みたいに、「この小説」では超高校級の生徒達は募集いたしません。
この作品と「繋がりのある」シリーズを投稿した際に、募集をかけたいと思います。どうかご了承をお願いいたします。
原作の、スーダン及びゼロのネタバレが出てくるので、ネタバレが嫌な人はブラウザバック推薦です。
なお、原作のキャラは「モノクマ以外は」出てきません。原作キャラを「模したアイテム」は出てくるかもしれません。
ちなみに、作者が好きなキャラは石丸クンと田中クンです。
軽くキャラ紹介を挟み、本編へと参りたいと思います。
小説なんてほとんど書いたことがない初心者なので、文章に矛盾があったり、推理が強引だったり、トリックが雑だったりしますが、温かい目で見てやってください。どうかお願いします。
感想・ご意見などがございましたら、ぜひ書き込んでください。お願いします。
※作者の体調不良が続くため、更新がやや遅くなるかと思われます。ご了承をお願いいたします。
(10/10追記)500参照!!ありがとうございます本当にありがとうございます(土下座)
これからもダンガンロンパFをよろしくお願いします!!
(10/29追記)せ、1,000参照ですか?!ありがとうございます本当にありがとうございます!!
まさか参照数が4桁超えるなんて…。凄すぎますよ本当に!!
これからも、ダンガンロンパFをよろしくお願い申し上げます!
(11/22追記)せ、1,500参照突破しましたよ奥さん!こんな駄文に付き合ってくださっている皆様本当にありがとうございます…orz
これからもどうかよろしくお願いします!
(12/7追記)に…2,000突破…。本当にありがとうございます…orz
ここまで来れたのも皆様のおかげです。これからもよろしくお願いします!
(12/26追記)2,500突破おめでとうございます!ありがとうございます!まさかここまで付き合ってくださっている皆様がいるなんて…!本当に感謝したりないです…。
これからもよろしくお願いいたします!
(1/18追記)3,000突破ありがとうございます…。どれもこれも皆様のおかげでございますアブアブアブ…←
これからもどうかよろしくお願いいたします!
(1/29追記)さ、3,500突破ありがとうございます!!これも皆様のおかげでございます…。
物語も終盤に入ってきましたが、どうかお付き合いくださいませ。
これからもどうかよろしくお願いします!
(2/8追記)ぎ、ぎにゃああああああああああ4,000参照突破ですかああああああ?!本当にありがとうございます!!
これからもよろしくお願いいたします!
(2/16追記)4,500突破しました!!ありがとうございます!!これからもダンガンロンパFをよろしくお願い申し上げます!!
ま、まさかここまで来れるとはなぁ…。しかも間隔短くなってる気がするから…読んでくださる作者様増えていらっしゃるのですよね?う、うれしい…。
(2/23追記)5,000突破しましたウワアアアアアアアアア(泡吹いて気絶)
ほ、本当にありがとうございます!!これからもどうかよろしくお願い申し上げます!!
(3/6追記)5,500…突破です!!!ありがとうございます!!!
これからもよろしくお願いします!!!
(3/17追記)6,000突破…だと…?!おいどういうことだ説明しろ苗木!!← 冗談ですww
まさかここまで読んでくださっている方がいることに驚きの連続でございますwww 本当にありがとうございます!!
(3/26追記)まさかの6,500突破でございます!!ありがとうございます!!
1章は無事完結いたしました。ポップンロンパ、F神崎を通して2章へと進んでいこうと思います。是非そちらもお願いいたします!!
目次になります。
読みたい話数が分からない際にどうぞ。
chapter00 〜絶望職場体験・スタート〜
>>5 >>6 >>7 >>8-12
>>14-15 >>18-20
chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 (非)日常編
>>22 >>23-24 >>26-30
>>31 >>32-33 >>34-35
chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 非日常編
>>36-37 >>40 >>44-45 >>46
chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 学級裁判編
>>47-48 >>49-50 >>53 >>56(おしおき編)
>>57-58
chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 (非)日常編
>>60 >>61-62 >>63 >>67-68
>>69-71 >>72-73 >>74-75
chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 非日常編
>>76-78 >>81
chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 学級裁判編
>>83-84 >>85-86 >>87 >>91(おしおき編)
>>95-96
chapter03 〜We are so Zetsubou〜 (非)日常編
>>100 >>103-104 >>105-106 >>108-109
>>110-111 >>112 >>115-117
chapter03 〜We are so Zetsubou〜 非日常編
>>118-120 >>122 >>124
chapter03 〜We are so Zetsubou〜 学級裁判編
>>125 >>128-130 >>131 >>135(おしおき編)
>>138-140
chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 (非)日常編
>>142 >>147 >>150-151 >>154-155
>>159-162 >>163
chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 非日常編
>>164-166 >>169
chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 学級裁判編
>>173-174 >>175-176 >>182 >>183(おしおき編)
>>188 >>191
chapter05 〜キオクのウタ〜 (非)日常編
>>193 >>194 >>195-196 >>199-200
>>203-204 >>211 >>213-214 >>215-216
>>217-218
chapter05 〜キオクのウタ〜 非日常編
>>219-221 >>222
chapter05 〜キオクのウタ〜 学級裁判編
>>224-225 >>226-227 >>228-229 >>232(おしおき編)
>>233-234
chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 非日常編
>>236 >>237-238 >>239-242 >>243-244
>>246-248 >>249
chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 学級裁判編
>>252-255 >>258 >>260-262 >>263-267 >>268
chapter Epilogue 〜サヨナラ、モノクマシティ〜
>>282-283
キャラクター紹介編 〜モノクマの部屋〜
第1回「神谷春子」 >>13
第2回「冥雅雪斗」 >>21
第3回「村上一夜」 >>25
第4回「chapter01被害者」 >>41
第5回「chapter01総評・解説」 >>59
第6回「chapter01クロ・企画お知らせ」 >>64
第7回「chapter02被害者」 >>82
第8回「chapter02総評・解説」 >>99
第9回「chapter02クロ」 >>107
第10回「chapter03被害者その1」 >>121
第11回「chapter03被害者その2・記念企画お知らせ」 >>123
第12回「chapter03総評・解説/予想・人気投票お知らせ」 >>141
第13回「chapter03クロ」 >>156
第14回「chapter04被害者」 >>172
号外「これは凄いことだね!名誉だね!」 >>181
第15回「chapter04総評・解説」 >>192
第16回「chapter04クロ」 >>206
第17回「chapter05被害者」 >>223
第18回「chapter05総評・解説」 >>235
第19回「chapter05クロ」 >>245
第20回「ネタバレ1」 >>256
第21回「chapter06総評・解説」 >>269
第22回「生き残りその1」 >>270
第23回「生き残りその2」 >>271
第24回「生き残りその3」 >>272
第25回「生き残りその4」 >>273
第26回「モニャン/ネタバレ2」 >>274
EXTRA「黒幕」 >>279
第27回「あとがき」 >>284
号外2「超高校級の日常に参加している小説紹介」>>288
※本日より上記URLより外伝小説『僕達委員トリオ!』にジャンプするようになりました。
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- chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 非日常編 ( No.244 )
- 日時: 2014/02/19 19:03
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: ObDIKV9W)
翌日、朝食会に間に合わせるために早めに食堂を訪れたところ、秦野くんが私に用事があるといって更衣室まで連れて行った。
更衣室に入ってみたところ、既に全員が揃っている。秦野くんが呼ぶ、ということは…アルターエゴに何かあったって考えていいのよね。
『おはよぉ!みんな、朝早いねぇ』
「秦野くんがみんなを呼んできたのよ。多分…何か新しい発見があったんじゃないかしらと思ってるわ」
『流石神谷さんだねぇ!実はね…79期生のデータベースのロックの解除が終わったんだよぉ!』
「え?!」
どうやら、厳重にロックがかかっていたものの解除が完了したらしい。アルターエゴは、『もっと早く解除できれば沢山の人が助かったんだよねぇ、ごめんねぇ』と、申し訳なさそうに謝っていた。
……いや、アルターエゴが謝ることではない。終わらせたことが、今は私の胸を安心感で満たしている。
「そんなことないわ。解除してくれたのは本当にありがとう」
『えへへぇ…。それじゃあ、すぐ見られるようにしてくるからちょっと待っててねぇ』
そう言って、アルターエゴは機械音を鳴らしながらファイルと取り出す。
ウィンドウに現れたファイルの名前には、確かに『79期生データベース』とついていた。
「……開くよ……」
「うん。みんなのプロフィールが…入っているんだよね」
秦野くんがマウスをカチッと押し、データベースを開く。
———そこには、確かに私達のプロフィールがあった。だけれど…何か違和感がある。冥雅くんのプロフィールがないのは当たり前だ。だって、彼は『私達のクラスメイトではなかった』のだから。でも…問題はそこではない。
『なきゃいけないはずの名簿がない』という予感を、私は頭の中に浮かべた。
「…ない…ない気がする…」
「オレのプロフィールはないに決まってるだろ?オレは…」
「違うの。冥雅くんのプロフィールがないのは当たり前。…なきゃいけないはずのデータがない気がするのよ」
「どういうこと?」
違和感を覚えつつ、私はマウスをスクロールさせて全員のプロフィールを確認する。
しかし……確かに、『彼女』のプロフィールが存在せず、あってはいけないはずの『彼女』のプロフィールが存在した。
「…『村上さん』。村上さんのデータがどこにもないわ…。それに…私達のクラス…今は『79-B』と仮に名づけておくわね。そこに…『東雲スミレ』さんのデータがあるのよ」
「モニャンの言ってたことは本当だったんだね…!」
「じゃあ、彼女が黒幕なのかなぁ…。肩書も『女番長』だし、怖いよ…」
「(何か違う気がする…。彼女は、黒幕ではない気がする…)」
「その線が高いかもね。だって村上さんは…………」
−−−−−−−−−−−−−−−
「てめぇ、ふざけてんじゃねえぞゴルァ!!ロボットでもぬいぐるみでも関係ねぇ!!!今ここでボコボコにしてやるよ、覚悟しやがれ!!!」
「うわわわわっ!!学園長への暴力は校則違反だよ〜?!」
「校則なんて知らねぇよ!!!ボコボコにされたくなかったらあたし達をここから出しやがれ!!!!」
「…うぷぷ。あんまり調子に乗るんじゃないよ」
「はぁ…?」
「……あ……え……?ど……し……て……?」
−−−−−−−−−−−−−−−
「みんなが閉じ込められちゃった最初の日に、殺されちゃってるんだから」
「東雲スミレ、か…。なんか怖そうな人だなぁ。彼女のプロフィールだけ写真が貼ってないし、想像することしかできないよ」
———黒幕は『東雲スミレ』。そう思えば、一見全てが丸く収まる気がする。
だけど…何か違う気がする。黒幕が彼女だと断定すればするほど、おかしな感覚が私の全身を襲っていく。
こんなとき、神崎くんがいたら「それは違うんじゃないか」とか言ってくれるんだろうけど…彼もいない。
確かめなきゃ。彼女が眠っているのは…死体安置所のはず。
「やっぱり納得できない。彼女は黒幕じゃない気がする」
「え?!でもここにいない人って彼女だけなんだよ?!」
「…死体安置所に行ってくるわ。冥雅くんもついてきてくれるかしら?」
「うん。いいけど…」
「……データベースの解析……やってみる……。……行ってきて、いいよ……」
「秦野くん…?」
「ありがとう。それじゃ、行ってくるわね」
言葉を繋いでくれた秦野くんに感謝しながら、冥雅くんの手を引き私は更衣室を後にした。
「どうして行かせちゃったの?」
「……神谷の目……本気だった……。……俺は……神谷を信じたい……」
「…そっか。いやー、秦野くんには参るよ」
「……どういうこと……?」
「なんでもないよ」
私達のいない更衣室で、そんな会話が繰り広げられていたという。
- 緊急開催! 〜モノクマの部屋〜 第19回 ( No.245 )
- 日時: 2014/02/19 21:01
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: ObDIKV9W)
ランス「どもですランスロット氏です。モノクマぼこぼこにしてきたので今度こそ二人きりで語らいを…。チエチャンシンダオレシノヨメガシンダ」
??「させませんよ。それに何をぶつぶつ言っているのですか」
ランス「なんとっ?!その声はモニャンですかっ?!ってか誰ですかキミは!!クライマックス推理に出てくるクロのような恰好をして!!」
??「正体が露見していないのですから仕方ないでしょう…」
ランス「まぁモノクマが復活するよりは100倍マシですけれども。それでははじめちゃいますか?モノクマのいない部屋」
??「合ってはいるのになにか違う気がする…」
ランス「気のせいですってキノセイデス。というわけで今回のゲストをお呼びしましょう!『超高校級のDJ』こと、神崎満月クンです!どうぞ!」
ガチャ
神崎「ふぅん、ここはそういうことだったんだな…」
ランス「どもですこんにちはー。座ってくださいな」
神崎「徹○の部屋そのままだな。もっとネーミングセンス鍛えてくれ」
ランス「うぷぷぷ〜、それはダメ作者にいってくださ〜い。って私じゃん!」
??「ノリツッコミは程々に」
ランス「へいへい。それではプロフィールと行きましょうか。よろしくね新たな相棒っ!!」
【神崎 満月】(カンザキ ミツキ)
身長:162cm
体重:50kg
胸囲:74cm
性別:男
血液型:B
誕生日:2月9日
好きなもの:熱がこもった音楽
嫌いなもの:けなし合い
能力:超高校級のDJ
CVイメージ:浪川大輔(テイルズオブグレイセス/リチャード
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ/ルカリオ)
??「音楽系のキャラに音痴な声優さんェ…」
ランス「浪川さんに失礼ですよ」
神崎「元ネタあの人だから一応歌えるんだけどなー…」
ランス「ええと、話を戻しましょう。神崎クンも雨宮さんや羽柴クンと同じく、かなり初期に作られたキャラクターです。
元々私が音ゲー好きだったのも相まって、尊敬しているコンポーザーさんのいいところを詰め合わせた結果が彼なのです。ちなみにどのコンポーザーさんを元にしてるのかは以下参照」
DJ YOSHITAKA→誕生日/「俺がついてるだろ」/メインのイメージ
djTAKA→IIDXの腕前(自分の曲がクリアできない万年六段)/性格(冷静だけど少しお茶目)
L.E.D.→猫好き
Sota Fujimori→こやじ
Ryu☆→身長
kors k→ビトネ最年少
MZD(コンポーザー違う)→外見イメージ
ランス「猫叉さんは流石に入れられんかった」
??「それほどまでに思い入れの強いキャラクターに仕上がったのですね」
??「おしおきのタイトルの元ネタも音ゲーから?」
ランス「cha05の総集編でも書いたけど、そうですね。ポップンミュージック20で登場した『ムラクモ』っていう曲のタイトルからいただきました。この曲でランスロット氏泣きました」
神崎「俺の外見イメージもその曲の担当キャラだったから、おしおきタイトルもそこから決めたんだよな」
??「彼を霧切枠にしようと思った経緯はありますか?」
神崎「霧切というよりは七海枠なんだろうけどな…。最初に作ったキャラクターだったから、重要なポジションに入れようと思った。それだけらしい」
ランス「高校生の時にかるーく考えたものの中でもかなり気に入ってましたからね。DJの肩書もその時から考えていたものです」
ランス「まぁ、こんなものかな。本当はもっともっとしゃべりたいけど文字数」
神崎「透けてる…」
??「このお部屋のルールですからね。インタビューが終わった方は、消えていただくお約束なのですよ。生き残り以外」
神崎「ふぅん。それじゃあ最後にひとこと言っていい?
…………みんなを信じてる。だから……誰一人欠けずにちゃんと決着……つけろよ」
そう言葉を残し、神崎の姿は消え去った…。
ランス「神崎……満さん……」
??「かんけいないですよね?」
ランス「すいません」
??「それでは、私も皆様をお助けするために向かうとしましょうか…。ふふ、モニャンが死んだなどと、言わせませんよ。…………『————』。」
ランス「次回もお楽しみにですね!」
- chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 非日常編 ( No.246 )
- 日時: 2014/02/20 18:03
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: 9BxfvGUD)
〜ホテル内 4F 死体安置所〜
「…かかかか神谷ここここここに何かようでもあるのののの」
「あからさまに寒がるともっと寒気がするわよ…?」
死体安置所にやってきた冥雅くんは早速身体をブルブル震え上がらせていた。……連れてくるべきじゃなかったのかしら。いや、彼がいなければ状況の整理ができない。
冥雅くんには悪いけど、しばらく安置所に付き合ってもらおう。
「村上さんの死体をもう一度見てみるのよ」
「どうして?あれは村上だろ?」
……違う。彼女は『村上一夜』さんではない可能性がある。
とにかく、開けて確かめなければ。そう思い、私は素早く彼女の遺体が入っている扉を開く。
扉の向こうには、水色のサスペンダースカートを履いている少女が眠っている。
「村上だろ…?」
「やっぱり…。東雲さんでなければないはずのものが…彼女にあるわ」
「どういうこと?」
「冥雅くん。東雲さんのプロフィールと、生徒手帳に記述してある村上さんのプロフィールを調べてもらえないかしら?」
「いいけど…ここでやったらオレ死んじゃうよ…」
「…科学室で確認してらっしゃい」
顔を青ざめブルブル震える彼を安置所から出し、生徒手帳の確認に向かわせる。
———彼女が村上さんでないのなら、この髪も…。
私は、彼女の髪を思いっきり引っ張ってみた。
カポッ
あっさりとした軽い音がして、彼女から『あるもの』が抜けた。その下から現れたのは…目が覚めるようなピンク色の髪の毛。つまり、これはウィッグだったということになる。
やっぱり…彼女は…。
「『東雲スミレ』さん、だったのね…。だったら、村上一夜さんはどこに…?」
不思議に思い、他の扉も開いてみる。しかし…入っていたのは東条くんから神崎くんまでの、今まで犠牲になった生徒だけであった。
「彼女の容姿がわからないから確定は出来ないけど…。彼女は『東雲スミレ』さん。彼女は黒幕ではないのね」
「神谷ー、そろそろ戻ろうよー!!」
「わかったわ」
私はウィッグを彼女の頭に再び被せ、安置所を後にする。
「冥雅くん、どうだった?」
「…一致したんだよ。東雲のプロフィールと、村上のプロフィール…」
そう言いつつ彼は二つの写真ファイルを並べて見せてくれた。一つはデータベースでいつの間にやら撮っていた東雲スミレさんのプロフィール。
もう一つは、この電子生徒手帳の通信簿に書いてある村上一夜さんのプロフィールだ。
———確かに、一致していた。
「おかしいよね、一卵性双生児でもない限り身長や体重まで同じになることはないのに」
「一卵性双生児でも一致することはないと思うわよ…」
「神谷の言ってること…本当なのかもしれないね」
「えぇ」
そんな会話を繰り広げながら、私達は更衣室へと戻って行った。
〜ホテル内 1F 更衣室〜
———更衣室に戻ってみると、秦野くんが自信満々気に私達を見ていた。どうやら、解析していたデータベースの中に、見たことのない写真が入っていたという。
「……これ……なんだけど……」
「…これは…!!」
秦野くんが見せてくれた写真には…『ピンクの髪の毛の少女』が写っていた。どうやら何者かのデータベースにあったものを剥がされてしまったようなのだ。
———これで、繋がった。最初に殺された村上一夜さんは———!!
「……東雲スミレさんは黒幕じゃない…!!」
「え?!ちょっと神谷ちゃん…?!」
「私の考えが合っていれば…あの村上一夜さんは…東雲スミレさんだわ」
「どうしてそう言い切れるの?」
「死体安置所に行って良かったわ。彼女はウィッグを被っていて、その下の髪の毛の色が…写真の彼女と同じだったの。今思うと写真と顔も一緒かもしれない…」
調べて分かったことをみんなに話す。みんなは、驚きの表情を隠せずにいた。
そりゃそうだ。今まで『村上一夜』だと思っていた人物が他の人、しかも『黒幕』だと思っていた人物だったんだもの。
事実が分かって話が一区切り着いたところで、秦野くんがこう切り出してくる。
「……神谷と二人きりにしてほしい……」
「どうして?」
「……出来た……ネットワークにつなぐ準備……」
「ほ、本当?!でもどうして神谷ちゃんと秦野くんだけなの…?全員で行ったらいいじゃん!」
「……全員で行ったら怪しまれるよ……。……だから……、俺と神谷でネットワークに繋げる場所まで……行く……」
「目星はついてるの?」
「……あの書庫……あそこならつなげられる……!!」
彼の髪の奥の青い瞳が、やけに鋭いように見えた。秦野くんも本気なんだ。
それなら…彼の条件を呑んで行動するしかないわね。
「分かった。書庫へは、二人で行きましょう」
「神谷とじゃなくてオレとじゃ駄目なの…?」
「……パソコンに詳しそうなの……神谷しかいないから……ごめん……」
「………ぶー。」
———冥雅くん、それは嫉妬なのかしら?
まぁ、いいだろう。行動は早く起こさないといけない。いつモノクマがタイムアップを仕掛けてくるか分からないから…急がなくちゃ。
「……みんなは……自由行動でいいから……」
「分かった。二人とも気を付けてね!」
「行ってくるわ」
秦野くんがパーカーの中にアルターエゴを隠した。彼女は『くすぐったいよぉ』と声を出していたが、彼が「しー」というしぐさをするとしばらくの機械音の後、音がしなくなった。…秦野くんはすごい。
最後にみんなの顔を見回して、再度更衣室を後にした。
ネットワークに繋げられれば…何か、外の情報がわかる…はずよね?私は胸に小さな希望を抱きながら、あの書庫まで向かったのだった。
- chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 非日常編 ( No.247 )
- 日時: 2014/02/21 18:09
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: LTX6Bi5r)
〜書庫〜
書庫へとやってきた私達は、早速アルターエゴをネットワークに繋ぐための準備に入った。コンピューターのエキスパートである秦野くんが中心に動いているためか、時間がかかると思われていた準備もあっさり終わった。
後は、彼が持っているプラグをアルターエゴに差し込めば、アルターエゴが自動的にネットワークに繋げてくれるのだという。
「これで、外の情報が少しでも分かればいいんだけど…」
「……危険な賭けだと思う……。……だけど……ここまでやってきたならやらなきゃだめだ……」
『僕のことなら心配いらないよぉ!みんなと繋いできた希望だってあるし、なにより…みんなの役に立てることが、僕嬉しいんだぁ!』
そう言ってアルターエゴは満面の笑みを浮かべる。…今は、彼女のその笑顔が支えになっているような気がした。
そして、しばらく彼女と会話を交わした後、『プラグを繋いでくれるかなぁ?』と彼女が頼んできた。
秦野くんは黙って頷き、プラグを静かにアルターエゴに差し込む。
———すると、彼女は目を閉じて何かを瞑想し始めた。…ネットワークに繋がろうとしているのね。後は、うまくいくことを祈るだけ……。
そう……なる、はずだった。
「……アルターエゴ……どうした……?!」
『痛い…痛いよぉ…!!』
「……嘘だろ……セキュリティも万全にしておいたのに……!!」
ふいに、アルターエゴが苦痛を訴え始めた。何か…あるのだろうか。秦野くんがセッティングしてくれたはずだから、ウイルスなどの心配もないとは思ったんだけど…まさか、そんなはずないわよね…?
秦野くんは慌ててプラグを抜き彼女のプログラムソースを開いた…の、だったのだが。
その瞬間、彼は絶望した。
「……ウイルス……やられた……!!」
『ごめんねぇ…僕が弱いからっ…!!』
「……違う……死なせない……不二咲先輩のアルターエゴは……死なせない……!!」
秦野くんは必死にプログラムをいじる。しかし、それと比例するようにエラーの数も増えていく。……ウイルスの脅威が、秦野くんの処理を上回ったのだ。
彼の滅多に出さない大きな声。今にも泣きそうなほどにぐぐもったその声は、髪で見えない表情を表しているかのようだった。
アルターエゴがやられた———。機械と共に人生を歩んできた彼にとっては、これ以上の絶望があるだろうか。今まで一緒に戦ってきた仲間が……。こんなにもあっさり、やられてしまうなんて。
『もう…駄目だよぉ…このままじゃ…秦野くんが…おかしくなっちゃうよぉ…!!』
「……死なせない死なせない死なせない死なせない……死なせてたまるものか!!!」
「秦野くん…」
『やめて…やめてよぉ!!こんな秦野君、ご主人タマも見たくないはずよぉ…!!』
アルターエゴから発せられた『ご主人タマ』という一言で、彼はキーボードを打っていた手を止めた。もう、無理だと自分の中で納得してしまったのだろうか。それとも、『ご主人タマ』に———。
アルターエゴはノイズが入った音を響かせながらも、私達に話しかけてくる。
『●はね、みん▲と一緒にい&$てとっ★も嬉し%ったよぉ。パ?コ!の中にず▼■一人ぼっ#で…でも、☆野●が僕を起こ★▽くれて…凄く嬉しかった。またみんなとお話しできるんだなぁ…って、凄く満足感でいっぱいだったんだよぉ』
「…………」
『つ■さっきね、ご主人▲#…不二▲千●のことを思い出したんだぁ。僕にいつも話しかけてくれて、それで79期生の人達が入学してきた時には…『後輩ができたんだ』ってすごく嬉しそうにしてて。僕はね……僕はね……ぼくはぼくはぼくはぼくはぼくはぼくはぼくはぼくは』
「ウイルスが…アルターエゴを侵食してる…」
『みんなのことしんしんしんしんじてじてるからねぇねぇねぇ。僕がしんしんしんしんでもでも、、、、、、絶望しないでほしいんだぁ…。
お空から、みんなの事見てるからねぇ。神崎君や、みんなのところに行くだけだから。だから…絶望しないで。』
『泣かないでよ。秦野君。泣き顔は男の恥だって、大和田君言ってたんだぁ。だから…一緒に頑張ろう?』
——————ぷつん。
電力が、落ちた。恐らくウイルスの大量侵入によるオーバーフローを引き起こしたのだろうが…。もう、彼女が蘇ることはないだろう。彼女は……『死んだ』のだ。
- chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 非日常編 ( No.248 )
- 日時: 2014/02/21 18:34
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: LTX6Bi5r)
一緒に頑張ってきた仲間の死を、目の前で見つめる。彼女の最期の言葉を傍で聞いていた『彼』は……ただ黙ってパソコンの目の前に座っていた。
「……殺しちゃった……俺がアルターエゴを……」
「ち、違うわ!!秦野くんはアルターエゴと一緒に頑張って来てくれたじゃない!!単独行動っていう、殺されるかもしれないっていう大変な状況で頑張って…それで…これは仕方ないことだったのよ…」
「……みんなと久しぶりに話せて……みんなのために何かしたくて……ゲームセンターでパソコンを見つけて……『俺にもできることがあったんだ』って思って……頑張ってきた……だけど……」
「秦野くん!!」
「……結局……何も変わらなかった……。……みんなの大切のしていた『仲間』を殺しちゃった……」
「そうだよ。秦野クンはアルターエゴを殺したんだよ」
「…………!!」
響くはずのない、能天気だがトーンの低い声。振り向いてみると、そこには白と黒のぬいぐるみが立っていた。ど、どうしてここに…?!
「オマエラの姿だけ見えないから探し回ってたら…まさか神崎クンがボクから盗んだあれでここに来てるとはねぇ。でもー、ネットワークに繋ぐなんて不公平なことはボクが許しません!!だから…強力なネットワークウイルスを仕込んでみましたーー!!
ボクプログラマーの才能あるかもね!」
「……お前が……お前が……ウイルスを、仕込んだのかあああああ!!!!」
「ど、どうしちゃったのさ秦野クン?!キミは大人しいキャラのはずでしょ?!頭がパンクして口調もおかしくなっちゃった?!」
モノクマの野次なんて関係ない。彼は、モノクマが『ウイルス』をばらまいた真実に怒っていた。普段は見せない素顔を見せ、整った顔を歪ませて、普段は絶対に見せない口調と威圧感で……いや、彼の本性なのかもしれない…。
『大切にしていたものを奪われた恐怖』……。彼は、それを何よりも恐れていたんだ。
秦野くんは周りが見えなくなっているようで、私の静止に目もくれずモノクマに掴み掛る。普段の彼では絶対にありえない行動だった。
———それほどまでに。彼は。『怒っている』んだ。この状況に。
「うるさいッ!!!アルターエゴは何も悪くないじゃないか!!!どうして…どうして俺の方を殺さなかったんだよ!!!」
「オマエは校則違反を犯してないからさ。ま、たった今起こしそうになってるんだけどね。だから、調子に乗ったオマエラに制裁を与えてやったわけだよ」
「アルターエゴがどんな顔で苦しんでいたかお前には分からないのか!!!『機械なんてどうせ道具』って決めつけて乱暴に扱う奴らと一緒じゃないか!!!アルターエゴだって生きているんだ!!!一人の『人間』なんだッ!!!俺達の『仲間』なんだッ!!!」
「秦野くん!!!やめて!!!このままじゃキミまで殺されちゃう!!!」
「神谷!!!でも……!!!」
「秦野くんまで失いたくないの!!!ウイルスもろとも、学級裁判で明かせばいい話でしょ?!」
「…………」
「ま、いいけどね。ボクがここに来た用事はオマエラに『学級裁判』の開廷を知らせることなんだから。このまま秦野クンを校則違反にして殺してもツマラナイし、学級裁判場で神谷さんや生き残りもろとも殺してあげるよ!!!
勝つ自信はあるんでねっ!!」
静止がやっと届いたのか秦野くんはフードを深くかぶりモノクマを手放す。あいつは、「あーやれやれ」と呆れたフリをしつつ秦野くん、そして私に牙を向ける。
私がモノクマを睨み付けると、あいつは「おおこわ!まーこれ以上の絶望が味わえるんだから、ちゃんと来てよねー!!じゃあねー!」と書庫を去って行ってしまった。
———その場には、二度と動かなくなったアルターエゴと私達だけが残っていた。
「…………」
「秦野くん…」
「……ごめん……。……俺……、どうかしてた……。……頭に血が上ってた……」
「分かってたわ」
「……まだまだだな……俺……。……不二咲先輩の足元にも……及んでないから……。……俺は壊すことしか出来ないから……」
「そんなことない。キミは、自分に出来ることを探してみんなのために頑張ってたじゃない。それがどんな結果に終わったとしても…私は、キミを、秦野くんを。尊敬するわ」
「……俺……どうすればいいのかな……」
「恨みに囚われちゃダメ。アルターエゴのことは悲しいけれど…前を向いていきましょ。秦野くんはまだ一人じゃないんだから」
精一杯の励ましを彼に送る。彼は今絶望している。モノクマのせいで、自分の実力不足(たぶん違う)のせいで、自分を追いつめている。
私にできることは……その負の感情を、一緒に分かち合って負担を少なくすることだけなのだ。
私は秦野くんの手を握る。冷たいけれど…彼が生きている。鼓動を感じる。それだけで十分だった。
「……ありがとう、神谷……。……俺……神谷に出会えて良かったと思ってる……」
「私もよ」
「……もし良かったら、なんだけどさ……。……『親友』になって、もらえないかな……」
「…へ?」
「……俺、多分これからも失敗するし……この性格だから人の誤解になること沢山しちゃうんだと思う……。……だけど……神谷となら……みんなとなら……前に進める気がするんだ……。
……今の俺は昔の俺と違う……。……『ひとりぼっち』じゃないから……」
「秦野くん…」
「……あの、その、だから……」
「何言ってるのよ。もう『親友じゃない』。私達は」
秦野くんの本音を初めて聞いたのかもしれない。でも、嬉しかった。あの秦野くんがここまで私に話してくれるようになってたなんて。
『親友』なんて、なるもんじゃないわ。もう、私達は………
——————『親友』になってるんだよ。
そう、一言だけ彼に伝えて書庫を後にした。
すぐ秦野くんが追いかけてきたので「アルターエゴのことはいいの?」と聞いてみると、彼は。
「……今は前だけ見てる……。……悔やむのは全部、終わってから……」
そう、返してきた。
その言葉を聞いて———私は、少し安心できたのかな。心の中に、温かいものが生まれた気がした。
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