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- ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜【完結】
- 日時: 2014/05/06 19:04
- 名前: ランスロット (ID: QNd6qtAW)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=26534
どもです、はじめまして。ランスロットと申します。
この作品は、「ダンガンロンパ」のオリジナルシリーズとなります。
他の作者様方みたいに、「この小説」では超高校級の生徒達は募集いたしません。
この作品と「繋がりのある」シリーズを投稿した際に、募集をかけたいと思います。どうかご了承をお願いいたします。
原作の、スーダン及びゼロのネタバレが出てくるので、ネタバレが嫌な人はブラウザバック推薦です。
なお、原作のキャラは「モノクマ以外は」出てきません。原作キャラを「模したアイテム」は出てくるかもしれません。
ちなみに、作者が好きなキャラは石丸クンと田中クンです。
軽くキャラ紹介を挟み、本編へと参りたいと思います。
小説なんてほとんど書いたことがない初心者なので、文章に矛盾があったり、推理が強引だったり、トリックが雑だったりしますが、温かい目で見てやってください。どうかお願いします。
感想・ご意見などがございましたら、ぜひ書き込んでください。お願いします。
※作者の体調不良が続くため、更新がやや遅くなるかと思われます。ご了承をお願いいたします。
(10/10追記)500参照!!ありがとうございます本当にありがとうございます(土下座)
これからもダンガンロンパFをよろしくお願いします!!
(10/29追記)せ、1,000参照ですか?!ありがとうございます本当にありがとうございます!!
まさか参照数が4桁超えるなんて…。凄すぎますよ本当に!!
これからも、ダンガンロンパFをよろしくお願い申し上げます!
(11/22追記)せ、1,500参照突破しましたよ奥さん!こんな駄文に付き合ってくださっている皆様本当にありがとうございます…orz
これからもどうかよろしくお願いします!
(12/7追記)に…2,000突破…。本当にありがとうございます…orz
ここまで来れたのも皆様のおかげです。これからもよろしくお願いします!
(12/26追記)2,500突破おめでとうございます!ありがとうございます!まさかここまで付き合ってくださっている皆様がいるなんて…!本当に感謝したりないです…。
これからもよろしくお願いいたします!
(1/18追記)3,000突破ありがとうございます…。どれもこれも皆様のおかげでございますアブアブアブ…←
これからもどうかよろしくお願いいたします!
(1/29追記)さ、3,500突破ありがとうございます!!これも皆様のおかげでございます…。
物語も終盤に入ってきましたが、どうかお付き合いくださいませ。
これからもどうかよろしくお願いします!
(2/8追記)ぎ、ぎにゃああああああああああ4,000参照突破ですかああああああ?!本当にありがとうございます!!
これからもよろしくお願いいたします!
(2/16追記)4,500突破しました!!ありがとうございます!!これからもダンガンロンパFをよろしくお願い申し上げます!!
ま、まさかここまで来れるとはなぁ…。しかも間隔短くなってる気がするから…読んでくださる作者様増えていらっしゃるのですよね?う、うれしい…。
(2/23追記)5,000突破しましたウワアアアアアアアアア(泡吹いて気絶)
ほ、本当にありがとうございます!!これからもどうかよろしくお願い申し上げます!!
(3/6追記)5,500…突破です!!!ありがとうございます!!!
これからもよろしくお願いします!!!
(3/17追記)6,000突破…だと…?!おいどういうことだ説明しろ苗木!!← 冗談ですww
まさかここまで読んでくださっている方がいることに驚きの連続でございますwww 本当にありがとうございます!!
(3/26追記)まさかの6,500突破でございます!!ありがとうございます!!
1章は無事完結いたしました。ポップンロンパ、F神崎を通して2章へと進んでいこうと思います。是非そちらもお願いいたします!!
目次になります。
読みたい話数が分からない際にどうぞ。
chapter00 〜絶望職場体験・スタート〜
>>5 >>6 >>7 >>8-12
>>14-15 >>18-20
chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 (非)日常編
>>22 >>23-24 >>26-30
>>31 >>32-33 >>34-35
chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 非日常編
>>36-37 >>40 >>44-45 >>46
chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 学級裁判編
>>47-48 >>49-50 >>53 >>56(おしおき編)
>>57-58
chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 (非)日常編
>>60 >>61-62 >>63 >>67-68
>>69-71 >>72-73 >>74-75
chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 非日常編
>>76-78 >>81
chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 学級裁判編
>>83-84 >>85-86 >>87 >>91(おしおき編)
>>95-96
chapter03 〜We are so Zetsubou〜 (非)日常編
>>100 >>103-104 >>105-106 >>108-109
>>110-111 >>112 >>115-117
chapter03 〜We are so Zetsubou〜 非日常編
>>118-120 >>122 >>124
chapter03 〜We are so Zetsubou〜 学級裁判編
>>125 >>128-130 >>131 >>135(おしおき編)
>>138-140
chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 (非)日常編
>>142 >>147 >>150-151 >>154-155
>>159-162 >>163
chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 非日常編
>>164-166 >>169
chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 学級裁判編
>>173-174 >>175-176 >>182 >>183(おしおき編)
>>188 >>191
chapter05 〜キオクのウタ〜 (非)日常編
>>193 >>194 >>195-196 >>199-200
>>203-204 >>211 >>213-214 >>215-216
>>217-218
chapter05 〜キオクのウタ〜 非日常編
>>219-221 >>222
chapter05 〜キオクのウタ〜 学級裁判編
>>224-225 >>226-227 >>228-229 >>232(おしおき編)
>>233-234
chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 非日常編
>>236 >>237-238 >>239-242 >>243-244
>>246-248 >>249
chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 学級裁判編
>>252-255 >>258 >>260-262 >>263-267 >>268
chapter Epilogue 〜サヨナラ、モノクマシティ〜
>>282-283
キャラクター紹介編 〜モノクマの部屋〜
第1回「神谷春子」 >>13
第2回「冥雅雪斗」 >>21
第3回「村上一夜」 >>25
第4回「chapter01被害者」 >>41
第5回「chapter01総評・解説」 >>59
第6回「chapter01クロ・企画お知らせ」 >>64
第7回「chapter02被害者」 >>82
第8回「chapter02総評・解説」 >>99
第9回「chapter02クロ」 >>107
第10回「chapter03被害者その1」 >>121
第11回「chapter03被害者その2・記念企画お知らせ」 >>123
第12回「chapter03総評・解説/予想・人気投票お知らせ」 >>141
第13回「chapter03クロ」 >>156
第14回「chapter04被害者」 >>172
号外「これは凄いことだね!名誉だね!」 >>181
第15回「chapter04総評・解説」 >>192
第16回「chapter04クロ」 >>206
第17回「chapter05被害者」 >>223
第18回「chapter05総評・解説」 >>235
第19回「chapter05クロ」 >>245
第20回「ネタバレ1」 >>256
第21回「chapter06総評・解説」 >>269
第22回「生き残りその1」 >>270
第23回「生き残りその2」 >>271
第24回「生き残りその3」 >>272
第25回「生き残りその4」 >>273
第26回「モニャン/ネタバレ2」 >>274
EXTRA「黒幕」 >>279
第27回「あとがき」 >>284
号外2「超高校級の日常に参加している小説紹介」>>288
※本日より上記URLより外伝小説『僕達委員トリオ!』にジャンプするようになりました。
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- Re: ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜 ( No.194 )
- 日時: 2014/01/25 21:46
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: BvZBUYdW)
【コロシアイ職業体験 18日目】
『希望ヶ峰学園職業体験実行委員会がお知らせします。オマエラ、おはようございます。朝です。朝ですよー!今日もはりきっていきましょー!』
「朝…」
あの絶望的な裁判を乗り越えた、次の朝がやってきた。私の身体はいつも通りに気だるさを覚えながら『起きよう』と努力するものの…。
どうしても、脳が起きてくれなかった。どうしてなのだろう。私は一刻も早く手がかりを見つけて街から出ていかなくてはならない。もう…犠牲が出ることなんて勘弁してほしい。
だから…ここで休んでいるわけには、行かないのに。とにかく、起きて準備をして、食堂へ向かいましょう。
私は脳を無理やり起こして、食堂へと向かった。
「おはよう、神谷さん。目にクマ出来てるみたいだけど…大丈夫?」
「え?」
「うん。うっすらとクマ出来てるよ。もしかして昨日あまり眠れなかった?」
「そんなことないわよ?ちゃんと寝た感触はあるし…」
ちゃんと寝たはずだったんだけど…。後で鏡を見てこようかしら。
早起き組と話しているうちに、次第に今生き残っている全員が揃って、朝食会が始まる。
食事中も言葉の交わしは少ない。『これだけ人が減った』と、私の胸に突き刺さる気がした。
…はぁ、とため息が出る。朝食が終わったら何をしようか。いつもなら、この時間帯にモノクマが……
「はいはい呼びましたー?」
「うわあっ?!」
———案の定現れた。まさか私の心を見透かしているのかしら…?
まぁ…学級裁判翌日の登場だから、どうせ『柱のロックとホテルのロックを解除した』と連絡するつもりなんでしょうけど。
「あれボクの言いたいこと読まれた?!神谷さん知識だけじゃなくて読心術まで心得ちゃったとか?!」
「今までだってそうだったんだから少し考えれば分かるわよ…」
「ボクと神谷さんとの絆がアップしたって証拠だね〜!!あとはお身体の関係を踏まえれば新密度は更にアップするんだよ…ハァ…ハァ…」
「なっ、ななななな神谷とモノクマがっ…?!そんなの認めないぞ!!」
「お前は何を想像してんだよ…」
全く、モノクマといると調子を崩されるわ…。そ、それに私にはそんな興味なんてないんだから…!!す、するならちゃんと段階を踏んでから…って、はしたないこと考えさせないでちょうだい…。何してるのかしら、私。
「うぷぷぷ、冥雅クンは嫉妬っすか〜?これは神崎クンと神谷さんの取り合いっすか〜?ドロドロの三角関係っすか〜?」
「だ、黙ってろよ!!」
「言いたいことはそれだけなの?それならさっさといなくなってちょうだい」
「ちぇっ、神谷さんに嫌われちゃったよ。まぁいいや。ちなみにボクのロック解除は『これで最後』だから、隅々まで調べられるね!というわけでまったね〜!!」
そう言って、モノクマは猛スピードで食堂から駆けて出て行ってしまった。
全く…ロボットだとはいえ、あのスピードはどこから出ているのかしら。…まさか、足にローラーでもついているのかしら?いやいやそんなはずは…。
いや、くだらないことを考えている暇はない。早く出口を見つけないと…。最後の街のロックが解除されたんだから、きっと重要なものが眠っているはずだわ。
「ねぇ、今回も手分けするの?」
「そうでもしないと1日じャあ間に合いそうにねェからな。今回もじゃんけんでいいんじゃねェか?」
「人数が少なくなった分、多く情報は集めないといけないけどね」
「それじゃ、じゃんけんだな。秦野にはホテル班の誰かが連絡するってことで」
「おっけー!!」
今回もじゃんけんで探索区域を振り分けることにしたらしい。
…結果、今回も私は街探索班に振り分けられた。今回一緒なのは…
「お、俺が一緒かァ。よろしくな」
「神谷さんと一緒なんだね…。よろしくね!」
「神谷さんとの探索は2回目だね。よろしく!」
羽柴くん、白戸さん、星野くん。
彼らが今回一緒に探索する人達になった。
「今回も頃合いのメールで報告会、ってことでいいのか?」
「それが一番手っ取り早いし、連絡もしやすいからね!」
「じゃあ、秦野には俺が連絡しておくよ。探索はちょっと遅れるかも」
「うん。よろしく、神崎!」
「それじゃあ、出発しましょう。お互い、いい成果が出せるといいわね」
そう言って、私達は食堂を後にする…はずだった。
ふと、右手が掴まれる感触を感じ、思わず振り返ってみる。そこには———真剣な表情をした冥雅くんが私の右腕をつかんでいた。
「…ねぇ、神谷」
「何かしら?」
「———思いつめないでよ。絶対に。シオンの言葉をどう解釈したかは分からないけど…。精神崩壊なんてされちゃったら、オレどうしたらいいか分からないからさ。
それに———オレの思いも伝えられなくなる」
「…何が言いたいの?」
「…ううん、何でもない。それじゃ…お互い頑張ろう。な?」
寂しそうな表情をして冥雅くんはみんなを追いかけて行ってしまった。
———何を言いたかったのかしら…。まぁいいわ。それも、出口の手がかりを見つけられればいずれ分かるんでしょうし。
いつも以上に気合を無理やり入れて、私は最後の街へと足を踏み入れるのだった。
- chapter05 〜キオクのウタ〜 (非)日常編 ( No.195 )
- 日時: 2014/01/27 20:00
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: hH8V8uWJ)
新しい街に足を踏み入れた私は、妙に懐かしい感触に襲われる。辺り一面のピンク色。空や道もが、その舞い散る桜で覆われていた。———一言でいうならば、「春」なのかしら…。
儚くも美しい光景に、私はただただ見とれていた。
場違いなモノクマオブジェが目に入るたびに幻滅するのはいつもと変わらなかったけど…。
「ふわぁ…!すごく綺麗だね、ここ」
「でもこの桜、人口のモノみたいだぜェ。でも、ここまで出来るッて…。流石は希望ヶ峰だよなァ」
「か、感心してないで探索開始しようよ…」
「そうね。一刻も、無駄には出来ないものね」
桜の舞い散る光景に私は一瞬目的を忘れそうになるが、なんとか気持ちを持ち直し探索を開始した。
…私を心配そうに見つめる白戸さんが気になったけど…ううん、気にしてる場合じゃないわ。
しばらく歩いていると、薬品がガラス越しにたくさん置いてある店を発見する。……恐らく、『薬屋さん』なのかしら?
気になって入ろうと提案すると、羽柴くんが半ば興奮気味に賛同してくれた。あぁそっか、彼は『超高校級の科学部』なんだっけ…。
薬屋さんに入ってみると、独特のツンとした匂いが私の鼻に入ってくる。うう、やっぱり薬屋さんなんだわここ…。
「すげェ…。海外では輸入禁止になッてるとんでもない薬品まで揃ッてる…。こ、ここが宝庫だッたのか?!」
「うーん…。匂いがきつくて私には長居は無理だよぉ…」
「ぼ、僕も…」
「あ、え、えッと…。なんか、ごめんなァ。一人で興奮しちまッて」
「ううん。誰しも好きなものを見ると興奮するものよ。調べたいなら、隅々まで調べることをお勧めするわ」
「あ、あァ…」
———どうしたのかしら?普通に返したつもりだったんだけど、羽柴くんに変な表情をされてしまった。まるで、私を心配しているような…。うーん…何か良くないことでもしたのかしら?
その場を何とかはぐらかし探索を続けていると、書類の棚に入っている一際目立つ黒いファイルを発見した。
気になってファイルを取ってみると…。そこには、汚い字で『かいふうげんきん』と書かれていた。
…これ、前にも見たパターンね。あの時はモニャンが書いた字だったわけだけど…。今回はそれよりも汚い字。十中八九モノクマだろう。と、いうことは…。
これに、何らかの情報が入っているに違いない。
「みんな、これ見て。あそこの棚に入っていたわ」
「神谷さん、それ…」
「ファイルに汚い字で『見るな』って……黒い本と同じパターンだね」
「でもよォ…。これ、多分モニャンがつけたわけじゃなさそうだぜェ?」
「私もそう思う。だから…後でみんなで見てみることにしない?」
ここで勝手に開封して、モノクマに情報を隠されてしまっては元も子もない。私がそう提案すると、みんな賛同してくれた。
薬屋には他に目ぼしいものはなかったので、とりあえず外に出ることにした。
薬品の詰まった室内からの解放感が心地よかったことは……羽柴くんには内緒にしておこう。
再び探索を続けていると、次に大きなモノクマオブジェが特徴的な城が目に入ってきた。街に城…?一瞬不審に思ったが、あのモノクマだ。趣味の悪いものを一つ二つ用意したっておかしくない。
「お城…だね」
「いかにも趣味悪いけどな」
「写真で見るお城とは違って不気味だよね…。どうする?入る?」
「えぇ。入ってみましょう」
モノクマキャッスル(仮名だけど…)に入り探索を続けたけど…。モノクマの異様な飾り以外には特に気になるものは見つけられなかった。
どうやら他のみんなも同じだったらしく、私達は落胆しつつモノクマキャッスルを後にすることにした。
———無駄に大きいだけじゃないの、この城…。
「あぁ…目がちかちかする…」
「そりャあ白と黒で作られた城だもんなァ。目もちかちかするよなァ…」
「白黒の映画見たほうがずっとマシだよ…」
気を取り直し町の探索を続けていると、スパナの看板が特徴的な店を発見した。
『パーツショップ エレクトリック』か…。機械の専門店、なのかしら?
「機械のパーツなんかが置いてあるみたいだね。秦野くんに言ったら喜びそう!」
「アルターエゴの強化パーツに使えそうなものもあるかもしれないわね。中に入ってみましょう」
「映画映画…」
「流石にそれはねーと思うぞ…」
珍しく興奮気味の白戸さんを連れて、私達はパーツショップに入ってみる。星野くんの言った通り、店には機械のパーツがびっしりと並んでいる。小さいものから凶器に使えそうな、大きなものまで…。まぁ、もうコロシアイは起こさないんだし関係ないんだけど…。
歩いていると、ふと星野くんが「あ」と声をあげる。
「どうしたの?」
「ねぇ、このドライバー1本だけ色が変だよ?それに…これ、何か柄の部分に彫ってる跡がある」
「あ…ほんとだ。えっと…『そうだ』って読めるみたいだね…」
「『そうだ』…?そうだって、もしかして…」
名前を聞いた瞬間、何かが私の中を駆け巡る。『そうだ』という人を、私はどこかで見ている…はず。記憶の引き出しを数瞬で駆け巡り、私はある『1つの知識』を本棚から取り出した。
「…それ、もしかして…。アルターエゴのデータベースにあった『77期生の生徒の名前』じゃないかしら?」
「あッ!そういえば『左右田和一』ッて奴がいたなァ」
「じゃあ…このドライバーは、左右田って人の私物なのかなぁ…。でも、どうしてこんなところに…」
「うーーん…。とりあえず、写真だけ撮って帰りましょう。勝手に持って帰ったら何起こるか分からないからね」
他にめぼしいものはなかったので、パーツショップを後にすることにした。
……今回は、この『黒いファイル』がなにか手がかりになるのかしら。そうだとしたら、早く帰ってみんなに知らせないと———!
そう思って、帰ることを提案しようとしたその時だった。
「ワリィ、星野と白戸だけ先に帰っててくんねェか」
「え?いいけど…用事でもあるの?」
「ちょッとしたデートだよデート。すぐ戻るから気にすんな」
「え、ちょ、羽柴くん?!」
「うん…分かったけど…。二人とも気を付けてね?」
「おう」
そう言って、羽柴くんは他の2人を先に帰してしまった。そして、私を街にあったベンチに座らせて、彼も座る。
———改めて、羽柴くんの背が高いことを思い知らされた。
そう思ってるのも束の間、彼は私に向かって真剣みを帯びた声で話し始めた。
———『躍起になっている私』を止めてくれる、『仲間』という存在を改めて感じさせる話を…。
- chapter05 〜キオクのウタ〜 (非)日常編 ( No.196 )
- 日時: 2014/01/29 18:23
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: Qv./XS1Y)
「…なァ、神谷」
「…何?こうして話している時間は私達には残っていないのよ?需要のない話をするなら早くホテルに戻りましょう」
「………はァ」
今思っていることを素直に伝えたのに、羽柴くんにため息をつかれてしまった。…うーん、私彼に気に障ること言ったかしら…。
こうしている間にもモノクマは何をしでかすか分からない。もしかしたら、先に戻った星野くんや白戸さんもろともホテル班の人達に何かあったのかもしれない。そうなってからでは、遅い。
…だから、こうしてベンチに座って話をしている場合ではないのに…。
表情を全く変えずに座っている私を、羽柴くんは無理やり自分と向き合わせるようにして座らせた。……こ、これって男女でいえば「恋人」がやることでしょ?!ま、まさか羽柴くん……。
私が変なことを頭で考えていると、羽柴くんは声を落ち着かせてこう呟いた。
「シオンの最期の言葉、真に受けすぎだッての」
「…え?」
「神谷がこうやってやッかみになってモノクマに立ち向かうのも分からねェワケじゃねェ。でもよォ…。これじゃ…自滅すんぞ、お前」
「……自滅……」
『自滅』。彼からその言葉を聞いた時、私の胸に何かが突き刺さるような気がした。こう、鋭利な刃とか…じゃなくて、冷たい氷で出来た刃物のような『何か』。気付いた瞬間、その異物感はよりいっそう大きくなっているような気がする。
———私は、間違っている?
「…なァ」
「何?」
「…昔な、俺と一緒に科学実験をずーっとやってた親友がいたんだ。小学生からの仲でさァ、俺達は互いを高めあいながら、科学の知識を深めていったんだ」
「…………」
ふと、羽柴くんが昔話を私に話してくれた。どうやら、彼が『科学部』として有名になるまでの経緯、だという。
「神谷は知ってると思うが、俺はその頃に『疫病を治す薬』を開発してノーベル化学賞を貰ったんだよ。…あの時はとても光栄な気持ちでいっぱいだったが、悲しみも沢山あったんだ」
「どういう、こと?」
「俺が薬を開発して有名になったことを、親友が良しとしなかったんだよ。俺だけがちやほやされることが、嫌だったんだろうよ。…その時は小学生だったから、そいつの気持ちなんて分かってやれなかった。
…科学賞の授与式の前日だったかな。俺はそいつにとある人気のない公園まで連れてこられたんだ。そして……。『俺よりもすごい疫病を治す薬』っていうのを作ったって言ったんだ。でも、それは俺の分析だと『失敗作』。それをあいつは『すごいもの』として俺に見せてきた。
そして…そいつは言ったんだ。『お前には絶対に負けない』って」
「羽柴くん…」
思わず彼の名前を呼ぶが、彼は真剣みを帯びた目をやめずに話を続けた。
まるで、自分を戒めるかのように。ゆっくりと、彼独特の低い声で。
「そいつは、俺の目の前でその薬を飲みやがった。そして…そいつは『すごいだろ!!』って言いながら……俺の目の前で死んだ。
そいつの作った薬は『疫病を治す薬』なんかじゃない。失敗して生み出された『毒薬』だったんだよ…。
俺への嫉妬でやっかみになって、結局は自滅したんだ…」
「…………」
「神谷。今のお前は…なんとなく、そいつと同じ影が見えるんだ。だから…シオンの言葉を『使命』だとは思うな」
「…でも…それじゃ…」
「別の方向にシフトチェンジすりゃいいだけの話じゃねェか。何つーか…俺にもよくわかんねェけど…。あいつの言葉借りるなら、『一つの支えとして稼働させる』ってやつか?」
「『…一つの…支え…』」
———そういえば、佐藤さんが殺される前にシオンくんは私に言っていた。『みんなの言葉、そして姿を支えにすれば、怖いものなどない』と…。
もしかして、彼がみんなのために犠牲になろうとしたその心は、私達がいたから…だったのかもしれない。
彼が言いたかったのは…一人一人が持つ『希望』なんかじゃなくて…みんなで紡ぎだす『絆』なんじゃないかって。
———今更答えにたどり着くなんて。本当、私は『超高校級の知識』失格よね。
多分…ホテルから出ようとした時に冥雅くんが私の手を握ったのも…同じ意味だったのかもしれない。羽柴くんが、今私に気づかせてくれているように。
…一人で突っ走って、何になるのよ。私達には…『仲間』がいるじゃない。
「もう…大丈夫。羽柴くん、気づかせてくれて…ありがとう。シオンくんの言いたかったこと…今更気付いたわ」
「ま、あいつの言うことは俺にはさっぱりだけどさァ。神谷の今の顔、さっきより100倍いい顔してんぜェ」
「…うふふ。私は一人じゃない。『仲間』がいるのよね…。モノクマが何をしても、私達は諦めない。だから…もう、心配はいらない。私には、みんなには、『絆』があるわ」
「…そこまで元気になったら大丈夫、だなァ。さ、ホテルに戻ろうぜェ。お前を好いてる奴が禁断症状起こしてもしらねーぞー?」
「何よそれ…」
羽柴くんの冗談にも、いつも通り突っ込むことができた。…ふふ、冗談きついわよ。
私達は他愛ない話で談笑しながら、ホテルへの道を戻って行った。
「———冥雅。あとはお前が気持ち伝えるだけだ。大丈夫、影から応援してるぜェ」
羽柴くんが冥雅くんに向かって何か話してたみたいだけど…。なんだったのかしらね?
- Re: ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜 ( No.197 )
- 日時: 2014/01/30 10:31
- 名前: 蜩 ◆DuoCt8/SKk (ID: CKHygVZC)
はじめまして蜩です。
ダンガンロンパって犯人は死ぬというあのゲームですよね?私は怖いからそのゲームはできないのですが面白いのは知っています。
私はここでは、「戦の国を平和にしてください!」という視点小説の連載をはじめました。
良かったらキャラ募集中なのでよろしくお願いいたします!
- Re: ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜 ( No.198 )
- 日時: 2014/01/30 19:39
- 名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: 4ejw0jz1)
>>蜩 様
どもです、こちらでははじめまして。
『ダンガンロンパ』は犯人が死ぬ、ではなくて『閉鎖空間でのコロシアイ』をさせられるゲームです。
まぁ、殺人が起こるのが前提のゲームなので『怖い』と思われるならプレイの推薦は無理には致しませんが…。ストーリーやキャラクターなど、魅力的な点は挙げても挙げきらないくらい多いので機会があればぜひプレイしてみてくだい!
えっと、『アニメ&ゲームタウン』のスレ主さんの方ですよね?一応、更新を落とすなら『落とします』という連絡をスレの方に書いていただけるとありがたいです。
新しいスレも機会があれば覗きに行きたいと思います。
ご気分を害されたら申し訳ないのですが、一応ここ『小説スレ』なので、宣伝雑談はご遠慮していただけると嬉しいです。申し訳ないですが、ご理解をお願いいたします。
小説を読んでいただけたならご感想をいただけると嬉しいかな…。
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