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- ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜【完結】
- 日時: 2014/05/06 19:04
- 名前: ランスロット (ID: QNd6qtAW)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=26534
どもです、はじめまして。ランスロットと申します。
この作品は、「ダンガンロンパ」のオリジナルシリーズとなります。
他の作者様方みたいに、「この小説」では超高校級の生徒達は募集いたしません。
この作品と「繋がりのある」シリーズを投稿した際に、募集をかけたいと思います。どうかご了承をお願いいたします。
原作の、スーダン及びゼロのネタバレが出てくるので、ネタバレが嫌な人はブラウザバック推薦です。
なお、原作のキャラは「モノクマ以外は」出てきません。原作キャラを「模したアイテム」は出てくるかもしれません。
ちなみに、作者が好きなキャラは石丸クンと田中クンです。
軽くキャラ紹介を挟み、本編へと参りたいと思います。
小説なんてほとんど書いたことがない初心者なので、文章に矛盾があったり、推理が強引だったり、トリックが雑だったりしますが、温かい目で見てやってください。どうかお願いします。
感想・ご意見などがございましたら、ぜひ書き込んでください。お願いします。
※作者の体調不良が続くため、更新がやや遅くなるかと思われます。ご了承をお願いいたします。
(10/10追記)500参照!!ありがとうございます本当にありがとうございます(土下座)
これからもダンガンロンパFをよろしくお願いします!!
(10/29追記)せ、1,000参照ですか?!ありがとうございます本当にありがとうございます!!
まさか参照数が4桁超えるなんて…。凄すぎますよ本当に!!
これからも、ダンガンロンパFをよろしくお願い申し上げます!
(11/22追記)せ、1,500参照突破しましたよ奥さん!こんな駄文に付き合ってくださっている皆様本当にありがとうございます…orz
これからもどうかよろしくお願いします!
(12/7追記)に…2,000突破…。本当にありがとうございます…orz
ここまで来れたのも皆様のおかげです。これからもよろしくお願いします!
(12/26追記)2,500突破おめでとうございます!ありがとうございます!まさかここまで付き合ってくださっている皆様がいるなんて…!本当に感謝したりないです…。
これからもよろしくお願いいたします!
(1/18追記)3,000突破ありがとうございます…。どれもこれも皆様のおかげでございますアブアブアブ…←
これからもどうかよろしくお願いいたします!
(1/29追記)さ、3,500突破ありがとうございます!!これも皆様のおかげでございます…。
物語も終盤に入ってきましたが、どうかお付き合いくださいませ。
これからもどうかよろしくお願いします!
(2/8追記)ぎ、ぎにゃああああああああああ4,000参照突破ですかああああああ?!本当にありがとうございます!!
これからもよろしくお願いいたします!
(2/16追記)4,500突破しました!!ありがとうございます!!これからもダンガンロンパFをよろしくお願い申し上げます!!
ま、まさかここまで来れるとはなぁ…。しかも間隔短くなってる気がするから…読んでくださる作者様増えていらっしゃるのですよね?う、うれしい…。
(2/23追記)5,000突破しましたウワアアアアアアアアア(泡吹いて気絶)
ほ、本当にありがとうございます!!これからもどうかよろしくお願い申し上げます!!
(3/6追記)5,500…突破です!!!ありがとうございます!!!
これからもよろしくお願いします!!!
(3/17追記)6,000突破…だと…?!おいどういうことだ説明しろ苗木!!← 冗談ですww
まさかここまで読んでくださっている方がいることに驚きの連続でございますwww 本当にありがとうございます!!
(3/26追記)まさかの6,500突破でございます!!ありがとうございます!!
1章は無事完結いたしました。ポップンロンパ、F神崎を通して2章へと進んでいこうと思います。是非そちらもお願いいたします!!
目次になります。
読みたい話数が分からない際にどうぞ。
chapter00 〜絶望職場体験・スタート〜
>>5 >>6 >>7 >>8-12
>>14-15 >>18-20
chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 (非)日常編
>>22 >>23-24 >>26-30
>>31 >>32-33 >>34-35
chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 非日常編
>>36-37 >>40 >>44-45 >>46
chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 学級裁判編
>>47-48 >>49-50 >>53 >>56(おしおき編)
>>57-58
chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 (非)日常編
>>60 >>61-62 >>63 >>67-68
>>69-71 >>72-73 >>74-75
chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 非日常編
>>76-78 >>81
chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 学級裁判編
>>83-84 >>85-86 >>87 >>91(おしおき編)
>>95-96
chapter03 〜We are so Zetsubou〜 (非)日常編
>>100 >>103-104 >>105-106 >>108-109
>>110-111 >>112 >>115-117
chapter03 〜We are so Zetsubou〜 非日常編
>>118-120 >>122 >>124
chapter03 〜We are so Zetsubou〜 学級裁判編
>>125 >>128-130 >>131 >>135(おしおき編)
>>138-140
chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 (非)日常編
>>142 >>147 >>150-151 >>154-155
>>159-162 >>163
chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 非日常編
>>164-166 >>169
chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 学級裁判編
>>173-174 >>175-176 >>182 >>183(おしおき編)
>>188 >>191
chapter05 〜キオクのウタ〜 (非)日常編
>>193 >>194 >>195-196 >>199-200
>>203-204 >>211 >>213-214 >>215-216
>>217-218
chapter05 〜キオクのウタ〜 非日常編
>>219-221 >>222
chapter05 〜キオクのウタ〜 学級裁判編
>>224-225 >>226-227 >>228-229 >>232(おしおき編)
>>233-234
chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 非日常編
>>236 >>237-238 >>239-242 >>243-244
>>246-248 >>249
chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 学級裁判編
>>252-255 >>258 >>260-262 >>263-267 >>268
chapter Epilogue 〜サヨナラ、モノクマシティ〜
>>282-283
キャラクター紹介編 〜モノクマの部屋〜
第1回「神谷春子」 >>13
第2回「冥雅雪斗」 >>21
第3回「村上一夜」 >>25
第4回「chapter01被害者」 >>41
第5回「chapter01総評・解説」 >>59
第6回「chapter01クロ・企画お知らせ」 >>64
第7回「chapter02被害者」 >>82
第8回「chapter02総評・解説」 >>99
第9回「chapter02クロ」 >>107
第10回「chapter03被害者その1」 >>121
第11回「chapter03被害者その2・記念企画お知らせ」 >>123
第12回「chapter03総評・解説/予想・人気投票お知らせ」 >>141
第13回「chapter03クロ」 >>156
第14回「chapter04被害者」 >>172
号外「これは凄いことだね!名誉だね!」 >>181
第15回「chapter04総評・解説」 >>192
第16回「chapter04クロ」 >>206
第17回「chapter05被害者」 >>223
第18回「chapter05総評・解説」 >>235
第19回「chapter05クロ」 >>245
第20回「ネタバレ1」 >>256
第21回「chapter06総評・解説」 >>269
第22回「生き残りその1」 >>270
第23回「生き残りその2」 >>271
第24回「生き残りその3」 >>272
第25回「生き残りその4」 >>273
第26回「モニャン/ネタバレ2」 >>274
EXTRA「黒幕」 >>279
第27回「あとがき」 >>284
号外2「超高校級の日常に参加している小説紹介」>>288
※本日より上記URLより外伝小説『僕達委員トリオ!』にジャンプするようになりました。
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- chater01 〜!ロエコリノヲシ〜 ( No.29 )
- 日時: 2013/09/29 10:01
- 名前: ランスロット (ID: /kqYaBvn)
「じゃあ報告を始めるわね。私達が調べた西方面には、マルチショップ、占いグッズが置いてあるテント、花屋があったわ」
「マルチショップには本当に色んな物が置いてあったんだ。食べ物、服、アンティーク家具などなど…種類もいっぱい」
「花屋には様々な花とガーデニング用品が置いてあった。…異常な程のスコップも発見したぞ」
「占いグッズのテントは…入ってみたけど、占いに使うものとマジックに使えそうなものしか置いてなかったわ」
「マジック?!それ本当?!」
目をキラキラさせながら佐藤さんが立花さんに近づいていく。
立花さんは苦笑しながら、「そうよ」とだけ答えた。
「あぁ、そうだ。モノクマから有益な情報を手に入れたわ」
「それとは?」
「この街、前に『誰か住んでいた』らしいのよ」
「…えっ?!」
私の報告を受けた他のグループの面々は、驚いた顔をしている。
「それって、本当のことなの?あのモノクマのことだから嘘を言ってるかも…」
「俺達が聞き出したんじゃなくて、あいつが勝手に言ったんだ。俺がそれについて問い詰めたんだけど、モノクマは急に焦って店から出て行ってしまったんだ。…嘘には到底思えなかったな」
「あのモノクマが焦る…嘘ではなさそうですね。有益な情報、ありがとうございます」
「私達の報告は以上よ」
私が全て言い終えると同時に、長月さんの筆を走らせる腕も止まった。
どうやら、私達の情報を頼りに街の地図を描いているらしい。
「出来たわ。こんな感じね」
そう言うと、彼女はみんなの方に紙を向けなおした。
図書委員らしく、綺麗にまとまった分かりやすい地図だった。
私はその地図を確認し、街の全体図をイメージする。記憶するのに大して時間はかからなかった。
「長月さん、お疲れ様でした。…では、次の議題に参りましょう」
「次の議題?」
「はい。街の4方向に伸びている大きな黒い柱のことです」
モノクマは、私達を閉じ込めるために柱を建てた、と言っていた。
確かに、見に行って分かったんだけど私達が壊せる代物ではない。…でも、向こうに何かある。そういう感じはする。
「ねぇ、でもあの柱は『私達を閉じ込めるために』あるんでしょ?」
「モノクマもそう言ってたしな」
「むむむ…でも、くるみたちを閉じ込めるなら『柱』じゃなくて『扉』でも良くないのか?」
「なぜ柱なのか…気になるな」
柱の正体について考えていると、「……あの」と手を挙げる人がいた。
声の主は、秦野くんだった。
「……あの……えっと……」
「どうしたの?秦野くん、何か思いついたことでも…?」
秦野くんは何かを言いたそうに口をパクパクしている。
…どうやら、彼はコミュニケーション能力が極端に低いようだ。
「秦野さん?口をパクパクしているだけでは分かりませんよ?」
「……えっと……その……」
「何か気付いたことがあったら言ってよ。もしかしたら解決の糸口、つまり脱出の手掛かりになるかもしれないし」
私はすかさず助け舟を出す。すると、彼はもぞもぞと小声で話し出した。
「村上が殺されて……ホテルに戻る時に……柱を見た……柱に……文字が書いてあった……」
「文字?そんなのあったっけ?」
「……柱と似た色だったから……見えにくい……でも確かに……書いてる……」
「どんな文字が書いてあったんです?」
シオンくんが彼に尋ねる。すると、彼は言いづらそうに口を閉じてしまった。
そして、一回深呼吸をしてみんなの方に向き直り、こう話した。
「……『希望ヶ峰学園』って……」
「…え?」
希望ヶ峰学園?じゃあ、この街は希望ヶ峰学園所有で、私達は学園の誰かに閉じ込められた…ってこと?
「待ってよ!じゃあ、ここは希望ヶ峰学園の敷地内ってこと?!」
「秦野くんの情報が真実なら、そうかもしれませんね」
「……信じられないなら……後で……見に行けばいい……」
「ねぇ、じゃあさ、さっき神谷ちゃんが言ってた『以前住んでいた人』って…」
「希望ヶ峰学園関係者、ということになりますね」
…ここには以前希望ヶ峰学園の関係者が住んでいた。そう考えれば、柱の文字とモノクマの言葉が一致する。
でもここでまた疑問が浮かび上がった。一体…誰が住んでいたんだろう。
「でもよォ、今はそう深く考えることでもなくねェか?確かに脱出の手掛かりッぽそうだが、今脱出出来るわけじゃねェしよォ」
「そうだよ〜!今はお腹空いたからモニャンにお昼ご飯作ってもらおうよ!」
…確かに、今は先延ばしにしてもいい問題なのかもしれない。
「では、この話の続きは後日するとしましょう。では、昼食をいただきますか」
「やった〜!モニャン探してくるー!」
「待て佐藤!くるみも探すのだ!」
佐藤さんと雨宮さんが食堂から駆けていった。
彼女たちの行動に、私はいつの間にか笑みを漏らしていた。
- chater01 〜!ロエコリノヲシ〜 ( No.30 )
- 日時: 2013/09/29 16:59
- 名前: ランスロット (ID: e5UV9RVW)
私は昼食後、冥雅くんに誘われてカフェに来ていた。
この街の今のところの全貌は分かった。でも…まだ謎が多すぎる。
そもそも、ここはどこなのだろう。私達はなぜこの街に閉じ込められてしまったのだろう。
…犯人は、いったい誰なのだろう。
「神谷ー?」
「?!」
急に冥雅くんの声がしたので、私はハッとして彼の方を向いた。
彼は、心配そうに私を見ていた。
「大丈夫?起きてからあんまり笑ってないよ?」
「…気を遣わせてごめんなさいね。なんで私達がここに閉じ込められたのかな、って思ってたの」
力なくそう答える。すると、冥雅くんは私に向かってこう言った。
「神谷は、俺が守ってあげる」
…は?今さりげなく恥ずかしいセリフをサラッと言わなかった?
傍から見れば好きな女の子に告白するセリフにも聞こえる。
その言葉の意味をはき違え、私の顔は真っ赤になっていた。
「うわああああちょっと冥雅くん?!キミサラッと何言ってるの?!」
「え?だから、神谷は俺が守るって…」
「何回も言わなくていいから!黙ってて!」
ついに私は顔をうつ伏せにして隠してしまった。あぁ私の顔は絶対真っ赤になっている。…あんなこと言われたの、初めてよ。
冥雅くんはきっと戸惑っているに違いないだろう。
そう思っていると、カラカラ…と音がして、誰かがカフェに入ってきた。
その人物は、入ったなり呆れた声で冥雅くんに話しかけた。
「冥雅…。神谷、顔真っ赤だぞ」
案の定、神崎くんだった。
彼の言葉で冥雅くんは自分の放った言葉の意味を理解したのか、慌てふためいて私に誤り続けた。
「ごごごごごごめん神谷!!そういう意味じゃないんだよ!うん!」
「…大丈夫。気にしてないわよ全然」
「気にしてなくて顔真っ赤にする奴いるかよ」
そういうやりとりが数分続いて、私はやっと気分が落ち着いた。
…神崎くんが来てくれて、良かったのかもしれない。
「そういや、モニャンがもうすぐ夕食だから戻って来いって。…お邪魔虫は先に帰ろうか?」
「いや!神崎くん帰らないで!!」
「冗談だよ」
…神崎くんが一瞬神様に見えたのは、気のせいにしておこう。
夕食後、私は自室に戻って日記を書いていた。
記憶力は元々いい方だが、流石に日々の行動までは覚えていない。なので、幼いころから日記を書くことが私の日課だった。
何故か自室に私の愛用しているペンと手帳があったので、それに学園での思い出や感想を書いているのだ。
…書いておけば、証拠になったり情報になったり…って、何思ってるのかしら。
日記を書き続けていると、部屋のドアのノック音が聞こえた。
扉を開いてみると、そこには長月さん、花岸さんを除いた女性陣が集まっていた。
「はるちゃ〜ん、今からみんなでお風呂入ろうと思うんだけど、一緒にどう?」
「いいの?」
「いいもなにも神谷を誘いに来ているのだぞ?!もちろん歓迎するに決まってるだろう!女子同士の友情を深めるイベントなのだ!」
「長月さんと花岸さんがいないみたいだけど…」
「2人とも先に入っちゃったんだって。残念そうにしてたよ…」
「それなら、ご一緒させてもらおうかな」
私は日記を書くのを止めて、彼女たちと一緒に大浴場まで歩き始めた。
…更衣室には、監視カメラはないみたいね。コンセントもあるみたいだし、ドライヤーを持ってきて置いておけば便利かもしれない。
「神谷ちゃんなにしてるの、早く入ろうよ!」
安西さんの呼びかけに私は答え、浴場まで向かった。
…後ろからの誰かの視線が見えた気がしたのは気にしないでおこう。
私はお風呂を満喫し、自室へ戻った。今日一日で沢山の人と話したなぁ。…溶け込めたのかしら。日記に追加しておこう。
…明日はどんなことが起こるのかしら。何事もなければ…いいな。
『希望ヶ峰学園職業体験実行委員会がお知らせします。夜11時になりました。今から朝7時までは、夜時間となります。街内の一部の建物の鍵が閉まりますので、注意してください。それでは皆さん、いい夢を、おやすみなさい…』
耳障りな声と共に、私は眠りについた。
明日も何事もなく迎えられることを信じて…。
- chater01 〜!ロエコリノヲシ〜 ( No.31 )
- 日時: 2013/09/30 18:39
- 名前: ランスロット (ID: 7jx1K2pT)
『希望ヶ峰学園職業体験実行委員会がお知らせします。オマエラ、おはようございます。朝です。朝ですよー!今日もはりきっていきましょー!』
…このコールで目が覚めるのは、2回目…だったかな。
相変わらず耳障りな声だ。
そういえば、今日から朝食会でみんなが集まるんだったわね。だとしたら、早く行かないと。
私は着替えと準備を済ませ、食堂に向かって歩いて行った。
「おはようございます、神谷さん」
「おはよう、神谷」
「神谷さんも早起きなのですね」
「おはよう、神谷さん」
「おはよう、みんな」
花岸さん、神崎くん、シオンくん、長月さん。
私が来る前に既に起きていた、礼儀正しい生活リズムの人たちのようだ。
しばらくして、ほかのクラスメイト達も食堂にやって来た。
「あ〜っ?!あたしが一番早く起きたと思ってたのに〜!!」
「おっはよーみんなー!」
「くるみも起床したぞ!まだ眠いのだがな…ふぁ〜あ」
「……おはよう……」
佐藤さん、豊島くん、雨宮さん、秦野くん。
わりかし規則正しい生活をしているグループのようだ。
そして、7時前後。
「おはよーみんな。ちょっと寝坊した…」
「おはよう!時間には間に合ったみたいだね、良かった…」
「おはようございます」
「よォ。おはようさん」
冥雅くん、星野くん、白戸さん、羽柴くん。
彼らも、前のグループと同じ判断をしていいだろう。
そして、約束の時間を少し過ぎて。
「わりぃわりぃ遅れたぜ!おはよう!!」
「ごめんねみんな〜、髪のセットが整わなくてー」
「少し寝すぎたわ、ごめんなさい」
「皆さん…。次からは気を付けてくださいね」
東条くん、安西さん、立花さん。
立花さんはともかく、2人は約束の時間によく遅れてくるタイプだと感じた。
花岸さんが注意しても話半分に生返事をしているところを見ると、余計にそう思った。
「…これで全員ですね」
「なぁ、影浦は?」
「ごめんね、影浦くんも呼んだんだけど、結局来てくれなくて…」
「返事をしたということは、無事なのですね?」
「う、うん」
ならいいですよ、と花岸さんは答えた。
私達全員が席につき、モニャンが朝食を持ってくる。昨日と同じ光景だった。
「モニャンが高校生なら、『超高校級の料理人』って言われてるかもね〜!」
「うれしいお言葉です」
やりとりも、いつも通りだった。
朝食後、私は隅っこに佇んでいる秦野くんに話しかけることにした。
…素顔の件も謝ってないしね。
「秦野くん、今いいかしら?」
「……あ、神谷……」
秦野くんは私の顔を見るなり反対方向を向いてしまう。
やっぱり、素顔を見られたことを気にしているみたいだ。
「秦野くん、ごめんなさい。事故とはいえ、キミの素顔を見てしまって…」
「……違う……。人に話しかけられたの……あんまりなかったから……どう対応すれば……いいのか……分からなかっただけ……」
「あ、そうなの…」
数刻の沈黙。それを破ったのは、意外にも秦野くんだった。
「……俺がこの学校に来ることになって……。他の人と話せるかなって……すごく不安だった……。俺……他人とどう話せばいいのか……分からない……から」
「小さい頃とかに友達と話したりとかはしなかった?」
「……外に出ることすら……なかった……。だから……友達も……あまりいない……」
「…なんかごめんなさい」
まずい言葉を投げかけてしまった、と自分を後悔した。
しかし、秦野くんからは意外な言葉が返ってきた。
「……だから……神谷が話しかけてくれて……嬉しいんだ……。ここの学校の……クラスメイトは……優しい……」
「秦野くん…」
長い髪の毛の下で、秦野くんが少し微笑んだ気がした。
同時に、彼はこんなことを言った。
「あと……素顔のこと……忘れなくて……いい……」
「え?でも忘れろって…」
「見られたのは……仕方ない……。あの時は……素顔を褒められたから……どうすればいいのか……分からなかった……ごめん」
「じゃあ改めて言わせてもらうわ。秦野くんの素顔はとても綺麗よ」
秦野くんは顔を赤らめてフードを深く下げてしまった。
…でも、これでよかったのよね、きっと。
数分後。食堂に豊島くんがやって来た。
「神谷ー!秦野ー!今からドッジボールするんだけど、一緒にやらねぇかー?!」
「私はやるー!秦野くんは?」
「……行く……」
「秦野くんもやるってー!!」
「おうー!!」
その後、みんなで一緒にドッジボールをして遊んだ。
…2日目の特筆すべき出来事は、これくらいだと思う。
明日も、何事もなければいいわね。今日みたいに…。
そう思って、私は三度目の眠りについた。
…明日、モノクマがとんでもない罠を仕掛けていくことに気付かずに。
- chater01 〜!ロエコリノヲシ〜 ( No.32 )
- 日時: 2013/10/01 21:30
- 名前: ランスロット (ID: kVKlosoT)
『希望ヶ峰学園職業体験実行委員会がお知らせします。オマエラ、おはようございます。朝です。朝ですよー!今日もはりきっていきましょー!』
耳障りな声と共に私は3日目の朝を迎えた。
…そう、私達がこの街に閉じ込められて、3日が経過しているのだ。
きっと、母さんも父さんも私のことを探しているんだろうな…。
「今日で3日目、ですね」
朝食会でも私の考えと全く同じ話題になった。
シオンくんの言葉を皮切りに、話はヒートアップしていた。
「お母さん、お父さん…」
「俺たち、本当にここ出られるのかな…」
「きっと警察も動き出してるはずだよ!わたし達、きっと助かるんだよ!」
「警察?警察なんか当てにしてるの?」
安西さんが「警察」というワードを口にした瞬間、空いているイスの一つがガタガタと動き、その下からモノクマが現れた。
…本当どこにでも現れるのね、こいつ…。
「ぷひゃひゃひゃひゃ、笑っちゃうよね!警察が助けに来てくれるんだって!」
「何よ!何がおかしいのよ!」
「だってさぁ、警察は悪を引き立たせるための脇役なんだよ?それがオマエラを助ける、だって?おかしすぎて笑えちゃうよね!あはははは!」
「…それだけじゃない。何か私達に用件があって来た…そうでしょ?」
「流石は神谷さんっ。鋭いねぇ〜。実は…オマエラをここに閉じ込めても、コロシアイが起こらないから、ボクはとってもツマラナイのです!」
「俺たちは殺し合いなんかしない!絶対にだ!」
「そうだ!モノクマの思い通りにはならないぞ!」
「はぁ〜あ、無駄な正義感に目覚めちゃって…。やってられないよ、ホント。…あっ、わかった!ピコーンと閃きました!」
モノクマは急にテーブルによじ登り、右手を握りこぶしにして左の手のひらをポン、と叩いた。
「場所も人も環境も、ミステリー要素だって揃ってるのに、どうして殺人が起きないのかと思ったら…一つ足りないものがあったね!」
「……足りないもの……?」
「そう。ずばり、『動機』だよ!!うぷぷ、だったら簡単だねぇ。ボクがみんなに『動機』を与えればいいだけだもの」
「動機…?」
「皆さん!モノクマの言葉に惑わされてはいけません!!」
花岸さんの声が高らかに響く。しかし、モノクマはそれを無視ししゃべり続けた。
「大会議室…そこに行ってごらん。いいものがあるから」
モノクマはそう言い残して、テーブルから落ちてしまった。きっと自分の元いたところに帰ったのだろう。
…とても嫌な置き土産を残していったけどね。
「……大会議室……あの大きな部屋……」
「どうする?あいつのことだし、無視してもいいと思うんだが」
「でも、行かないでいたら『オマエラ早く行けよ!』って急かさせるかも…」
「とにかく行ってみようぜ。俺も何があるか気になるし」
私達は互いの顔を見て頷き、大会議室へと向かった。
そこには、人数分のDVDケースと、人数分のDVDプレイヤーがあった。
DVDには、各々の名前が書いている。
「モノクマは『これを見てみろ』って言ってるのかしら?」
「…えぇ。でも、警戒は緩めないでね」
私はそう言い残して、プレイヤーの置いてある一つの席に座り、DVDを入れてみた。
…少し長いノイズの後に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
『春子、希望ヶ峰学園入学おめでとう』
その声の主は、父親であった。映像には、母親と祖母も映っている。
『この学園に入学できること、お父さんは嬉しく思うぞ。自分を信じで、学園生活を過ごしなさい』
『春子…。しばらく、会えなくなっちゃうのは寂しいけど、春子も寂しくなったらいつでも、家に帰ってきてね。お母さん、おいしい料理作って待ってるから』
『春子。春子が希望ヶ峰学園を卒業した時…おばあちゃんはもういないかもしれない。だけれども、強く生きるんだよ…。春子は、わたしの宝物だよ』
「父さん…母さん…。おばあちゃん…」
私はいつの間にか涙ぐんでいた。モノクマもたまにはいいことをするじゃない。
…そう思ったのが、間違いだった。
急に、その家族の穏やかな映像はぷつりと消え、次に出てきたのは…
私の家が、壊されていた映像だった。周りの景色はおどろおどろしく、さっきまでいたはずの家族は、映像からぱったりと消えていた。
父さんは?母さんは?おばあちゃんは?みんなどうなったの?
巨大な不安と絶望感、焦りと混乱が私に一斉に襲い掛かる。
…しばらくして、その映像も消え、最後には…
『神谷さんの家族は一体、どうなってしまったのでしょう?続きは、卒業の後で!!』
そう明るく言う、モノクマの声が聞こえただけだった。
私は、強烈な不安と恐怖感に襲われていた。
- Re: ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜 ( No.33 )
- 日時: 2013/10/02 17:03
- 名前: ランスロット (ID: ty0KknfA)
「ねぇ…なに、これ…」
隣でDVDを見ていた佐藤さんが顔を青ざめながら私を見る。
どうやら、佐藤さんも私と同じような内容の映像を見せられたのだろう。
…話を聞かなくても、一瞬で分かる表情をしていた。
しばらくして、他のみんなもDVDを見終わったらしいんだけど…。
みんな、浮かべる表情は同じだった。
「これが…動機…」
「…酷い。酷すぎるわ…」
「お母さん…お父さん…!!」
「おやおや、どうやらDVDを見終わったようですね」
声の方向を向いてみると、案の定これを仕掛けた張本人がそこに立っていた。
白と黒のクマのぬいぐるみのような物体。私達をここに閉じ込めてこれを見せた、張本人が。
「この映像は嘘よ!あたし、絶対信じないんだから!」
「…モノクマ、キミは一体…私達に、何をさせたいの…?」
「ボクがオマエラにさせたい事?それは……『絶望』、それだけだよ…!!!」
ぷひゃひゃひゃひゃ、とひょうきんな笑い声が大会議室を覆う。
それは、私達を嘲笑っているかのようで。それでいて。
…私達を、おちょくっているような、気がした。
「うぷぷ…。さて、DVDの詳しい内容を知りたかったらオマエラが自分たちの手で突き止めるんだね。この街に潜む謎…知りたければ好きにすればいい。ボクは止めないよ。…だって、オマエラが必死に真実を求める姿も面白い見世物だしさ!!」
モノクマはそれだけ言い残し、大会議室を後にした。
残ったのは…私達の心に渦巻いたある考えだった。
『はやく、ここから出なければ。誰かを、殺さなければ』
…一番考えてはいけない、一番恐ろしい考えを。
「いや…いや…どうして…どうしてなのよ!!!」
「立花…さん?」
「私は早く家に帰らないといけないのに…!」
「このDVDもきっと、モノクマのでっち上げに違いないですよ!自分を失ってはいけません!立花さん!!」
「いやあああっ!!離して!!早く家に帰りたいのよ!!!」
「立花さん!しっかりしてください!」
「そうだぜ立花!こんなDVD、信じるやつがバカなんだって!!」
東条くんが彼女を励まそうとそう言った途端、彼女の暴れ方が変わった。
…いや、暴れるのをやめた、と行った方が正しいだろう。
代わりに、彼女が見せたのは…絶望的な表情。
とても、DVDを見る前までの立花さんには見えない、もはや別人の表情だった。
「…そう…よね。あのDVDは嘘…。ありがとう、教えてくれて」
「立花…さん?」
「自室に戻るわ。ちょっと気分が優れないのよ…」
そう言って立花さんは会議室を出て行った。
花岸さんが彼女を追って行ったけど、立花さん…大丈夫かな?
帰る瞬間に、東条くんを睨んでいたような気がしたのだけれど…。
「神谷ちゃん、ごめんね。わたし達も帰るよ。白戸ちゃんがDVD見て気分悪くしちゃったみたいで…」
「僕達も帰ります。考えを…整理したいので」
一人、また一人と会議室から出ていく。
そうして、会議室には私、冥雅くん、神崎くんだけが残っていた。
「…2人は、大丈夫?」
「俺はなんとか…な。冥雅、お前かなり青ざめてるぞ?…部屋までついていくか?」
「…いや、もう、平気…だよ。あははは…」
「力なく笑っても説得力皆無よ…」
いつものやりとりも、覇気がなく、どことなく寂しげだった。
「…ねぇ、タブーなことを聞くようだけど…。2人のDVDにはどういう映像が映っていたの?」
「…それ、言わなきゃダメ?」
冥雅くんが捨てられそうな子犬のような目で私を見てきた。
「いや、言いたくないなら言わないでいいわよ」
「…ごめん。俺も言えないんだ…。」
神崎くんも申し訳なさそうにそう答えた。…そりゃそうよ、あの内容を喋れる人なんて、余程の勇気がある人でなければ喋れないわ…。
「…ごめんなさい、変なことを聞いてしまって」
「…あいつらがどうなったか、知りたいけど…。でも…。殺し合いは、絶対にダメだ」
「そうね…。モノクマの思うつぼになっちゃうものね」
「そうじゃない。神谷、例えお前が殺人を犯してここから出て、お前の大切な人が生きていたとしてもだ。…お前はそいつらに、真の笑顔で抱きつけるか?」
「え?」
そう私に問いかける神崎くんの表情は、どことなく真剣だった。
…まるで、全てを見通しているかのように。
「神崎くん…?」
「悪い、ちょっと感情入りすぎた。…冥雅の気分も優れてないし、部屋まで送ってくるよ。…じゃあ、またな」
そう言って、気分の優れない冥雅くんの肩を担ぎ、神崎くんは部屋から出て行った。
…私も、とにかく今起こったことの整理をしないと。
そう思って、自室へ戻っていった。
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