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ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜【完結】
日時: 2014/05/06 19:04
名前: ランスロット (ID: QNd6qtAW)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=26534

どもです、はじめまして。ランスロットと申します。
この作品は、「ダンガンロンパ」のオリジナルシリーズとなります。
他の作者様方みたいに、「この小説」では超高校級の生徒達は募集いたしません。
この作品と「繋がりのある」シリーズを投稿した際に、募集をかけたいと思います。どうかご了承をお願いいたします。


原作の、スーダン及びゼロのネタバレが出てくるので、ネタバレが嫌な人はブラウザバック推薦です。
なお、原作のキャラは「モノクマ以外は」出てきません。原作キャラを「模したアイテム」は出てくるかもしれません。
ちなみに、作者が好きなキャラは石丸クンと田中クンです。


軽くキャラ紹介を挟み、本編へと参りたいと思います。
小説なんてほとんど書いたことがない初心者なので、文章に矛盾があったり、推理が強引だったり、トリックが雑だったりしますが、温かい目で見てやってください。どうかお願いします。

感想・ご意見などがございましたら、ぜひ書き込んでください。お願いします。

※作者の体調不良が続くため、更新がやや遅くなるかと思われます。ご了承をお願いいたします。


(10/10追記)500参照!!ありがとうございます本当にありがとうございます(土下座)
これからもダンガンロンパFをよろしくお願いします!!

(10/29追記)せ、1,000参照ですか?!ありがとうございます本当にありがとうございます!!
まさか参照数が4桁超えるなんて…。凄すぎますよ本当に!!
これからも、ダンガンロンパFをよろしくお願い申し上げます!

(11/22追記)せ、1,500参照突破しましたよ奥さん!こんな駄文に付き合ってくださっている皆様本当にありがとうございます…orz
これからもどうかよろしくお願いします!

(12/7追記)に…2,000突破…。本当にありがとうございます…orz
ここまで来れたのも皆様のおかげです。これからもよろしくお願いします!

(12/26追記)2,500突破おめでとうございます!ありがとうございます!まさかここまで付き合ってくださっている皆様がいるなんて…!本当に感謝したりないです…。
これからもよろしくお願いいたします!

(1/18追記)3,000突破ありがとうございます…。どれもこれも皆様のおかげでございますアブアブアブ…←
これからもどうかよろしくお願いいたします!

(1/29追記)さ、3,500突破ありがとうございます!!これも皆様のおかげでございます…。
物語も終盤に入ってきましたが、どうかお付き合いくださいませ。
これからもどうかよろしくお願いします!

(2/8追記)ぎ、ぎにゃああああああああああ4,000参照突破ですかああああああ?!本当にありがとうございます!!
これからもよろしくお願いいたします!

(2/16追記)4,500突破しました!!ありがとうございます!!これからもダンガンロンパFをよろしくお願い申し上げます!!
ま、まさかここまで来れるとはなぁ…。しかも間隔短くなってる気がするから…読んでくださる作者様増えていらっしゃるのですよね?う、うれしい…。

(2/23追記)5,000突破しましたウワアアアアアアアアア(泡吹いて気絶)
ほ、本当にありがとうございます!!これからもどうかよろしくお願い申し上げます!!

(3/6追記)5,500…突破です!!!ありがとうございます!!!
これからもよろしくお願いします!!!

(3/17追記)6,000突破…だと…?!おいどういうことだ説明しろ苗木!!← 冗談ですww
まさかここまで読んでくださっている方がいることに驚きの連続でございますwww 本当にありがとうございます!!

(3/26追記)まさかの6,500突破でございます!!ありがとうございます!!
1章は無事完結いたしました。ポップンロンパ、F神崎を通して2章へと進んでいこうと思います。是非そちらもお願いいたします!!


目次になります。
読みたい話数が分からない際にどうぞ。

chapter00 〜絶望職場体験・スタート〜
>>5 >>6 >>7 >>8-12 
>>14-15 >>18-20

chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 (非)日常編
>>22 >>23-24 >>26-30 
>>31 >>32-33 >>34-35

chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 非日常編
>>36-37 >>40 >>44-45 >>46

chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 学級裁判編
>>47-48 >>49-50 >>53 >>56(おしおき編)
>>57-58

chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 (非)日常編
>>60 >>61-62 >>63 >>67-68
>>69-71 >>72-73 >>74-75

chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 非日常編
>>76-78 >>81

chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 学級裁判編
>>83-84 >>85-86 >>87 >>91(おしおき編)
>>95-96

chapter03 〜We are so Zetsubou〜 (非)日常編
>>100 >>103-104 >>105-106 >>108-109
>>110-111 >>112 >>115-117

chapter03 〜We are so Zetsubou〜 非日常編
>>118-120 >>122 >>124

chapter03 〜We are so Zetsubou〜 学級裁判編
>>125 >>128-130 >>131 >>135(おしおき編)
>>138-140

chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 (非)日常編
>>142 >>147 >>150-151 >>154-155
>>159-162 >>163

chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 非日常編
>>164-166 >>169

chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 学級裁判編
>>173-174 >>175-176 >>182 >>183(おしおき編)
>>188 >>191

chapter05 〜キオクのウタ〜 (非)日常編
>>193 >>194 >>195-196 >>199-200
>>203-204 >>211 >>213-214 >>215-216
>>217-218

chapter05 〜キオクのウタ〜 非日常編
>>219-221 >>222

chapter05 〜キオクのウタ〜 学級裁判編
>>224-225 >>226-227 >>228-229 >>232(おしおき編)
>>233-234

chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 非日常編
>>236 >>237-238 >>239-242 >>243-244
>>246-248 >>249

chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 学級裁判編
>>252-255 >>258 >>260-262 >>263-267 >>268

chapter Epilogue 〜サヨナラ、モノクマシティ〜
>>282-283

キャラクター紹介編 〜モノクマの部屋〜
第1回「神谷春子」 >>13
第2回「冥雅雪斗」 >>21
第3回「村上一夜」 >>25
第4回「chapter01被害者」 >>41
第5回「chapter01総評・解説」 >>59
第6回「chapter01クロ・企画お知らせ」 >>64
第7回「chapter02被害者」 >>82
第8回「chapter02総評・解説」 >>99
第9回「chapter02クロ」 >>107
第10回「chapter03被害者その1」 >>121
第11回「chapter03被害者その2・記念企画お知らせ」 >>123
第12回「chapter03総評・解説/予想・人気投票お知らせ」 >>141
第13回「chapter03クロ」 >>156
第14回「chapter04被害者」 >>172
号外「これは凄いことだね!名誉だね!」 >>181
第15回「chapter04総評・解説」 >>192
第16回「chapter04クロ」 >>206
第17回「chapter05被害者」 >>223
第18回「chapter05総評・解説」 >>235
第19回「chapter05クロ」 >>245
第20回「ネタバレ1」 >>256
第21回「chapter06総評・解説」 >>269
第22回「生き残りその1」 >>270
第23回「生き残りその2」 >>271
第24回「生き残りその3」 >>272
第25回「生き残りその4」 >>273
第26回「モニャン/ネタバレ2」 >>274
EXTRA「黒幕」 >>279
第27回「あとがき」 >>284
号外2「超高校級の日常に参加している小説紹介」>>288

※本日より上記URLより外伝小説『僕達委員トリオ!』にジャンプするようになりました。
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chater02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 ( No.74 )
日時: 2013/10/22 19:30
名前: ランスロット (ID: rzJe41w6)

『希望ヶ峰学園職業体験実行委員会がお知らせします。オマエラ、おはようございます。朝です。朝ですよー!今日もはりきっていきましょー!』


…朝、か…。
昨日、あのアニメを見せられて影浦くんが自室に閉じこもってしまった。だから、とりあえずその日は解散し、明日対策を練ることにしたんだっけ…。
昨日のアニメを見た後の影浦くんの反応…。とても、見ていられるものではなかった。
顔は青ざめ、唇は震え、両手は頭を抱えている…。いつもの、堂々とした影浦くんではなかった。
その後、「この中の誰かを殺す」と言ってしまった。あのアニメの内容は、彼にとってとても嫌な内容だったのだろう…。
しかし、殺人を起こしてはならない。殺人を起こしたとして、学級裁判を乗り越え犯人以外の全員を犠牲にしなければならない。
…とりあえず、まずは朝食会に参加しなきゃ。
私は素早く私服に着替え、食堂へと歩いて行った。


「影浦くん、大丈夫かな…」


やはり、朝食会の話題も影浦くんの話題。みんな、昨日の彼の発言を気にしているみたいだ。


「いっつも部屋に閉じこもってるからあいつの様子も分からねぇしよ…」
「影浦くんの様子を見に行って、そのまま殺されました、では元も子もありませんしね」
「シオン!変な言いがかりはよせよ!!」
「しかし、彼は本気だと思われます。昨日のあの表情、あの目…。演技で見せられるものではありませんよ」


突然、シオンくんが真剣な表情をして淡々と事実を述べる。
私も彼と同じことを思っていた。恐らく、影浦くんは本気で殺人を犯そうとしている。
あのアニメの内容を、外に知らせないために。


「今日は出来るだけ、単独行動は避けましょう。一人でいると、いつ影浦くんに襲われるか分かりません」
「でも、二人以上で行動してても影浦は殺人を犯すかもよ?」
「三人でも、四人でもそれは同じだしねぇ…」
「それならご安心くださ〜い!!」


その言葉とともに、モノクマがテーブルに現れる。
…また何かを言いに来たのか。


「あーっ、影浦を酷い目に合わせた張本人なのだ!!」
「そんな言い草やめてよー。せっかくいい情報を持ってきたのに」
「…その情報って、何?」
「校則追加のおっしらっせで〜す!」


…校則が、追加されるのか。


「では、発表しまーす!!『一人のクロが殺せる人は、二人までとします』でーす!!」
「…つまり、全滅させようとしても、無駄ってことね」
「そういうこと。だって、一時の感情で生徒全滅、学級裁判もなしに卒業となればツマラナイでしょ?この校則がある限り、皆殺しは絶対にないから安心していいよ!」
「…だけど…、影浦は知ってるのか?その校則」


突き詰めるように神崎くんがモノクマに問いかける。…彼はモノクマの校則追加の裏の意図を掴んでいるようだ。
モノクマはその言葉を聞いて、嬉しそうにこう答えた。


「影浦くんにもよく言って聞かせたから、大丈夫!オマエラ、安心していいよ!」
「…っていうか、よくあんな状態の影浦に説得できたな」
「ボクも大変だったんだよー?何回も影浦くんに首を絞められかけたよ。試しに爪で脅してみたら動作を辞めたけど」
「流石にモノクマの言うことは聞く、か…」
「ボクが言いたかったのはそれだけ!!それじゃあ、愉快で陰湿な学園生活を続けてください!!まったね〜!」


そう言ってモノクマはいつも通り消えてしまった。
…とりあえず、今日は三人以上での行動を義務付けて報告会を終了した。


そして、お昼頃の話である。


「…はァ、面白いように何もないなァ」
「変なこと言わないでよ」


私は、ロビーで偶然会った羽柴くんと花岸さん、それからモニャンと一緒にくつろいでいた。
…モニャンが食堂以外にいるのは珍しかったけどね。


「…影浦くん、どうしてるかしら」
「今まで、自室以外に出たところを見た方はいませんでした。恐らく、今も自室に閉じこもっていることでしょう」
「…今日はそうでしょう。でも、明日…きっと、何か仕掛けてくる。そんな気が、する」


影浦くんは近いうちに何か仕掛けてくる。誰をターゲットにしているのか、どんな殺害方法をしてくるのか…。もし、私をターゲットにしているのなら、止めるつもりでいるけど。
…影浦くんに殺人を犯させては、ならない。


「…しかし、皆様が動かないのは、ただ殺されるのを待っているだけかと思われます。神谷様方も、警戒心を薄めず、どうか気を付けてくださいまし」
「ありがとう、モニャン」


夜になっても影浦くんは出てこないので、今日のところは解散して自室で眠ることになった。
明日…何も起こらないといいけど…。


何か、起こる気がするのは…私だけなのかしら。

chater02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 ( No.75 )
日時: 2013/10/23 18:16
名前: ランスロット (ID: PRhXGwDk)

…そして、朝。
影浦くんが殺人予告をしてから、今日で2日目。…恐らく、今日あたりから本格的になにか仕掛けてくるだろう。
みんなの安否も重要だが、影浦くんの様子も気にかけなければならない。
そして、私は身支度を素早く済ませ、食堂へと向かった。


…部屋から出た時に何か違和感を感じたけど…。きっと、気のせいよね。


「おはようございます、神谷さん」
「おはよう、みんな」


食堂には数人を除いて、殆どの人が集まっていた。
…いないのは、雨宮さん、シオンくん、長月さん、星野くん、白戸さん…か。
いつもなら私より早く起きてくる人達ばかりだ。…まさか。いやいや、そんなことはない。
そう思っていると、シオンくんと雨宮さん、星野くん、長月さんの姿が確認できた。


「遅れてしまい、申し訳ありません」
「ちょっと寝坊しちゃったのだ…」
「おはよう、みんな」
「心配かけさせてごめんなさいね」
「皆さんが無事ならそれに越したことはありません」


ここに閉じ込められた当初の花岸さんも、今では遅れてきた人達にあまり怒らなくなった。…環境の変化、というやつなのだろうか?
…後は白戸さんだけ、か。
と、思った、その時。










「きゃああああああああああああ!!!!!!!!」











…聞き覚えのある、悲鳴。…白戸さんの悲鳴だ!!
そして、恐らくあの方向は…。影浦くんの部屋の方向。


「白戸さんの様子を見に行ってくるわ。みんなは朝食会を始めてて!!」
「待ってよ神谷ちゃん!私も行く!!」
「ちょっと、待てよお前ら!!」


急に走り出した私に、安西さんと豊島くんが追いかけてきてくれる。
…まただ。東条くんが死んだ時と同じように、頭の中で危険信号が繰り返す。誰かが、殺されている。
…そして。影浦くんの部屋の前に、彼女はいた。


「白戸さん!!」
「あ……あれ……!!」


白戸さんは涙ぐみながら部屋の中の物体を指さす。
私達は、それを見て驚愕した。


「ちょっ…?!また…?!」
「どうして…?なんで…?」
「…ナイフが刺さっている、着ぐるみ…?」


私達が見たものは、着ぐるみがへたり込んでいる光景。
そして、腹のあたりに…包丁だろうか?何かは分からないが、刺さっている。
私は恐る恐る部屋に入り、着ぐるみの頭の部分を外してみる。


「……!!!」
「マジ…かよ…またなのかよ…!!」
「…ありえない…待ってよ…またなの…?!」


私は着ぐるみを来ていた人の正体を見て、何も言えなくなった。
…え?殺すって言ってたのは、彼なのに…。
どうして…?なんで…?
私の思っていた「彼」が、着ぐるみの頭から…。









『超高校級の女形』影浦凍耶くんが、変わり果てた姿でそこにいた。








「…また…なの…」
「神谷…さぁん…!!」
「また…あの恐ろしい裁判を…やるの…?!」



『死体が発見されました!死体が発見されました!一定時間の自由時間の後、学級裁判を行います!
 もう一度、お伝えします!死体が発見されました!死体が発見されました!』


私は、何も言えずに、ただ、二度と動かない影浦くんを見ていた。






<死亡者>
「超高校級の女形」影浦凍耶
影浦の部屋で発見。
何者かによる、刃物での刺殺だと思われる。




<生き残りメンバー> 残り:14人
「超高校級の知識」神谷春子
「超高校級の幸運」冥雅雪斗
「超高校級の着ぐるみ職人」雨宮くるみ
「超高校級のパティシエール」安西桃花
「超高校級のDJ」神崎満月
「超高校級の弓道部」花岸美那子
「超高校級のディーラー」シオン・スカーレット
「超高校級のマジシャン」佐藤かがみ
「超高校級の映画監督」白戸佳織
「超高校級のダンサー」豊島未来
「超高校級の科学部」羽柴陸斗
「超高校級の図書委員」長月舞子
「超高校級のハッカー」秦野吟也
「超高校級の美化委員」星野梓沙



chater02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 (非)日常編 END

chater02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 非日常編 ( No.76 )
日時: 2013/10/24 20:48
名前: ランスロット (ID: XVANaOes)

…また、殺人が起こってしまった。
目の前には、信じたくないが、確かに変わり果てた影浦くんがいる。
…もう、彼の嫌味を聞くことも出来ないのだ。


「またかよ…!」
「でも、犯人見つけなきゃくるみ達が死ぬんだぞ…?!」
「…捜査、しましょう。この事件を…解決するのよ」


私は精いっぱいの声で、そう叫ぶ。
部屋を出て、タイミングを見計らったように登場したモノクマに事件のファイルを貰い、早速捜査を始めることにする。
今回の見張りは、前回と同じく検死役も兼任する羽柴くん、そして花岸さんが担当することになった。


〜ホテル内 影浦凍耶ノ部屋 内 影浦ノ死体 前〜


「…とにかく、モノクマファイルを見てみないとね」


そう思いつつ、私はモノクマファイルを開く。
今回も、被害者の情報が簡単にまとめられていた。



被害者:「超高校級の女形」影浦凍耶
死因:サバイバルナイフによる出血死
死亡時刻:6時50分頃
死体発見場所:イチノマチ内「ホテル」 影浦凍耶の部屋内
備考:死体は着ぐるみを来ている


『サバイバルナイフ』影浦の腹に刺さっている。今回の凶器は、恐らくこれ。

『着ぐるみ』影浦の身体がすっぽりと入るくらい大きな着ぐるみ。なぜ影浦が着ていたのかは不明。



…今回も、色々と捜査しなくてはダメ、ってことね。
色々な意味で、今回の犯人探しは胸糞が悪くなるだろう。私はそう予感していた。


「羽柴くんの検死が終わるまで、部屋の中を見て回ってみましょう」


私は部屋の中を見回してみる。
…しばらく見回していると、壁に刃物の傷がついていることが分かった。恐らく、犯人と影浦くんは争っていた…。そうでなければこんな傷が壁につくことはない。
とりあえず、手帳に書いておこう。


『争った跡』壁に刃物の傷があった。恐らく、犯人と影浦との争いがあったと思われる。


…さて、次はどこを調べようかしら…。そう思った折、花岸さんに呼ばれた。
内容は、犯行時刻についての話だった。


「神谷さん、犯行時刻について、考えたことがあるのですが…」
「何かしら?」
「モノクマファイルの犯行時刻が正しければ、影浦さんが殺された時刻は朝方の6時45分。
 その時、食堂にいた方は、犯行をすることは出来ません」
「…私が起きてきた時間が6時40分頃だから…。犯行が出来るのは、私が起きた後に、食堂にやって来た人物、ということになるわね」


『殺された時刻』犯行が行えるのは、神谷が起きた後に食堂にやって来た人物の可能性が高い。


花岸さんと話し合っていると、羽柴くんがこちらを呼んでいることに気付いた。
…どうやら、検死が終わったみたいね。


「今回の死体には…。致命傷のサバイバルナイフの傷以外のものは無かったぜェ」
「と、いうことは…。影浦くんは一撃死の可能性が高いって訳ね」
「後、影浦の死体のそばにこんなものが落ちてた」


そう言って、彼は私達にあるものを見せた。
これは…サバイバル、ナイフ?でも、影浦くんの刺さっているものとは刃渡りが違う。


「恐らく、影浦はこいつで殺人を犯そうとしていたんだろうよ」
「なぜそんなことが分かるのです?刃渡りの長い方が、殺人を犯しやすいはずです」
「…たぶん、影浦くんは何か考えていたのよ。…誰かを殺す、計画をね」



『サバイバルナイフ(短)』影浦の死体近くに落ちていたという刃渡りの短いサバイバルナイフ。

『影浦の殺人予告』影浦は、誰かを殺す計画を立てていた。


「…あら?これはなんでしょうか」


私が手帳の内容をまとめていると、花岸さんが何かのメモを見つけた。
メモには…『殺人』や『計画』の文字がびっしりと並んでいる。
…もしかして、これが影浦くんの犯そうとしていた、殺人のメモ?


「…ありャ?ここに『神谷』って文字があるぞ」
「もしかして、影浦さんは神谷さんをターゲットに指定していたんではないでしょうか…?」
「…影浦くん…」


影浦くんは、私を狙っていた…?確かに私を殺せば学級裁判では少し有利になる(と思う)。でも、彼のことだ、私を狙った理由はそれだけではない気がする…。
…とりあえず、手帳にメモをしておきましょう。


『殺人計画のメモ』影浦の殺人計画メモ。内容から、ターゲットは神谷だと思われる。


…そろそろ、他の人にも話を聞いておこうかしら。


「私、他の場所も調べてみるわね。じゃあ、また」
「あァ。捜査、頑張れよ!」
「健闘を祈ります」


二人に見送られながら、私は影浦くんの部屋を後にした。

Re: ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜 ( No.77 )
日時: 2013/10/25 18:45
名前: ランスロット (ID: lqhOUyMm)

〜ホテル内 食堂〜


食堂に足を運ぶと、何やら考え事をしているのか、首を傾げている神崎くんと、それをまじまじと見つめる雨宮さんを見つけた。


「神崎くん、何か分かったことはある?」


前回の学級裁判でも、神崎くんの知恵に随分助けられた。彼の情報と私の情報を共有すれば、きっと事件解決への道を少しでも開ける、と私は確信していた。
…根拠は、ないんだけどね。


「…今回の殺人は…、きっと、衝動殺人だと思う」
「衝動殺人…?『影浦を殺すつもりはなかったけど、うっかり殺してしまった』ってやつなのか?くるみ分からないぞ…」
「まぁ簡単に言えばそうなるけど…。どうしてか聞かせてもらえないかしら?」
「影浦の死体近くの状況だよ。今回の事件は…証拠隠滅が、全くされていないんだ。だから、犯人は影浦を殺すつもりはなかったという可能性が高いと、俺は踏んでいる」
「…逆に、影浦くんが人を殺す計画を立てていたものね…」


え?と二人の声が重なった。そうだ、二人にあれを見せなくては…。
私は手帳の中に挟んでおいた、影浦くんの殺人計画メモを見せてみる。


「…メモの内容からして、殺す相手は神谷だったようだな」
「えぇ…。やっぱり、私がいると裁判を乗り越えられないから…」
「いや、それだけじゃない。あいつ、俺か冥雅に罪を擦り付けてここから出る計画まで立てていたみたいだぞ」


…この少ないメモの内容からそこまで読み取れるなんて…。彼、本当は「超高校級のDJ」ではなくて、「超高校級の探偵」とかそこら辺なのではないだろうか…。


「証拠隠滅も図ろうとしていたみたいだし、影浦が殺される前日に、俺の帽子が無くなったんだよ…。冥雅も同時刻に持ち物が無くなったらしいんだって。恐らく、影浦が盗んだんだと思う」
「そんなことまでしてたの…。でも、なんで二人の私物が元通りに?」
「そりゃ、俺達が回収したから」
「あぁ…そう…」


…抜け目がない。でも、これで「影浦くんが私を殺し、神崎くんか冥雅くんに罪を擦り付けて卒業する」という計画が明らかになった。…それは分かったけど、肝心の『影浦凍耶を殺した』犯人の証拠が全然見つかっていない。
…他の人に話を聞いた方がいいかもしれないわね。


「私、もう少し他の人に話を聞いてみるわ」
「そっか。俺、もう少しここで事件をまとめてるからさ。話を聞き終わったら待ち合わせよう。冥雅も呼んでおくから、三人で考えないか?」
「分かったわ。それじゃあ、行ってくる」


二人と軽く言葉を交わし、私は2階へと足を運んだ。



〜ホテル内 2F トレーニングルーム〜


トレーニングルームに足を運んでみると、安西さんと豊島くんが何やら話をしていた。…今回、影浦くんの死体を最初に見つけた二人だ。
もしかしたら何か情報が得られるかもしれない。話しかけてみよう。


「安西さん、豊島くん。何か分かった?」
「いんや〜。俺たちは全然」
「神谷ちゃんや神崎くんとは違って、私たち頭はからっきしだからね…」
「じゃあ、何か見つけたものとか、殺人が起こる前に怪しいなーと思った誰かの行動とか、何かなかったかしら」


質問を変えてみる。すると、二人とも何か思い当たることがあったようで、お互いに顔を見合わせて、こちらを向いて語り始めた。


「あぁ、それなら昨日の昼頃…昼飯が終わった後だな。雨宮の部屋に影浦が入って行ったのを見たぜ」
「雨宮さんの部屋に?あの扉は『人がいない間は』オートロックだったはず。なんで…入ることが出来たのかしら」
「…それ、俺も考えたんだけどさっぱりでさー…。神谷がお手上げだったら俺も考えるのやめようと思ってたんだ」
「えー…」


『豊島の証言』昨日の昼頃、雨宮の部屋に影浦が入っていくのを見た。


…雨宮さんが、昨日のお昼に何をしていたのか、聞く必要がありそうね。でも彼女、確か昨日は佐藤さんとカフェでくつろいでいたような…?


「神谷ちゃん!私も変な行動をした人、見たよ!昨日の夜…夜時間が来てすぐに、影浦くんがホテルから出るところを見たよ!」
「恐らく、それはマルチショップにサバイバルナイフを取りに行くところだったのね。…殺人計画を、実行するために」
「影浦くんが誰かを殺すはずだったのに、なんで影浦くんが殺されてるんだろう…」


『安西の証言』昨日の夜、ホテルから影浦が出るところを見た。恐らく、マルチショップにサバイバルナイフを取りに行った。


…そうだ。なぜ彼が殺すはずの全員が生きていて、影浦くんが殺されているのか。その謎を突き止めなければ、この事件は解決できない。


「他は何も知らないぜー。神谷、そろそろ他の奴らにも話を聞いたほうがいいんじゃね?さっき時計を見たら、そろそろ1時間経つし」
「私もそうするつもりだったわ。それじゃあ、捜査頑張りましょう」
「神谷ちゃんも頑張ってね!」


元気よく手を振る二人を遠目で見た後、私はトレーニングルームを後にした。
その後、他の全員に話を聞いてみて、事件に関係ありそうな場所を調べてみたが、有益な情報は得られなかった。


「…さて、食堂に戻って雨宮さんに話を聞かないと。…そして、事件の総まとめを…」


…今回の犯人は本当に誰なのだろうか。もし殺意のない殺人だったら…、私はどうすればいいのだろう。
本来であれば、私は影浦くんに殺されていたのだ。…しかし、私はここに立っている。生きている。
…どうしても、今回の事件は、解決しなくてはならない。…私の理性の向こう側が、そう叫んでいる。
そんな気がした。

Re: ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜 ( No.78 )
日時: 2013/10/25 19:50
名前: ランスロット (ID: lqhOUyMm)

〜ホテル内 食堂〜


「神谷。おかえり」
「やっほー神谷!情報は得れた?」
「くるみも参加するのだ!」
「ただいま。大体の情報は手に入ったわ。さて、まとめましょう」


食堂に戻ってくると、さっきの二人と冥雅くんがいた。予告通り、神崎くんが連れてきたらしい。


「…その前に。雨宮さん、ちょっと聞いてもいいかしら」
「なんなのだー?」


…雨宮さんに聞かなければならないこと。…昨日の昼頃、何をしていたのか…。


「雨宮さんは昨日のお昼頃、どこで何をしていたの?」
「昨日かー?昨日は、佐藤とカフェでお茶を飲んでいたぞ」
「…部屋には、いなかったってことね。…部屋に鍵はかけていったのかしら?」
「かけていったぞ!!念のために生徒手帳を2回かざしたから、大丈夫のVなのだ!!」


雨宮さんは自信たっぷりに、Vサインをしてみせる。
…ん?雨宮さん、今2回かざしたと言わなかったかしら。
確か、自室のロックは、1回かざすと鍵がかかり、2回かざすと鍵のロックが解除されるんじゃなかったかしら。
神崎くんもそう思っていたようで、雨宮さんに質問をする。


「…雨宮、2回かざしたって言ったよな」
「ああ。それが、どうかしたのか?」
「2回かざした…ってことは、ロックをかける意味がない、ってことだぞ」
「ど、どういうことなのだ?!」
「…裁判で話すよ。ここで話しても、解決しないと思うからさ」


…あれ、急に神崎くん、雨宮さんを見る目が変わったような…。真剣さを帯びた目。そういう感じだった。


「ねぇ、そろそろ事件をまとめてみない?」


そう冥雅くんが提案した、その時だった。



ピーンポーンパーンポーン…



『もー、だからオマエラゆっくり捜査しすぎなんだってば!!どこかの小説の主人公を見習って、早く捜査をしてよね!!ボク退屈しちゃったから、学級裁判を始めちゃいます!!
 前回と同じように、赤いエレベーターから裁判場まで来てくださいねっ!!
 それじゃ、待ってまーす』


プツリ。


「また事件をまとめる前かよ!あいつ、絶対俺たちの行動のタイミングを見計らってるよ!!」
「しょうがないだろ。モノクマがタイミング悪く放送をするなんて、いつものことだし」
「後は、裁判で明かすしかないのね」
「くるみも出来るだけ考えるのだ!!」
「ふふっ、期待してるわ」


…こんな状況だっていうのに、雨宮さんは元気で羨ましい。
未だに事件がまとまってなくて、正直言って、今回の裁判は乗り越えられる気がしない。
…しかし、彼女を見ていると…。どこか、乗り越えられるような気がした。


こうして、私達は2度目の裁判を行いに、イチノマチへと足を運んだ。


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