二次創作小説(映像)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜【完結】
日時: 2014/05/06 19:04
名前: ランスロット (ID: QNd6qtAW)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=26534

どもです、はじめまして。ランスロットと申します。
この作品は、「ダンガンロンパ」のオリジナルシリーズとなります。
他の作者様方みたいに、「この小説」では超高校級の生徒達は募集いたしません。
この作品と「繋がりのある」シリーズを投稿した際に、募集をかけたいと思います。どうかご了承をお願いいたします。


原作の、スーダン及びゼロのネタバレが出てくるので、ネタバレが嫌な人はブラウザバック推薦です。
なお、原作のキャラは「モノクマ以外は」出てきません。原作キャラを「模したアイテム」は出てくるかもしれません。
ちなみに、作者が好きなキャラは石丸クンと田中クンです。


軽くキャラ紹介を挟み、本編へと参りたいと思います。
小説なんてほとんど書いたことがない初心者なので、文章に矛盾があったり、推理が強引だったり、トリックが雑だったりしますが、温かい目で見てやってください。どうかお願いします。

感想・ご意見などがございましたら、ぜひ書き込んでください。お願いします。

※作者の体調不良が続くため、更新がやや遅くなるかと思われます。ご了承をお願いいたします。


(10/10追記)500参照!!ありがとうございます本当にありがとうございます(土下座)
これからもダンガンロンパFをよろしくお願いします!!

(10/29追記)せ、1,000参照ですか?!ありがとうございます本当にありがとうございます!!
まさか参照数が4桁超えるなんて…。凄すぎますよ本当に!!
これからも、ダンガンロンパFをよろしくお願い申し上げます!

(11/22追記)せ、1,500参照突破しましたよ奥さん!こんな駄文に付き合ってくださっている皆様本当にありがとうございます…orz
これからもどうかよろしくお願いします!

(12/7追記)に…2,000突破…。本当にありがとうございます…orz
ここまで来れたのも皆様のおかげです。これからもよろしくお願いします!

(12/26追記)2,500突破おめでとうございます!ありがとうございます!まさかここまで付き合ってくださっている皆様がいるなんて…!本当に感謝したりないです…。
これからもよろしくお願いいたします!

(1/18追記)3,000突破ありがとうございます…。どれもこれも皆様のおかげでございますアブアブアブ…←
これからもどうかよろしくお願いいたします!

(1/29追記)さ、3,500突破ありがとうございます!!これも皆様のおかげでございます…。
物語も終盤に入ってきましたが、どうかお付き合いくださいませ。
これからもどうかよろしくお願いします!

(2/8追記)ぎ、ぎにゃああああああああああ4,000参照突破ですかああああああ?!本当にありがとうございます!!
これからもよろしくお願いいたします!

(2/16追記)4,500突破しました!!ありがとうございます!!これからもダンガンロンパFをよろしくお願い申し上げます!!
ま、まさかここまで来れるとはなぁ…。しかも間隔短くなってる気がするから…読んでくださる作者様増えていらっしゃるのですよね?う、うれしい…。

(2/23追記)5,000突破しましたウワアアアアアアアアア(泡吹いて気絶)
ほ、本当にありがとうございます!!これからもどうかよろしくお願い申し上げます!!

(3/6追記)5,500…突破です!!!ありがとうございます!!!
これからもよろしくお願いします!!!

(3/17追記)6,000突破…だと…?!おいどういうことだ説明しろ苗木!!← 冗談ですww
まさかここまで読んでくださっている方がいることに驚きの連続でございますwww 本当にありがとうございます!!

(3/26追記)まさかの6,500突破でございます!!ありがとうございます!!
1章は無事完結いたしました。ポップンロンパ、F神崎を通して2章へと進んでいこうと思います。是非そちらもお願いいたします!!


目次になります。
読みたい話数が分からない際にどうぞ。

chapter00 〜絶望職場体験・スタート〜
>>5 >>6 >>7 >>8-12 
>>14-15 >>18-20

chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 (非)日常編
>>22 >>23-24 >>26-30 
>>31 >>32-33 >>34-35

chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 非日常編
>>36-37 >>40 >>44-45 >>46

chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 学級裁判編
>>47-48 >>49-50 >>53 >>56(おしおき編)
>>57-58

chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 (非)日常編
>>60 >>61-62 >>63 >>67-68
>>69-71 >>72-73 >>74-75

chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 非日常編
>>76-78 >>81

chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 学級裁判編
>>83-84 >>85-86 >>87 >>91(おしおき編)
>>95-96

chapter03 〜We are so Zetsubou〜 (非)日常編
>>100 >>103-104 >>105-106 >>108-109
>>110-111 >>112 >>115-117

chapter03 〜We are so Zetsubou〜 非日常編
>>118-120 >>122 >>124

chapter03 〜We are so Zetsubou〜 学級裁判編
>>125 >>128-130 >>131 >>135(おしおき編)
>>138-140

chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 (非)日常編
>>142 >>147 >>150-151 >>154-155
>>159-162 >>163

chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 非日常編
>>164-166 >>169

chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 学級裁判編
>>173-174 >>175-176 >>182 >>183(おしおき編)
>>188 >>191

chapter05 〜キオクのウタ〜 (非)日常編
>>193 >>194 >>195-196 >>199-200
>>203-204 >>211 >>213-214 >>215-216
>>217-218

chapter05 〜キオクのウタ〜 非日常編
>>219-221 >>222

chapter05 〜キオクのウタ〜 学級裁判編
>>224-225 >>226-227 >>228-229 >>232(おしおき編)
>>233-234

chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 非日常編
>>236 >>237-238 >>239-242 >>243-244
>>246-248 >>249

chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 学級裁判編
>>252-255 >>258 >>260-262 >>263-267 >>268

chapter Epilogue 〜サヨナラ、モノクマシティ〜
>>282-283

キャラクター紹介編 〜モノクマの部屋〜
第1回「神谷春子」 >>13
第2回「冥雅雪斗」 >>21
第3回「村上一夜」 >>25
第4回「chapter01被害者」 >>41
第5回「chapter01総評・解説」 >>59
第6回「chapter01クロ・企画お知らせ」 >>64
第7回「chapter02被害者」 >>82
第8回「chapter02総評・解説」 >>99
第9回「chapter02クロ」 >>107
第10回「chapter03被害者その1」 >>121
第11回「chapter03被害者その2・記念企画お知らせ」 >>123
第12回「chapter03総評・解説/予想・人気投票お知らせ」 >>141
第13回「chapter03クロ」 >>156
第14回「chapter04被害者」 >>172
号外「これは凄いことだね!名誉だね!」 >>181
第15回「chapter04総評・解説」 >>192
第16回「chapter04クロ」 >>206
第17回「chapter05被害者」 >>223
第18回「chapter05総評・解説」 >>235
第19回「chapter05クロ」 >>245
第20回「ネタバレ1」 >>256
第21回「chapter06総評・解説」 >>269
第22回「生き残りその1」 >>270
第23回「生き残りその2」 >>271
第24回「生き残りその3」 >>272
第25回「生き残りその4」 >>273
第26回「モニャン/ネタバレ2」 >>274
EXTRA「黒幕」 >>279
第27回「あとがき」 >>284
号外2「超高校級の日常に参加している小説紹介」>>288

※本日より上記URLより外伝小説『僕達委員トリオ!』にジャンプするようになりました。
 読者参加型スレッドです。よかったら参加をお願いします。

コメント返信
魔女の騎士 様 >>17
藍紅 様 >>39 >>66 >>90 >>94
菜葉 様 >>43 >>52 >>55 >>80 >>90
     >>98 >>102 >>127 >>149 >>168
     >>180 >>185 >>190 >>202 >>231
     >>251 >>259 >>281 >>287
白悪魔 様 >>94 >>158 >>178 >>278
チョコバナナ 様 >>114 >>278
黒姫 様 >>134 >>137
紅茶 様 >>134
チョコ 様 >>153 >>278
もりきち 様 >>171 >>187
蜩 様 >>198 >>212
サニ。 様 >>207
八雲 様 >>209 >>287

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58



Re: ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜 ( No.259 )
日時: 2014/03/05 18:23
名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: KZXdVVzS)

>>菜葉 様

どもです、こんばんは。
黒幕は本物の村上さんでした。結構色んな作品の中では予測しやすかったんじゃないかな?フラグもいっぱい立ってたし…。
まぁ、それは置いといて。神谷さん達がどういう選択をしていくのか、どうか見届けてやってください。

体調のほうはだいぶ戻ってまいりました。心配かけて申し訳ありません…。
今まで通りとはいきませんが、出来るだけ更新はかけていきたいと思っています。

chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 学級裁判編 ( No.260 )
日時: 2014/03/05 18:49
名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: KZXdVVzS)

「はぁ〜あ、期待通りの反応されてもツマラナイだけなんですけど。もっと面白い反応してよ、こっちも反応に困っちゃうじゃない」
「とは言っても…衝撃の事実過ぎて…なんていえばいいか…」
「でも、あんたたち絶望の私利私欲のためにわたし達は閉じ込められて、コロシアイさせられたんだよね?!それも知らないままみんな死んじゃったなんて……!!悔しい…自分が許せない…!!」


安西さんはそう言って教壇を殴る。悔しいのだろう…その拳をたたく音は、学級裁判場中に響いた。
そんな光景をみても、村上一夜はあくびをしつつ見下すのみ。
…本当に、彼女にとっては私達がどう思っても『ツマラナイ』のだろう。


「ねぇ、この変わり映えない裁判に変化をもたらしてあげよっか」
「……変化……?」
「『外の景色』だよ。見せてあげる」
「え?!」
「アンタ達が出たがってた『外の世界』の景色よ。見たいでしょ?見たいものね〜?だってあれよね、みんなこの世界を目指して頑張ってたんだものね〜♪」
「もったいぶらないで見せてよ!!!」
「はいは〜い、ではお言葉通り……見せてやるわよ!!!『外の世界』!!!」


村上一夜はどこからか持ち出していた赤いボタンをポチっと押す。すると、いつもは投票結果が表示されるモニターに『それ』は映し出された。
私達が出たがっていた、『外の世界』———。
それは、想像を絶する『絶望』で造られていた。


モニターに映ったのは『炎を纏いながら人間が死んでいくさま』や『人間同士の意味のないコロシアイ』というところから、
『積みにつまった瓦礫の山』などという外の景色まで、様々だった。











これが———これが———私達の出たがっていた、『外の世界』———












「ど〜お?アンタ達はこんな世界に出ようとして必死に頑張ってたのよ?」
「…う、嘘だ!!嘘だ嘘だ嘘だ嘘だあああああ!!!外がこんなことになっているなんて……!!!
 神谷の両親は?!みんなの関係する人は?!神崎の『家族』は?!どこにいるんだよ!!!どこに!!!」
「……不二咲先輩や……学園のみんなは……」
「さぁ?このご時世だし、もう死んじゃってるかもね〜☆」
「そんな…!!」
「ねぇ?もうこんな世界に出る必要なんてなくない?全部が滅びて消えた世界に、帰る必要なんてないわよね?」
「そんな…そんなこと…!!」
「そんなこと、『ないわよね』??」
「……………」


言葉巧みに村上一夜に追い詰められていく。体の芯からそう思っていた。
だめだ。こいつにはもう叶わない。こいつは私達が戦えるような相手じゃないんだ。
私達は、『ここで終わり』なんだ。
誰もがそう思っていた。こいつに勝てるわけないと。
この圧倒的な『絶望』に勝てるわけないと。
このまま崩れてしまえばいいと。絶望に身を委ねてしまえばいいと。





「絶望しちゃいましょうよ?戦うの諦めちゃいましょうよ?終わりにしましょうよ?もう………『未来なんて見なくていい』のよ?






 アンタ達はね………『永久の眠りにつく』のよ!!!!」








そう、彼女の声だけが響いてきた。





なにもかんがえたくない。なにもかんじたくない。



もうだめよ。なにもかもおしまいだわ。



いままでがんばってきたけど。めのまえにたっていたものがこんなにおおきなものだったなんて。



わたしは、わたしは、わたしは、わたしは——————






















暗闇に閉ざされた思考の中で、一人ひっそりと、目を閉ざした。

chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 学級裁判編 ( No.261 )
日時: 2014/03/06 15:53
名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: HyoQZB6O)

——————わたしはいまどこにいるの?







——————あぁそうか、めのまえのてきにあきらめをかんじていたんだっけ。







——————どこにいるんだろう。なにをしているんだろう。







——————なんのためにがんばってきたんだろう。







−−−−−−−−−−−−−−





『おにいちゃん!!がんだむ〜!!』


目の前にぼやけて現れた光景。それは、幸せそうな幼い私の姿だった。
幼い私は隣にいる「おにいちゃん」と、紫のストールを巻いた「がんだむ」と幸せそうに笑っていた。
他愛ない話をしながら、確かに笑っていた。


『どうしたんだよはるこ、はしるところぶぞ?』
『わたしはおにいちゃんとがんだむのいもうとだからころばないもん!!』
『いつおれさまのいもうとになったのだ。お、おれさまはいもうとなどとみとめたわけじゃないのだぞ?!』
『え?でもちいさいころからずーっといっしょだから…もうきょうだいみたいなものでしょ?』
『それもそうだよ!!あ、だったらがんだむがいちばんのおにいちゃんだな!!だっていちばんとしうえだもん』
『ふ、ふふふ、ふははははははは!!!!そうか、おれさまがおまえたちのあにか…。いいだろうはいかたちよ、このおれさまについてくるがいい!!!』
『おーーー!!!』


私は彼をお兄ちゃんと呼んでいた。眼蛇夢はもう一人のお兄ちゃんだった。
お兄ちゃん。私の大事なお兄ちゃん。今どこで何をしているの?どうして勝手にいなくなっちゃったの?どうして……帰ってきてくれなかったの……?
ぼやけが薄くなっていくたびに、そんな思いが脳を埋め尽くすような気がした。



『春子、諦めちゃだめだ』



誰かの声がする。誰?



『もうすぐそっちにつくと思う。みんなを絶望からひっぱりあげるんだ』



無理よ。あんな大きな絶望に立ち向かえるわけないわ。



『俺達なら大丈夫だ。みんなに希望を分け与える、離れ離れになる前にそう誓ったじゃないか!!』



………キミは誰なの……?



『目覚めるんだ。神谷春子。希望を持つんだ。神谷春子。まだ未来は…未来は終わっていないから!!!』



——————あぁ、そうか。キミは………………








『にい、さん……』



謎の声が消えたと同時に、希望ヶ峰学園での一幕が私の脳裏に蘇ってくる。






『神谷さん!』
『どうしたの?咲澄さん。なんだか嬉しそうね』
『えっとね?えーっと…ちょっと良いことがあってさ。何かは言えないけど』
『ふふ、それは良かったわね。…あ、そろそろ次の授業みたいね。また休み時間あったら話しましょう』
『またねーー!!』






私は知っていた。希望ヶ峰学園で過ごしていた楽しい日々を。忘れていただけなんだ。奪い取られていただけなんだ。……いま、こうして記憶のピースが戻ってきている。
——————まだ、『希望』は消えてはいないんだ。






−−−−−−−−−−−−−−




「あ〜あ、ちょっと唆しただけで全員やられちゃったなんて…本当、ツマラナイわ〜。…でも、厄介になる前に戦意喪失してくれてよかった。これで心置きなく殺せるもの」


ふふふと不気味に笑いながら、村上は神谷達生き残りを見回す。その誰もが、彼女と戦う気力を失っていた。諦めていた。
これまでに絶望が強かったのか、それとも神谷達の希望が足りなかったのか。それは誰にもわからない。だが…………
もう、彼らに立ち直る術はない。村上はそう感じていた。そして、懐にしまってあったナイフを6本取出し彼らに狙いを定める。












『後悔するならあの世で後悔することね。ふふ、一瞬の痛みであの世にいけることを幸せに思うのね……!!!』














神谷達にナイフを投げようとした、その時だった。






















『お待ちください。まだ決着はついてませんよ』






















扉から声がした。あの声は、さっきの——————。
思わず振り向いてみる。






『あ、あんた………どうして………!!!』





村上一夜が信じられないという顔をしている。彼は死んだ、爆死させたと繰り返している。
彼の手に持っているものを見て、私も驚愕した。
裁判場には、死んだはずの『モニャンのぬいぐるみ』を抱えた———














『私と同じ髪の色の執事服の男性』が立っていた。





『裁判を再開させましょう。まだ、決着はついておりませんよ』


そう、希望を携えた目を私達に向けて。

chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 学級裁判編 ( No.262 )
日時: 2014/03/09 12:20
名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: J7xzQP5I)

どうしてだろう。記憶には残っていないはずなのに、何故か懐かしい感触が頭の中に入ってきた。
彼は私の『記憶に関係する人物』なのだろうか。いやそんなことはどうでもいい。
なぜ彼がここに来ているのだろうか。確か、私達18人が閉じ込められた最初の日にはいなかったはずだ。
ならば外から助けが来たのか?いやいやそれもない。モノクマは『何があろうとここから出ることは出来ない』と言っていた。じゃあ、彼はいったい…?


「おや、驚いておられるようですね。まさか、あの爆破如きで私を殺せたと勘違いなさっていたのでしょうか」
「だって…黒焦げになってたでしょ…?!あの、神崎満月が羽柴陸斗を殺した朝のこと…!!」
「確かに爆破されましたね。しかし…『それは本当に私だった』のでしょうか?貴方様の用意した殺人計画を読み、こちらで用意させていただいた『ダミー』という可能性は?」
「あの…お取込み中悪いんだけど…あなたは誰なの…?」
「おっと、『こちらの姿』では初めまして、でしたね。



 私の名は『白取幸輔』と申します。あの憎きコロシアイを生き残った人物の1人であり…『モニャン』だった人物です」


『白取幸輔』。確か、世界中の有名な貴族の執事を務め、その仕事ぶりは世界一だと謳われる『超高校級の執事』と呼ばれる人物だったはずだ。以上、私の記憶の書庫より。
白取幸輔といえば、ここで調べた中に名前があったはず。それに…神社で長月さんが読み解いてくれた血文字…あれにも「しらとりこうすけ」と書かれてあったはずだ。
———彼が、モニャン?確かにモニャンは『自分は人間だった』と告げてくれた。
だけど…今こうして人間の姿で現れても、私の脳内が理解するにはしばらく時間がかかった。


「モニャン…生きてたんだね…!!」
「皆様を生かしてここから出すために動いていたのです。おめおめと死ぬことは許されません」
「アタシを…アタシをだましたのねえええええ!!!!」
「何の罪もない神谷様18名を閉じ込め、コロシアイを引き起こした元凶の貴方には言われたくありませんね。最も、私も貴方に改造されていなければそのまま死んでいたのですが」
「し、死んで…。もしかして、コロシアイの最後に『そのコロシアイの黒幕に襲われた』ってこと…?」
「そうです。私は他の5名を逃がす代わりに、攻撃の最後の抵抗を真っ当から喰らいました。そして、死の淵を彷徨っている時…そこの村上一夜に改造され、命を助けていただいたのです」
「じゃあ、どうして敵対してるんだよ…。命の恩人なんだろ…?」
「当たり前です。彼女は私をあの姿にし、『コロシアイをまた引き起こす』と言ってきたのです。
 それに、その『コロシアイ』の正体こそが———」
「『今回のコロシアイ』ってことになるのね…」


白取くんはただ淡々と事実を述べていく。モニャンの時と変わらない、凛とした表情を浮かべ、大きな絶望に立ち向かうように。
彼はゆっくりと歩みを進めていき…神崎くんの遺影をどかして、そこに立った。
「神崎様、お席をお貸しください」そう、呟きながら。
そして、彼は私にこう言ってきたのだった。


「諦めてはなりません。諦めてしまっては…全てが終わってしまいます」
「でも…私にはもう…」
「邪魔しないでよ!!!アンタには関係ないでしょ?!」
「私はモニャンの姿でだんだんと減っていく皆様のお姿を見た時、胸が痛まずにいられませんでした。何故だろう、何故こんなことを彼らはしなくてはならないのだろうと。ずっと自分を責め続けました。
 ですが…『あの時』…。私のダミーが爆破される前の晩の時…。更衣室で神崎様と話をさせていただきました」


村上一夜の言葉の邪魔は続くも、諦めずに彼は真実を述べ続けた。








−−−−−−−−−−−−−−





「…いるんだろ?『白取幸輔』」
「見破っておられたのですか。…神崎様」
「まぁ、な。今までの情報をまとめて、みんなの発言も頭の中で整理していたらその答えに辿り着いた」
「モノクマに…なにか、吹き込まれたのでしょう?」
「そっちもお見通しってやつね。全くモニャンには叶わないよ」
「…それでいて、自らを犠牲にしようと考えておられるのでしょうか」
「……そうしないと、今の状況は打破できないから。
 それに…あいつらなら絶望を乗り越えられるって信じてるから」
「人間は不完全なものです。いつ、折れてしまうか分かりませんよ。それでも…貴方様は、自分の命を彼らのために使うと仰るのですか」
「俺に死んでほしくないわけね」
「当たり前です!!それに…神谷様方だって、こんなやり方は望んでいないはずです!!」



「———俺がDJとして活動を始めたころさ、脇辺さん…『超高校級のピアニスト』って呼ばれた俺のレーベルの仲間からある『少年の話』を聞いたんだ。
 


 『その世界に住んでいた少年は、世界に絶望しながら生きていた。でも、死ぬときは希望にあふれていた。
  そして、その魂は無の世界へと還り、彼は神様として蘇った。
  神様は自分の命を犠牲にしながらも世界を作り、動物に言葉を与え、音楽を与えた。
  彼らは神様の命がすり減っているのに気付かないまま、彼の命の終わりを見届けた。
  彼は自らが犠牲となることで『世界』を守った。彼は世界を救った『音の神』として祀られ、語り継がれていった。』


 …まぁ、ポップルミュージンの中での『少年は空を辿る』ってタイトルの曲になぞらえた作り話らしいんだけどさ」
「貴方様は、今お話しされた『神様』と同じことをなさろうとしているのですね」
「そうじゃない。誰も…もう誰もいなくなってほしくないんだ。だから…その過程で俺の命が費えることになったとしたら、俺は喜んでみんなのために命を差し出す覚悟でいるよ」
「……狂っておられる」
「かもな」






−−−−−−−−−−−−−−





「彼は『強すぎた』のです。だから…彼の覚悟を聞いた時、何とも言えない衝動に襲われました。私が彼の意思を受け継ぎ行動しないと、と。
 ですから…私は皆様に絶望してほしくありません。希望を持って、立ち向かってほしいのです。
 それが…死んでしまわれた皆様の…願いだと思います」
「……どうして……。どうしてキミは希望を持っていられるのかしら…。目の前で死んでいったみんなを見たのは同じでしょ?ならどうして…」
「なぜでしょうね…。私にもわかりません。ですが…『死んでしまわれた皆様がもしここに立っていたら、同じことを申すはずです』。『あきらめるな』と」


彼のその言葉を聞いた瞬間、私の中でなにかが光った。

chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 学級裁判編 ( No.263 )
日時: 2014/03/11 18:04
名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: 3lsZJd9S)

〜学級裁判 再開〜




村上「い、今更そんなこと言ったって遅いわよ…。だって、もうこっちの勝ちは決まってるんだから。なんせ、そこの6人が絶望してるじゃない!!!」

白取「本当でしょうかね?…少なくとも、『彼女』はそうではないと思われますよ」

神谷「(私は……)」

村上「彼女?いいや、アンタの思い通りにはさせない。世界は絶望が支配するのよ…!!」

神谷「(……でも……私は……)」

東条『神谷ちゃん!!諦めんな!!!神谷ちゃんはこんなところで絶望に押しつぶされるような人間じゃねえだろ!!!』

神谷「(東条、くん……?)」

立花『私達は一緒にはいられない。戦えない。でも…神谷さん達と同じ、仲間よ。同じ目的を持った仲間よ。それを忘れないで!』

影浦『ふん。それだからお前らは低俗だというんだよ。だが…このまま朽ち果てても何の変化もないだろう。抗ってみせろ、神谷』

雨宮『神谷ーーー!!!くるみの声が聞こえてるなら頑張れーーー!!!くるみはいつでも神谷の味方だからなーーー!!!』

神谷「(立花さん……影浦くん……雨宮さん……)」

花岸『負けないでください。絶望に、押しつぶされないでください。わたくしのように…ならないでください。絶望は、後悔しか生みません!!!』

長月『神谷さんは一人じゃないわ。冥雅君やみんながいる。ここにはいないけど…私達もいる。大丈夫、あなたならきっとやれる』

豊島『神谷の取り柄、ここで折られちまっていいのかよ?お前はどんな絶望からも目を背けずに頑張ってきたじゃんか。その希望で、前に進むんだよ!!!』

神谷「(花岸さん……長月さん……豊島くん……)」

佐藤『はるちゃんは素敵なはるちゃんだから、絶対に負けるわけないじゃん!大丈夫、あたしが保証するって♪ だから…絶対に諦めちゃダメ。あたし達も応援するからさ!』

シオン『どんなに小さな希望でも、一人一人の希望が小さくても…それが募れば、大きな絶望にも立ち向かっていける。僕はそう信じています。諦めては駄目です、神谷さん』

羽柴『どんな困難があってもよォ。みんなで立ち向かってきたじゃねェか。お前らにはその力がある。勇気がある。絆がある。だから…負けんな。俺達の志も…貸してやっからよォ』

神谷「(佐藤さん……シオンくん……羽柴くん……)」

東雲『神谷。あたし…あんたの言う通りにすればよかった。今、そう思うよ。だけど、もう時は戻らねぇんだ。今こんなことをいうのもなんだけど。あたしはあんたを信じてる。絶望を打ち破れるって信じてるから』

神崎『…………』

神谷「東雲さん……。神崎くん……。どうして、みんなここにいるの…?どうして、自分の教壇に立ってるの…?」

神崎『なんで、だろうな…。みんなの諦めない気持ちと、神谷の希望が共鳴を起こして反応した、とかかな』

神谷「なにそれ。非科学的だわ」

神崎『非科学的だからこそ出来ることだよ。だから、俺達が最後の力を振り絞ってここに現れたんだろ?奇跡とも言えるんじゃないかな』

神谷「『超高校級のDJ』の名前が聞いて呆れるわね」

神崎『空想の世界に溶け込んでこそ音楽は深みを増す。俺の恩人の言葉。…まぁ、妄想族ととられてもしょうがないんだけどさ。でも…みんなの言いたいことは分かったろ』

神谷「諦めるなって…負けるなって…。だけど…こんなに大きな絶望…私乗り越えられない…!!」

神崎『だからって途中であきらめてどうするんだよ。命を賭してここまで来た白取の努力も無駄にする気?』

神谷「そ…それは…」

神崎『だからさ。神谷。無理に戦おうとするな。お前さんは自分の信じた道を進んでいけばいいんだ。大丈夫、そうすればきっと未来は見える。俺が保証するよ、幽霊の保証なんて新しいだろ?』

神谷「自分の信じた道を進む…」

神崎『神谷は冥雅達と一緒にこの街を出ていきたいんだろ?だったら、まずはみんなを絶望から引っ張り上げないとな』

神谷「でも…どうやって…」

神崎『『ここ』を信じるんだよ。それくらい、お前さん達の絆は強く、固く、大きくなってるんだ。大きく脆い絶望なんかよりずっと…な。俺も協力してやっから。まずは…目覚めて前を見ろ。【未来を信じるんだよ】』

神谷「神崎くん……。死んだあとでも、助けられてばかりね…。そこまでいうなら信じてみようかな、キミのこと。最後まで戦ってくれるキミ達を…信じるわ!!!」










『それに…賛成するわ!!!』
【未来を信じるんだよ】←『絆』







    同      意










神谷「白取くん…。私、やっと目覚めたわ。ここにいるみんなと一緒に…白取くんも一緒に…この街を出ていく。私は『絶望なんかには負けない』!!」

白取「神谷様…。はい、私も協力いたします!!」

村上「なっ…?!どうして…どうして神谷春子から大きな希望の力が…!!絶望に染めたはずなのに…どうして…どうして…!!!」

神谷「今から分からせてやるわよ。絶望に飲まれてしまったあんたに、私達の『絆』って力をね!!!」

冥雅「…………」

白戸「…………」

秦野「…………」

安西「…………」

星野「…………」

村上「あんた一人…たかが2人ぽっちの力で絶望を振り払えると思ってるの?!」

神谷「私達は一人じゃない。みんなが…共に戦ってくれるみんながいるわ!!
   (みんなを…絶望から…目覚めさせましょう!!!)」


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58