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ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜【完結】
日時: 2014/05/06 19:04
名前: ランスロット (ID: QNd6qtAW)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=26534

どもです、はじめまして。ランスロットと申します。
この作品は、「ダンガンロンパ」のオリジナルシリーズとなります。
他の作者様方みたいに、「この小説」では超高校級の生徒達は募集いたしません。
この作品と「繋がりのある」シリーズを投稿した際に、募集をかけたいと思います。どうかご了承をお願いいたします。


原作の、スーダン及びゼロのネタバレが出てくるので、ネタバレが嫌な人はブラウザバック推薦です。
なお、原作のキャラは「モノクマ以外は」出てきません。原作キャラを「模したアイテム」は出てくるかもしれません。
ちなみに、作者が好きなキャラは石丸クンと田中クンです。


軽くキャラ紹介を挟み、本編へと参りたいと思います。
小説なんてほとんど書いたことがない初心者なので、文章に矛盾があったり、推理が強引だったり、トリックが雑だったりしますが、温かい目で見てやってください。どうかお願いします。

感想・ご意見などがございましたら、ぜひ書き込んでください。お願いします。

※作者の体調不良が続くため、更新がやや遅くなるかと思われます。ご了承をお願いいたします。


(10/10追記)500参照!!ありがとうございます本当にありがとうございます(土下座)
これからもダンガンロンパFをよろしくお願いします!!

(10/29追記)せ、1,000参照ですか?!ありがとうございます本当にありがとうございます!!
まさか参照数が4桁超えるなんて…。凄すぎますよ本当に!!
これからも、ダンガンロンパFをよろしくお願い申し上げます!

(11/22追記)せ、1,500参照突破しましたよ奥さん!こんな駄文に付き合ってくださっている皆様本当にありがとうございます…orz
これからもどうかよろしくお願いします!

(12/7追記)に…2,000突破…。本当にありがとうございます…orz
ここまで来れたのも皆様のおかげです。これからもよろしくお願いします!

(12/26追記)2,500突破おめでとうございます!ありがとうございます!まさかここまで付き合ってくださっている皆様がいるなんて…!本当に感謝したりないです…。
これからもよろしくお願いいたします!

(1/18追記)3,000突破ありがとうございます…。どれもこれも皆様のおかげでございますアブアブアブ…←
これからもどうかよろしくお願いいたします!

(1/29追記)さ、3,500突破ありがとうございます!!これも皆様のおかげでございます…。
物語も終盤に入ってきましたが、どうかお付き合いくださいませ。
これからもどうかよろしくお願いします!

(2/8追記)ぎ、ぎにゃああああああああああ4,000参照突破ですかああああああ?!本当にありがとうございます!!
これからもよろしくお願いいたします!

(2/16追記)4,500突破しました!!ありがとうございます!!これからもダンガンロンパFをよろしくお願い申し上げます!!
ま、まさかここまで来れるとはなぁ…。しかも間隔短くなってる気がするから…読んでくださる作者様増えていらっしゃるのですよね?う、うれしい…。

(2/23追記)5,000突破しましたウワアアアアアアアアア(泡吹いて気絶)
ほ、本当にありがとうございます!!これからもどうかよろしくお願い申し上げます!!

(3/6追記)5,500…突破です!!!ありがとうございます!!!
これからもよろしくお願いします!!!

(3/17追記)6,000突破…だと…?!おいどういうことだ説明しろ苗木!!← 冗談ですww
まさかここまで読んでくださっている方がいることに驚きの連続でございますwww 本当にありがとうございます!!

(3/26追記)まさかの6,500突破でございます!!ありがとうございます!!
1章は無事完結いたしました。ポップンロンパ、F神崎を通して2章へと進んでいこうと思います。是非そちらもお願いいたします!!


目次になります。
読みたい話数が分からない際にどうぞ。

chapter00 〜絶望職場体験・スタート〜
>>5 >>6 >>7 >>8-12 
>>14-15 >>18-20

chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 (非)日常編
>>22 >>23-24 >>26-30 
>>31 >>32-33 >>34-35

chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 非日常編
>>36-37 >>40 >>44-45 >>46

chapter01 〜!ロエコリノヲシ〜 学級裁判編
>>47-48 >>49-50 >>53 >>56(おしおき編)
>>57-58

chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 (非)日常編
>>60 >>61-62 >>63 >>67-68
>>69-71 >>72-73 >>74-75

chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 非日常編
>>76-78 >>81

chapter02 〜モウ一度俺ニ愛ヲ下サイ〜 学級裁判編
>>83-84 >>85-86 >>87 >>91(おしおき編)
>>95-96

chapter03 〜We are so Zetsubou〜 (非)日常編
>>100 >>103-104 >>105-106 >>108-109
>>110-111 >>112 >>115-117

chapter03 〜We are so Zetsubou〜 非日常編
>>118-120 >>122 >>124

chapter03 〜We are so Zetsubou〜 学級裁判編
>>125 >>128-130 >>131 >>135(おしおき編)
>>138-140

chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 (非)日常編
>>142 >>147 >>150-151 >>154-155
>>159-162 >>163

chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 非日常編
>>164-166 >>169

chapter04 〜大モノクマ帝国倶楽部〜 学級裁判編
>>173-174 >>175-176 >>182 >>183(おしおき編)
>>188 >>191

chapter05 〜キオクのウタ〜 (非)日常編
>>193 >>194 >>195-196 >>199-200
>>203-204 >>211 >>213-214 >>215-216
>>217-218

chapter05 〜キオクのウタ〜 非日常編
>>219-221 >>222

chapter05 〜キオクのウタ〜 学級裁判編
>>224-225 >>226-227 >>228-229 >>232(おしおき編)
>>233-234

chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 非日常編
>>236 >>237-238 >>239-242 >>243-244
>>246-248 >>249

chapter06 〜叫べ!希望の彼方へ〜 学級裁判編
>>252-255 >>258 >>260-262 >>263-267 >>268

chapter Epilogue 〜サヨナラ、モノクマシティ〜
>>282-283

キャラクター紹介編 〜モノクマの部屋〜
第1回「神谷春子」 >>13
第2回「冥雅雪斗」 >>21
第3回「村上一夜」 >>25
第4回「chapter01被害者」 >>41
第5回「chapter01総評・解説」 >>59
第6回「chapter01クロ・企画お知らせ」 >>64
第7回「chapter02被害者」 >>82
第8回「chapter02総評・解説」 >>99
第9回「chapter02クロ」 >>107
第10回「chapter03被害者その1」 >>121
第11回「chapter03被害者その2・記念企画お知らせ」 >>123
第12回「chapter03総評・解説/予想・人気投票お知らせ」 >>141
第13回「chapter03クロ」 >>156
第14回「chapter04被害者」 >>172
号外「これは凄いことだね!名誉だね!」 >>181
第15回「chapter04総評・解説」 >>192
第16回「chapter04クロ」 >>206
第17回「chapter05被害者」 >>223
第18回「chapter05総評・解説」 >>235
第19回「chapter05クロ」 >>245
第20回「ネタバレ1」 >>256
第21回「chapter06総評・解説」 >>269
第22回「生き残りその1」 >>270
第23回「生き残りその2」 >>271
第24回「生き残りその3」 >>272
第25回「生き残りその4」 >>273
第26回「モニャン/ネタバレ2」 >>274
EXTRA「黒幕」 >>279
第27回「あとがき」 >>284
号外2「超高校級の日常に参加している小説紹介」>>288

※本日より上記URLより外伝小説『僕達委員トリオ!』にジャンプするようになりました。
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chater01 〜!ロエコリノヲシ〜 ( No.34 )
日時: 2013/10/03 16:56
名前: ランスロット (ID: n/zTC2pa)

…モノクマに殺し合いを強要されてから、今日で4日目。
私は、まだ昨日の映像のことを思い出せなかった。
家族がおらず、家が壊されている状況…。信じたくなかった。
嘘だと思いたいのだ。…でも、心のどこかで「そうなのではないか」という考えが渦巻いている。
私は気だるい身体を無理に起こし、食堂へと向かった。
…案の定、朝食会の集まりは悪かった。


「おはようございます、神谷さん。昨日は散々でしたね…」
「えぇ。せっかくみんなが一つになってきたのに…」
「…モノクマの野郎、妙なタイミングでとんでもないもの仕掛けていきやがったなァ」
「私、今でも信じたくないわ…」


参加している数人も、昨日の出来事を振り切ったわけではなさそうだ。


「…ですが、この出来事がきっかけで、起きてはならないことが起こってしまうかもしれません」
「それって、『誰かが誰かを殺す』こと?」
「はい。起きないのが一番いいのですが、もしかしたら、ということもあるかもしれません。今まで以上に、仲間を信頼することが大切になってきますね」
「でもよォ、この状況で普通に話しかけられる奴なんて誰一人いないと思うぜェ…」
「…最悪の出来事が怒らないでほしいわね」


私は、ありったけの気持ちを込めて、そう呟いた。
そして、夕方。私は東条くんに呼ばれて、街内のカフェに来ていた。


「東条くん、どうしたの?」
「…実は、話しておきたいことがあってさ」
「何?」


東条くんはいつものようなナンパをしない。
彼も、あの映像を見てそれどころじゃないのだろう。


「俺、悪いことしたかな…?」
「え?」
「今日の朝から、立花に妙に避けられてる気がするんだよな。気を取り直して、いつもみたいに白戸ちゃんをデートに誘ってたんだよ」
「……」


前言撤回。東条くんは東条くんでした。
でも、立花さんに避けられてる…。やっぱり、昨日のことが原因なのかしら。


「でも、立花は俺を見ても何も言わなかったんだよ。いつもなら「なにナンパしてるのよ!」って耳を引っ張るだろ?」
「…きっと、立花さんも昨日のことを気にしてるのよ」
「それだけじゃねえんだよ…。俺だけじゃなくて、白戸ちゃんのことも、昼に話してた豊島のことも無視してるんだよ。あいつ」


自分のせいで白戸さんや豊島くんに迷惑をかけてしまった。
だから、その原因を聞きに立花さんと話がしたい、と彼は言っていた。
彼なりの、謝罪、だという。


「でも、いざ行こうってなるととても怖くてよ…誰かに話を聞いてもらいたくなったんだよ」
「だから、私を呼んだのね?」
「…ごめんな神谷ちゃん。こんなくだらねーことに巻き込んじまって」


ううん、と私は首を振る。
東条くんは自分のしてしまったことを知りたいと思ってる。それで、私に助けを求めてくれた。それだけで私は嬉しかった。


「じゃあ、明日立花さんに話を聞きに行きましょうよ。私も一緒に行くから」
「本当か?!」
「うん。立花さんにも、早く元気になってもらわなくちゃ。それに、東条くんが困ってるんだもの。助けないわけないでしょ?」


東条くんは涙を浮かべてありがとう、ありがとうと私の手を握ってきた。
…モノクマ、見てる?人は、絶望しても立ち直れるのよ。一人では無理でも、人が集まれば、絶望なんて振り払えるんだから。
明日の朝食会後、立花さんの部屋に行く約束をして、私達は別れた。


そして、その日の夜。夕食が終わって、部屋に戻ろうとしていたところである。


「神谷さん!」
「白戸さん…。キミ、もう大丈夫なの?」
「心配かけてごめんね…。大丈夫、とは言えないかもだけど…。これを見つけて、ちょっとだけ気分が落ち着いたの」


そう言って彼女はDVDケースを取り出す。
どうやら、ついさっき部屋に戻ったら机に置いてあったらしいのだ。
「名探偵竺三郎 密室殺人の謎」というタイトルの映画のようだ。


「これ、私が初めて監督を務めた作品なの」
「えっ?!」
「そのころの私はきっと頑張ろう、って思っていたんだろうな…って思ったら、今の自分が恥ずかしくなってきて。みんなも同じなのに、私だけ怯えていたらダメだよね」
「白戸さん…」
「今から見ようと思うんだけど、神谷さんも一緒にどう?」
「ええ。もちろんよ」


私達は互いに会話を交わし、ロビーで映画を見た。
彼女の作品は…なんというか、切れがあって凄い作品だった。
隣で一生懸命映画を見ている、小さい女の子が。こんな作品を作れるなんて…。
改めて、彼女の才能のすごさを実感した。


「…どうだった?」
「王道のストーリーだったけど、とても後味のいい終わり方だったわ。とても面白かった!」
「良かった…!」


感想を述べ、私は時計を見る。もう午後の11:30…夜時間になっていた。


「もう夜時間ね…。明日起きられなくなるといけないわ、もう戻りましょう」
「うん。神谷さん、また明日ね」
「ええ。おやすみなさい」


そう言って白戸さんと別れ、私は自分の部屋に戻った。
そして、今日起こったことを噛みしめながら、眠りについた。

chater01 〜!ロエコリノヲシ〜 ( No.35 )
日時: 2013/10/03 17:35
名前: ランスロット (ID: n/zTC2pa)

『希望ヶ峰学園職業体験実行委員会がお知らせします。オマエラ、おはようございます。朝です。朝ですよー!今日もはりきっていきましょー!』

…あれ、もう朝なんだ。
今日は東条くんと一緒に、立花さんに話を聞く約束をしている。
遅れてしまえば彼に申し訳が立たない。
私は急いで支度を済ませ、食堂へと向かった。
食堂には既にほとんどの人が集まっていたが…東条くんがいない。


「おはようございます、神谷さん」
「はるちゃん寝坊〜?珍しいね!」
「…ねぇ、東条くんは?」
「あいつのことだし、まだ寝てるんじゃね?」
「それはいけません!起こしてきます」


花岸さんは食堂を去り、東条くんの部屋へと向かった…のだが。
すぐに戻ってくることになる。


「…東条さん、部屋にいませんでした…。辺りも探してみたのですが、どこにもいないのです」
「…え?!」
「それって…どういうことだよ」
「鍵空いてるんだし、トイレとかかもよ」
「…いや、それはないと思うわ。トイレなら花岸さんとすれ違うと思うし」
「……じゃあ……東条はどこに……?」


急に、嫌な予感が私の中をよぎった。
なんだろう…頭が、脳が、危険信号を送っている。
そして、その危険信号は、ある一つの考えに行き着いた。
…東条くんに何かあったんじゃ……!!!


「神谷!!!」


冥雅くんの静止を振り切り、私はホテルを飛び出した。
危険信号が、嫌な予感が、強まる。
私は街の中を走り回った。…そして。
数日前とは雰囲気が違う一つの店を見つけた。


『フラワーショップ ジュネス』


頭の中の危険信号が、そこで、より強まった。
すると、後ろで声がした。
振り向いてみると、そこには冥雅くん、神崎くん、シオンくんがいた。
きっと、私を追ってきたのだろう。


「神谷!急に出ていくなんてどうしちゃったんだよ」
「…ここに、何か…嫌な予感がするの…」
「嫌な予感?」
「ですが…ここはいつも通りの花屋だと思うのですが…」
「…入るわよ」


私は花屋の扉を開く。
前に来た通り、カランカランと鐘の音がする。
…そこまではいつも通りだった。
…でも。


「あの、どうなってるんですか…?」
「ねぇ…どうして…?」
「……起こって、しまったのか」
「……東条、くん……」


花屋は荒らされていた。
そして、散らばった鉢植えや花の近くに。
「彼」は、いたの。
今日約束したじゃない。立花さんに話を聞くって言ってたじゃない。
私は絶句した。そこには……




『超高校級のスキーヤー』東条健悟くんの、変わり果てた姿があった。




「……あぁ……!!!!」
「神谷…」
「ああああああああああああ!!!!!!!!!!」



『死体が発見されました!死体が発見されました!一定時間の自由時間の後、学級裁判を行います!
 もう一度、お伝えします!死体が発見されました!死体が発見されました!』


私の耳には、モノクマの、明るい声だけが響いていた。





<死亡者>
「超高校級のスキーヤー」東条健悟
花屋で発見。
何者かによる、スキーストックによる刺殺だと思われる。


<生き残りメンバー> 残り:16人
「超高校級の知識」神谷春子
「超高校級の幸運」冥雅雪斗
「超高校級の着ぐるみ職人」雨宮くるみ
「超高校級の女形」影浦凍耶
「超高校級のパティシエール」安西桃花
「超高校級のDJ」神崎満月
「超高校級の弓道部」花岸美那子
「超高校級のディーラー」シオン・スカーレット
「超高校級のマジシャン」佐藤かがみ
「超高校級の映画監督」白戸佳織
「超高校級のダンサー」豊島未来
「超高校級のバイトマスター」立花実貴
「超高校級の科学部」羽柴陸斗
「超高校級の図書委員」長月舞子
「超高校級のハッカー」秦野吟也
「超高校級の美化委員」星野梓沙


chater01 〜!ロエコリノヲシ〜 (非)日常編 END

chater01 〜!ロエコリノヲシ〜 非日常編 ( No.36 )
日時: 2013/10/04 19:05
名前: ランスロット (ID: 5p/ciDZ4)

モノクマの放送に驚いたのか、花屋には続々と他の仲間がたどり着いていた。
そして、変わり果てた東条くんを見ては、各々の反応を見せた。
青ざめて叫ぶもの、俯くもの、東条くんの死に心を痛めるもの——。
東条くんの死は、私達に暗い影を落とした。



「ねぇ、なんで東条くんが死んでるの…?」


東条くんがよくナンパしていた、白戸さんが涙を流してそう言った。
白戸さんはナンパされて、というか彼に話しかけられて嬉しかったのだろう。そうでなければ、あんなに泣くことは出来ない。


「そりゃあ、モノクマに殺されちまったんだろ…?」
「いやぁ、ボクは殺してませんよ?」
「うわああああ?!」


目の前に、急にモノクマが現れた。
そして、東条くんの亡骸を見ては、うぷぷ、と軽く笑った。


「やっと楽しくなってきたね!」
「何を言っているんですか!人が死んでいるんですよ?!」
「だってぇ、絆とか希望とか言って一丸となったその時に、こうして東条くんが殺されたんだよ?楽しい以外の何物でもないでしょっ!!」
「どうせ、東条くんも村上さんみたいにあんたが殺したんでしょ?!」
「いいやぁ、ボクは殺してませんよ〜。責任転換も甚だしいなぁ〜。殺したのは、オマエラのうちの誰かだって」


モノクマは私達の顔をなめまわしながらそう言う。
…私達の誰かが殺した?…誰が殺したの?
信じられなかった。いや、信じたくなかった。


「ちゃんと監視カメラでばっちり見ていたから、嘘はついてないよ!それに…規則をちゃんと守る子を罰することはボクはしません!」
「……じゃあ……誰が東条を……」
「うぷぷ…。それは、今からみんなで決めるんだよ」
「…どういうことだ?」
「さて、オマエラは校則は覚えていますか?」
「ここで暮らすために守らなければいけない校則の六番目…。
 『仲間の誰かを殺したクロは卒業となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません』…だったか」
「そうなのです。そこで、オマエラには東条くんを殺した犯人を見つけてもらうために、学級裁判に参加してもらいます」
「学級、裁判…?」


怯えながら安西さんが呟く。
モノクマはそう、と一言だけ言って、話の続きを語り始めた。


「誰かを殺した生徒だけがここから卒業できる、とは開催式に説明した通りです。しかし、その際に守ってもらわないといけない約束があったよね?」
「…『自分が殺したことを誰かに見られてはいけない』という項目だな」
「そうです。ただ殺すだけじゃダメ。他の生徒にバレないように殺さないといけないのです。それで、その約束がちゃんと出来てるかどうか、査定するシステムとして、殺人事件が起きた一定時間後に、『学級裁判』を開くことにしましたっ」
「…しました、だって?」
「だって、ただ単に多数決で決めちゃったらツマラナイでしょ?外にいる皆さん的にも盛り上がりに欠けるからね」
「外にいるみんな…?一体誰のこと?」


私はふと頭に浮かんだ疑問をモノクマにぶつけてみる。
しかし、モノクマはそれを華麗に無視し、言葉を続けた。


「さて皆さん。今回の学級裁判の議題は、『東条健悟クンを殺した犯人は誰か?』です。
 学級裁判では、殺人を犯した『クロ』、そしてそれ以外の『シロ』との対決が行われます。
 学級裁判で身内に潜むクロをオマエラに議論してもらい、その結果は最後に行われる投票により決定されます」
「とう、ひょう…?」
「そう。そこで、オマエラが導き出した答えが正解だった場合、秩序を乱した『クロ』だけがおしおきされますので、他の皆さんは共同生活を続けてください。
 ただし、もし間違った人物を『クロ』としてしまった場合は……。
 罪を逃れた『クロ』だけが生き残り、残った『シロ』全員がおしおきされます」


淡々と述べられる学級裁判の事実に、私達は何も言えずにいた。
…その沈黙を破ったのは、あまり動揺していないシオンくんだった。
普段から慣れているのだろうか。彼はいつも通りのポーカーフェイスを崩さずこう言った。


「モノクマさん。『おしおき』とは、どういうものなのでしょうか」
「おしおき…?それはね、『処刑』だよ、『ショケイ』」
「しょ、処刑?!」
「うん、処刑。あ、ちなみに処刑の内容としては、
『自分の黒魔術で召喚したモンスターに喰われる』とか、
『黒猫ダンジョンの最終面でステージのトラップに引っかかる』とか、
『城の一部に縛り付けられて、沼まで落とされる』とか、
バラエティ豊かなラインナップとなっております!」


「…つまり、『犯人を突き止められれば犯人だけが処刑』。『犯人を突き止められなければ、犯人以外の全員が処刑』ということになるのかしら」
「そうです。神谷さんは相変わらず賢いね!ついでに、付け足すと犯人を突き止められなかった場合、共同生活は強制終了となります」


モノクマはこほん、と一回咳をして、みんなを向き直した。


「以上が学級裁判の、ルールなのです!!今でいう、『裁判員制度』みたいなものなかのかな?ただし、判断は慎重にしてくださいね。なんたって、オマエラの命がかかっているんだから。今のことは校則に追加しておくから、後で確認するようにね!」


そう言ってモノクマは捜査頑張ってね〜、とだけ言い残し、花屋を去って行った。
…私達が生き残るためには、東条くんを殺した犯人を突き止めなければならないのね…。
裁判なんてやりたくない。でも、そんなことは言ってられない。


…気持ちを、強く持たなくちゃ。
東条くんを殺した犯人を…見つけなくちゃ。

chater01 〜!ロエコリノヲシ〜 非日常編 ( No.37 )
日時: 2013/10/05 13:19
名前: ランスロット (ID: cKFXF7i4)

「でもさぁ、捜査っていってもどこから始めればいいのかなぁ?」


…そういえばそうだ。私達は、みんな揃いも揃って捜査に関しては素人だ。
こんな時、「超高校級の警察官」とか、「超高校級の検事」とかの才能を持っている人がいればいいんだけどなぁ。
でも、ないものねだりをしてもしょうがない。気を取り直し、まずやることを考え始めた、その時だった。
私達の目の前に、モニャンが現れた。


「モノクマ様からの伝言でございます。伝え忘れたことがあるそうです」
「伝え忘れたこと?」
「えぇ。『オマエラは捜査に関しては素人同然だと思うので、優しいボクが捜査に必要な情報をまとめておきました。その名も……』」



『ザ・モノクマファイル〜!!』


モノクマの真似をしたモニャンがいつにも増してシュールだった。
雨宮さんは「うぉぉぉぉ、ドラ○もんなのだ!!」と興奮している。


「皆様の電子生徒手帳にファイルの項目を追加なされたそうなので、後で見てみてください、とのことです」
「それを頼りに、犯人捜しをしろってことかよ…」
「では、健闘を祈っております」


そう言って、モニャンはホテルに戻って行った。
理不尽なルールに戸惑っている私達と、二度と動かなくなった東条くんを残して。


「…お前ら、何を突っ立っているんだ」
「影浦…」
「さっさと捜査を開始するぞ。…結局、仲良しごっこを続けていても殺し合いは起きたのだからな」
「…うん」


影浦くんの言っていることは、正に正論だった。
私達は、ここで立ち止まっているわけにはいかないんだ。


「まずは何をすればいいの…?」
「見張りを用意しましょう。犯人が証拠隠滅を図らないように」
「でも、その見張りが犯人だった場合はどうするんだよ?証拠を隠滅されたら、犯人を見つけられなくて俺たちお陀仏になるぞ?」
「じゃあ、見張りを二人用意しましょう。それなら犯人だったとしても証拠隠滅は出来ない。…誰か、やってくれる人はいないかしら」


私はみんなを見渡す。
…やっぱり、みんな見張りなんてやりたくないわよね…。
そう思っていると、二つの手が上がるのを見て取れた。


「俺、見張りやるかなァ。東条の検死も担当していいかァ?」
「羽柴くん、検死が出来るの?!」
「あァ。人を治す薬を作るには、人間の中身を分かッてないとやッてらんねェからなァ。ある程度だけど、任せろ」
「ありがとう、助かるわ」


一人は、羽柴くん。
どうやらそういう関係の実験もしたことがあるらしく、検死も担当してくれるみたい。
…心強い見張りを得たわね。


「…私も、見張り、やります。怖いけど…」
「白戸さん…」
「東条くんは、私なんかを構ってくれた…。だから、私も東条くんのために何かしたいの。羽柴くんみたいに捜査は出来ないけど、それでもいいなら…」
「いいえ、ありがとう。頼んだわ、白戸さん」


もう一人は、白戸さん。
自分は何もできなかったから、せめて見張りはさせてほしいとのことらしい。


白戸さんと羽柴くんは互いに頷き、東条くんの死体の前に移動する。
そして、私の指示に続くように花岸さんが言った。


「皆さん、この状況なのでお互いのことを信じられないかも知れません…。しかし、まるっきり信じないのでは問題は解決しません。こんな時こそ、皆さんで協力して事件を解決しましょう」
「えぇ…。東条くんの、為にも」
「ふん。俺は一人で捜査させてもらうぞ。この中に人殺しがいるんだ。そいつと一緒に行動することになったらたまらんからな」


影浦くんはいつもの調子で、花屋を出て行ってしまった。
…でも、捜査に協力してくれるのはありがたいわ。今はそう思っておくことにしましょう。


「出来るだけ単独行動は避けて、情報を多く集めてください。些細な情報でも、解決の糸口になるかもしれません。とにかく、情報を集めてください」
「おう!」
「やりたくないけど、やるしかないのよね」
「…本当にこの中に犯人がいるの?あたしまだ信じられない…」
「でも、見つけなきゃそれ以外が全員殺されるんだ。…見つけるしか、ないんだ。東条を殺した犯人を…」


そう言って、みんなは捜査に向かった。
私の隣では冥雅くんが「俺も頑張るよ。東条のためにも、神谷のためにも」と言っている。どうやら一緒に捜査をしてくれるようだ。
…間違えたら私達が死ぬ。…思い起こすだけで悪寒がする。
…だけど、逃げてはいられない。やらなくちゃ。
…生き残るためにも。東条くんのためにも…。

Re: ダンガンロンパF 第1章 〜希望の知識と絶望の運命〜 ( No.38 )
日時: 2013/10/05 17:25
名前: 藍紅  ◆jqzZxVcA6Q (ID: bIwZIXjR)

オリキャラ投稿してくださってありがとうございます!
小説をお書きになっておられるとの事なのでコメントにしやってまいりました!

一通り読んだのですが、オリキャラが個性的で
とても面白いです!
続きを楽しみにしています!


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