..盆踊り。 作者/桃花

 When I want to meet and am hopeless
 ( 逢いたくてどうしようもない時 )

 I surely understand it if I look up at the sky
 ( 空を見上げればきっと分かる )


【3】三話



「はぁー……香奈枝。大丈夫だろうか……元気、ではないけど元気かなあ」

 啓は今学校にいた。昨日のことを思い出しては、しょげて、また思い出してはしょげているのだ。

 ピンッと後ろからふいに誰かがでこピンをしてきた。

「いってーなっ! 誰だよ!」

「へへっ、私だよお! 何しょげてんの? 啓らしくないなぁ」

 と、舌をだして笑っていたのは、麻倉 葵。

 彼女には誰にも言ってない秘密があった。それは―

「おい! 今はでこピンなんかはやってないぞ?」

「べーだ! 流行らなくてもやってもいいでしょ」

 彼女は啓のことが……。


   好 き な ん だ 

 麻倉 葵が、啓の恋の成功を邪魔する人物かもしれない。

 幼稚園からのくされ縁を運命だと思っている勘違い大魔王。

 この新たな人物が啓と香奈枝に何をするかもわからない……。